論文の要約をしたいと思った経験はありますか?

論文・レポートを読むのには数時間、場合によっては数日かかることもあり、時間と労力がかかります。

しかし、最初から要約された論文・レポートは、読むのに要する時間も労力も抑えることができます。AIは、要点をまとめる作業を担うことができます。

本記事では、ChatGPTを使用した論文の要約について、その手順とコツ、注意点について解説します。

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|ChatGPTによる論文要約

ChatGPTを使用した論文の要約とは、文章をインプットとしてChatGPTに渡すと、要点をまとめてアウトプットしてくれる機能のことです。

下記の長所と短所があるため、理解した上で利用しましょう。

長所

・大幅な時間短縮ができる
・複数の論文を比較し、検討できる
・専門外の論文に対する理解力の向上に繋がる
・英語論文の翻訳と要約ができる

短所

        ・最新の情報を学習しておらず、最新の研究結果を含む論文の要約に適していない
        ・専門性が高い分野において、重要な内容を見落とす可能性がある
        ・著作権の問題を考慮する必要がある

|ChatGPTで論文要約する手順

実際に論文の要点をまとめてみましょう。

まずは要約したい論文を準備しましょう。

準備ができたら、ChatGPTにアクセスし、『論文を要約して』と指示します。

論文のアップロードを求められるため、論文をアップロードします。

ChatGPTに聞いたところ、2024年12月現在で対応しているフォーマットは以下の通りです。

  • テキスト系
    • .txt (プレーンテキスト)
    • .doc/.docx (Microsoft Word)
    • .pdf (テキストが埋め込まれたPDF)
  • 表計算系
    • .csv
    • .xls / .xlsx (Microsoft Excel)
  • プレゼンテーション系
    • .ppt / .pptx (Microsoft PowerPoint)

アップロードができたら、ChatGPTが要約を開始します。

直接プロンプトに論文を読み込ませても、要点をまとめることが可能です。

長文の場合、アウトプット文字数に制限があるため、適切に要点をまとめることができない可能性があります。

複数に分けて読み込ませるか、重要な部分を優先して読み込ませるのがおすすめです。

アウトプットされた要約に関しては、調整することが可能ですので、調整が必要な際は、次の指示を記入すると良いです。

|効果的な論文要約のためのプロンプト例

論文やレポートの要点を効果的にまとめるためには、プロンプトに具体的かつ的確な指示を記入することが大事です。

ここでは概要、詳細、研究内容、結論、他の論文との比較、論文の応用性といった6パターンについて、それぞれのプロンプト例を紹介しますので、内容を状況に合わせて編集し、使用してみてください。

概要を知りたい場合

論文の概要について知りたい時には、まずはアウトプットして欲しい『形式』について記入します。

そして言語や文字数、その他のアウトプットして欲しい『要求』を記入し、形式と要求に従ってアウトプットして欲しい旨を記入しましょう。

プロンプト例

添付したレポートの概要を教えて欲しい。『形式』、『要求』に従って要約して欲しい。

『形式』

[内容]

[方法]

[結論]

『要求』

– 日本語でアウトプットする。

– 約500字でアウトプットする。

– 専門用語に関しては、補足を追記して欲しい。

詳細を知りたい場合

論文の詳細について知りたい際には、最初に明示します。

特に細かく追求したい箇所については、要求内で指定します。

プロンプト例

添付したレポートについて、詳細を教えて欲しい。

『形式』、『要求』に従って要約して欲しい。

『形式』

[内容]

[方法]

[結論]

『要求』

– 日本語でアウトプットする。

– 約500字でアウトプットする。

– 特に方法については詳細を教えて欲しい。

– 専門用語に関しては、補足を追記して欲しい。

研究内容を知りたい場合

研究内容を知りたい時には、最初にその旨を記入します。

また、特に細かく追求する箇所については、要求内にその旨を記入しましょう。

プロンプト例

添付したレポートの研究内容を教えて欲しい。

研究内容を『形式』、『要求』に従って要約して欲しい。

『形式』

<背景>

<目的>

<方法>

<結果>

<考察>

<結論>

『要求』

– 日本語でアウトプットする。

– 約500字でアウトプットする。

– 専門用語に関しては、補足を追記して欲しい。

– [方法]については特に細かく教えて欲しい。

結論を詳しく知りたい場合

結論の内容について詳しく知りたい時には、その旨を最初に記入します。

プロンプト例

添付したレポートの結論について詳しく教えて欲しい。

論文の結論を、『形式』、『要求』に従って要約して欲しい。

『形式』

[論文の結論]

