本日は、注目のARグラス「Magic Leap 2」についてご紹介していきます。

そもそもMagic Leap 2とは何かから、商品概要、どんなことが出来るのかまで皆さんにお教えします。

この記事を読めばMagic Leap 2をどのようにビジネスシーンで活用できるかがわかるかなと思います。

それでは早速見ていきましょう。

|ARデバイス「Magic Leap 2」とは

出典:https://www.magicleap.com/magic-leap-2

そもそも今回紹介するMagic Leap 2とはどのようなものなのでしょうか。

Magic Leap 2はアメリカのMagic Leap社が開発するAndroidベースのARヘッドセットのことです。

2020年6月に同社から発売されたMagic Leap 1の後継機になります。

Magic Leap 1がコンシューマーやエンターテインメント志向を打ち出していたのとは反対に、法人向けの利用を想定しており、既に医療や製造、軍事といった、企業パートナー向けの早期アクセスプログラムが開始されています。

|Magic Leap 2のスペック

ここからはMagic Leap 2の基本スペックについて紹介していきます。

Android端末でAR体験ができるということで、持ち運びのしやすさや、機能がどこまで詰め込まれているのか気になる方も多いと思います。

重量

Magic Leap 2の重量は248gとなっています。

Magic Leap 1が316gだったので、それと比較すると約20%前後、68g軽量化された計算です。

またMagic Leap 1のOSはオープンソースコンポーネントを利用した独自OS「Lumin OS」が搭載されていましたが、Magic Leap 2ではAndroidに大きく依存する形に変更となるもようです。

簡単に言ってしまえば、Magic Leapに搭載されていたOSが排除され、Android端末のOSを使ってARを体験できるということになります。

視野角・解像度

Magic Leap 2のディスプレイは最大70度の対角視野、片目あたり1440×1760ピクセルの高解像度、リフレッシュレートは120Hzに対応しています。

アイボックスはMagic Leap 1の約2倍の大きさに拡大されています。

アイボックスとは、デバイス着用時に正しい像を見ることができる、レンズ中心からの水平/垂直距離のことを言います。

これによって、IPD(瞳孔間距離)の調整機構は不必要になったため廃止されています。

動的調光機能

Magic Leap 2には、“Dynamic Dimming(動的調光)”と呼ばれる新要素が導入されています。

これは、ARデバイスの性質上黒色を表示できない問題を克服するためのもので、この機能によって、Magic Leap 2のレンズは現実世界の光の通過率を、0.3%から22%の範囲で調節できます。

0.3%設定では、屋外でもバーチャルオブジェクトを視認可能な程度で、22%では、暗い部屋の中でオブジェクトを見ることができます。

アイトラッキング機能

Magic Leap 2ではアイトラッキングシステムも強化されます。

Magic Leap 1は片目に1基ずつトラッキング用のカメラを搭載していますが、Magic Leap 2では、片目に対して2基、合計4基のアイトラッキングカメラを搭載しています。

これにより、画質の向上やレンダリングエラーの最小化、“セグメント調光”が実現すると言われています。

|Magic Leap 2の3つのエディション

Magic Leap 2では使用環境、使用用途によって3つのエディションが設けられています。

それぞれの概要や特徴についてご紹介していきます。

Magic Leap 2 Base

Magic Leap 2 Baseは専門家や開発者を対象としたモデルとなっています。

完全な商用展開および実稼働環境での使用が許可されており、Magic Leapを用いての開発が可能なモデルになっています。

端末の希望小売価格は3299ドル(約45万円)からで販売されます。

端末価格には1年間の製品保証が含まれます。

Magic Leap 2 Developer Pro

Magic Leap 2 Developer Proは開発およびテスト目的のユーザーに、開発者ツール、サンプルプロジェクト、エンタープライズグレードの機能、毎月の初期リリースへのアクセスを提供するというエディションとなっています。

アプリケーションの開発およびテストといった内部での使用にのみ推奨されます。

こちらは商用展開および実稼働環境での使用は許可されていません。

希望小売価格は4099ドル(約56万円)からで、こちらにも1年間の製品保証が含まれます。

Magic Leap 2 Enterprise

Magic Leap 2 Enterpriseは、柔軟で大規模なIT展開と堅牢なエンタープライズ機能を必要とする環境を対象として展開されている最もリッチなエディションです。

このエディションにはエンタープライズUEM(統合エンドポイント管理)ソリューションを介して完全に管理可能な四半期ごとのソフトウェアリリースが含まれます。

完全な商用展開および実稼働環境での使用が許可されています。

Magic Leap 2 Enterpriseにはエンタープライズ機能とアップデートへの2年間のアクセスが含まれており、希望小売価格は4999ドル(約69万円)から。

さらに2年間の製品保証が含まれます。

|Magic Leap 2のデメリット

ここからはMagic Leap 2のデメリットについて解説していきます。

Magic Leap 2は先代機よりもだいぶ小さくコンパクトですが、腰に装着される大きなプロセッサが必要になります。

あまり装着感が自然なものとは言えませんが、これは「視界用PC」というコンセプトのため他のARグラスより大きくなってしまうようです。

また、眼鏡を着用しながらの使用は不可能で、代わりに度数調整用のスライドがグラスに搭載されています。

目の悪いユーザーはそちらを使用するかコンタクトレンズを着用するしかないようです。

眼鏡をかけての着用ができない理由としては広い視野角を確保するために目にできるだけ近い位置にグラスを持っていく必要があるためであり、根本的な改善は難しいと思います。

仮にそこが改善されて、眼鏡の上からMagic Leapを装着できるとしても、かけ心地は相当悪いものになるでしょう。

|まとめ

ここまで、次世代ARグラスMagic Leap 2についてご紹介してきました。

この記事をみて、Magic Leap 2をビジネスに生かせる可能性を少しでも感じてもらえたら幸いです。

SF映画やアニメなどで未来の技術として描かれてきた技術が私たちの手に届く位置まで近づいてきています。

まだ我々の手に取りやすい価格帯に下がるまでには時間がかかりそうですが、普及率が上がれば確実に我々の生活にプラスになることは間違いないでしょう。