「VR元年」とも呼ばれた2016年から今年2024年で8年目を迎えます。
多くのメーカーから専用のゴーグル(ヘッドセット)などが開発され、VR市場も盛り上がりを見せてきました。
しかし、開発が進んだことで「VR(Virtual Reality)」の他にも「MR(Mixed Rearity)」、「AR(Augmented Reality)」、「XR(Extended Reality)」なる新技術も登場してきています。
そこで本記事では、MRとは何なのか、VR・AR・XRの違いについて、初心者にもわかりやすく解説していきます。
ビジネス別のMR活用事例から、おすすめの専用ゴーグル(ヘッドセット)もご紹介するので、
「MRとはどういう技術なのか理解して時代の波に乗り遅れないようにしたい!」
「MRを活用してビジネスに導入してみたい!」
という方はぜひ最後までお付き合いください!
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目次
|MR(ミックスドリアリティ、複合現実)とは?
MRとは、ミックスドリアリティ(Mixed Reality)の略称で、日本語では「複合現実」と訳されるのが一般的です。
1994年にカナダ・トロント大学のポール・ミルグラム氏(Paul Milgram)と岸野文郎氏(Fumio Kishino)によって提唱された概念です。
2人の連名によって発表された論文「Taxonomy of Mixed Reality Visual Displays(複合現実ビジュアルディスプレイの分類)」によると、MRとは以下のように定義されます。
“In this paper we focus on a particular subclass of VR related technologies that involve the merging of real and virtual worlds, which we refer to generically as Mixed Reality (MR).”
「本論文では、現実世界と仮想世界が融合する、VR(仮想現実)関連技術の特定のサブクラスに焦点を当てています。これを一般的にMixed Reality(MR、複合現実)と呼ぶ。」
しかし、これでは専門的すぎて初心者には難しいでしょう。
ものすごく簡単にいうと、その言葉の通り、MRとは「VR」と「VR関連技術(ARなど)」の特徴を「複合」、つまり合体させたような技術になります。
さらにいえば、「XR」という概念にも含まれる技術です。
もう既にごちゃごちゃになっている方も多いかもしれません。
より正確に理解するために、次にVRとAR、XRについて理解していきましょう。
|MRとVR・AR・XRとの違い
MRについて正確に理解するためには、まずは関連技術について理解しておかねばなりません。
少し難しいかもしれませんが、VR・AR・XRとMRとの違いについてそれぞれみていきましょう。
VR(バーチャルリアリティ、仮想現実)とは?
VR(Virtual Reality)とは、コンピュータ技術を用いて作り出された仮想空間に、人間が没入するための技術の総称です。
日本語では「仮想現実」と訳されるのが一般的になります。
VR技術を活用することで、実際には存在しない世界を視覚的、時には聴覚的、触覚的にも体験することが可能です。
VRを理解する上で最も重要なことは、「人間を完全に仮想空間に没入させる」ということです。
これは、ユーザーが仮想環境の中で自分自身を完全に感じられるようにするための技術やデバイス(例えばVRヘッドセットやモーションセンサーなど)を使用し、現実世界からの視覚的および聴覚的な入力を遮断することにより実現されます。
この完全な没入感は、VRが提供する最も特徴的な要素の一つであり、教育、ゲーム、医療、訓練など幅広い分野での応用が期待されています。
しかし、現段階の一般的なVR専用デバイスは視覚的・聴覚的な没入は可能ですが、嗅覚・触覚などはまだ完全に再現できていません。(※研究は進んでいる)
MRとVRの違い
MRとVRの違いについては以下の通りです。
<MRとVRの違い>
VR(Virtual Reality) | MR(Mixed Reality) | |
定義 | 完全に仮想化された環境にユーザーを没入させる技術 | 現実世界と仮想オブジェクトが融合し、相互に作用する環境を提供する技術 |
完全な没入型体験の可否 | 可能 | 部分的 |
代表的なデバイス | Oculus Rift, HTC Vive, PlayStation VR | Microsoft HoloLens, Magic Leap One |
代表的なコンテンツ | Beat Saber, Half-Life: Alyx | Pokémon GO (ARに分類されることもあるが、MRの要素を含む), Microsoft Dynamics 365 Guides |
実現の難易度 | 中 | 高(現実世界の情報をリアルタイムで取り込み、仮想オブジェクトとの統合が必要) |
AR(オーグメンテッドリアリティ、拡張現実)とは?
