ブロックチェーン技術を活用することで、コピーが容易なデジタルデータに対し、唯一無二な資産的価値を付与し、新たな売買市場を生み出す技術として「NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)」が近頃注目を浴びています。

Twitter社のジャック・ドーシー氏の初ツイートが3億円で売買され、Beeple(ビープル)のNFTデジタルアート作品が75億円相当で売れたりと一部では大きな話題となりました。

こうしたNFT化されたアート作品やコンテンツを取引するのがNFTマーケットプレイス(取引所)です。

取引のできるNFTプラットフォームは年々増えており、続々と新規企業が参入しています。

今回はNFTに興味・関心がある方々へ向けてその中でも「LooksRare」というNFTプラットフォームをご紹介させていただきます。

|LooksRareとは

LooksRareとは、2022年1月からサービスを開始した分散型のNFTプラットフォームです。

Ethereum上のNFT作品であれば誰でも自身のNFTを販売したり、他者のNFTを購入したりできます。

中央集権的な運営を行っているOpenSeaに対して、LooksRareはユーザーフレンドリーなプラットフォーム運営を目指しており、ユーザーの要望をもとに機能開発を実施してコミュニティーによる運営を行うと明言しています。

LooksRareはNFTの取引手数料が2.0%でOpenSeaの2.5%と比べて安く、単一のNFTに対してだけでなくコレクションに対してオファーを出せます。

LooksRareには独自のNFTの発行機能はありませんが、LooksRareに対応しているManifold Studioを利用するよう案内されます。

標準的なNFTマーケットプレイスとしての機能に加えて、LooksRareは独自トークンLOOKSを最大限に活用してシェアを拡大しようとしています。

OpenSeaとは対照的で、OpenSea2022年8月現在まで独自トークンを発行していません。

|LOOKSとは

LOOKSとは、LooksRareが発行するプラットフォーム内で利用されるトークンです。

世界最大級のマーケットプレイスであるOpenSeaユーザーへ、 LOOKSをエアドロップ(無料配布)したことで大きな話題を呼びました。

1日のNFT取引量が、OpenSeaを上回るなど、業界関係者から注目が集まっています。

取引所への上場後は、約4倍となる814円まで価格を上げたが、現在は上場時とほぼ同価格帯である200円台で推移しています。

LooksRareはユーザフレンドリーなプラットフォームを目指しており、ユーザの要望をもとに機能開発を行う「コミュニティドリブン」としていく旨を宣言しています。

そのため、現在はまだ実装されていませんが、LOOKS は LooksRare の「ガバナンストークン」としても機能していく予定となっています。

ガバナンストークンとは、対象サービスの開発方針の投票権として使用することができる仮想通貨のことです。

LooksRareでのNFT売買を予定しており、LooksRareに追加して欲しい機能がある方は、LOOKSを保有しておくと良いかもしれません。

|LooksRareの特徴

「LooksRare」と「LOOKS」の概要についてご説明しました。ここからは、LooksRareの特徴について解説していきます。

ステーキングで稼げる

ステーキング(仮想通貨を保有して、預け入れた期間や数量に応じた報酬を受け取れるシステム)により流動性を追加することで、LOOKSを得られます。

NFTの売買でLOOKSを配布

NFTを売買すると、販売者と購入者の両方に報酬としてLOOKSが配布されます。

報酬の対象となるのは、LooksRareが定める一定の条件をクリアしたNFTコレクションのみ個人取引の場合、報酬が得られないため注意が必要です。

OpenSea利用者にエアドロップを実施

エアドロップとは様々な取引所で開催されるイベントで、無料で仮想通貨やトークンが配布されることを指します。

資金調達を行いたい企業が発行するトークンの知名度を高めるマーケティング活動の一環として、エアドロップを利用するケースが多くなっています。

LooksRareでは、OpenSea利用者に期間限定でエアドロップを実施しました。

今回のエアドロップのケースは、「ヴァンパイア・アタック」と呼ばれる手法で、ユーザー数の多い既存サービスの利用者に対して、トークンやインセンティブを提供することで、ユーザーや流動性を吸い取る狙いがあります。

