今回の記事はVRヘッドマウントディスプレイ「HTC VIVE」について深くご紹介していこうと思います。

「そもそもHTCとは何か?」、「ヘッドマウントディスプレイの購入を考えている」、「HTC VIVEは何ができるのか?」などの疑問にお答えします。

この記事を読んで、HTC VIVEの特徴を理解したうえで購入を検討していただければと思います。

それでは早速見ていきましょう!

|そもそもHTCとは

出典:https://www.htc.com/jp/

HTC(HTC Corporation/宏達国際電子股份有限公司)は、台湾に本社を置くスマートフォンメーカーです。

主に下記の製品の開発事業を展開しています。

・スマートフォン

・タブレット

・アクセサリ

・VRヘッドマウントディスプレイ

・VRヘッドセット

世界で初めてのAndroid端末「HTC Dream」を販売したメーカーでもあり、Appleに並びスマートフォン普及の一役を担っていました。

しかし、現在のHTC製のスマートフォンの世界シェアは1%を切っており、2018年にはGoogleによってスマートフォン部門が部分的に買収されました。

主な理由としては近年のHuaweiなど中国スマホメーカーの台頭が挙げられます。

現在、事業の大半はVR関連にシフトしており、その中でも今回紹介する「HTC VIVE」の製品、VR事業に注力しています。

VRヘッドマウントディスプレイについては特に高い評価を得ており、2018年第3四半期には、ケーブルタイプのVRヘッドセットの世界シェアは約21.3%となっています。

スマホ事業ではかなり低迷しているHTCですが、VR関連事業では順調に規模拡大を行っています。

|HTCのVRゲームサービス

HTCは無制限VRサブスクリプションサービス、「VIVEPORTインフィニティ」を提供しています。

数百作品ものVRゲームやアプリ、動画を利用できるプレミアムサブスクリプションサービスとして話題となっています。

インフィニティのサブスクリプションに申込むと、

・人気のVRゲームとアプリを無制限アクセス

・限定特典&プロモーション

・最新アプリをプレイ可能

というかなり手厚い恩恵が受けられます。

月額1,500円で利用可能で、毎月新タイトルがリリースされているので、幅広くVRコンテンツを楽しみたい人にピッタリのサービスです。

HTC VIVEはもちろん、Meta QuestやWindows Mixed RealityなどHTC製品以外のヘッドマウントディスプレイでも楽しむことができます。

|HTC VIVEとは

HTCとValve Corporationとの共同開発により、2016年4月5日に発売されたバーチャル・リアリティヘッドセット(VRヘッドセット)です。

既存のVRヘッドセットとは異なりセンサーにより部屋そのものを3D空間へと取り込む”ルームスケール”を目指して開発されており、ユーザーを仮想世界に自然に触れさせるとともに、周囲を歩き回ったり、手の動きを表現可能なコントローラーによりオブジェクトを操作できたりするという特徴を持っています。

上記により没入感の高いVR体験ができます。

日本では、PMDA(医薬品医療機器総合機構)から正式に医療機器として認められ、「ゲームをこなすこと」で姿勢バランスと認知処理能力の改善があるとして「modiVRカグラ」という商品に利用されています。

|HTC VIVEのラインナップ

そんなHTCから発売されているヘッドマウントディスプレイはVIVEだけではありません。

HTC VIVEにも様々な種類がありますので、そのデバイスもここで一気にご紹介します。

VIVE Flow(没入型VRグラス)

出典:https://www.vive.com/jp/

まず一つ目はVIVE Flowという商品です。

一人ひとりを心地よい状態に導くために作られた没入型VRグラスになっています。

ウェルビーイングをコンセプトに開発されています。

マインドフルネスの向上や瞑想、集中、ブレイントレーニング、リサーチ、作業、エンターテインメントを体験することが可能になっており、もちろんVRの大画面でお気に入りの映画やドラマを見ることも出来ます。

