メタバースは近年、行政分野にも浸透しつつあり、全国の自治体が地域振興や観光PR、住民サービスの向上に活用し始めています。

本記事では、メタバースの基本概要から実際の自治体での活用事例をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!

企業独自のメタバースを迅速かつ安価に構築できる『プライベートメタバース』
サービスの特徴や開発事例をまとめた資料をご用意しました。

開発事例
機能カスタム
開発までの流れ
プライベートメタバース説明画像

プライベートメタバース紹介資料の無料ダウンロードはこちら

資料をダウンロードする

|そもそもメタバースとは?

メタバースとは、インターネット上に作られた仮想世界のことです。

パソコンやスマートフォン、VRゴーグルなどを使って、自分の分身である「アバター」を通じ、他の人と会話したり、一緒にイベントに参加したり、買い物や仕事をすることができます。

テレビ会議よりも臨場感があり、まるで現実のように人と関われるのが特徴です。

もともとはゲームなどで使われてきましたが、最近では大手企業や自治体なども活用を始めています。

詳しくは、下記の記事をご覧ください。

【これだけ見ればわかる!】メタバースとは?概要からビジネス活用法まで解説
【これだけ見ればわかる!】メタバースとは?概要からビジネス活用法まで解説

|なぜ今、自治体がメタバースに取り組むべきなのか

今、自治体がメタバースに注目すべき理由は、「住民サービスの向上」と「地域の魅力発信」の両立が可能だからです。

特に少子高齢化や人口減少が進む中で、地域の活性化や移住促進には新しい方法が求められています。

メタバースは、そうした課題に対する一つの解決策となり得ます。

たとえば、物理的に足を運ばなくても、仮想空間で観光体験や移住相談ができるようになれば、遠方に住む若者や子育て世代にも地域の魅力を伝えることができますし、メタバース上で住民説明会を開けば、仕事や育児で忙しい人でも参加しやすくなります。

|自治体のメタバース活用事例

実際に、日本各地の自治体でもメタバースを使った取り組みが始まっています。

ここでは、実際にメタバースを活用している全国10の自治体の事例をご紹介します!

神奈川県(横浜市)

出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240807/k10014540411000.html

神奈川県横浜市は、小児がんなどと闘病中・治療経験のある子どもと家族の孤立を防ぐため、アバターを用いた交流イベントを仮想空間上で試行しました。

2024年8月に実施した初回イベントでは、治療副作用による外見変化を気にせず参加者同士が対話を楽しみ、患者や家族が安心して交流を深めることに成功しています。

兵庫県

兵庫県姫路市は、スマートシティ事業の一環で、インターネット上の仮想空間を活用した中学生向け学習プラットフォーム「姫路市学習プラットフォーム」を構築し、2025年1月よりサービスを開始しています。

自宅から学校配布の端末等でアクセスできる2Dメタバース「ZEP」上の学びの場で、動画教材視聴やデジタルドリル、オンライン授業、悩み相談まで多様なコンテンツを提供しています。

この取組は生徒一人ひとりの基礎学力向上と学習意欲喚起を図るとともに、不登校生徒を含む全ての中学生に学びの機会を与えることを目的として、「楽しく学ぶ」体験を通じ自主的に勉強に取り組めるよう、学習進度に応じたポイント付与機能などゲーム性も備えています。

広島県

出典:https://www.nttqonoq.com/news/20230324_01/

広島県観光連盟はスマホやPCから誰でも入場できるメタバース空間「Hiroshima Midnight Fest.」を開設しています。

これは、広島の観光体験ツアーや特産品の最新情報を発信・体験できる場で、空間内には戦争と復興をテーマに広島市内を巡るツアー紹介ブースや、広島県産の食材・名産品を展示するバーチャルショップなど多数のブースが設けられています。

およそ3か月に1度の頻度でコンテンツを更新し続けることで利用者を飽きさせず、オンライン上で広島の魅力を継続的に発信する工夫を凝らしています。

佐賀県

出典:https://virtual-ureshino-web.com/

佐賀県は、「デジタルモール嬉野」を開設し、新たな観光・交流の場を提供しています。

嬉野温泉駅前の風景を高精細に再現したメタバースで、利用者はアバターで駅前広場や茶畑、旅館ロビーなどを巡り、360度実写映像で温泉街の雰囲気を自宅から体験できます。

空間内では名産のお茶や特産品のオンライン購入、観光クイズやスタンプラリーなどの体験コンテンツも充実し、他の参加者とリアルタイムで交流することも可能です。

ブラウザ経由で手軽に参加できるため特別な機器は不要で、自宅にいながら嬉野の魅力に触れられる取り組みとして、観光振興と交流人口の拡大が期待されています。

静岡県

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000216.000034617.html

静岡県焼津市は、メタバース上の大型イベント「バーチャルマーケット 2022 Winter」に出展し、地域PRに取り組んでいます。

ブースではバーチャルマグロの一本釣り体験や、アバターによるマグロ解体ショーを実施して、マグロの水揚げで知られる焼津の魅力を来場者にアピールするなど、バーチャルイベントは大盛況となり、多くの人に焼津市の魅力を届けることに成功しています。