AR(Augmented Reality、拡張現実)とは、現実の世界にデジタル情報を重ね合わせる技術です。
これにより、ユーザーは現実世界を見ながら、それに追加されたコンピュータ生成のテキスト、画像、動画などの情報を同時に見ることができます。
「ポケモンGO」や「ドラクエウォーク」が使っている技術、というと理解しやすい方も多いかもしれません。
例えば、スマホやタブレットのカメラを通して、周囲の環境を捉え、その映像の上にデジタル情報を表示させたり、特殊なARメガネを使うことで直接視界に情報を映し出すことも可能です。
ARを理解する上で最も重要なことは、「完全な没入体験ではない」ということです。
あくまでも、現実空間上に付加されたデジタル情報を視覚を通して「拡張」するのがARになります。
MRとARの違い
MRとARの違いについては以下の通りです。
<MRとARの違い>
AR(Augmented Reality) | MR(Mixed Reality) | |
定義 | 現実世界にデジタル情報を重ね合わせる技術 | 現実世界と仮想オブジェクトが融合し、相互に作用する環境を提供する技術 |
完全な没入型体験の可否 | 不可 | 部分的 |
代表的なデバイス | スマートフォン、タブレット、ARメガネ(Google Glassなど) | Microsoft HoloLens, Magic Leap One |
代表的なコンテンツ | Pokémon GO, IKEA Place | Pokémon GO (ARに分類されることもあるが、MRの要素を含む), Microsoft Dynamics 365 Guides |
実現の難易度 | 低〜中 | 高(現実世界の情報をリアルタイムで取り込み、仮想オブジェクトとの統合が必要) |
XR(クロスリアリティ)とは?
XR(Extended Reality)は、現実とデジタルの世界を橋渡しする一連の技術を総称する用語です。
日本語ではそのまま「エクステンドリアリティ」や「クロスリアリティ」または「エックスアール」と呼ばれます。
XRが急激に普及しはじめたのは「VR元年」とも呼ばれた2016年頃です。
この頃には急激にVR周辺技術が発達したため、単一の製品にVR技術とAR技術またはMR技術を詰め込んだような製品が開発されました。
例えばMeta社(旧Facebook)が開発したMRゴーグル(ヘッドセット)の「Meta Quest」が良い例でしょう。
こういった製品の名称をつける際に「VRかつARかつMRゴーグルのMeta Quest」と呼ぶのは少し冗長になってしまいます。
そのため、一括で「XR」と呼ぶことにしたのです。
起源については定かではありませんが、Khronos Group(クロノスグループ)が2017年3月に「OpenXR」というオープンソースの開発を発表した時に初めて使用された、という説が濃厚です。
MRとXRの違い
MRとXRの違いについては以下の通りです。
<MRとXRの違い>
XR(Extended Reality) | MR(Mixed Reality) | |
定義 | 現実世界とデジタル生成された環境のすべての統合体験を指す広範な用語。VR、AR、MRを包含。 | 現実世界と仮想オブジェクトが融合し、相互に作用する環境を提供する技術 |
完全な没入型体験の可否 | VR内では可能、ARとMRでは部分的 | 部分的 |
代表的なデバイス | VIVE XR Elite、Vision Pro、Meta Quest 3、PICO4 | Microsoft HoloLens, Magic Leap One |
代表的なコンテンツの名称 | VR: Beat Saber, Half-Life: Alyx; AR: Pokémon GO; MR: Microsoft Dynamics 365 Guides | Pokémon GO (ARに分類されることもあるが、MRの要素を含む), Microsoft Dynamics 365 Guides |
実現の難易度 | 分野による(VR: 中、AR: 低〜中、MR: 高) | 高(現実世界の情報をリアルタイムで取り込み、仮想オブジェクトとの統合が必要) |
【図解】MRとVR・AR・XRの違いまとめ
さて、ここまでMR、VR、AR、XRについて解説してきました。
ここで、理解をさらに深めるために、一度全ての技術をまとめておきましょう。
VR(Virtual Reality)とは、人間を完全に仮想空間に没入させるための技術の総称です。
AR(Augmented Reality)とは、現実空間にデジタル情報を重ね合わせる技術であり、VRのような完全な没入体験は実現できません。
