こんにちは、メタバース相談室です。
今回はスポーツ×VRについてご紹介していきます。
昨日サッカーワールドカップの全日程が終了しまして、優勝国が決まりました。
神の子リオネル・メッシが最後の大会で、一番欲しかったタイトルを獲得できてとても胸が熱くなりました。
誰にも予想出来るはずもない試合展開で、ここ数年で最も興奮した人も多いのでしょうか。
世界中でスポーツ熱、サッカー熱が高まっている今日この頃ではありますので、VRに絡めたスポーツの記事をお届けしていきます。
スポーツとVRが今後どのように関わりあっていくのでしょうか。
早速見ていきましょう。
目次
|VRとは
まずはVRについて簡単におさらいしていきます。
VRとは「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)」の略で、日本語では「仮想現実」と訳されます。
人工的に作られた仮想空間を現実かのように体感させる技術で、人間の五感を同時に刺激することで仮想空間への没入感を与えます。
一般的にVRと聞くと、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使用して仮想空間を体験するコンテンツをイメージすることが多いです。
CGを使って現実に近い世界を作り出し、専用のゴーグルやヘッドホンを付けてその映像を見ることで、360度の3D空間を体験できます。
日常では考えつかない世界を体験したり、実際に行動する前のシミュレーションをできたりするのがVRの大きな魅力です。
こちらの記事でより詳しくVRについての解説をしています。

|VR×スポーツ観戦
VRでスポーツ体験ができる事例の一つ目は、VR×スポーツ観戦です。
一般的にスポーツ観戦をするとなると、実際にスタジアム、競技場に足を運んで生の試合を大歓声の中楽しむか、もしくは家でテレビの中継で楽しむかに分かれると思います。
ただ、実際に現地で試合を見ると「臨場感は身体全体で感じられるが、どうしても選手までの距離が遠くて試合自体を楽しめない」であったり、テレビで観戦すると「中継カメラが選手に寄ってくれて選手の表情などはよく見えるが、カメラで映っていないシーンが見られない、臨場感に欠ける」であったりなど、どうしてもデメリットが感じられてしまいます。
しかしVRでスポーツ観戦を行うことで、自宅にいながら臨場感MAXの試合観戦ができ、カメラのアングルも自分で選択できるマルチアングル機能も搭載されているので、現地・中継の良い部分を両方備えたうえで、双方のデメリットも改善されたスポーツ観戦が可能になります。
|VR×スポーツトレーニング
VRは、プロアスリートのトレーニングにも活用されています。
レンヌ第2大学のRichard Kulpa(リシャール・クルパ)教授によって、怪我のリスクを減らしながら、アスリートの運動能力を向上させるためにVRの特性を活用するという取り組みが提唱されています。
試合データが管理され、アスリートがどのようにプレーに関与しているのかを分析、理解、定量化できるようになることで、怪我のリスクを最小限に抑えながら、アスリートのトレーニング量を増やすことが可能になります。
対人スポーツでは、相手の動きをシミュレーションして対策をトレーニングしたり、使用する筋肉を視覚的にとらえたりすることで、練習効率のアップが期待されています。
また、コロナ禍で練習場に行けない期間でも個人訓練することができるということも大きなメリットです。
このプロジェクトは2024年のパリオリンピックに向けて進められています。
|VR×スポーツ観戦・体験の実例
ここからは、VR×スポーツの実例についてご紹介しています。
もしかしたら実際に利用している人も多いのではないでしょうか。
J SPORTS VR
J SPORTS VRはモバイル端末とVRゴーグルを合わせて使用をすることで、360度動画のほか、仮想空間内の巨大な画面に映し出されるスポーツコンテンツを楽しめるシステムです。
ラグビー、野球、サイクルロードレース、モータースポーツ、バスケットボール、バドミントン、卓球、フィギュアスケートなどの観戦ができます。
もともとスポーツ中継に特化したテレビ局だったため、システム発表時は非常に注目度の高いコンテンツでした。
バーチャルハマスタ
