メタバースが注目を集め、3DCG制作をはじめた方も多いのではないでしょうか。
今回は、3DCG制作をするにあたって必要な「DCCツール」について紹介します。
DCCツールとは、統合型3DCGソフトのことで、モデリング、シェーディング、ライティング、リギング、アニメーション、レンダリングなど、3DCG制作には欠かせないツールが揃ったソフトなのです。
しかし、はじめて購入される方はどのソフトを購入したら良いか迷ってしまうと思います。
本記事では、3DCGをはじめる方におすすめのDCCツールソフトを紹介します!
是非最後までご覧いただき、参考にしてみてください。
▼併せて読みたいVRの仕組みとは?

ARコンテンツ制作!自社開発による柔軟性でお客様のビジネスをリードする『monoAR』
サービスの特徴や導入事例をまとめた資料をご用意しました。

monoARサービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら
資料をダウンロードする目次
|DCCツールとは
DCCツールとは、Digital Content Creation(デジタルコンテンツクリエーション)の略称で、3DCG領域において必要な機能が全て入ったソフトのことです。
モデリング、シェーディング、ライティング、リギング、アニメーション、レンダリングなど様々な機能があります。
DCCツールは、無料のものから有料まで多くのソフトが販売されています。
昨今3DCG制作が必要になるシーンは多く、ゲーム開発や映像、建築など分野によって、必要な機能が変わってきます。
DCCツールは、自分に合った使いやすいソフトを選ぶと良いでしょう。
|初心者におすすめのDCCツール一覧
初心者の方が制作をはじめる際に、一番気になるのがソフトの価格ですよね。
価格と機能面を踏まえて、おすすめのDCCツールを紹介します。
一目でわかる!おすすめDCCツール一覧表
| ツール名 | 価格体系(目安・特徴) | 主な特徴 | 主要な用途・強み |
|---|---|---|---|
| Maya | サブスクリプション 年間 約38.8万円〜 (月額・複数年契約あり) | 高度なリギング、キャラクターアニメーション、統合された制作パイプライン | 映画・ハイエンドVFX、ゲーム開発全般 |
| Blender | 完全無料(オープンソース) 商用利用・アップデート含め0円 | 全ての機能が揃う統合型、活発なコミュニティと高速な機能改善、高い拡張性 | インディーズ開発、個人制作、チュートリアル需要、汎用 |
| ZBrush | サブスクリプション 年間 約5.6万円〜 (永続ライセンス新規終了) | 直感的なデジタルスカルプティング(彫刻)、超高精細なポリゴン編集 | キャラクターモデリング、フィギュア原型、有機的な造形、3Dプリント |
| 3ds Max | サブスクリプション 年間 約28.6万円〜 (Indie版あり) | 精密モデリング、豊富なプラグイン、効率的なアセット配置 | 建築ビジュアライゼーション、ゲーム開発、プロダクトデザイン |
| LightWave | 永続ライセンス(買い切り) 通常版 約9万円〜 (アップグレード版あり) | Modeler/Layoutの二分構成、高品質なCyclesレンダラー、比較的安価な導入 | アニメ・CM制作、中小規模プロダクション、個人ユーザー |
| Houdini | 多様なライセンス Indie版 年間約3万円 商用FX版 年間約9.2万円〜 (無料のApprentice版あり) | ノードベースのプロシージャルなワークフロー、高度なVFX・シミュレーション | 映画VFX(爆発・流体・破壊)、大規模シミュレーション、技術開発 |
| Cinema 4D | サブスクリプション 年間 約13.4万円〜 (Maxon Oneバンドルあり) | 直感的な操作性、学習コストが低い、強力なMoGraph機能、Redshift搭載 | モーショングラフィックス、CM・TV映像制作、デザイン |
では、それぞれ詳しくご紹介していきます。
MAYA

出典:https://www.ngc.co.jp/autodesk-maya/
【価格】
サブスクリプション形式(※2025年12月時点現在)
- 月間契約: 約48,400円(税込)
- 年間契約: 約388,300円(税込)
- 複数年契約: 複数年割引あり
※最新の正確な価格情報や、他のオートデスク製品とセットになったお得な「Media & Entertainment Collection」については、オートデスク公式ウェブサイトをご確認ください。
【特徴】
MAYAは、モデリング、テクスチャリング、アニメーション化、エフェクト付け、レンダリングなど、すべての機能を利用することが可能です。
特に、高度なリギングとキャラクターアニメーション機能は業界最高水準で、複雑な動きも直感的に設定可能です。
また、強力なスカルプトツールや、リアルな流体・クロスシミュレーション機能も搭載。
拡張性も高く、PythonやMELといったスクリプト言語でカスタマイズできるため、大規模なプロダクションパイプラインにも柔軟に対応します。
料金設定は比較的高めですが、その分の機能性が非常に高く実用性が高いのが特徴です。
ゲーム開発やキャラクターアニメーション作成、映画を含む映像業界で使われていることから、ハイエンドで高機能な3DCGソフトと言えるでしょう。
Blender