MR(Mixed Reality)とは、VR技術とVR関連技術(ARなど)を複合させた技術であり、現実空間を仮想空間としてより感じやすくさせるための技術です。
XR(Extended Reality)とは、VR・AR・MRを一括で呼ぶために作られた総称です。
このように、同じような技術に思えても、どれも若干ニュアンスが違ってくるので混同しないように気をつけましょう。
|MRが注目されている理由4つ
「VR元年」と呼ばれた2016年を皮切りに、MRという言葉も多く耳にするようになりました。
では、なぜMRはここまで注目を受けるようになったのでしょうか?
本項では、MRが注目されている4つの理由について解説します。
①メタバースの市場規模が拡大している
左:世界のメタバース市場予測、右:日本のメタバース市場予測
MR(Mixed Reality)が注目されている理由で最も大きな要因は、メタバースの市場規模が年々飛躍的に成長していることです。
総務省の令和5年版の情報通信白書によると、世界のメタバース市場は、2022年の8兆6,144億円から、2030年には123兆9,738億円まで拡大すると予想されています。
また、日本のメタバース市場は、2022年度に1,825億円(前年度比145.3%増)となる見込みで、2026年度には1兆42億円まで拡大すると予測されています。
つまり、世界のメタバース市場は年間平均で約39.56%、日本は約53.16%という驚異的な速度で成長することになるのです。
数字をみただけではどのくらいすごい速度なのか理解できない方も多いでしょう。
参考までに、私たちが普段使っている「スマホ」が急激に普及した時も、大体同じくらいの年間平均成長率で普及していきました。
したがって、メタバースは今後スマホが急激に生活に浸透した時と同じような速さで私たちの生活に浸透する可能性を秘めているのです。
そして、メタバースを実現するために絶対に必要になってくるのがMR技術になります。
このように、メタバースが注目を受けるにつれて、MRも相乗効果で注目を受けるようになったのです。
②AI(人工知能)の発展が目覚ましい
次に、昨今のAI(人工知能)の発展が目覚ましいことも、MRが注目を受けている一つの要因として考えられます。
2020年以降、AI技術は加速度的に発展を遂げています。
この進歩は、自然言語処理(NLP)、画像認識、機械学習のアルゴリズムの改良、そしてディープラーニングのモデルがより複雑なタスクをこなせるようになったことによります。
例えば、生成AIのGPTシリーズやBERTなどのモデルは人間と同等、あるいはそれ以上のレベルでテキストを理解し生成する能力を示しています。
また、画像や動画におけるオブジェクトの識別と追跡技術は、以前に比べて大幅に精度が向上しました。
MRの精度を増すためには、このようなAIの進歩が不可欠です。
MRは膨大な量のデータ処理が必要になるため、AIの力、特に画像処理能力にかなり依存します。
したがって、AIが進化していくにつれて、MRも注目されるようになりました。
③MRゴーグル(ヘッドセット)が数多くリリースされ始めた
2016年にOculus社(現在はFacebook社に買収)から発売されたVRゴーグル「Oculus Rift」を皮切りに、現在に至るまで数多くのMRヘッドセットがリリースされています。
例えば、Metaからは「Meta Quest」シリーズが登場し、これは高品質なMR体験を手軽に家庭内で楽しめる製品として広く普及しました。
また、Appleからは「Vision Pro」が発表されました。
Vision Proは、AR(拡張現実)とVR(仮想現実)を組み合わせたMR体験を提供し、特にプロフェッショナルな使用や高度なクリエイティブ作業をターゲットにしています。
このように、多くのMRヘッドセットが市場に流通しはじめたのも、MRが注目を受ける大きな要因といえるでしょう。
④通信環境が向上した
4つ目は、5Gなどの通信技術の向上が注目を集めている理由として考えられます。
5Gなどの通信技術が発展することで、現実世界とバーチャル世界の情報をシームレスに連携させることができます。
MRを利用するには、膨大な量のデータを迅速に送受信できる通信環境が必要があるため、スムーズにMR体験を実行するには通信技術の向上が欠かせないのです。
今後5Gが広い地域に普及することで、MRの活用シーンはさらに広がっていくことになるでしょう。
|【ビジネス別】MRの活用事例集
このように、MRは現在進行形で注目を受けている技術ですが、具体的にビジネスに導入していくにはどのような方法があるのでしょうか?
