近年では、投資を目的に仮想通貨を購入する人が増えています。

今日は、仮想通貨を取り扱う人全員に覚えてほしい「スキャム」について解説します。

スキャムとは、「詐欺」のことで仮想通貨業界では、他人を騙して通貨を不正に入手することです。

また、スキャムコインと呼ばれる「詐欺コイン」が出回っていたり、仮想通貨で取引をする際には、最大限の注意を払う必要があるでしょう。

これだけ聞くと、仮想通貨はやっぱり危ない・・・といった印象を持たれる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、スキャムについての概要や、事例紹介、スキャムの対処のポイントなどをわかりやすく解説しますので、是非最後までご覧ください。

|スキャムとは

スキャムとは、日本語に直訳すると「詐欺」という意味で、仮想通貨においては、無価値の通貨を購入させようとする犯罪行為のことを指します。

近年の仮想通貨業界では、スキャムが横行しており、日本では金融庁が以下のようにスキャムについて警告しています。

○ ICO(Initial Coin Offering)に関する注意喚起について

一般に、ICO(Initial Coin Offering)とは、企業等が電子的にトークン(証票)を発行して、公衆から資金調達を行う行為の総称です。トークンセールと呼ばれることもあります。

全世界でICOによる資金調達が急増していますが、ICOにより発行されるトークンを購入する際には、次のような高いリスクがあります。

●価格下落の可能性

トークンは、価格が急落したり、突然無価値になってしまう可能性があります。

●詐欺の可能性

一般に、ICOでは、ホワイトペーパー(注)が作成されます。しかし、ホワイトペーパーに掲げられていたプロジェクトが実施されなかったり、約束されていた商品やサービスが実際には提供されないリスクがあります。また、ICOに便乗した詐欺の事例も報道されています。

引用:https://www.fsa.go.jp/access/31/193b.html

スキャムには、さまざまな手口があり、スキャムICOコイン、クラウドマイニング、フィッシング、HYIPなどがありますので注意が必要です。

ここからは、そのなかでも代表的な手口について説明します。

スキャムICOコイン

ICOとは「Initial Coin Offering」の略で、新規仮想通貨公開のことを指します。

トークンセール、クラウドセール、トークンオークションなどと呼ばれることもあります。

ICOは、仮想通貨プロジェクトの発案者が仮想通貨を発行し、それを購入してもらうことで資金調達を行う方法です。

しかし、ICOでのスキャムの手口は、資金調達後にプロジェクト自体がいつまで経っても進行しないことが特徴です。

例えば、実際にはプロジェクトや開発の実態がないにも関わらず、ウェブサイトとホワイトペーパーを用意し、通貨のプレセールを開始し、関係者がSNSなどを通じて通貨の将来性を投稿することで購入を煽り、仮想通貨を不正に調達するといった詐欺事例があります。

クラウドマイニング

クラウドマイニングとは、業者に有償でマイニングを依頼することを指します。

マイニングとは、日本語で「採掘」という意味で、仮想通貨取引においては、仮想通貨の取引データを承認する作業のことを指します。

利用者がマイニングサービスに投資し、リターンとしてマイニング報酬の一部を受け取るというものです。

しかし、クラウドマイニングでのスキャムの手口は、報酬を支払わないという特徴があります。

業者の中には作業費用を徴収し、突然サイトを閉鎖したり、サービス停止を行うなどして報酬を支払わないスキャムだったという詐欺事例があります。

フィッシング

仮想通貨においてのフィッシングとは、実在する通貨を名乗って利用者にメールを送り、偽サイトにアクセスさせるなどの手法で、ユーザーの個人情報を盗み出す行為のことを指します。

さらに、ハッカーが仮想通貨プロジェクトの公式サイトをハッキングして、個人情報を盗み出すケースなどもあります。

フィッシングサイトは、サイト自体が偽物なので、送金した通貨が消えてしまったり、返金されないケースがほとんどです。

取引の前やクリックする前には必ず、サイトのURLが正しいかどうか確認する必要があります。

HYIP

HYIPとは、「High Yield Investment Program」の略称で、日本語では「高収益プログラム」という意味です。

HYIPとは、高利回りの投資案件のことで、現実では考えられない利回りを実現し、日利1%で月利30%などの高配当を受け取ることができます。

マルチ商法やねずみ講の類と似たような仕組みとなっており、騙される人が多くいるのも現実です。

一定期間は提示された高利の配当が支払われることもあるので、中には最後まで気が付かない人もいます。

異常に日利の高い投資案件には、注意が必要です。

|スキャムの過去の事例

スキャムには、様々な手口があることはご理解いただけたとおもいます。

気を付けてはいても、スキャムの被害は拡大するばかりです。。。ここからは、実際に起こったスキャム事例を紹介します。

BitConnect(BCC)