出典:https://www.blender.org/about/logo/
【価格】
- ソフトウェア本体:無料
- 商用利用:無料
【特徴】
Blenderは、無料でありながら3DCGにおけるほぼすべての作業を行うことができます。
モデリング、UV設定、リギング、モーション作成、レンダリング、動画作成など多くの機能が備わっています。
オープンソースのソフトウェアであり、特にコミュニティの活発さが特徴で、ユーザーフィードバックに基づいたアップデートが非常に迅速に行われます。
また、Pythonによるアドオン開発も盛んで、世界中の開発者が生み出した拡張機能を利用することで、機能は無限に広がります。無料とは思えないほどの高品質な統合環境が、Blenderの最大の強みです。
Blenderで作られた映像がこちら。
このように、3Dモデリングから実写合成だけでなく、2Dアニメーションまで様々な映像表現が可能です。
Zbrush

出典:https://pixologic.jp/
【価格】
ZBrushのライセンス体系は、現在サブスクリプション(年間契約)が主流となっています。
永続ライセンスの新規販売は2024年8月をもって終了しました。
- 年間サブスクリプション: 約56,100円(税込)
- Maxon Oneバンドル: Maxon製品(Cinema 4Dなど)とのセットプランも利用可能
- 無料体験版: 機能制限のある「ZBrushCoreMini」が無料で提供されています
最新の正確な価格やプラン詳細は、Maxon公式ウェブサイトで確認可能です。
【特徴】
ZBrushの最大の特徴は、マウスやペンタブレットでまるで本物の粘土をこねるように、直感的に3Dモデルを造形できる点です。
数百万ポリゴンにも及ぶ超高精細なモデルをサクサク扱える独自の技術「Pixol」を備えており、ディテールの追求に非常に適したDCCツールです。
例えば、キャラクターの皮膚のシワ、服の質感、硬いメカの表現(ハードサーフェスモデリング)まで幅広く対応しており、3Dプリントに適したデータ出力機能も標準搭載など、デジタルから物理的な造形物への出力もスムーズです。
ZBrushは、映画スタジオ、ゲーム開発者、玩具、収集品メーカー、ジュエリーデザイナー、自動車デザイナー、イラストレーターや、様々な世界中のアーティストなどに使用されていることから“業界水準”のツールと言えるでしょう。
3dsMax

出典:https://www.autodesk.co.jp/products/3ds-max/overview?term=1-YEAR&tab=subscription
【価格】
3ds Maxもオートデスク製品共通のサブスクリプション(年間・月間契約)形式で提供されています。
- Indie版: 一定の収益制限内で利用できる、より安価な「3ds Max Indie」プランも提供されています。
- 月間契約: 約39,600円(税込)
- 年間契約: 約286,000円(税込)
- 複数年契約: 複数年割引あり
最新の正確な価格や、お得な「Media & Entertainment Collection」などの情報は、オートデスク公式ウェブサイトでご確認いただけます。
【特徴】
3ds Maxは、Autodesk社が販売するハイエンドで高機能な3DCGソフトで、建築パース制作に不可欠な精密なモデリングや、膨大なアセットを効率的に配置するツールを備えています。
その為、ゲームや映画、モーショングラフィックス制作などの映像現場で3Dモデリングやレンダリング、アニメーションCGの作成に向いており、大人気アニメ「鬼滅の刃」などにも使用されています。
また、建築関係では、一般的に3DCADというソフトが使用されており、3ds Maxを連携することで、設計を立体的な映像化することが可能になります。
Lightwave

出典:https://www.dstorm.co.jp/lw2020/
【価格】
LightWaveは、サブスクリプション形式が主流のDCCツール業界において、数少ない永続ライセンス(買い切り)形式を基本としています。
- 通常版(新規購入): 約90,530円〜(税込)
- アップグレード版: 約41,470円〜(税込)(旧バージョンからの移行)
- 学生・教員版: 約47,080円(税込)(アカデミック向け)
最新の価格やセール情報は、日本の総代理店であるディストームの公式ウェブサイトなどで確認できます。
【特徴】
LightWaveは、モデリング用の「Modeler」とアニメーション・レンダリング用の「Layout」という2つのアプリケーションで構成されており、各作業に集中しやすい設計となっている点が最大の特徴です。
他の3DCGソフトウェアに比べて動作も軽快である点に加え、どれだけ工程を踏んでも修正ができるというメリットや、HUB機能や内部通信機能で、2つのソフトウェア同士でデータを同期できるというメリットがあります。
また、高品質なレイトレーシングレンダラー「Cycles」ベースのレンダリングエンジンを搭載しており、フォトリアルな映像表現が得意です。
比較的安価な永続ライセンス体系のため、趣味で高品質なCG制作を追求する個人ユーザーや中小規模のプロダクションにも人気です。
Houdini