ここからは、MR技術の活用事例を各ビジネス別(業界別)に紹介していきます。
【建築】MR管理施工アプリ「holonica」|大林組
出典:https://www.obayashi.co.jp/
建設業界大手の大林組では、「holonica(ホロニカ)」というMR施工管理アプリを提供しています。
このアプリは、BIMデータの3D情報を現実世界に重ね合わせ表示することができ、施工管理業務の効率化が可能です。
特に、設計情報の確認や検査記録の作成など、施工現場での作業をデジタル化し、ペーパーレス化を推進します。
これにより、施工管理の精度を高め、情報共有をスムーズにし、操作が複雑な内装仕上げ作業などでの誤伝達を防ぎます。
また、「holonica」の利用による検査作業の時間短縮効果も報告されており、約30%の時間削減が可能になることが成果としても現れているようです。
このように、「holonica」は建設現場における情報管理の課題解決に貢献しています。
【医療】手術中の看護師の動きを再現「HoloMe」|日立ソリューションズ&日本メドトロニック
出典:https://www.medtronic.com/jp-ja/about/news/pressrelease/2022-11-22.html
日本メドトロニック株式会社と株式会社日立ソリューションズは、2022年11月にMR技術を活用した医療用トレーニングツール「HoloMe(ホロミー)」を共同開発しました。
HoloMeは、マイクロソフトのMRデバイス「Microsoft HoloLens 2」を使用し、熟練看護師の目線の動きを現実の空間上に表示し録画することで、非熟練看護師が視聴して学べるようになるMRツールです。
HoloMeを使うことで、非熟練看護師は医療機器の複雑な組み立て方法や操作、手術の手順に合わせた適切な器械の出し方を、熟練看護師の動きを直接見ながら効率的に学ぶことが可能になります。
医療現場での労働量の増加、患者へのリソース不足、医療技術の高度化への対応など、複数の課題が指摘されている医療現場にも、今後はこういったMRデバイスによる業務効率化が進んでいくことになるでしょう。
【製造】市販タブレットでCADデータをMRに変換「Meister MR Link」|東芝
出典:https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/manufacturing-ict/meister-mr.html
日本の大手電機メーカー東芝(TOSHIBA)では、市販タブレットでCADデータをMRに変換できる3D CADデータ活用ソリューション「Meister MR Link」を提供しています。
このソリューションは、3D CADデータをリアルタイムでMRデータに変換し、市販のタブレット端末を使用して現実の環境に仮想の3Dモデルを重ね合わせることが可能です。
これにより、製造現場では物理的なモデルや治具を必要とせずに、デザインの確認、品質検査、作業指示などが行えるようになります。
具体的には、試作車両の品質チェックや、金型とプレス機の組付け検証など、様々な用途での活用が期待されています。
このように、製造業ではMR技術を活用したシミュレーションなどにMR技術が頻繁に活用されています。
特に、3D CADはMRと非常に相性が良いので今後も多くの関連製品がリリースされていくことになるでしょう。
【音楽】MRライブが話題「アイマス 765 ミリオンスターズ」|バンダイ
出典:https://www.lisani.jp/0000232920/
MRは音楽ライブなどのエンターテインメントとも非常に相性が良いです。
MRを活用した音楽ライブの事例として挙げられるのが、2023年7月1日と2日に神田スクエアホールで開催された『765 MILLIONSTARS LIVE 2023 Dreamin’ Groove』というMRライブ。
大人気アニメシリーズ「アイドルマスター ミリオンライブ」の登場キャラクターたちが、舞台上で華やかな音楽を奏でるライブイベントです。