持ち運べるほどの超軽量化が成功しており、スマートフォンとの連携も可能なので、シチュエーションに応じて様々なVR体験が可能です。

お値段は59,990円(税込)です。

VIVE Flowの特長

VIVE Flowの特徴の一つはスマートフォンとペアリングが可能な点です。

Bluetooth経由でスマートフォンを接続し、コントローラー代わりに操作することでVRコンテンツを楽しむことができます。

また独自設計の2段階ヒンジにより、さまざまなサイズや形の頭にフィットするので、ずっと装着していても頭が痛くなるようなこともありません。

とても軽く(189g)、サイズも小さく、尚且つ折り畳み可能なので、カバンにいれて外出先で利用することも可能になっています。

VIVE Flowの仕様

VIVE Flowの仕様は以下の通りです。

・ハードウェアの特徴

超軽量、メガネ型、折りたたみ式

・メモリとストレージ

4GB RAM / 64GB ROM

・重量

189g (+50g [1.2mケーブル])

・解像度

合計3.2k (2 x 2.1” LCD片目あたり1600 x 1600)

・視野角

最大100°

・リフレッシュレート

75 Hz

・衛生管理

交換可能なフェイスクッションとテンプルパッド

・排熱

安定したパフォーマンスと快適性を保つ強制冷却機能

・オーディオ

空間オーディオ対応のステレオスピーカー

エコーとノイズキャンセリング機能付きデュアルマイク

Bluetoothヘッドホン対応

・電源

外部電源 (モバイルバッテリーなど)

・ホットスワップ対応

内蔵の無停電電源システムにより、電源のホットスワップと最大5分間の処理プロセスの維持に対応

・視覚サポート

焦点距離調整により、それぞれのレンズの焦点を簡単に補整

・コントローラー

スマートフォンを接続してコントローラーとして利用可能

・ビデオパススルー

ビデオパススルーにより環境認識に対応

・トラッキング

2個のカメラによるインサイドアウト形式の6DoFトラッキング

・接続

USB-C

Wi-Fi

Bluetooth 5.0

VIVE Proシリーズ(プロ仕様のPC-VR)

出典:https://www.vive.com/jp/product/vive-pro2-full-kit/overview/

2つ目は、ヘビーVRユーザーのニーズを満たすように構築されたVIVE Proという商品です。

ビジネスに合わせて拡張でき、かつハードコアゲーマー向けの豊富な機能セットを提供できる、展開が簡単なPC-VRシステムです。

着席環境から広大なマルチユーザー展開まで、VIVE Proは高品質の視覚的忠実度、強力なオーディオ、没入感が体験できます。

こちらのお値段は178,990円(税込)になっています。

VIVE Pro 2の特長

4896×2448の高解像度(5K)により、VRコンテンツを鮮明に映し出し、細部まで緻密に表現されています。

また視野角が広く(120°)、人間の目と同じような感覚で、より自然な映像を見ることができます。

シームレスに映像が再生されるため、クリエーター側が意図して制作した通りに体験することが可能です。

また、瞳孔間距離(IPD)を調整することで、目が疲れることなくコンテンツを楽しむことができます、

3D空間サウンドとハイレゾ認定ヘッドフォンにより、聞こえる音が重厚感にあふれ、より没入感を与えてくれること間違いなしです。

VIVE Pro 2の仕様

VIVE Pro2はヘッドセットとコントローラーが同梱されており、それぞれの仕様は以下の通りです。

・ハイライト

1. 5K解像度、120°の広い視野、非常にスムーズな120Hzのリフレッシュレート

2. Hi-Res認証済みヘッドフォン

3. クラス最高のトラッキングパフォーマンスと快適さ

・スクリーン

デュアル RGB 低残光性 LCD

・解像度

片眼 2448 × 2448 ピクセル (両眼 4896 x 2448 ピクセル)

・リフレッシュレート

90/120 Hz

・視野角

最高 120° (水平)

・オーディオ

Hi-Res 認証済みヘッドセット (USB-C アナログシグナル)

Hi-Res 認証済みヘッドセット (取り外し可能)

高インピーダンスヘッドフォン (USB-C アナログシグナル)

・入力

内蔵デュアルマイク

・接続

Bluetooth, 周辺装置のためのUSB-Cポート

・センサー

G-sensor、ジャイロスコープ、近接センサー、IPDセンサー、SteamVR Tracking V2.0 (SteamVR 1.0 and 2.0ベースステーションと互換)

