近年、急速に普及しているメタバースは新たなコミュニケーションの場として注目を浴びています。
しかし、驚くべきことに、コミュニケーションが禁止されているメタバースプラットフォームが突如として現れ、SNS上で大きな議論を巻き起こしています。
本記事では、メタバースでのコミュニケーション禁止がなぜSNSで話題になっているのか、その背景や理由について解説します。
皆さんの理解を深めると共に、メタバースにおける新たな課題やルール、そして将来の展望について考える機会となれば幸いです。
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目次
|メタバースでコミュニケーション禁止!?SNSで波紋を広げたその理由とは?
「ぷらっとば〜す」というメタバース空間は、孤独対策を目的として設計されましたが、その特徴であるコミュニケーション禁止がSNS上で大きな波紋を引き起こしました。
その理由には複数の要素が関与しています。
大きな理由は、ユーザー間のコミュニケーションが厳しく制限されていたことです。
通常、メタバースは他のユーザーとリアルタイムで交流することができる空間として設計されています。
そのため、交流が禁止される設計に対して、多くのユーザーが困惑し、SNS上で批判的な意見が相次ぎました。
さらに、予告なしに行われたBAN(アカウント停止)措置がユーザーのフラストレーションを高めました。
これらの制約は、本来の目的である孤独対策と矛盾していると感じたユーザーからの反発がSNS上で拡散された一因となりました。
|「ぷらっとば〜す」のコミュニケーションの制限とは?
出典:https://www.cao.go.jp/press/new_wave/20240501.html
コミュニケーションを楽しむためのメタバースにおいて、コミュニケーション制限とは一体何を指すのでしょうか。
ここからは、「ぷらっとば〜す」というメタバースが実施したコミュニケーション制限のルールについて詳しく解説していきます。
「ぷらっとば〜す」とは?
内閣府が孤独・独立対策の一環として提供したメタバース空間です。
2023年5月1日から31日までの1カ月間限定でオープンしました。
その目的は、孤独や孤立に悩む人々が気軽に立ち寄ることのできる場所を提供することです。
しかし、大きな特徴としてユーザー間のコミュニケーションが制限されており、相談エリアや特定の場所以外では他のユーザーとのやり取りができない仕組みです。
この制約は、利用者の安全を確保するためのものでしたが、一部の利用者からは使いづらさを感じる声が寄せられました。
「ぷらっとば~す」制作の背景
出典:https://www.cao.go.jp/press/new_wave/20240501.html
コロナパンデミック中で、社会的な孤立が深刻な問題として取り上げられる中、政府はデジタル技術を活用して新たなつながりの形を提供する手段を模索していました。
メタバースは、従来のオンラインコミュニケーションとは異なり、仮想空間内での臨場感ある体験を提供できるツールとして注目されました。
しかし、このメタバースプラットフォームでは意図的にコミュニケーションを制限することで、軽い立ち寄りや情報収集の場としての機能を持たせることに重点が置かれました。
さらに、相談窓口やNPOの取り組みを紹介するイベントを通じて、孤立状態にある人々へのセーフティネットの提供を図ることが背景にあります。
「ぷらっとば~す」内でのコミュニケーション禁止
ぷらっとば~すでは、利用者の安全性を重視し、ユーザー間のコミュニケーションを禁止にする方針がとられました。
この制限は、仮想空間内でのトラブルや不適切な行動を防ぐためのものです。
メタバースの一般的な利点であるリアルタイムでの交流をあえて制限し、利用者が気軽に立ち寄れる「ゆるいつながり」空間として設計されました。
具体的なコミュニケーション禁止の方法として、ユーザーは仮想空間の入場前にマイクとカメラを手動でオフにする必要があります。
また、チャット機能については、チャットは機能としては存在していますが、ルールとして禁止されています。
|コミュニケーション禁止がもたらした混乱
ここからは、メタバースの本来の特徴である自由な交流を制限することによる影響について、ご紹介していきます。
「コミュニケーション禁止のメタバース」という矛盾
メタバースの本来の目的は、ユーザー同士の交流やインタラクションを推進することです。
しかし、この空間ではあえてコミュニケーションを制限し、利用者の安全を最優先に考えています。
この制約は、孤独や孤立に対処するための手段として意図されていますが結果的にメタバースの基本的な魅力を損なう可能性があります。
この矛盾は、参加者のストレスを生む可能性があり、SNSでの批判や混乱を引き起こす一因となってしまいます。
メタバースの特徴である「没入性」の欠如
このメタバースプラットフォームにおいては、ユーザー間のコミュニケーションが禁止されているため、メタバースの特徴である没入性が欠如しています。
通常、没入感はユーザー同士のインタラクションやリアルタイムでの交流によって深まりますが、ここでは会話や対話が制限されているため、ユーザーは他者とのかかわりを持つことが出来ず、孤立感を強く感じたユーザーも多かったようです。
ただし、このプロジェクトはあえて軽い立ち寄りを目的とした設計であり、ユーザーが気軽に参加できる場所を提供するという意図は果たしています。
コミュニケーションを「封じられる」ストレス
メタバースは通常、リアルタイムでの交流を楽しむ場であり、その自由なやり取りが期待される中、交流が制限されることで孤立感が増す場合があります。
特に、孤独や孤立を解消するために訪れる人々にとって、他者とのコミュニケーションができないことは大きなフラストレーションとなります。
さらに、制限された環境ではユーザーがほかの人との接触を避けながら展示を観るしかなく、楽しみが半減することが多いです。
このような状況は、せっかくのメタバース体験を委縮させ、精神的なストレスを生む要因になります。
|「ぷらっとば~す」による従来のメタバースへの影響は?
特徴的な性質も持つこのメタバースによって従来のメタバースの利用方法についてどう影響するのでしょうか。
これらの体験はメタバースが従来持っていた「自由な交流の場」という認識に挑戦しました。
メタバースの一般的な特徴である没入型体験やリアルタイムでの交流を意図的に制限したことで、メタバースは単なるコミュニケーションプラットフォーム以上の役割を果たせる可能性があることを示しました。
これはメタバースを広報、教育、心理的支援といった新たな分野で活用する契機となります。
一方で、コミュニケーションを制限するという設計は、多くのユーザーにとってメタバースの本質的な魅力である「つながり」を欠如させており、従来のメタバースの成功要因であるインタラクティブ性を損なう結果となりました。
これにより、メタバース開発者は、ユーザー間の交流を促進しつつ安全性を確保するバランスの重要性を再認識することとなりました。
|まとめ
「ぷらっとば~す」は従来のメタバースが提供してきた自由な交流や没入感をあえて制限することで、メタバースの新しい可能性を示しました。
ユーザー間のコミュニケーションを禁止することで、安全性や孤独対策を優先する試みでしたが、結果的に多くのユーザーにストレスを与え、メタバースの魅力である「つながり」が損なわれるという矛盾が生じました。
このプロジェクトは今後のメタバース設計において、インタラクションと安全性のバランスがいかに重要かを考える良いきっかけとなりました。
メタバースは技術の進歩や新しいアイデアの実験場として活用されるべきですが、常にユーザーのニーズや望みに合わせたデザインを追求することも大切です。
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