今までもアニメ映像とリンクするような音楽ライブイベントは多く開催されていましたが、キャラクターの声優たちが舞台上でステージを披露し、それにあわせてバックにアニメ映像が流れるというスタイルが一般的でした。
しかし、今回のMRライブでは3DCGで描かれたアイドルたちをステージ上に投影し、現実世界と仮想世界を融合させたライブパフォーマンスを繰り広げています。
日本はコンテンツ大国としても名高いので、今後はこういったアニメキャラクターとMR技術を融合した事例も増えていくことになるでしょう。
|【2024最新】おすすめのMRゴーグル(ヘッドセット)
MRを実際に体験するためには、MRゴーグル(ヘッドセット)を準備する必要があります。
そこで本項では、2024年最新のおすすめのMRゴーグル(ヘッドセット)を3つ厳選してご紹介します。
①Meta Quest 3|MRゴーグルの代名詞
Meta社が2023年秋に発売した「Meta Questシリーズ」の最新作、「Meta Quest 3」は、先端技術と利便性を融合させたMRゴーグルです。
本製品は、74,800円(税込)という価格設定で、両眼で4128×2208ピクセルという圧倒的な解像度を誇ります。
前モデルのMeta Quest 2を上回るトラッキング性能を備えており、ユーザーの動きをより正確に捉えることが可能です。
また、高解像度ディスプレイと薄型のパンケーキレンズの採用によって、デバイスの小型化・軽量化に成功しています。
これにより、ユーザーはより快適に長時間の使用が可能となります。
また、Qualcomm Technologies社と共同開発した次世代Snapdragonチップセットを搭載しており、前モデルのSnapdragon XR2のGPUに比べて、2倍以上のグラフィック性能を実現しました。
Meta QuestシリーズはもはやMRゴーグル(ヘッドセット)の代名詞的存在にもなっており、初心者から上級者まで幅広い層におすすめできるデバイスです。
②HoloLens 2|マイクロソフトが手がける高性能MRゴーグル
出典:https://www.microsoft.com/ja-jp/hololens
Microsoftが開発した「HoloLens 2」は、MR技術の最前線を行くデバイスであり、2019年11月7日から法人向け、2020年7月2日からは一般消費者向けにも販売されています。
このデバイスは、単にデジタルコンテンツを現実世界に重ね合わせるだけでなく、触覚を伴うインタラクションを可能にし、現実世界に存在しない物体を操作する新しい体験を提供します。
HoloLens 2は、解像度2k 3:2のライトエンジンと120Hzのリフレッシュレートを誇り、6DoF(6 Degrees of Freedom)トラッキング性能により、ユーザーの動きを自然かつ正確に追跡できるようになりました。
また、サイズと重量のバランスは、長時間の使用でも快適性を保持する設計になっています。
しかし、価格は422,180円(税込)〜となっており、一般消費者には少し手が出しづらい金額です。
主に医療、教育、製造業などの特定の分野などでの活用することを前提に設計されたデバイスなので、ビジネスユーザーにおすすめのMRゴーグル(ヘッドセット)です。
③Vision Pro|Apple初のMRゴーグル
出典:https://www.apple.com/jp/newsroom/2023/06/introducing-apple-vision-pro/
Appleが2023年6月に発表し、世界中から注目を集めている「Apple Vision Pro」は、同社が初めて市場に投入するXRゴーゴルです。
このデバイスは、従来のVRデバイスの概念を超えた「空間コンピューティングデバイス」として位置付けられており、特にクリエイター向けに設計されています。
Vision Proの最大の特徴は、圧倒的なまでの画質です。