出典:https://www.sidefx.com/ja/company/press/
【価格】
Houdiniは複数のエディションとライセンス形態があります。メインとなる商用版は高価ですが、学習・インディーズ向けには安価なオプションも用意されています。
- Houdini FX(年間レンタル): 価格は変動しますが、年間約92,000円〜
- Houdini Indie: 商業利用可能なインディーズ向けライセンスで、年間199米ドル(約3万円程度)
- Houdini Apprentice: 非商用目的に限り、機能制限付きで無料で利用可能
最新の価格や、永続ライセンスのオプションについては、国内代理店であるインディゾーンの価格ページなどで確認可能です。
【特徴】
Houdiniは、3DCGの制作に必要なモデリング、アニメーション、エフェクト、ライティング、コンポジットを一貫して行え、中でもエフェクト作成機能が充実しており人気を集めています。
特に、Pyro FX(炎・煙)、流体シミュレーション、パーティクル(粒子)、群衆シミュレーションなどの高度なVFX機能が充実しており、ハリウッド映画レベルの映像制作を可能にします。
さらに、ミドルウェアなどの外部ソフトウェアとの連携が可能となっており、ゲーム制作に欠かせない「Unity」や「Unreal Engine」などと連携することでスムーズに制作が行えます。
他のツールとは異なるサイズや操作感があり、使いこなすには最初は苦労も多いと言われてますが、Houdiniだけでしか作ることができない表現があり、そこを評価され、エフェクターを目指す方に人気のソフトとなっています。
実際の映像はこちら。
出典:https://www.sidefx.com/ja/products/houdini/
商用版の価格や詳細な機能は、SideFXの公式製品比較ページで確認可能です。
CINEMA4D

出典:https://www.maxon.net/ja/cinema-4d
【価格】
Cinema 4Dのライセンスは、現在サブスクリプション(年間・月間契約)形式のみでの提供となっています。(※永続ライセンスの新規販売は終了)
- Cinema 4D サブスクリプション1年: 約134,640円(税込)
- Maxon One サブスクリプション1年: 約220,660円(税込)(Maxon製品バンドル)
- 学生・教員向けプラン: Maxon Oneが年間10,450円(税込)で利用可能
最新の正確な価格やプラン詳細は、Maxon公式ウェブサイトでご確認いただけます。
【特徴】
CINEMA4Dは、統合3DCGソフトウェアであり、モーショングラフィックスを得意としているDCCソフトで、その「学習コストの低さ」と「使いやすさ」にあります。
MoGraph(モーグラフ)というモジュール機能により、簡単にオブジェクトのクローンを制作することができ、さらに一つ一つにキーフレームを打つことなく制御できるため、モーショングラフィックスを簡単に制作できます。
モデリング、キャラクタアニメーション、物理ベースレンダリングなどが可能で、映画や広告、ゲーム制作などに使われています。
また、他のソフトウェアとの連携も可能で「Adobe After Effects 」「Adobe Illustrator」「Adobe Photoshop」「CAD」などの外部アプリケーションとも連携可能となっています。
|初心者にはBlenderがおすすめ
はじめて3DCGの製作を行う方におすすめなのは、Blenderです!
Blenderでは、無料で3DCGにおけるほぼすべての作業ができるからです。
また、海外のソフトですが、日本語変換することもできるのではじめての方も安心です。
Mayaや3dsMaxなどの有料ソフトウェアなどに劣らないクオリティで3DCG制作ができる点や、豊富な機能が備わっているため、作ってみたいものを無料で試すことができます。
さらには、利用者が多い分、ネットに情報が多く掲載されているため、使い方に迷ったり、わからないことが出てきた際にも安心です。
|まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、DCCツールの概要と、おすすめのソフトを紹介しました。
様々なソフトがありますが、無料だからといって使い勝手が悪かったり、クオリティが大幅に低いわけではありません。
初心者の方が、無料ツールを使いこなすことができれば、有料版を使用したときに、ハイレベルの3DCGを生成できますので、ぜひ挑戦してみてください!
では、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
ARコンテンツ制作!自社開発による柔軟性でお客様のビジネスをリードする『monoAR』
サービスの特徴や導入事例をまとめた資料をご用意しました。

monoARサービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら
資料をダウンロードする



























