WebARの導入を検討したいけど、「何だか良く分からない。」「試してみて失敗するのは怖いな。」と考えている方も多いのではないでしょうか。
でも、簡単に無料で始められると知ったらどうでしょうか?少しハードルが下がりませんか?
そこで今回は、WebARのメリットや企業での導入事例、初心者の方向けのツールをご紹介していきます。
無料でWebARを制作できますのでまずは試しに始めてみて、ご自身の企業や要望に応えられそうか検討してみるのはいかがでしょうか。
目次
|WebARとは
WebARとは、Webブラウザで体験できるAR技術のことをいいます。
そもそもARとは何かというと、Augmented Reality(アグメンティッド・リアリティ)の略で、日本語では拡張現実と呼ばれています。
スマートフォンやタブレットなどのデバイスのカメラを通すことで、現実世界の景色に現実には存在しない画像データやテキスト情報などのデジタルコンテンツを表示できるのがAR技術です。
AR技術の代表例として、「ポケモン GO」や「SNOW」といったアプリを想像すると分かりやすいのではないでしょうか。
これまでのAR技術ではアプリをインストールし、そのアプリを通じて操作を行うことが主流でしたが、WebARではアプリを使わないためアプリ開発をする必要がありません。
|WebARのメリット
では、WebARのメリットとは何なのか、具体的な特徴を踏まえて4点ご紹介していきます。
アプリをインストールする必要がない
ユーザーの最大のメリットは、専用アプリをインストールする必要がないことです。
専用アプリは、使いこなすと便利な反面、サービスを体験するための入口としてはハードルが高い傾向にあります。
その点、WebARだとURLを開くだけで簡単にAR体験ができ、アプリをインストールする工程が減ることでユーザーとしては、手間がかからず自然な流れで体験までたどり着くので心理的にも物理的にもユーザーの負担が減ります。
離脱率を低く抑えることに繋がりますので企業側のメリットとしても、サービスを使ってもらい良さを分かってもらう第一段階として、WebARは有効だといえます。
アプリよりコストがかからない
企業側の最大のメリットは、アプリ開発にかかる時間や費用のコストがかからないことです。
ARアプリの開発に取り掛かる場合、実装するために何度も検討と実装を繰り返す必要があり、人員の確保や開発にかかる時間や費用のコスト面がネックになります。
また、「iOS」と「Android」の2種類のアプリを開発しなければいけなかったり、リリースに際してはAppleやGoogleの審査が必要になり、審査に通らなければ再度検討の上修正が必要になり、サービスをリリースできるまでに時間を要してしまします。
その点、WebARはアプリ開発の必要がありませんので、アプリ開発にかかる時間や費用をカットでき、短期間かつ低価格で開発ができます。
SNSとの相性がいい
現代社会のプロモーションを行う上で重要なことといえば、どうSNSに絡めて宣伝していくかということでしょう。
テレビやネットニュースでも集客方法も重要ですが、ユーザーが体験したことをSNSでシェアし、拡散してくれることで大きな宣伝効果をもたらします。
AR体験ではユーザーが拡散したくなるコンテンツを作ることによって、ユーザーがTwitterやInstagram、TikTokなどのSNSでシェアしたり、拡散してくれることで、まだ体験したことのない人の目にとまったり、ユーザ同士の輪が出来たりと広がりの可能性を秘めています。
また、SNSでのキャンペーンやハッシュタグ企画で投稿する条件を指定することでトレンド入りを狙った宣伝も活用しやすい特徴があります。
制約が少ない
WebARの強みである開発時の制約が少ないことも企業側のメリットといえるでしょう。
ARサービスを提供するにはAR専用のアプリ以外にも、他社のプラットフォームを使ってARの開発を行うこともできます。
しかし他社のプラットフォームを使用するとなるとそのプラットフォームのルールや規約にそって開発する必要があり、コンテンツに制限が出てくることでできない演出があるなど、自由度が低くなります。
その点、WebARだと間に企業が介在しないため制約が少なくなり、自由度が高くそれぞれの企業にあった思い描いたAR体験をユーザーに届けることができます。
|WebARの実例
ここでは、よりイメージを湧きやすくするために具体的なWebARの活用事例を3社ご紹介します。
プロモーションに力も入れていきたい方は、ぜひ参考になさってください。
シュウウエムラ
出典:https://www.shuuemura.jp/virtual-try-on/
コスメブランド「シュウウエムラ」では、2019年5月9日からAR技術を使ったバーチャルメイクアップサービスがスタートしました。
150種類以上の色とテクスチャーの違うリップを選び、バーチャルメイクアップできます。
