VRヘッドセットを装着してゲームなどをプレイする際、現実世界をみることができず危険なため、その場から動くことができません。
ですが、実際にメタバースの世界を自分の体を使って歩きまわることができたら、自由度の高い新たなVR体験が実現できると思いませんか?
そんな画期的なVR体験のことを「ルームスケールVR」と言います。
ルームスケールVRとは、VR空間を現実世界のルームスケール(部屋のサイズ)での行動に集約する技術です。
本記事では、ルームスケールVRについて概要から搭載されているハードウェアの紹介などをわかりやすく解説しますので、是非最後までご覧ください。
目次
|ルームスケールVRとは
ルームスケールVRとは、VRヘッドセットを装着した状態で、ユーザーが現実世界で部屋のサイズの空間を動き回ることができる技術のことを言います。
従来のVRヘッドセットでは、ユーザーの頭の向きや位置をリアルタイムで検出し、安全にVR体験を行うため、基本的には座った状態もしくは、立った状態でプレイすることを想定し作られています。
ところが、ルームスケールVRの技術を使うことでVRヘッドセットを装着している人の位置を部屋全体から検出することができるようになります。
これにより、部屋の中であれば自由に動き回るなどの新しいVR体験ができるのです。
|ルームスケールVRの魅力
ルームスケールVRの魅力は、自分の意志で見て動くことができる点と言えます。
どういうことかと言いますと、従来のVR体験では、仮想空間内をコントローラーの十字キーを操作して移動しますので、どうしても違和感を感じやすかったり、VR酔いのひとつの要因にもなっています。
しかし、ルームスケールVRの場合は、通常のVR体験に「動く」という動作が加わるため、より没入感を味わうことができます。
これこそが「ルームスケールVR」の魅力と言えるでしょう。
|ルームスケールVRの仕組み
出典:https://www.vive.com/jp/support/vive/category_howto/setting-up-room-scale-play-area.html
VRヘッドセットを装着しているユーザーは、基本的には現実世界を見ることができないため、部屋の中に置いてある家具や、壁などにぶつかってしまうのではないか?と心配する人も多いと思います。
ルームスケールVRでは、部屋の2か所に位置検出用のデバイスを設置することで、家具などの障害物に接近した際、VR内の映像に「それ以上前に進めません」という意味のポップが表示され警告してくれます。
VRヘッドセットによっては、あらかじめ動ける範囲を設定することができるため、お部屋の構造に合わせて設定するのが良いでしょう。
|ルームスケールVRが体験できるハードウェア
ここからは、ルームスケールVRが体験できるヘッドセットを紹介します。
Oculus Rift S ※2022年現在、生産終了しています。
出典:https://amzn.asia/d/1vFplpO
Oculus Rift Sは、メタ・プラットフォームズ・テクノロジーズ(Meta Platforms Technologies, LLC)が開発したVRハードウェアおよびソフトウェア製品ブランドです。
Oculus Rift Sでは、ヘッドセットに5つのカメラが内蔵されており、部屋を見渡すだけでヘッドセットがユーザーの動作をトラッキングすることができるので、ルームスケールVRの体験が可能となります。
HTC VIVE
出典:https://amzn.asia/d/ebLXqOm
HTC VIVEは、アメリカのコンピュータゲーム製作会社「Valve」と台湾の電子機器メーカー「HTC」が協力して開発したVRヘッドセットです。
HTC VIVEは、ヘッドセットにルームスケール機能を搭載しており、3m(縦)×4m(横)までの距離であれば、ユーザーのゴーグルの向きや位置などをリアルタイムで検出することが可能になっています。
なので、ユーザーが動けばそれに連動して仮想空間内のアバターやキャラクターも同じ動きをします。
|ルームスケールVRの課題
ルームスケールVRは、自由度が高く新しいVR体験ができる画期的な技術ですが、課題点もいくつかありますので紹介します。
ルームスケールVRの最大の特長として、部屋中をヘッドセットを装着したまま動き回れることですが、壁や家具などの障害物の警告はしてくれるものの、夢中で部屋を歩きまわっている間に、いつの間にかケーブルなどのコード類が足元に巻き付いてしまうなどの危険性がありますので注意が必要です。
また、ヘッドセットによっては、ペットや子どもなどを検知することができない場合もあるので、動くものには注意が必要です。
|まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、ルームスケールVRについて概要から搭載されているハードウェアの紹介などをわかりやすく解説しました。
メタバースやVR体験は、日々進歩しており、視界だけではなく、ルームスケールVRなどの新しい技術によって「動き」などを感知できるようになっています。
現在では、嗅覚や感触などを感知できるような技術も研究されているため、今後さらにVR体験が豊かになるでしょう。楽しみですね。
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それでは、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!