Epic Gamesとは近年ではフォートナイトの世界的流行により大きく成長し企業価値315億ドルとまで言われるようになった企業です。

主にアクションゲームの開発を手掛ける同社ですがそれだけにとどまらず、Epic Games Storeというゲームクライアント兼配信プラットフォームの運営やゲームエンジン「Unreal Engine」の開発などゲーム業界に多大な貢献をしています。

今回は「Epic Gamesとはどんな企業か詳しく知りたい!」「Epic Gamesの出している製品やサービスってどんなものがあるの?」という方向けに企業の概要から展開している製品・サービス、最後に今後についてご紹介していきたいと思います。

|Epic Gamesとは

Epic Gamesとはアメリカ合衆国のノースカロライナ州ローリー市に本社を置くゲーム開発企業です。

日本支社として「Epic Games Japan」があり、マイクロソフトやスクウェア・エニックスに在籍していたプロデューサーの河﨑氏が設立に携わり、現在日本市場向けにマーケティングを展開しています。

ゲームや3Dエンジン技術の開発・配信を手掛けており、全世界で1,200万本以上の売り上げを記録した「ボーダーランズ3」などのアクションRPGの開発で知られています。

また、近年の大ヒット作では「フォートナイト」を発売しました。

フォートナイトはバトルロワイアルTPSアクションビルディングゲームであり、ゲーム実況配信サイトの「Twitch」で行われたプロゲーマーのNinja氏主催のイベントの実況中継では66万7000人という最多同時視聴者記録となりました。

Epic Gamesの企業価値約315億ドルと言われています。

非上場企業で約60%を創業者のTim Sweeney氏が中国のインターネット企業であるテンセントが大株主として株式を40%保有しています。

|Epic Gamesの製品・サービス

Epic Gamesは世に多くの革新的な製品サービスを送り出してきました。

特にゲームエンジンに関しては最も成功したゲームエンジンと呼ばれるほどのクオリティを誇っています。

その他にもクロスプラットフォームサービスやゲーム配信サービスなどゲームクリエイターを支えるサービスも多く輩出しています。

今回は代表的なものを3つ紹介します。

Unreal Engine

「Unreal Engine」といえば「Unity」と並び最も有名なゲームエンジンのひとつです。

独自のエンジンをゼロからコーディングする必要がなく、開発者のニーズに合わせて幅広く適応することができます。

最新のUnreal Engine4ではiOSやPlay Station4、ニンテンドースイッチなど数多くの機器での動作をサポートしています。

元は、1998年リリースのゲーム「Unreal」に付帯していたMODツールでしたが、ゲーム制作ツールとしてあまりに優秀だったためシリーズから分離し権利化されました。

ゲームに必要なコンテンツがパッケージ化されているだけでなく、2014年Unreal Engine 4が無料公開されたため、その恩恵を受けた多くの若手クリエイターが才能を開花させました。

2014年「最も成功したビデオゲームエンジン」としてギネス記録に認定されています。

Unreal Engineはゲームだけではなく、映画やTVなどの映像制作をはじめ、建築や自動車の開発プラットフォーム、シミュレーションなど、さまざまな業種でも活用されています。

Epic Online Services

「Epic Online Services(EOS)」は、いかなるエンジンやストアでも機能しどんな主要プラットフォームとも統合するように設計された無料のクロスプラットフォームサービスです。

ゲーム開発者がより質の高いゲームの開発、オペレーション、拡張を簡単かつスピーディーに行えるようにという狙いで作られたサービスになります。

サポートされる内容としてはマッチメイキングやボイスチャット、リーダーポートやアカウント管理など実装コストの高いオンラインサービスを代わりに行ってくれる設計になっています。

これらのシステムはインディーゲーム開発にとって大きな課題となることもありますので無料で使用できることは開発者にとって大きなメリットです。

Epic Games Store

Epic Gamesは、オンライン配信サービス「Epic Gamesストア」も展開しています。

Epic Gamesストアは2018年12月7日に開設された比較的新しいデジタルゲームストアです。

数量よりも質を重視しており、提供数は年間50~100タイトルほどですが、Epic Games以外の企業がリリースしたタイトルも扱っています。

また、定期的にゲームやクーポンの無料配布があるなども魅力的です。

ゲームを提供する側にとってはゲーム開発エンジンである「Unreal Engine」で製作したゲームであれば、手数料が安いという特徴があるので、大きなメリットと言えます。

|Epic Games Storeで配信中のゲーム

Epic Games Storeでは日本でも知名度の高いタイトルをいくつも取り扱っております。

ホリデーセールなど期間限定の割引販売を行うことがありますので、もし次にご紹介するタイトルがお安くなっていたらぜひ遊んでみてください!

Fortnite

Epic Gamesが近年出したゲームの中で一番人気なゲームは「Fortnite」でしょう。

Fortniteはマップで資材を集め壁や床、高台などを建築できる要素が最大の特徴のバトルロイヤルモードが大きな人気を集めています。

また他のバトルロワイアルシューティングゲームに比べて自身の操作するキャラクターや世界観がポップな雰囲気であるため、小学生から大人まで幅広い層にプレイされています。

バトルロワイアルモードの他にもミュージシャンのライブや映画の上映などが行われることもあります。

日本人ではアーティストの米津玄師氏がFortniteの空間内でライブを開催し話題になりました。

このようにFortniteはゲームだけにとどまらず様々なエンターテインメント要素をユーザーにもたらしてくれます。

Fortniteについては、下記記事で詳しく解説していますので是非ご覧ください。

Fortnite(フォートナイト)とは一体何?単なるゲームにとどまらない魅力とビジネス活用事例を紹介
Fortnite(フォートナイト)とは一体何?単なるゲームにとどまらない魅力とビジネス活用事例を紹介