操作も簡単3ステップで、商品と色を選び、カメラモードでご自身の顔を表示させることで、自動で唇を認識し、選んだリップをカメラに映ったご自身の唇に反映させてくれます。
店舗に出向かなくてもご自宅で試すことができ、メイクオフの手間もなく、またテスターの衛生面も気にする必要がないため、ユーザーも手軽に体験できるのも魅力の一つです。
これまではECサイトでの購入の場合、実際に試してみることができませんでしたが、AR技術を使うことで商品選びの参考になることでしょう。
LOWYA
出典:https://www.low-ya.com/features/ar
家具・インテリアのECサイトの「LOWYA」では、2019年2月にサービスがリリースされました。
LOWYAでは、テーブルやソファーなどの家具をはじめ、カーテンやラグマットなど600アイテムほどのアイテムをバーチャル体験できます。
操作は、Web上でAR対応のお好みの家具を選び、ARモードを起動させ配置したい場所にデバイスをかざすだけのシンプルな作りになっています。
AR技術を取り入れた背景としては、実際に家具を購入し配置してみたらしっくりこなかった方やサイズが合ていなかったという顧客のニーズに応えるべく、サービス開発をすすめ、商品購入後にイメージが違ったということにならないようにという狙いのようです。
スターバックス
出典:https://www.starbucks.co.jp/press_release/pr2022-4567.php
コーヒーのチェーン店である「スターバックス」では、来店促進キャンペーンとして2020年2月15日から3月12日に第一弾、2022年2月22日17:00から4月12日に第二弾となる、ARコンテンツを展開しました。
全国1500店舗あるスターバックスで飲食物などを買うだけで、特別何か買う必要もなく楽しめるコンテンツです。
どちらもさくらを用いたもので、レシートやショッピングバッグに記載されているQRコードをデバイスで読み込み、満開のさくらやサクラのフレームを選び、カメラを起動させることでさくらARの写った写真を撮ることができます。
期間限定のキャンペーンをすることで、最近行ってないけど面白そうだから行ってみようと思う方もいるでしょう。
そういった意味でもいつもと違う特別感を出すことで、来店促進に繋がります。
|WebARの作り方
最後に、WebARを簡単に作れる初心者の方向けのツールを3つご紹介します。3つとも無料で使えますので試しに登録してみて判断してみてはいかがでしょうか。
AR.js
AR.jsはWebARを開発できるjavascriptのライブラリで無料で使用可能です。
A-Flameというバーチャル空間を構築するためのオープンソースと組み合わせることで簡単にスマホARを作り上げることができます。
また、ARマーカーを用意しコードを書く、この単純な作業でWebARが作成できます。
コードさえ書ければ、あっという間にWebARの世界を作れるのもAR.jsの魅力の一つです。
8th Wall
8th Wallは、WebAR開発プラットフォームで、アカウントを作成すれば簡単にWebARを作ることができるツールです。
アシスタントツールやデモが多く用意されているので、コンテンツ作成初心者の方におすすめのツールといえるでしょう。
用意されているテンプレートをコピーして、A-frameなどに合わせて使用しサーバーにアップロードするだけで簡単にARを作り上げることが可能です。
AR.jsより簡単に作りたい方におすすめです。
LESSAR
LESSARは、クラウドサービスで簡単にWebARを作成できます。
こちらも先に紹介したAR.jsと8th Wallと同様に、無料で使用可能なため気軽に始めることができます。
データを用意しアップロードするだけでARの作成が可能で、AR.jsや8th Wallよりも難易度が低いことも魅力の一つです。
他とは違いクラウドサービスのためログ管理やダッシュボードが備わっており、日にちごとや時間ごとの集計も可能というメリットもあります。
|まとめ
いかがでしたでしょうか。
WebARは企業にとってメリットが大きく気軽に始められることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
アプリをインストールする手間を省けることでユーザーの離脱率を低く抑え、開発コストも抑えられることもWebARならではの良さがあります。
また、プロモーション活動を行ううえでSNSとの相性も良く、企業のオリジナリティを出してユーザーが拡散したくなる施策を打つことで、特別感の演出やブランディングにも一役買うことは間違いないでしょう。
今後、WebARを取り入れる企業が増えてくることが予想されますので、他社が始める前にWebARを簡単に作れる初心者の方向けのツールを活用して、独自のAR体験を試していただけたら嬉しいです。