LooksRareの場合は、OpenSeaで3ETH以上の取引をしているNFTを売買してくれそうな人を対象にLOOKSを配布するこで、LooksRareの認知度を上げるだけなく、マーケットの利用者を増やすことを狙ってエアドロップを実施しています。

エアドロップの対象者は、LooksRareにOpenSeaで取引をした実績があるウォレットを接続し、申請手続きをするとLOOKSを取得できます。

ガバナンスへの参加が可能

LOOKS保有者はLooksRareのガバナンスへの参加が可能です。

2022年1月時点では、まだガバナンスは実装されていない状況ですが、将来的にLOOKSをガバナンストークンにすることを公表しています。

LooksRareは、コミュニティドリブンで運営することを宣言しているので、今後LooksRareに関わりたい方はLOOKSを保有しておくと良いでしょう。

LooksRareの注意点

先程まではLooksRareが持つ特徴についていくつかご説明してきました。

しかし、それと同時にLooksRareを利用するにあたって注意点がありますのでご説明していきます。

日本語対応していない

NFTマーケットプレイスのLooksRareは日本語に対応していません。

LooksRareが注目度が高いNFTマーケットプレイスであると聞いて、利用してみたいと思った方もいるのではないでしょうか。

LooksRareは英語と中国語にしか対応しておらず、言語に不安がある方は使いづらいと言えます。

日本人が利用する場合は、Google翻訳など使って利用するなどが考えられます。

取引報酬を得られないNFTコレクションがある

LooksRareは、NFTの取引により、報酬としてLOOKSを得られるメリットがあります。

しかし、取引により報酬を得られるコレクションは、LooksRareが定める条件をクリアした一部のコレクションのみです。

条件クリアの基準としては、意図的に作られた著名コレクションの複製や類似品でないこと、LooksRareの累計ボリュームが250ETH/WETH以上である、著名な人や組織と関連していることを設定しており、LooksRareのスタッフが手作業で確認しています。

条件を設定している理由は、ユーザーが偽物のNFTを誤って購入しないためです。これにより、ユーザーは安心してNFTの取引ができます。

国内の取引所では購入できない

LOOKSを扱っている国内の仮想通貨取引所がないため、日本円でLOOKSを購入できません。

LOOKSを購入する場合は、国内の取引所でペア通貨(LOOKSを売買する通貨)を購入し、海外の取引所に送金して取引します。

海外の取引所に日本円を入金してLOOKSを購入したい方もいると思いますが、法律などの都合で日本円に対応していません。

よって、国内の取引所からペア通貨を送金する必要があります。

LOOKSを購入できる海外取引所は「Huobi Global(フォビグローバル)」」FTX(エフティーエックス)」「Gate.io(ゲート)」などがあります。

また、分散型取引所(DEX)のUniswapでも取引可能です。ただし、海外取引所は日本の取引所に比べて詐欺などのリスクがあるため、利用は自己責任でお願いします。

また、取引所によっては送金手数料がかかる場合もあるため、事前にリサーチしてから利用しましょう。

|LooksRareでのNFT購入方法

ここまで解説してきたLookSRareにおいて、NFTを実際に購入する方法を購入形式ごとに解説していきます。

固定価格での購入

公式サイトにアクセスして「Explore NFTs」をクリック。作品一覧が表示されます。

画面左の「Buy Now」をチェックすると、販売中のNFTのみ表示されるので、クリックしておきましょう。

Explore(探索)では、Item status(販売状況)や、Price Range(価格帯)、Collection(コレクション)などでフィルタリングしながら、探すことができます。