さらに、その効果も表れており、焼津市の特産品を返礼品とするふるさと納税の申込が増加して前年度の寄付額を上回るなど、メタバース上のPRが地域経済の活性化につながる好例ともなっています。

鳥取県

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000087.000078201.html

鳥取県は、人口減少対策として、全国で初めて県庁内に「メタバース課」を新設しました。

AIアバター職員を採用し、24時間365日メタバース空間上で世界中の人々と交流しながら鳥取県の魅力を発信しています。

具体的にはメタバース空間内で鳥取を応援するプロジェクトを立ち上げたり、名所・名産を紹介するなどの活動を展開しており、ユーザーとの対話を重ねることで世界の人々が鳥取県のどのような部分に興味を持つのかを分析し、今後の効果的な情報発信につなげています。

時間や場所の制約なく県の魅力を伝えられる革新的な地方創生の取り組みとして注目されています。

山梨県

出典:https://www.city.hokuto.yamanashi.jp/konkatsu/info/21417.html

山梨県北杜市は、若い世代に結婚・定住につながる出会いを提供するため、メタバースを活用した婚活イベントを開催しました。

これは、アバター同士が会話を楽しむ「新感覚婚活」であり、外見にとらわれず内面にフォーカスできるためマッチング率は驚異の7割超と高く、リアルの婚活よりも若年層の参加者が多い結果となりました。

成立したカップルには抽選で市内のリゾート施設で使えるデートコース券をプレゼントするなど、オンラインからリアルな交際への橋渡しも行っています。

場所や対面の不安を感じず気軽に参加できることから、メタバース婚活は人口減少対策の一環として出会い創出に大きく貢献しています。

神奈川県(相模原市)

出典:https://app.ovice.com/ws/sagamiharajinjimeta2025/@2368,1248

神奈川県相模原市は、人材不足への対応策として、2025年3月に全国の政令指定都市で初となる職員採用情報のメタバースサイト「相模原市役所メタバース・オフィス」を開設しました。

インターネット上の仮想空間に市役所庁舎をリアルに再現した3D空間を構築し、利用者は庁舎内を自由に見学できるほか、設置された動画で市職員の働く様子を疑似体験することもできます。

メタバース上ではアバターを介して職員や他の利用者と交流でき、現在は月に一度採用担当者が常駐して気軽に質問できる場も設けています。

紙のパンフレットに頼っていた従来の採用案内をDX化し、若年層への情報発信強化を図ったこの試みは、開始直後ながら早速利用者から質問が寄せられるなど反響があり、今後さらなる充実が検討されています。

京都府

出典:https://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000335/335836/kisyakaikennsiryou.pdf

京都府京都市は、不登校傾向にある児童生徒への支援策として、メタバース上に仮想教室「オンラインの居場所」を設けた実証研究を2024年末より開始しました。

子どもたちはアバターでこの教室に集い、チャット機能を使って授業に参加・発言する形で、学校外でも安心して自分のペースで学習・交流できる場を提供します。

毎週水曜日の午後に開講し、理科・プログラミング・防災など子ども達の興味関心が高いテーマを横断的に扱う学習コンテンツを提供しています。

オンライン上の居場所づくりを通じて学びの機会を継続し、最終的には社会的自立のきっかけを提供する全国的にも画期的な取り組みとして注目されています。

香川県

出典:https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/42911/kagawork.pdf

香川県は、県内企業と学生・求職者がメタバース上で交流する就職支援イベント「かがわーくフェアオンライン」を2024年11月23日に開催しました。

参加者は自分のアバターを操作し、バーチャル空間「oVice」に設けられた企業ブースを訪れて担当者と自由に対話できます。

このイベントには香川県内から83社が参加し、企業との一対一の面談や相談が可能です。また、就職活動に役立つOB・OG(卒業生)による助言コーナーや就職相談ブースも設置され、企業とのコミュニケーションをサポートする機能が充実しています。

会場に足を運ばなくても多くの企業と出会える取り組みとして参加者に好評で、自治体によるDXを活用した新しい雇用支援策の一例となっています。

|まとめ

メタバースは、単なる仮想空間にとどまらず、地域課題の解決や住民サービスの向上を実現する新たなツールとして、今後ますます導入が進むことが予想される領域です。

今回ご紹介した自治体の事例からも分かるように、導入のハードルは決して高くなく、それぞれの地域特性に合わせた柔軟な活用が可能です。

人口減少や高齢化、若者の地域離れといった課題を抱える中で、従来の手法だけでは届かなかった層に情報を発信できるのがメタバースの大きな強みです。

少しずつでも導入を進めることで、未来のまちづくりに向けた大きな一歩となるでしょう。

企業独自のメタバースを迅速かつ安価に構築できる『プライベートメタバース』
サービスの特徴や開発事例をまとめた資料をご用意しました。

開発事例
機能カスタム
開発までの流れ
プライベートメタバース説明画像

プライベートメタバース紹介資料の無料ダウンロードはこちら

資料をダウンロードする