Borderlands 3

ボーダーランズといえばクレイジーでぶっ飛んだストーリーとキャラクターが魅力的なシューティングRPGの金字塔です。

その最新作が『Borderlands3』です。

ハック&スラッシュ要素やキャラクタービルド等の奥深いゲーム性とカートゥーン風のグラフィックやアウトローな世界観は多くのゲーマーたちを虜にしました。

本作では惑星間の移動といった世界観の広がりやマルチプレイ要素の拡充なども行われました。

戦闘によるドロップやアイテムボックスから手に入る武器の数は億単位ととんでもない数になっています。

様々な種類の武器を駆使して豪快に敵を倒すことのできる爽快なゲームです。

World War Z

「World War Z」は同名の小説を原作にした映画をテーマにした協力型TPSです。

爆発的な感染力を持つ謎のウイルスの流行により人々が次々にゾンビになってしまった世界が舞台で4人チームとなったプレイヤーが武器を手にゾンビたちに立ち向かっていきます。

原作映画に登場した場所へ行き新しいストーリーとキャラクターで違った視点からプレイできる作品であり全世界で大ヒットを記録しています。

また、ストーリーモードの他にもPvPやPvEを含む各種ゲームモードが用意されています。

最大8人(4人×2チーム)で手に汗握るゾンビとの戦闘が楽しめます。

Detroit: Become Human

『Detroit: Become Human』は、2018年にPlayStation 4で発売、そのPC版がEpic Games Storeで配信中です。

AI技術とロボット工学が発達した2038年のデトロイトを舞台に、人間そっくりのアンドロイドと、人間がそれらに職を奪われる等の社会問題を背景に描くアクションアドベンチャーとなっています。

主人公がカーラ、コナー、マーカスそれぞれのキャラクターを操作します。

シナリオがプレイヤーの行動、選択によって様々に変化し時には主要人物が死亡することもありますが、そのままストーリーが進行します。

また、本ゲームは他キャラクターの好感度やプレイヤーの選択によって非常に多くの選択肢に分かれるため「オープンシナリオアドベンチャー」と銘打たれています。

STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー

映画『STAR WARS』を扱ったゲームは無数に存在していますが、この『STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー』もその1つです。

『APEX LEGENS』や『TITAN  FALL』を手掛けたRespawn Entertainmentが開発を担当している3人称アクションゲームとうこともありアクションゲームとしての評価も高い作品です。

原作のエピソード3とエピソード4の間に位置するゲームオリジナルストーリーが描かれるストーリーモードがメインとなっており、DLC配信をしないことがアナウンスされているなど、この1本のみで完結する力強いシナリオもこのゲームの強みです。

Batman Arkham Knight

名前のとおり、バットマンを題材としたオープンワールドアクションゲームが『Batman Arkham Knight』です。

本作は「Batman: Arkham Asylum」、「Batman: Arkham City」に続く「アーカム三部作」の最終章となる作品です。

リアルに表現されたゴッサム・シティを舞台に、3つの島からなる広大な大都市のオープンワールドのマップでその広さは前作の約5倍にもなります。

闇夜を駆け、ペンギン、トゥーフェイス、ハーレークィンとはじめとするスーパーヴィランとの戦闘や潜入任務、ガジェットを駆使した謎解きやバットモービルを乗りこなしバットマンとなりきることのできるシリーズの最後の作品にふさわしい大作です。

レインボーシックス シージ

言わずと知れたユービーアイソフトから発売されているタクティカルFPS『レインボーシックス シージ』もEpic Games Storeで配信中です。

プレイヤーは攻撃側と、防衛側に分かれて、各ラウンド約3分間で敵陣を一掃、または、爆弾解除などをすると勝利となります。

FPSとしては一度やられてしまうとすぐには復活できない特徴から単純な撃ち合いや個人技だけではない戦略性が重視されています。

そのため競技シーンでも人気なタイトルで日本の「野良連合」が世界ベスト4に入り、日本での大会視聴者数が1万人を超えるなどの実績があります。

それだけ聞くと初心者にはとっつきにくいゲームをとらえがちですが、初心者のみ参加できるゲームモードも用意されていますので積極的にプレイしてみることをおすすめします。

|Epic Gamesの今後

Epic Gamesはユニコーン企業の中でも世界トップ5に入るほどの高い評価を受けています。

同社は自社だけではなく複数のサプライヤーの商品やサービスの取引が行われるエコシステムであるデジタルエコシステムの提供を行っています。

またEpic GamesはEpic Games Storeで定期的に無料タイトルを配布しています。

しかも、デモ版や期間限定版ではなく永続版のタイトルを毎週数本公開しています。

CEOのTim Sweeneyはこのゲームの無料配布について、「将来的に収益性の高いビジネスを構築するための投資」「Epic Gamesストアのシェアはすでに15%に達した」という旨のツイートを行っており、Epic Gamesは収益性において高いポテンシャルを有していると言えるでしょう。

また積極的な出資や買収により様々な領域とのつながりを得た今、メタバースの構築を含めた様々なビジョンに向けた動きは加速していくと予想されます。

|まとめ

いかがでしたでしょうか。

Epic Gamesはゲームクリエイターにもユーザーにとっても欠かせない存在であることがご理解いただけたかと思います。

また積極的な事業買収やゲームの無料配布など将来に向けても様々な動きを見せています。

今後も音楽やメタバースなどゲーム以外の分野を含めた活躍を期待していきましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。