[発見した内容]

[研究内容がもたらすもの]

『要求』

– 日本語でアウトプットする。

– 約700文字でアウトプットする。

– 各項目を表形式でアウトプットする。

– 専門用語には、補足を追記して欲しい。

他の論文との比較を知りたい場合

他の論文との比較をしたい際、その旨を記入し、表の形式に関しても細かく指示しましょう。

プロンプト例

添付した論文を、他の研究論文と比較したうえで、要約して欲しい。

論文の要約は『形式』、『表の形式』と『要求』に従って要約して欲しい。

『形式』

[比較表]

[結論]

『表の形式』

[似ている点]

[異なる点]

[この研究論文にのみ書かれていること]

[他の研究論文にのみ書かれていること]

『要求』

– 日本語でアウトプットする。

– 約1000字でアウトプットする。

– [比較表]に関しては、『表の形式』の項目を、表形式でアウトプットする。

– 研究内容から得られた結論は特に細かくアウトプットする。

– 専門用語には、補足を追記して欲しい。

論文の応用性を知りたい場合

論文を通して、応用ができるかを知りたい際は、具体的に応用できる例を聞いてみます。

プロンプト例

添付した論文内容を要約したうえで、どのような応用方法の例を教えて欲しい。

説明は『要求』に従って要約して欲しい。

『要求』

– 日本語でアウトプットする。

– 約800字でアウトプットする。

– 箇条書きで例を挙げて欲しい。

– 具体的な内容や数値を教えて欲しい。

|ChatGPTで論文要約する際のコツ

ChatGPTを使用して論文の要点をまとめる際は、いくつかのコツがあり、そのコツを抑えれば、よりよいアウトプット結果を得られるはずです。

今回は2つのコツについて解説します。

一つは『要約の目的を記入する』ことです。

前述したプロンプト例でも、最初に目的をChatGPTに与えていますが、目的を明確にすることで、要点をまとめる上で必要なデータを見つけやすくなり、内容の正確性の向上にも繋がります。

もう一つは『アウトプットする形式と要求等を記入する』ことです。

アウトプットされる形式を指定することで、ユーザーにとって視覚的に見やすく、内容もわかりやすくアウトプットされます。

要求に関しては、文字数や言語だけでなく、表形式でアウトプットしてほしい部分の指定や補足説明の追加など、様々な要求を追記するのも可能です。

アウトプットされた内容に不足部分を感じたら、要求等の条件をいくつか追加してみましょう。

|ChatGPTで論文要約する際の注意点

ChatGPTを使用して論文の要点をまとめる場合、いくつか注意点があります。

それぞれについて解説します。

  1. 最新の情報、正しい情報であるとは限らない
    短所の部分でも触れましたが、最新の情報を学習できないために、情報が古い可能性があります。また、記入された内容を学習しているため、添付した論文以外の情報をChatGPT に求めた場合、アウトプットされた内容が必ずしも正しい情報だけとは限りません。フェイク情報に騙されないよう、論文内容に目を通す、他の論文を確認するなど、ユーザー自身で対策するのが重要です。
  2. 著作権侵害の問題
    ChatGPTのアウトプット内容を使用することは、商用利用するには問題ないですが、著作権の問題は気を付けなければなりません。そのため、ChatGPTがアウトプットした論文要約を資料作成等に使用する場合、必ず出典を明示し、必要に応じて論文の出版社、著者への確認をおすすめします。

|まとめ

ChatGPTを使用した論文要約について解説しました。以下、本記事のまとめになります。

・論文やレポートを添付することで、要点をまとめてもらうことができる

・時間を短縮できる

・他の論文との比較ができる

・ファイルをアップロードするかテキストで直接記入する

・コツは『要約の目的』と『アウトプット形式/要求』を記入すること

・注意点は『偽情報、古い情報の可能性』と『著作権の侵害』

論文の要約を検討する際には、この記事が参考になれば幸いです。

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