みなさんは、近年話題となっている「web3」という言葉を知っていますか?
NFTなどのweb3を活用したサービスに注目が集まるなか、web3とは一体なんなのか、きちんと本質を理解していない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、web3についての概要や活用メリット、具体的な活用例などをわかりやすく紹介しますので是非最後までご覧ください。
|web3(web3.0)とは?
Web3は、ブロックチェーン技術を用いて実現する「分散型インターネット」のことを指します。
現代のインターネットは「中央集権型」であり、GoogleやAmazon、Microsoftなどをはじめとする「プラットフォーマー」と呼ばれる管理者のもとに人々が集い、相互に交流するものです。
しかし、Web3.0ではプラットフォーマーを介さず、個人間で直接やり取りができるようになり、コンテンツの提供やデジタルデータの販売、送金などが自由に行えるようになります。
ブロックチェーン技術とは
ブロックチェーンとは、「分散型台帳技術」と呼ばれる技術の一つであり、主に仮想通貨の取引記録をネット上で管理するために使用されています。
改ざんが非常に難しいという点がインターネット上の重要な取引に利用するのに向いているということから近年注目されています。
ブロックチェーンについては、下記記事で詳しく解説しています。
web3(web3.0)までのインターネットの変遷
インターネットの歴史は、web1.0、web2.0と進化し、今に至ります。
ここからは、web3が登場するまでのそれぞれの歴史について詳しく解説します。
「web1.0」1990年代
web1.0は、1995年頃から約10年間、Web上で提供されてきたインターネット初期の技術やサービス、Webに対する捉え方を指します。
この頃は、情報発信者はごく一部の人だけで、個人が自由に発信することはありません。
一般ユーザーは情報を受信することがメインで、Webサイトもテキスト中心のサイトというのが特徴です。
「web2.0」2000年代
web2.0は、2000年代に入りweb1.0以降のインターネットの技術的進歩によって、個人ユーザーやビジネス利用者など幅広い層の人たちがインターネットを活用するようになります。
TwitterやFacebookなどのSNSの普及により、インターネットは「見る」だけでなく「発信する」「交流する」といったことが可能になりました。
また、今となっては、主流となるネット銀行が登場したのも2000年に入ってからです。
|web3の特徴
Web3.0は以下のような特徴を持っています。
非中央集権
特定の巨大企業による個人情報管理への疑念、ブロックチェーン技術の発達、仮想通貨の普及などが挙げられます。
特定の巨大企業はグローバルでサービス提供をしていますので、国境を越えたある種の支配者が誕生し、国家単位での規制には限界があることも露呈しました。
そんな中央集権的な情報権力を分散させ、個人をエンパワーすることを目指して、Web3という概念に注目が集まるようになったわけです。
ブロックチェーン技術
ブロックチェーン技術とは、暗号資産を扱う基盤技術として開発された取引履歴をまとめた台帳のようなものです。
インターネットに接続した複数のコンピューターで、ブロック単位の記録をチェーンのようにつないで記録します。
典型的なパブリックブロックチェーンの場合、管理者がおらず、不特定多数の人が取引の正当性を検証するため、改ざんが極めて困難だといわれています。
Web3.0はセマンティックウェブ(意味論的ウェブ)、人工知能(AI)、分散型技術(例えばブロックチェーンやデータプライバシー技術)などの進歩を統合する次世代のインターネットの形です。
その目的は、ユーザーが情報をより効果的に探し、共有し、統合することで、インターネットをより自由で有用で安全な場所にすることです。
| web3のメリットとは?
