昨今、新たな体験として「イマーシブ」という言葉が使用されています。
しかし、イマーシブという言葉を耳にしたことがあっても、その意味まで詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか。
本記事では、「イマーシブ」について、初心者でもわかりやすく概要から注目されている理由まで解説しますので是非最後までご覧ください!

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|イマーシブ(immersive)とは?
イマーシブ(Immersive)とは「没入型」を意味し、利用者が単なる傍観者ではなく「当事者」として、ある世界観や物語に深く入り込む体験そのもの、またはそのような状態を指す概念です。
最大の特徴は、五感を強く刺激されることで現実世界との境界が曖昧になり、まるで自分がその世界の一員になったかのような強い一体感やリアルな感覚を得られる点にあります。
こうした深い没入体験を実現する強力な手段の一つとして、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などのXR技術が活用されますが、技術ありきではありません。
体験型演劇(イマーシブシアター)や空間演出のように、テクノロジーを用いずとも、参加者の五感を刺激し世界観に引き込む体験は「イマーシブ」と呼ばれます。
イマーシブの定義
「イマーシブ(immersive)」の定義は、技術を用いてユーザーを特定の体験や環境に完全に没頭させることを指します。語源は「immerse」という英単語で、「沈める」「没頭する」を意味します。
この概念は、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)をはじめとする技術を駆使し、視覚、聴覚、触覚など複数の感覚を組み合わせて現実世界との境界を曖昧にします。
|なぜ今「イマーシブ」が注目されているのか
イマーシブ体験が急速に注目を集めている背景には、「テクノロジーの進化」「消費者ニーズの変化」「ビジネス活用の拡大」という主に3つの大きな要因があります。
1. VR/AR技術の進化とデバイスの普及
まず一つ目の理由は、イマーシブ体験を実現するための基盤技術が成熟してきた点です。
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)で使われるヘッドマウントディスプレイ(HMD)やスマートグラスは、年々高性能化・軽量化が進む一方で、価格は低下し、一般消費者にも手が届きやすくなりました。
また、5G(第5世代移動通信システム)の普及により、大容量の3Dデータや高精細な映像を遅延なく送受信できる環境が整ったことも、クオリティの高いリッチな没入体験を後押ししています。
2. 「コト消費」への意識変化と体験価値の追求
二つ目の理由として、消費者の価値観が「モノ(所有)」から「コト(体験)」へと移行していることも大きな背景です。
特にZ世代を中心に、物質的な豊かさよりも、その場でしか味わえない非日常的な体験や、感動を誰かと共有すること(トキ消費)に価値を見出す傾向が強まっています。
イマーシブ体験は、まさにこの「体験価値」への需要に応えるものです。
後ほどご紹介する「イマーシブ・フォート東京」のようなテーマパークや体験型アートは、参加者が物語の一部になれる「当事者性」を提供し、強い感動やSNSでの共有を促します。
3. メタバースやXR技術のビジネス活用の本格化
3つ目の理由として、エンターテイメント分野で先行していたメタバースやXRなどのイマーシブ技術が、今や多様なビジネス領域で本格的に活用が進み始めていることも挙げられます。
仮想空間での会議や共同作業はもちろん、不動産の内見、製造業の技術トレーニング、医療分野での手術シミュレーション、小売業でのバーチャル試着など、業界ごとに幅広い活用シーンが見られます。
仮想空間の活用により、コスト削減や業務効率化、新たな顧客体験の創出を目的とした実用的な導入が急速に進んでいます。
|イマーシブ体験の特徴
イマーシブ体験は、参加者が完全に没入できるように設計された体験や環境のことを指します。
以下に、イマーシブの主要な特徴を詳しく解説します。
高い没入感
イマーシブ体験の最大の特徴は、「高い没入感」です。
これは、参加者が現実世界を一時的に忘れ、目の前のコンテンツや構築された世界観に意識が完全に集中し、深く入り込んでいる状態を指します。
従来の受動的な「鑑賞」とは異なり、利用者が「傍観者」ではなく「当事者」として世界に関与していると感じられることが、この強い没入感を生み出す要因となります。
多感覚的要素
イマーシブ体験は、視覚、聴覚、触覚など、人間の五感を多角的に刺激するように設計されている点が特徴です。
360度の視覚情報や立体音響はもちろん、作品によっては風や振動、特定の匂い(嗅覚)までもが演出に取り入れられます。
XR技術(VR/ARなど)はこれをデジタルで実現する強力な手段の一つですが、物理的な空間演出によっても実現が可能です。
このように五感を複合的に刺激することで、脳は「本当にそこにいる」という強い実在感を感じ取り、高い没入感を演出します。
非日常性
多くのイマーシブ体験は、日常とかけ離れた世界観やシチュエーションを提供します。
現実ではあり得ないファンタジーの世界の住人になったり、過去の歴史的な出来事を当事者として追体験したりすることが可能です。
これは、消費者が「モノ」よりも「コト(体験)」に価値を見出す現代のニーズとも合致しています。
この非日常的な環境が、参加者を現実の雑念から切り離し、体験への集中と感動を深める要因となります。
ストーリー性
イマーシブ体験の多くは、単なる技術の披露ではなく、参加者を引き込むための魅力的な「ストーリー性」が設計されています。
参加者は物語の登場人物の一人となったり、自らの選択や行動によって物語の展開が変化したりします。
例えば、イマーシブシアター(体験型演劇)がその代表例です。
この「物語への関与」が強い感情移入を促し、体験全体をより深く、記憶に残るものにしています。
|イマーシブ体験の種類
イマーシブ体験は、さまざまな形式で提供されており、観客や参加者が没入できる環境を作り出しています。
以下に代表的なイマーシブ体験の種類を紹介します。
イマーシブシアター
イマーシブシアターは、観客が舞台上の演者や物語に直接関与する体験型演劇です。
従来の演劇とは異なり、観客は自由に動き回り、物語の進行に影響を与えることができます。
例えば、ロンドン発祥の「Sleep No More」では、観客は仮面を着用し、会場内を自由に探索しながら物語を体験します。
イマーシブオーディオ
イマーシブオーディオは、全方位から音が聞こえるように設計された音響技術で、聴者を音の世界に没入させます。
この技術は、映画やゲームなどで使用され、視覚情報と組み合わせることでさらなる没入感を提供します。
イマーシブミュージアム
イマーシブミュージアムは、芸術作品を映像として投影し、観覧者がその世界に入り込むことができる体験型アートエキシビションです。
例えば、「Immersive Museum」では、モネやゴッホの作品が高精細な映像で再現され、観覧者はその中に没入することができます。
イマーシブテーマパーク
イマーシブテーマパークは、訪れる人々が完全に没入できるように設計されたアトラクションの集合体です。2024年にオープンした「イマーシブ・フォート東京」は、その一例であり、多様なアトラクションが用意されています。
ここでは、訪問者が物語の一部となり、様々な体験を通じて没入感を味わうことができます。
|イマーシブ体験ができる場所はある?
イマーシブ体験は、特定の施設やイベントで楽しむことができます。
以下に、注目のスポットをいくつか紹介します。
イマーシブ・フォート東京

