みなさんは、インターオペラビリティという言葉をご存知でしょうか。
インターオペラビリティとは、異なるプラットフォーム間で、共通のプロトコルや情報交換の規則などが正しく動作する相互運用性のことです。
主にIT分野で用いられる言葉ですが、最近では、ブロックチェーン関連でよく目にする方もいるのではないでしょうか。
本記事では、インターオペラビリティの概要やブロックチェーンとの関係性について解説します。
インターオペラビリティを活用することでどんな影響があるのかをわかりやすく説明しますので、是非最後までご覧ください。
目次
|インターオペラビリティとは?
インターオペラビリティとは、日本語に直訳すると「相互運用性」という意味で、複数の異なるシステムやデータを組み合わせて使用したときに、正しく動作する概念のことを指します。
主にIT分野で使われる言葉で、異なる機器やソフトが共通仕様のデータ形式などに対応し、きちんと動作することを意味します。
現在のブロックチェーンには、インターオペラビリティがありません。
つまり、イーサリアムのウォレットから別のイーサリアムウォレットに送金することはできても、イーサリアムからビットコインのウォレットに送金することはできません。
なぜなら、各ブロックチェーンネットワークは異なるルールに基づいて動いているからです。
ブロックチェーンでインターオペラビリティが実現すると、異なるブロックチェーン同士でも送金やコントラクト間のコミュニケーションが可能になります。
また、似た言葉で「互換性」がありますが、互換性は、異なる2つのものが共通の仕様などに対応していて、一方を他方に置き換えても同じように機能することを意味します。
二者と外部との関係性について表す言葉なので、インターオペラビリティとは少し意味が異なりますので覚えておくとより理解が深まるでしょう。
ブロックチェーンに関しては、以下の記事をご覧ください。
|なぜブロックチェーンにおいてインターオペラビリティが必要なのか
先述の通り、現状では仮想通貨を別の仮想通貨に送金することはできないことは、ご理解いただけたと思います。
イメージとしてはA銀行からB銀行に送金できないような状態です。
現実世界では、日常的に異なる銀行間でのサービスは当たり前になってますが、ブロックチェーン上だとそう簡単にはいきません。
仮想通貨を送金するためには、例えば、イーサリアム→ビットコインであれば、イーサリアムをビットコインに変換する必要があり、そのためには取引所で取引をしなければならず、大変不便です。
なので、現状のままだとブロックチェーン技術の発展の妨げになるため、インターオペラビリティが必要だと言われています。
|インターオペラビリティが確立されるとどうなる?
インターオペラビリティによって異なるブロックチェーン同士が連携できるようになると、所有している仮想通貨を別の仮想通貨のウォレットに送金できるようになり、不要な手間や不自由さのないシームレスな取引や処理が実現できます。
インターオペラビリティは非常に革新的で技術であり、ブロックチェーンを一般的に普及させるためには、必須の技術となるでしょう。
|インターオペラビリティの確率を目指すポルカドットとは?
出典:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/polkadot-new/
ポルカドットとは、イーサリアムやビットコインなどの独立したブロックチェーンと接続し、インターオペラビリティの実現を目指しています。
2016年にWeb3 Foundationによって立ち上げられ、Web3.0を実現するためのプロジェクトで比較的新しいブロックチェーンです。
ポルカドットは、「リレーチェーン」と「パラチェーン」の2種類のブロックチェーンを運用しています。
リレーチェーン(ポルカドットの中心にあるブロックチェーン)を複数のパラチェーン(リレーチェーンに接続しているブロックチェーン)が一つのネットワークとして構成されており、これによって複数のトランザクションを同時に処理することが可能になり、遅延が解消され、スケーラビリティが向上する仕組みとなっています。
出典:https://polkadot.network/PolkaDotPaper.pdf
また、ポルカドットは、通信プロトコルであるXCM(cross-consensus messaging format)を導入することで、通貨だけではなく、あらゆるデータや資産をブロックチェーン上で転送することが可能です。
|まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、インターオペラビリティの概要やブロックチェーンとの関係性について解説しました。
私たちが日常的に利用しているサービスは、相互運用性のあるものが多く便利に過ごせていることがわかります。
本記事を読んで、ブロックチェーンにおいて、インターオペラビリティの必要性がより明確にご認識いただけたことでしょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!