バーチャルハマスタは名前から何となく予想できる人はいると思いますが、2020年8月11日と9月29日にKDDIがプロ野球・横浜DeNAベイスターズとの提携により、VR空間での試合観戦システムです。
VR空間上に横浜スタジアムを疑似再現しているのが特徴で、これによりファンは、実際の球場と似た雰囲気を楽しめます。
8月11日の参加人数は横浜スタジアムの収容人数とほぼ同じとされています。
野球の試合における臨場感を自宅から楽しめる典型例でしょう。
True VR
TrueVRはアメリカ半導体大手のIntelが、バスケットボールの試合向けに開発したVR観戦システムです。
スポーツライブ観戦の雰囲気を忠実に楽しめるシステムとして注目されています。
マルチプラットフォーム配信機能や立体カメラポッドなどを通して、True VRを楽しめる仕組みです。
試合会場でこうした設備を動かすことで、True VRの中でもマルチアングル観戦が可能になります。
試合中に視点を切り替えたり、選手の動きを間近で見たりできるのがポイントです。
True VRは会場の観客の目が届かない視点も届けることが出来ます。
NextVR
NextVRはスポーツVRを専門に取り扱っているスタートアップ企業NextVR社が開発したシステムです。
プロバスケットボールのNBAやプロアメリカンフットボールのNFL、プロレスのWWE、コンサートなど1,300以上のVRコンテンツの配信実績を持ち、世界的なメジャースポーツ大会と提携して数多くの試合のハイライトVR動画を公開しています。
また、北米4大プロスポーツリーグの一つである「NBA」と米フォックス放送のスポーツ部門「Fox Sports」とパートナーシップを組んでおり、日本では「ソフトバンク株式会社」と共同でコンテンツ配信なども行なっています。
2020年にNextVR社はApple社に買収されています。
iCube
iCubeは横浜DeNAベイスターズで2017年シーズンより導入された、選手の能力向上やチーム力強化を目的としたVRシステムです。
本システムの導入では、日本球界初の取り組みと言われています。
iCubeはアメリカ合衆国のベンチャー企業であるEON Sports社が開発したVRを用いた最先端のベースボールトレーニングシステムです。
2015年より横浜スタジアムに導入したボールトラッキングシステムに蓄積されたデータに加え、撮影した映像を組み合わせて、実際の投手の投球をリアルに再現し、選手はヘッドマウントディスプレイを着用して、圧倒的な臨場感の中で投球の速度、球筋、ノビ、変化球のキレなどをリアルに体感することができます。
蓄積されたデータの中から対戦投手や球種などを自由に選択し、試合に向けたより実践的な準備をすることを可能としています。
V-RAGE
V-RAGEは、CyberZとエイベックス・エンタテインメント、テレビ朝日の提携により開発されたeスポーツ用VR施設です。
自宅からでもパソコンやスマートフォンからV-RAGEにアクセスでき、スポーツ観戦だけでなく、イベント体験なども受けられるのです。
V-RAGE自体が観戦施設ですが、自宅にいながらでもeスポーツの迫力に満ちた戦いを楽しめます。
出場選手への投げ銭やコメントなど、副次的な機能も充実しています。
他の動画配信サービスで配信者と視聴者がコミュニケーションを取れるように、選手とコミュニケーションできる機能が揃っています。
eスポーツの見方をさまざまな形で楽しめるのが、V-RAGEの強みでしょう。
|まとめ
今回はVRとスポーツのつながりについて紹介してきました。
スポーツ観戦だけでなく最先端トレーニングとしてのVR導入がいたるところで行われています。
早い業界では2017年ごろから導入を始めているところも多くあります。
昨日閉幕したサッカーワールドカップでも、VAR(ビデオアシスタントレフェリー)や半自動オフサイドシステムが導入されるなど、スポーツの世界にも技術革新の波が迫ってきています。
「最近のスポーツはチップやセンサーを埋め込んだり、AIやVRが介入したりしてよくわからない」と離れていってしまう人も少なくはありません。
先進技術によってよりスポーツが複雑化してきています。
より深くスポーツを理解できる絶好の機会とみてみるのはいかがでしょうか。