皆さんは「バーチャルライブ」に参加したことはありますか?

Vtuberだけでなく、有名アーティストも開催しているということで、新たな時代のスタンダードとして定着してきています。

さらに、多くの人が今ライブ配信を「する側」にもなっていますよね。それだけ気軽に始めることのできるものとしての認知も高まっているということだと考えられます。

そこで今回は、この「バーチャルライブ」についてご紹介していきます。

この記事を読んでいただくと、バーチャルライブの仕組みや楽しみ方が見えてくるはず。ぜひ最後までお読みください!

|バーチャルライブとは?

そもそもバーチャルライブとは「3D空間でリアルタイムに開催されるライブ」のことを指します。

この空間でライバー(=アーティスト)は3DCGでモデリングされ、通常のライブと同じように歌やダンスなどのパフォーマンスを行います。

視聴者(=観客)は世界のどこからでも参加することができます。ライブ中はコメントだけでなく投げ銭などの様々な応援アイテムが用意されているため、ライブをさらに盛り上げることが可能です。

ここ数年で急速に普及した背景には、Vtuber(バーチャルYoutuber)人気の上昇はもちろんのこと、新型コロナウイルスの流行拡大による需要の高さが挙げられます。

それまで当たり前のように多くの観客を集めて開催されてきたライブにも制限がかかり、なかなか思うようにライブが開催できない時期が続きました。

「ライブができない」「ライブに行けない」…双方のネックを解消してくれたのが、このバーチャルライブということですね。

|バーチャルライブの仕組み

では、バーチャルライブはどのような仕組みで運営されているのでしょうか。

リアルのライブとの違いにも触れながら説明していきます。

演者とエンジニア

「演者」とは、Vtuber3Dアバターの表情や動きなどの元となる人間のことを指します。

演者は「モーションキャプチャー」と呼ばれるスーツを着用して、実際に歌やダンスなどのパフォーマンスやトークをします。

そして、それを裏方として支えるのが「エンジニア」です。

エンジニアはCGのステージや演出映像を作成し、作った映像を巨大なモニターに映し出します。そのため、専門技術が必要となり、機材もリアルのライブとは異なるものが必要です。

ただ、演者とエンジニア双方の活躍で1つのライブをつくりあげるという点は共通していますね。

モーションキャプチャーとは

先ほども挙げた「モーションキャプチャー」とは、バーチャルライブには欠かせない機材です。

仕組みとしては、まず記録元の人間に「マーカー」と呼ばれる目印を付けます。その状態で体全体の動きをトレースしコンピュータに記憶させ、動きをアバターに反映させて動かすことができるという技術です。

その位置や動きを測定する方式によっていくつか種類がありますので、以下の記事も併せてご覧ください。

モーションキャプチャとは?原理や活用シーンをわかりやすく解説!
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バーチャルライブを見ると、Vtuber手足の動きから表情までかなりリアルだと感じたことはありませんか。

私も実際にバーチャルライブに参加したことがあるのですが、まるで人間かのように細やかな動きが表現できていたことに驚きました。

それこそがリアルのライブのような没入感を生み出す、バーチャルライブの醍醐味だと感じます。

|バーチャルライブを行うために必要なもの

では、実際に私たちが「バーチャルライブをしたい!」と思い立った時、何を準備すればよいのでしょうか。

モーションキャプチャーの他に3つ、方法をまとめました。

VR機器

ヘッドセットと2つのコントローラを装着するだけで3Dアバターを動かすことができます。

全身でより細かな動きを表現することが可能なので、ダンス等で全身を使う場合はこちらが必要になります。

この後ご紹介する配信プラットフォームの中には、VR機器が必須というものもあります。

こちらの記事でVR機器について詳しくまとめておりますので、詳細はご確認ください。

メタバースにおすすめのVRゴーグルとは?種類と選び方を詳しくご紹介!
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フェイストラッキングソフト

PCを持っていれば、webカメラと併せて顔の動きや表情を読み取るフェイストラッキングソフトをダウンロードすることでバーチャルライブができます。

胸から上しか写すことができませんが、動きを伴わないゲーム配信やカラオケ配信、トーク中心の配信であればこれで十分かと思います。

よく使われるのは「Animaze by FaceRig」というソフト。

こちらはwindows専用にはなりますが、2D・3Dどちらでも使用でき、トラッキングの範囲が広いかつ精度が高いのでよく使われているようです。

標準でアバターもいくつかあるので、すぐに配信を始めることができますよ。

ライブ配信用スマホアプリ

VR機器もPCも準備できないという場合でも、スマートフォン1台あればバーチャルライブを行うことができます。

自由度や精度は劣ってしまうかもしれませんが、操作もわかりやすいため初心者でも心配ありません。

アプリを使う際のポイントは「配信用途に合わせて使い分けること」です。

それぞれのアプリには強みや特徴があります。

ゲーム配信、カラオケ配信、雑談…など、ご自分が興味のあることや配信したいカテゴリーに合ったアプリを使うことでリスナー獲得にも繋がります。

とはいっても、今はたくさんのアプリがありますよね。

この後様々なプラットフォームを特徴とともにご紹介しますので、ぜひ自分に合ったものを見つけてみてください。

|バーチャルライブの主な配信プラットフォーム

さて、ここまでバーチャルライブの仕組みについてお話してきました。

「バーチャルライブをしてみたい!」「参加してみたい!」という興味をお持ちの方に、現在展開されている配信プラットフォームをご紹介します。

それぞれで目的や強み、準備するものが変わりますので、自分に合ったものを見つけていただきバーチャルライブをお楽しみいただければ幸いです。

Mirrativ(ミラティブ)

株式会社ミラティブが運営している、ゲーム実況やライブ配信ができる配信プラットフォーム。

ゲーム配信といえばPCや機材がいろいろ必要で敷居が高い…というイメージがあるかもしれません。

しかし、Mirrativはゲーム中のスマホ画面を配信することができます。

現代ではスマホゲームを楽しむ方も多いので、気軽にゲーム配信ができそうですね。

また、チャットやスタンプでほかのユーザーとも気軽にコミュニケーションを取ることが可能です。

配信者数も多いので、友達とわいわい配信することもできます!