3660×3200ピクセルの解像度を誇るこのデバイスは、2,300万ピクセルを超える画素数で、4Kテレビの画素数をも上回る非常に高い解像度を実現しています。
これにより、ユーザーはかつてないほどリアルで鮮明な映像体験を享受可能です。
加えて、6DoF(6 Degrees of Freedom)トラッキング性能により、ユーザーの動きを正確に捉え、自由度の高いインタラクションを実現。
ピント調節機能も備えているため、個々のユーザーに応じた最適なビジュアル体験を提供します。
ただし、2024年3月時点では日本未発売であり、本体参考価格は3,499ドル(約52万円)と非常に高額です。
そのため、MR技術を活用してゲームやアプリを作成したいクリエイターにおすすめのMRゴーグル(ヘッドセット)になります。
|MRに関するよくある質問【Q&A】
最後に、MR(Mixed Reality)に関するよくある質問にQ&A形式で回答していきます。
MRに関する疑問をすぐに解決したい方はぜひ参考にしてください。
Q1.MRゴーグルで一番有名な製品は?
MR(Mixed Reality)ゴーグルで最も有名な製品の一つは、MicrosoftのHoloLensです。
HoloLensは、現実世界とデジタルコンテンツが融合したインタラクティブな体験を提供する、先進的なMRデバイスとして広く認識されています。
その高い技術力と、様々な産業での実用性が評価されています。
Q2.MRはいつから注目され始めたのですか?
MR技術は、2010年代半ばごろから注目を集め始めました。
特に、MicrosoftがHoloLensを2015年に発表して以降、MR技術への関心が高まりました。
この技術は、現実世界と仮想世界の境界を曖昧にすることで、教育、製造、医療など多くの分野での応用可能性を秘めています。
Q3.日本でMRは流行りますか?
日本では、MR技術への関心が高まっており、教育、エンターテイメント、製造業など様々な分野での応用が期待されています。
特に、高い技術力を持つ日本の企業が、MR技術を活用した新しいサービスや製品を開発することが予想されます。
また、2020年東京オリンピックを機に、MRを含む先端技術への投資が加速し、今後もMR技術の普及が進んでいくでしょう。
Q4.MRとSRの違いはなんですか?
MR(Mixed Reality)とSR(Spatial Reality)の主な違いは、ユーザーがデジタルコンテンツとどのようにインタラクションするかにあります。
MRは、現実の世界とデジタル生成物が混在し、それらが相互に作用する体験を提供します。
一方、SRは、ユーザーの空間認識を強化し、物理的な環境内でデジタルコンテンツをより自然に表示させる技術を指します。
さらに詳しい詳細はこちらの記事をご確認ください。
Q5.MRの仕組みは?
MR(Mixed Reality)の基本的な仕組みは、現実の世界にデジタルのオブジェクトを重ね合わせることです。
これを実現するために、MRデバイスは通常、高度なセンサー、カメラ、ディスプレイを使用しています。
これらのセンサーは、ユーザーの動きや周囲の環境をリアルタイムで捉え、デバイスはこれらの情報を処理して、ユーザーの視野にデジタルコンテンツを正確に表示します。
|MRはVRとARを組み合わせた技術
本記事では、MR技術の概要や、AR/VR/XRとの違い、ビジネス別の活用法とおすすめのMRゴーグルまで、幅広く解説しました。
MR技術は、まだ発展途上ということもあり、世界各国で開発競争が進んでいます。
そのため、今後さらなる成長や幅広い活用が期待される注目の技術です。
MR対応デバイスやコンテンツも今後さらに数が増えていくことが予想されるので、日本でのMRデバイスの開発にも期待したいところです。
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それでは、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!