ChatGPTとは、アメリカのサンフランシスコに拠点を置く企業OpenAIが開発した対話型の文章作成AIであり、2022年11月のリリース以降、すさまじいスピードで進化を続けています。
最新であるGPT-4oでは日本語の画像入力にも対応しており、知りたい内容をすぐに返してくれるため、一度は使用されたことがある方も多いのではないでしょうか。
便利である一方、機密情報の漏洩、誤情報、著作権侵害などの危険性があり、各国でその対応についての議論が進められています。
本記事では、世界の中でChatGPTの利用が禁止されている国とその規制状況、規制理由と影響について解説します。
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|ChatGPTが規制されている国々
世界中でユーザー数を増やしている一方、ChatGPTの使用を規制している国もあります。
全面的に利用できないのはイラン、ウクライナ、北朝鮮、キューバ、シリア、中国、パレスチナ、ベネズエラ、ベラルーシ、ロシアといった国々です。
OpenAIが情報を漏洩したことによる不信感や各国政府の見解と異なる意見を制限する社会的影響を目的としていることが理由として考えられますが、ロシアやイランなどChatGPT側が制限をしている国もあります。
部分的な規制や懸念がある国々
既に解除されているものの、イタリアの個人情報保護期間(IDPA)はプライバシーに関する懸念を理由にChatGPTの利用を2023年3月に一時的に規制しており、ドイツ、イギリス、フランスといったEU圏やカナダといった先進国でも生成AIの規制に向けた議論が続いています。
また、開発国であるアメリカにおいても州レベルで独自のAI規制法を制定しており、情報保護や未成年への影響を懸念し、急速に進化している生成AIに各国が対応を迫られています。
|ChatGPT規制の理由と影響
各国のChatGPT規制状況と理由につきましては理解できたかと思いますが、具体的にどのような理由や影響があるのでしょうか。
まずはイタリアで懸念されたプライバシーの問題、AIが作成する文章やイラスト等で近年特に問題となっている著作権と知的財産権の課題、ユーザーに求められる倫理やAIによる社会的影響について解説します。
プライバシーとデータ保護の問題
ChatGPTはサービスの性質上、より正確な内容をユーザーに返すようユーザーが入力した内容を学習していくアルゴリズムが組み込まれていると言われています。
そのため、個人情報を入力してしまいますとプライバシー侵害のリスクが発生します。
また、ChatGPTはユーザーのプライバシーや情報を保護することを目的としたデータ保護法を順守する必要がありますが、法律が技術の進歩に追いつけていないことや、ChatGPTをターゲットとしたサイバー攻撃により、データは常に危険に晒されています。
著作権と知的財産権の課題
ChatGPTで出力されたものはユーザーが所有する権利を得ることができます。
また、商用利用が可能となっているため、ビジネスの場面で使用されることも増えています。
しかし、著作権と知的財産権の侵害に該当する内容が出力され、それを商用利用した場合、著作権侵害で訴訟問題に発展する可能性もあるため、気を付けなければなりません。
Web上の記事やコンテンツにおいてもこのことは同様です。商用利用する場合には出力された文章をしっかりと確認することが必要です。
倫理的・社会的影響
ChatGPTが出力する内容は常に正しいものだとは限りません。出力された誤情報を拡散してしまった場合、大きな問題を引き起こす可能性があるため、入力内容と出力された情報の使われ方にはユーザーの倫理性の高さが求められます。
また社会的影響としては、教育分野での影響があります。
学生が論文やレポートの作成にChatGPTを利用することで学習効率がよくなる一方、分析能力や思考力の低下が発生する可能性があり、利用を禁止している教育機関もあります。
|規制回避の動き
規制するばかりでは、技術の進歩が止まってしまいます。
技術の進歩が止まれば、当然、私たちの生活の発展も止まってしまいます。
規制を進める国がある中、国力の発展のため、規制を回避しようとする動きもあります。
ここでは、イタリアでのChatGPT規制中に登場した代替AIサービスとVPNなどを使用した規制回避について解説します。
代替AIサービスの登場
欧州一般データ保護規制(GDPR)に抵触するとの理由で、ChatGPTを一時的に規制したイタリアでは、代替AIサービスとして、「PizzaGPT」を海外在住のイタリア人エンジニアが開発し、無料で公開しました。
実際にPizzaGPTを使用してみましたが、速度も内容もChatGPTと大差ありません。
PizzaGPTの公式サイトによると、ChatGPT(turbo-3.5)と同じモデルに基づき、有料のOpenAPIを使用しているとのことで、個人情報の取得をしないことで、欧州一般データ保護規制(GDPR)に抵触しないAIの開発に成功しています。
VPNなどを使用した規制回避
ChatGPTの利用が規制されている国では、VPN(Virtual Private Network)を使用し、インターネット接続がVPNサーバーを経由することで、別の国から接続しているように見せることで規制を回避することが可能です。
しかしVPNにも課題はあり、使用にあたっては注意が必要です。
具体的には利用料金、接続速度、セキュリティの安全性などに加え、法律によりVPNそのものを使用できない、もしくは許可されたVPN以外は使用できない国などもあります。
|日本におけるChatGPTの現状と展望
ここまでは海外のChatGPTに対する規制について解説してきましたが、日本国内におけるChatGPTはどのように扱われているのでしょうか。
OpenAIは2023年4月にOpenAI Japan合同会社を設立しており、日本市場へ積極的に参入しています。
日本政府としても、ChatGPTの活用に積極的であり、特に規制などはありません。
また、行政文書、議事録、報告書の作成といった政府内業務効率化のための利用も検討されています。
一方でサイバー攻撃や個人情報・機密情報の漏洩、そして誤情報の拡散といったリスクについては懸念があることを示しています。
日本国内において、ChatGPTの利用禁止を公表している企業も存在しています。
また、リスクを避けるために論文やレポートへのChatGPT使用を禁止にしている学校もあります。
|ChatGPT利用における注意点
ChatGPTを利用するにあたって、まずは利用規約を確認することが重要です。
前述したように商用利用が可能であること、出力内容を公開する場合にはAIを利用していることを明記することに加え、OpenAIはユーザーが実際に入力・出力したデータを使用することがあること等、規約に明記されています。
ユーザーはこれらの規約を確認し、理解したうえで、リスクに対応していくことが必要です。
例えば入力・出力内容の保護に関しては、設定の中にある「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすることで、ユーザーが入力・出力したデータをAIに学習させないことが可能です。
ユーザー自身が設定を変更するだけで、リスクを未然に防ぐことが可能なのです。
|まとめ
本記事では、ChatGPTが規制されている国とその背景、規制回避の動きや日本における状況や利用時の注意点について解説しました。
ChatGPTは間違いなく今後も進化を続け、ビジネスにおいてもさまざまな分野で活用され、世界的に大きな影響を与えていく技術です。
法律のよる規制ができていく中でも、その技術を上手く利用できるよう、ユーザー自身が気を付けることが重要です。
ChatGPTの使用を検討する際には、この記事が参考になれば幸いです。
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