ちなみに「エモモ」というアバターが用意されていますが、動きではなく声に反応してアバターが動くという特徴があります。ですので「少し顔が映ってしまった…」ということもありません。

REALITY(リアリティー)

REALITY株式会社が運営している、配信プラットフォーム。

アプリ内ゲームの配信やリスナーとのYoutube視聴、最大4人までのコラボ配信、チャット機能といった「リスナーとのコミュニケーション」に重きをおいているという特徴があります。

配信後にリスナーに向けてチャットを送るという距離の近さも人気の秘密です。アットホームな雰囲気で配信を楽しむことができそうですね。

アバターも種類豊富なパーツから選んで作成することができます。

収益化のシステムもポイントで明確化されているので、気軽に始めたいという方にもわかりやすく、かつ親しみやすいプラットフォームとなっています。

topia

株式会社アンビリアルが運営している、バーチャルカラオケ配信プラットフォーム。

アバターの姿でカラオケ配信ができるのですが、楽曲はJOYSOUND提供、15,000曲以上が完全無料で歌い放題とのことです。これは贅沢ですね!

アバターのパーツも種類豊富なので、こちらも充実しているようです。

カラオケ配信もゲーム配信と同様で機材が必要というイメージがあり敷居が高く感じる方もいらっしゃると思いますが、スマートフォン1つで配信ができるのでカラオケ好きな方にはおすすめです。

SHOWROOM V

SHOWROOM株式会社が運営するiPhone専用配信アプリ。

「SHOWROOM」というアプリをご存知でしょうか。

アイドルやアーティスト、タレントなどがライブ配信で利用していますよね。

この「SHOWROOM」と連動してバーチャルライブ配信ができるのがこの「SHOWROOM V」です。

インカメラが反映されているので、まばたきや手の動き、距離感までもが現実と連動しています。アバターは既に用意されているので、スマートフォン1台ですぐにデビューできます!

バーチャルキャスト

株式会社バーチャルキャストが運営している本格派配信プラットフォーム。

VR教育システムとして学校法人角川ドワンゴ学園のN高等学校・S高等学校で採用されています。

独自の機能として、他の配信者のスタジオに参加できる「凸(とつ)機能」があります。

最大一部屋に16人まで入れるので、大人数でのにぎやかな掛け合いも見どころです。

また、様々なアイテムが用意されていて自分の「ルーム」と呼ばれる空間に持ち込むことができ(ザ・シードオンラインとの連携が必要)、自由度も非常に高いといえます。

利用にはPCやVRデバイスが必要となりますが、「本格的にバーチャルライブをしたい!」という方にはぴったりです。

カスタムキャスト

株式会社ドワンゴと株式会社S-courtの共同開発によるスマートフォン向け配信プラットフォームアプリ。

初心者の方でも簡単に3Dアバターを作成することができ、カスタマイズも自在。

iPhoneX以降であればフェイストラッキング・ARに対応しており、自分の顔の表情も反映できます。なかなか本格的ですよね。

有料の会員専用サービスを利用すれば先述した「バーチャルキャスト」でも同じアバターを使って配信をすることができるようです。

VARK

株式会社VARKが運営している、バーチャルライブを実施しているサービス。

有名人や大手配信者がライブイベントを行っています。

独自のWORLD機能というシステムがあり、自分自身のアバターを作成してVARK上でコミュニケーションやカラオケ、動画視聴、独自のゲームを楽しむこともできます。

ただ参加するだけではなく、参加者側も楽しむことができる仕掛けが詰まっていますね。

参加方法は、VRデバイス「Meta Quest2」、スマートフォンアプリ、ライブ配信サービスのいずれかとなります。ハイクオリティなバーチャルライブに参加してみたい!という方におすすめです。

ちなみにVRデバイスのみとなりますが、「LIGHT STAGE」という機能で誰でもライブの開催も可能です。

Hikky

オープンメタバースを展開している企業。

2021年にギネス世界記録にも認定されている世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット」、世界100都市以上のメタバース化を目指す「パラリアルワールドプロジェクト」など、革新的な取り組みを続けています。

Vket Cloudという強い自社VRエンジンを有しているのが特徴で、マルチデバイスにも対応しているため参加も気軽にできます。公式HPからサンプル体験もできますよ!

その中でバーチャルライブ事業も展開しているので、実際に現実世界でライブに参加するかのような没入感をより味わうことができそうですね。

|まとめ

今回の記事は以上となります。

リアルなライブのような臨場感や感動を生み出す空間であるバーチャルライブは、今後も多く開催されていくことになるでしょう。

ぜひ今回ご紹介したポイントにも注目して見ていただけるとより楽しむことができると思います。

また、配信と一口に言っても気軽に始められるものから本格的なものまで、多くの配信プラットフォームが存在しています。

ぜひ自分に合ったものを見つけていただき、参加する側でも配信する側でも、バーチャルライブを楽しんでみてはいかがでしょうか。