例えば、予算が決まっているというような場合は、Price Range(価格帯)で 予算を設定して探すようにすることで効率的に探せます。

欲しいNFTのコレクションが決まっているというような場合、Collections(コレクション)から探すと効率的です。

Floor(最低額)やTotal Vol(総取引額)、24h Vol(24時間の取引額)などで並んでおり、ソートを変えて表示させることができます。

欲しいコレクションを選択すると、コレクションの詳細画面に遷移しコレクションに属しているNFTを閲覧したり、販売中のものを購入するといったことが可能です。

購入したい作品の「Buy Now」をクリック。

購入通貨の選択に進むので、利用したい通貨を選択して「Buy」をクリック。

メタマスクが立ち上がるので「署名」をクリックして手続きを進めると購入完了となります。

オークション形式で購入

次にオークション形式での購入方法を解説します。

価格交渉を行って購入するOffer(交渉)という方法があります。交渉は販売中のNFTだけでなく、販売中でないNFTに対しても販売交渉を行うことが可能です。

NFTの詳細画面にある「Make Offer(交渉する)」ボタンを押すと、購入希望価格を入力する画面が表示されます。

ここの「Input price(価格の入力)」欄に、購入希望の価格を入力して「Make Offer(交渉する)」ボタンを押せば交渉ができます。

「Make Offer」をクリックするとメタマスクが起動するので、問題なければ手続きを進めてください。以上でオファーは完了です。

また、「Validity(期限)」を設定することで、交渉の期限を設定できます。

期限が切れるまで交渉中となるため、長期で交渉する場合に役立ちます。

ただし、長く設定しすぎると交渉したのを忘れてしまうといったリスクもあるため注意が必要です。

|LooksRareの見通し

LooksRareは2022年1月にサービスを開始したばかりですが、注目を集めているNFTプラットフォームです。

世間的に今後どのような推移を予測されているのでしょうか。ここからは今後の見通しについて解説していきます。

仮想通貨取引所への新規上場

LooksRareは仮想通貨取引所への新規上場による価格上昇が期待されます。

これまでにも、新規上場により価格が高騰した事例がいくつもあります。

現在LOOKSを取り扱っている仮想通貨取引所は、Huobi GlobalやFTX、MEXCなどがありますが、まだ少ない状況です。

アメリカの大手取引所「FTX」に上場したタイミングで相場を5倍程度急騰させています。

世界的に多くのユーザー数を持っている、BinanceやBybit、Coinbaseなどへは未上場のため、今後上場が発表されると価格が上昇する可能性があります。

NFT市場の盛り上がり

NFT市場が盛り上がることでLOOKSの価格上昇が考えられます。

その理由は、LOOKSがNFT関連銘柄であり、NFTの取引によってLOOKSが発行されるためです。

2021年前半は、NFT市場の盛り上がりから、仮想通貨全体の価格上昇が見られました。

2022年1月には月間で過去最高額となる35億ドル(約4000億円)の取引が行われています。

現在はNFT熱は落ち着いている状況ですが、再び盛り上がることがあればLOOKSの価格上昇が期待されます。

また、 LooksRareでの取引量が増えるほど、LOOKSの流動性も上がるため、NFT市場の影響は大きいと言えます。

OpenSeaユーザーの流入

LooksRareがNFTマーケットプレイスとして、より多くのユーザーを獲得することで、LOOKSの価格上昇が期待されます。

2022年1月現在、エアドロップの施策が成功し、LooksRareの取引量やLOOKSの価格は上昇傾向です。

しかし、この状況は一時的にOpenSeaのユーザーを取り込んでいるだけの可能性もあります。

LooksRareを使ってみて、「OpenSeaの方がいい」となれば、ユーザー数が減少し、LOOKSの価格が下がるでしょう。

ユーザーを定着させ、新規ユーザーの獲得に成功すれば、LOOKSの価格上昇も期待できます。

|まとめ

今回の記事では、NFTプラットフォーム「LooksRare」とそこで発行されるトークン「LOOKS」とはなにか、その特徴と注意点、実際のNFTの購入方法から今後の見通しまで解説・ご紹介してきました。

今回の記事を読んでご興味を持たれた方はぜひ一度LooksRareを使ってみてはいかがでしょうか。