web3を活用することで、一体私たちにどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下3つの観点から詳しく解説します。
・仲介組織を介さずに通信できる
・セキュリティが向上する
・グローバルにサービスを利用できる
仲介組織を介さずに通信できる
web3.0(web3)では、データ通信にサーバーを管理する仲介組織を介さず通信ができるようになります。
これは、「P2P」と呼ばれる方式で、特定のサーバーを経由しなくても、ネットワークに繋がった端末同士で自由にデータ通信を行うことができます。
仲介組織を介さずに通信を行うことで、サーバーのアクセス集中を防ぐことが可能になります。
セキュリティが向上する
web2.0では管理者がデータを一元管理しているのが一般的な構造で、サイバー攻撃の標的となると管理している個人情報が一斉に流失する恐れがありました。
一方でweb3は、各自がブロックチェーンのウォレットアドレスを保有し、必要な場合に都度ウォレットのIDでログインするため、個人情報の自己管理ができるメリットがあります。
グローバルにサービスを利用できる
現在のインターネット環境は、同じサービスでも国によって分散化されています。
例えば、Amazonの場合、アメリカ版の公式サイトと日本版の公式サイトでは販売されている品物が異なります。
しかし、web3では世界中どこにいても同じサイトからサービスを利用することができます。
| web3(web3.0)活用の具体例
ここからは、具体的にweb3をどのように活用するのか?具体例を紹介します。
OpenSea(オープンシー)
OpenSeaとは、世界最大規模のNFTマーケットプレイスです。
NFTのマーケットプレイスとは、NFTを販売するネットサイトのようなものです。
OpenSeaでは、NFT化されたアートや音楽などのコンテンツ販売や購入、二次流通などができます。
OpenSeaについての詳細は、下記記事で詳しく紹介しています。
Uniswap(ユニスワップ)
Uniswapとは、「DEX」と呼ばれるイーサリアムのブロックチェーン上に構築された分散型取引所の一つです。
仮想通貨の取引上は、中央集権型取引所(CEX)と分散型取引所(DEX)の2種類があり、Uniswapを始めとするDEXでは、仲介を行う企業は存在せず、あらかじめ設定されたプログラムに基づいて、ユーザー同士で直接取引を行うという特徴があります。
Brave(ブレイブ)
Braveとは、広告ブロック機能やプライバシー保護機能などを搭載した次世代のブラウザです。
みなさんが普段利用しているGoogleChromeやMicrosoft Edgeのようなブラウザと比べて、個人情報の保護機能が強化されているのが特徴です。
My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)
My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)は、日本初のNFTゲームです。
プレイしながら仮想通貨を稼げるゲームとして注目されており、課金して得たキャラクターやアイテムなどの価値が保証されているのが特徴です。
さらに、2019年に世界No.1のユーザー数を記録したブロックチェーンゲームとしても知られています。
CyberConnect(サイバーコネクト)
CyberConnect(サイバーコネクト)は、従来のSNSとは異なる新しいタイプのSNSで、web3の思想が反映された世界初の分散型ソーシャルグラフです。
MetaMaskなどの仮想通貨ウォレットを通じて、ユーザー同士の交流ができます。
また、ユーザーが主体となってフォロワーなどのデータを管理できる点が大きな特徴と言えます。
| web3の課題と注意点
web3は、今後さらに普及していくことが予想されますが、現状はゲーム市場やブロックチェーン市場など、ほんの一部の市場に過ぎません。
ここからは、web3における課題点や注意点について紹介します。
トラブルは自己責任になる
web3は、データの所有権がユーザー個人にあるので、情報の自己管理が必要になってきます。
web2では、ユーザー情報を登録するだけで誰でも簡単にネットサービスを利用できるとともに、そのユーザー情報は、IDとパスワードで一括管理されます。
万が一パスワードを忘れてしまっても再発行することで対処できますが、web3では、セキュリティの高いデータ管理の方法やトラブル時の一定の対応方法を把握していないと、web3.0(web3)を使いこなすのは難しいと言えるでしょう。
法的な整備が行われておらず普及までに時間がかかる
2022年時点ではweb3.0(web3)に必要な法整備がほとんど進んでいません。今後法整備が進み、web3が広く浸透するためにはまだまだ時間がかかると言えます。
仮想通貨に関しては、2017年に仮想通貨法が成立するなど、利用するサービスによって利益確定のタイミング等が異なるため万全な法整備とは言えません。
しかし、Web3は日本国内の成長戦略の要としても注目されているため、今後法整備が進められていくと考えられます。
|まとめ
いかがでしょうか。
本記事では、web3についての概要や活用メリット、具体的な活用例などをわかりやすく紹介しました。
まとめるとweb3とは、「ブロックチェーン等の新技術を用いた新しいインターネットの概念のこと」です。
インターネットは、時代の流れとともに進化し続けており、今後web3が社会に普及していくと考えられます。
今後、私たちの生活にどのように関わってくるのか更なる技術の進化に期待が高まります!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!