・エルゴノミクス

レンズ距離調整付きアイレリーフ

調整可能なIPD 57-70mm

調整可能なヘッドフォン

調整可能なヘッドストラップ

【コントローラーの仕様】

・センサー

SteamVRトラッキング 2.0

・入力

多機能トラックパッド

グリップボタン

2段階トリガー

システムボタン

メニューボタン

・1回の充電で使用可能な時間

約6時間

・接続

マイクロUSB充電端子

・トラッキングエリア要件

起立時 /着座時

最小スペース制限無し

ルームスケール

4台のSteamVR Base Station 2.0を使用する場合、10m × 10m以内。2台のベースステーションを使用する場合、5m × 5m以内

・動作PC最低条件

プロセッサー

Intel® Core™ i5-4590 あるいは AMD Ryzen 1500 同等かそれ以上

・グラフィック

NVIDIA® GeForce® GTX 1060 あるいは AMD Radeon RX 480 同等かそれ以上

*フル解像度には、GeForce® RTX 20 Series (Turing) or AMD Radeon™ 5000 (Navi) ジェネレーションもしくはそれより新しいもの

・メモリー

8 GB RAM あるいはそれ以上

・ビデオアウト

DisplayPort 1.2 あるいはそれ以上

*フル解像度モードにはDSCを搭載したDisplayPort 1.4以降が必要です。

・USBポート

1x USB 3.0** あるいはそれ以上

** USB 3.0 は USB 3.1 gen1として知られています。

・OS

Windows® 11 / Windows® 10

VIVE Focusシリーズ(オールインワンソリューション)

出典:https://www.vive.com/jp/product/vive-focus3/overview/

続いて紹介するのは、VIVE Focusです。

高解像度の3K AMOLEDスクリーン、Qualcomm®Snapdragon™835処理、すぐに使える世界規模のトラッキングを備えています。

PC、ベースステーション、またはセンサーは必要ないので、VIVE Focusのみで楽しむことが可能です。

お値段が130,900円(税込)です。

VIVE Focusの特長

一番大きな特徴はコントローラーが不要ということです。

手の動きを活用して、VR空間でより直感的に操作できるようになります。

コントローラーを使わないハンドトラッキングが26種類搭載されています。

カスタムアクションを利用すれば、応用の幅も広がります。

ハンドトラッキングが対応されていないコンテンツに関しては、他の製品同様、専用のコントローラーを使用します。

VIVE Pro2と同じく、4896×2448の高解像度(5K)だったり、広視野(120°)だったりするので、かなりハイクオリティな映像体験を得ることができます。

VIVE Focusの仕様

VIVE Focusの仕様は以下のようになっています。

・ハイライト

1. 5K解像度、広い120°の視野角、滑らかな90Hzのリフレッシュレート

2. 革新的なカウンターウェイトデザイン

3. 洗練されたオールインワンのフォームファクターと正確なルームスケールのトラッキング

・スクリーン

デュアル2.88インチLCDパネル

・解像度

片眼 2448 x 2448 ピクセル(合計 4896 x 2448)

・リフレッシュレート

90 Hz

・視野角(FOV)

最大120度

・オーディオ

エコーキャンセル用デュアルマイク

2x デュアルドライバーによる特許取得済みの指向性スピーカー

プライバシーモード

Hi-Res認証済み3.5mmオーディオジャック

・入力

内蔵デュアルマイク

ヘッドセットボタン

・プロセッサー

Qualcomm® Snapdragon™ XR2

・ストレージ&メモリ

128 GB / 8 GB 最大2TBのmicroSDをサポート

・インターフェース

2x USB 3.2 Gen-1 Type-C ペリフェラルポート

(USB OTGサポートの外部USB-Cポート)

Bluetooth 5.2 + BLE

Wi-Fi 6

・センサー

4x トラッキングカメラ

Gセンサー

ジャイロスコープ

近接センサー

・エルゴノミックス

快適な長時間の使用が可能な完璧な重量バランス

カウンターウェイトとして後部に取り付けられた人間工学的に湾曲したバッテリーモジュール

お手入れが簡単なPUレザートリムによるマグネットアタッチのフロントガスケットとリアパッド

広い眼鏡にも対応する150mm幅のフェイシャルインターフェース

それぞれの目に快適な57mmから72mmに調整可能なIPD範囲をサポート

使いやすい調整ダイヤルを備えた特許取得済みのクイックリリースヘッドストラップデザイン

・バッテリー

26.6Whバッテリー–取り外し・交換可能

リチウムポリマーにより軽量で迅速に充電可能

人間工学に基づいた曲線による設計および成形

・トラッキング

VIVEインサイドアウトトラッキング

プレイエリア推奨最大10x10m

【コントローラー仕様】

・センサー

トリガーとグリップボタンに磁気センサー搭載

トリガー、ジョイスティック、サムレストエリアに静電センサー搭載

Gセンサー

ジャイロセンサー

・入力

エルゴノミックグリップボタン

アナログトリガーボタン

AB / XYボタン

システム / メニューボタン

ジョイスティック

・バッテリー

最大15時間のバッテリー寿命

内蔵リチャージャブルバッテリー(USB-Cにより充電)

