3DCGにおいて欠かせない要素である「ポリゴン」。
人生でこの言葉を聞いたことがある人は非常に多いでしょうが(某有名ゲームの影響?)、この意味を正確に把握している人はどれだけいるでしょうか?
ポリゴンとは直訳すると「多角形」を表す単語ですが、こと3DCG制作を行う場合、ポリゴンとは3点以上の頂点を結んでできた多角形のデータのことを指しています。
また、ポリゴンは3Dモデルの形作る上での最小単位となります。
つまりどれだけ複雑な形状をしたモデルでもそれを紐解いていくと1つ1つの小さなポリゴンからできている、ということになります。
そんなポリゴンはゲーム制作やアニメーション、建築ビジュアライゼーションなど、3Dモデルを活用する幅広い分野で活用されています。
本記事では、3Dモデル制作などの文脈におけるポリゴンの仕組みや種類、そして高品質な3Dモデル制作におけるその重要性について解説していきます!
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|ポリゴンとは
上でも解説したようにポリゴンは、3DCGにおける基本的な構造要素であり、あらゆる立体モデルの土台のような存在です。
そんなポリゴンを正しく理解することはつまり、3Dモデリングやゲーム開発について深く学ぶための第一歩となります。
ということでまずはポリゴンとはそもそも何であるか、について詳しく見ていきましょう!
ポリゴンの定義
まずはポリゴンの定義についてです!
ポリゴンとは、頂点・辺・面の3要素から構成された多角形で、3DCGモデルの表面を形作る基本単位です。
頂点・辺・面の3要素から構成された多角形であればポリゴンとなるため、様々な形のものが存在しています。
これらのポリゴンが集まることによって3DCGモデルを形成しており、3DCGモデルは、立体的に見えますが実際には「ポリゴンメッシュ」と呼ばれる、隙間なくつながった平坦な面の集合体です。
そのため複雑な形状になればなるほどポリゴンの数は増えていき、数が増えれば増えるほど、そのモデルを描写する際の処理負荷も増大していきます。
ポリゴンの種類
また一口にポリゴンといっても様々な種類が存在しています!
一般的に使用されるのは三角形ポリゴンですが、四角形やその他の多角形も使われる場合があります。
最も基本的なのは「三角形ポリゴン」で、すべての面が三角形で構成されるため、描画の際の計算が安定し、ゲームなど、モデルに動きがあるケースで広く使われています。
一方、「四角ポリゴン」は、アニメーション制作やモデリングの段階で好まれる形状です。
これはサブディビジョンと呼ばれるポリゴンを分割し滑らかさを表現する手法やスカルプトツールという直感的に滑らかさを再現するツールとの相性が良く、滑らかな形状を作りやすいからです。
これらの様々なポリゴンはこのように特徴や、使用するツールやデータ形式との相性などがあり、この特徴を元にモデリングに使われる種類が決められます。
|ポリゴンの数と品質
先に説明したように、ポリゴンの数は3Dモデルの品質とパフォーマンスに密接に影響します。
数が多いほど、モデルの精度が向上しリアルな表現が可能になります。
しかし、数が増えれば増えるほど、ゲームやアプリケーションにかかる処理負荷が高くなり、動作が重くなる原因にもなります。
そのため、目的に応じた適切な数の調整が重要です。
特にゲーム開発のような、動きも表現するようなケースでは、キャラクターや背景モデルのポリゴン数を最適化し、リアリティとパフォーマンスのバランスを取る技術が求められます。
|ポリゴンを使った3Dモデリングの工程
ポリゴンを使った3Dモデリングは、一般的に以下のような工程で進められます。
最初に、モデルの基本形状を作る「ブロッキング」を行います。この段階ではポリゴン数を抑え、大まかなシルエットを作成します。
次に、数を増やしつつ、形状の細部や複雑な部分を作り込みます。この際、四角ポリゴンを使用することで、滑らかな形状が作りやすくなります。
その後、完成したモデルを軽量化する「リトポロジー」を行い、最適な数へと調整していきます。
|ポリゴンのビジネス活用事例
ポリゴンは3Dモデルを作成する際に必ず出てくるものであるため、3Dモデルをビジネス活用する際にほぼ必ず出てくることとなります。
ということでここからはビジネスの場面においてどのようにポリゴンが登場するのか、その活用事例について解説していきます。
ゲーム業界
ゲーム業界では、ポリゴンはキャラクター、背景、オブジェクトなどの3Dモデルを構築する基本要素として活用されています。
特に、リアルタイムレンダリングが求められるゲームでは、ポリゴン数を最適化する技術が重要です。
数の多いモデルはリアルな表現を可能にする一方で、処理負荷を増大させるため、他のモデルを低ポリゴンなものにしたりすることでバランスを取ります。
また、レベル・オブ・ディテールという方法を用いることで、遠くの物は低ポリゴン、近くの物は高ポリゴンという形で効率的に描写します。
これらの方法により、ゲーム開発の現場ではリアリティとパフォーマンスを両立させたゲーム開発を行っています。
建築業界
建築業界では、ポリゴンは建物やインテリアの3Dモデルを作成するために活用されています。
設計段階で使用する3Dビジュアライゼーションでは、ポリゴンを用いて建物の外観や内装をリアルに再現し、意思決定やイメージの共有に活用しています。
高ポリゴンモデルを使用すれば、細部まで緻密なデザインを表現できますが、プレゼンテーションやVRシミュレーションでは、実際のオペレーションや作成に係るコストの観点から軽量化された低ポリゴンモデルが利用されることが多いです。
こういった3Dモデルを活用することで、建築業界では設計の意図を効率的に伝えるだけでなく、工期短縮やコスト削減にも貢献しています。
自動車業界
自動車業界でも建築業界と同様に、ポリゴンを用いた3Dモデリングがデザインや製造工程で重要な役割を果たしています。
車両の外観デザインや内装のシミュレーションでは、高ポリゴンモデルを使用し、質感や光の反射など細部までリアルに表現します。
これにより実際にプロトタイプを作成するよりも安価にデザインなどの評価を行っています。
そのほか、近年では製造工程のVRトレーニング化なども進んでおり、そういった場面では処理負荷を軽減するために低ポリゴンなモデルが使われています。
|まとめ
ここまでポリゴンについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか!
ポリゴンが一体どういうものなのか、を読んでいただいた皆様が理解する一助となれば幸いです。
本記事を掲載しているメタバース相談室では、他にも3Dモデルに関する技術について解説した記事がありますので、ご興味ある方は是非ご覧ください!
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