BitConnectが起こした事件は、ICOでのスキャムです。

BitConnect(BCC)は、2016年にICOを経て海外市場に上場していた仮想通貨で、「レンディング」という仮想通貨の貸付機能が注目を集めるプロジェクトでした。

「レンディング」とは、一定期間、保有している暗号資産を取引所に貸し出すことで利益を得る方法です。

しかし、このレンディング機能は2018年1月に廃止となり、トークンの価値が大暴落しました。

その後、新たなICOプロジェクトに乗り出そうとしたものの、内容はビットコネクトと同じもので、実体のないスキャムとなり、インド人リーダー(Divyesh Darji氏)は逮捕されるなどの事件となりました。

イカゲームコイン(SQUID)

イカゲームコインは、投資家の資金を持ち逃げする「ラグプル」という手口での詐欺事例で知られています。

イカゲームコインは、2021年に流行したNetflixのドラマ「イカゲーム」にインスパイアされて、同年10月に発行された仮想通貨です。

リリース予定のイカゲームを模したオンラインゲームで使用できると謳われ、1トークン約1円で販売されたイカゲームコインは1秒で売り切れ、その後24時間で24倍にも値上がりしました。

しかし、ゲームはリリースされることもなく、開発者は資金の推定2~3億円を持ち逃げしました。

|スキャムに遭わないための対処法

仮想通貨取引におけるスキャムは、現在でも被害が拡大しているのが現状です。

ここからは、被害に遭わないために具体的な対処方法をご紹介します。

仮想通貨の知識を身につける

大前提として、仮想通貨取引を行う際には、しっかりと専門知識を身に着けることが必要になります。

仮想通貨に関して無知な人ほど、旨い話に騙されてしまい、スキャムのターゲットにされやすく狙われやすい傾向にありますので注意しましょう。

仮想通貨に関する知識を身に付けておくことができれば、プロジェクトへの信憑性の理解や投資判断に役立つでしょう。

サイトを確認する

仮想通貨取引を行う際には、公式サイトをチェックする癖をつけることが重要になります。

サイトを確認するポイントとしては、プロジェクトの概要ではなく、利回りや配当を軸に論点のすりかえを多用し展開されているサイトはスキャムの可能性が非常に高いため、注意が必要です。

評判を確認する

取引を行う前に、事前の情報収集手段のひとつとして、通貨の評判をチェックすることも大切です。

他のユーザーの口コミや、開発チームのメンバーを確認し、問題がないか確認しましょう。

サイト上に嘘の写真を使っていたり、検索しても情報がなかったりする場合は要注意です。

また、ネット上には、様々な情報が飛び交っていますが、書いてあることを鵜呑みにするのは大変危険です。

ステマや噂情報も多いので、掲示板や一般の人のSNSは信頼し過ぎず、参考程度に留めておき、自身で情報を精査する力を身に着けましょう。

認可されているか確認する

スキャムの対処法として初心者の方におすすめなのが、自分が投資しようとする仮想通貨の取引所が、金融庁で認可されているかどうかを確認することです。

金融庁は、さまざまな仮想通貨を精査しており、許可された限られた仮想通貨のみ使われていますので、安心して取引を行うことができるでしょう。

文言に注意する

サイトなどに記載されている文言に注意することもスキャム対処のポイントです。

「高配当」や「リスクがない」などといった記載はスキャムではないか疑う必要があるでしょう。

投資には必ずリスクが伴うように、絶対に儲かる仮想通貨プロジェクトはないということを前提に取引を行うようにしましょう。

|まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、スキャムについての概要や、事例紹介、スキャムの対処のポイントなどをわかりやすく解説しました。

仮想通貨取引を行う上で、スキャムについての理解を深めることは非常に大切です。

スキャムへの対処法を知ることで、事件を未然に防ぐことができます。

大切な資産を守りながら安全に取引を行い、仮想通貨を楽しみましょう!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!