2024年にオープンした「イマーシブ・フォート東京」は、世界初の完全没入型テーマパークです。
東京お台場の旧ヴィーナスフォート跡地に位置し、約30,000平方メートルの広さを誇ります。
このテーマパークでは、12種類のアトラクションが用意されており、参加者は物語の登場人物となり、様々な体験を通じて没入感を味わうことができます。
ワーナー ブラザース スタジオツアー東京

2023年6月にオープンした「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッター」では、映画『ハリー・ポッター』や『ファンタスティック・ビースト』シリーズの制作裏を体験できます。
セットや衣装、小道具を間近で見ることができ、映画の世界に浸ることができます。
ダイアログ・イン・ザ・ダーク

東京・神宮外苑で開催されている「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、完全な暗闇の中で行われるユニークなイマーシブ体験です。
参加者は視覚を遮断された状態で五感を研ぎ澄ませ、自分自身と向き合う時間を持つことができます。
|イマーシブ体験がもたらす影響
イマーシブ体験は、エンターテインメントやビジネス、教育などの多様な分野で重要な影響を与えています。
高いマーケティング効果
イマーシブ体験は消費者に強烈なインパクトを与えるため、マーケティング戦略として非常に効果的です。
例えば、VR技術を活用した製品デモでは、顧客が実際に製品を使用しているかのような感覚を味わうことができ、製品の特徴やメリットをより効果的に伝えることが可能です。
また、没入感を重視したデザインはブランド体験を強化し、顧客のブランドロイヤリティを高める役割も果たします。
記憶に残る体験の創出
イマーシブ体験は参加者の記憶に長く残るため、通常の広告や宣伝と比べて高い効果があります。
参加者は体験型イベントを通じて得た感情や印象をSNSで共有しやすく、口コミによる広がりが期待できます。
このように、インパクトのある体験はブランド認知度の向上にも寄与します。
教育や訓練への応用
教育分野では、イマーシブ技術が学習効果を高める手段として注目されています。
例えば、歴史的出来事を再現した仮想空間で学ぶことで、生徒の理解度や興味を大きく向上させることができます。
また、VRやARを活用した対話型学習は、生徒や学生に実践的な理解や創造性を育む機会を提供します。
コト消費への移行
現代では「モノ消費」から「コト消費」への移行が進んでおり、消費者は体験そのものに価値を見出す傾向が強まっています。この流れにより、イマーシブ体験は特に重要視され、多くの人々が単なる商品購入から脱却し、その場でしか得られない独特な経験を求めるようになっています。
|まとめ
「イマーシブ」とは、ユーザーがその空間や体験に深く没入できる状態を指す言葉であり、VRやAR、メタバースといった先端技術と密接に結びついています。
近年、ハードウェアや通信技術の進化、コロナ禍によるコミュニケーション手段の見直しといった社会背景も相まって、「イマーシブ体験」のニーズは急速に高まっています。
今後のビジネスやサービス設計において、「イマーシブ」というキーワードをどう取り入れるかが、顧客との新しい接点を生み出す鍵になるでしょう。

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