*バッテリーライフ、充電サイクル、バッテリーの連続使用時間は、使用方法により異なります

・トラックエリア条件

立位 / 座位

両サポート

・ルームスケール

推奨プレイエリア最大 10m x 10m

最小プレイエリア 1.5m x 1.5m(立位)

VIVE Cosmosシリーズ

出典:https://www.vive.com/jp/product/#cosmos%20series

最後に紹介するのはVIVE Cosmosシリーズです。

モジュール・オプションにより拡張が可能な世界初のPC-VRシステムです。

また、非常に解像度の高いディスプレイを搭載しています。

トラッキング制度も非常に高いため、自分の手のようにコントローラーを動かすことも可能です。

お値段は79,800円(税込)です。

VIVE Cosmosの特長

VIVE CosmosはVIVEシリーズの中でも最も解像度の高い(合計解像度 2880 x 1700ピクセル)ディスプレイを搭載しています。

本体には6つのカメラセンサーが付いており、また、最適化されたソフトウェアによって、トラッキング精度が飛躍的に向上しています。

さらに、コントローラーがアクティブ・プレイ中に光ります。

このコントローラーから発する光で、位置を正確にトラッキングすることができます。

VIVE Cosmosの仕様

VIVE Cosmosの仕様は以下の通り。

・主な特徴

1. 3D空間オーディオ

2. 高解像ディスプレイ、人間工学に基づいた使いやすいデザイン

3. シャペロン技術

・スクリーン

デュアル 3.4インチ(対角線)

・解像度

片目あたり1440 x 1700ピクセル(合計2880 x 1700ピクセル)

・リフレッシュレート

90 Hz

・視野角

最大110°

・オーディオ

ステレオ・ヘッドフォン

・入力

内蔵マイク、ヘッドセット・ボタン

・接続

USB 3.0、DP 1.2、フェースプレート専用接続

・センサー

Gセンサー

ジャイロスコープ

瞳孔間調整(IPD)

・エルゴノミクス

フリップアップ・バイザー

瞳孔間調整(IPD)

調整可能なヘッドストラップ

【コントローラー仕様】

・センサー

内蔵センサー

ジャイロセンサーおよびGセンサー

ホールセンサー

タッチセンサー

・入力

システム・ボタン

アプリケーション・ボタン(2個)

トリガー

バンパー

ジョイスティック

グリップボタン

・電源

単3アルカリ電池(2本)

【トラッキングエリア要件】

・起立時 /着座時

最小スペース制限無し

・ルームスケール

ルームスケールモード時、2m x 1.5m以上

【最小システム要件】

・プロセッサ

Intel ® Core™ i5-4590 または AMD FX™ 8350 の同等品以上

・GPU

NVIDIA ® GeForce ® GTX 970 4GBまたはAMD Radeon™ R9 290 4GBの同等品以上のVR Readyグラフィックスカード

・メモリ

4 GB RAM以上

・ビデオ出力

DisplayPort 1.2またはそれ以降

・USBポート

USB 3.0またはそれ以降(1個)

・OS

Windows ® 10, Windows ® 11

|まとめ

本日はヘッドマウントディスプレイHTC VIVEと開発企業であるHTC、またHTC VIVEの他の種類についてご紹介してきました。

VIVEにも多くの種類があるので、自分がどのシーンで使いたいか、どのくらいの頻度で使いたいかなどを考えながら購入するのが良いでしょう。

Meta Questからも新商品Meta Quest Proの発売が発表されるなど、他のヘッドマウントディスプレイも次々と新商品・新技術が出てきます。

これからどんどんVR/ARが身近になってくると思いますので、皆さんも一つ購入することをお勧めします。