世界中で爆発的な人気を誇るゲーミングプラットフォーム、ロブロックス。

子供が熱中するあまり、学習時間の減少を懸念する保護者の方も多いのではないでしょうか。

しかし、活用次第で非常に効果的な英語学習ツールへと変貌します。

本記事では、ロブロックスがなぜ英語学習に適しているのかという理由から、教育効果の高いゲーム、そして保護者からのサポートまでを解説します。

ぜひご覧ください。

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ロブロックス(Roblox)とは?

ロブロックス(Roblox)は、世界中で急速に拡大している大人気ゲーミングプラットフォームです。

YouTubeのような「プラットフォーム」の仕組み

運営会社が提供しているのは、仮想空間の基盤と開発ツールのみであり、ロブロックス自体がゲームを作っているわけではありません。

そこで遊べる数千万以上のゲーム(エクスペリエンス)は、すべてユーザー自身によって制作されています。

世界中のクリエイターが日々新しいコンテンツを生み出し続けているため、アクション、ロールプレイング、シミュレーションなど、飽きることのない無限のコンテンツが供給され続けています。

この仕組みこそが、子供たちがロブロックスに熱中し、かつ主体的に関わろうとする大きな理由です。

全世界で数億人が利用する「グローバルなコミュニケーション空間」

このプラットフォームの規模は非常に大きく、2024年の第1四半期時点での1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)は7,700万人を超えています。

特筆すべきは、そのユーザーベースの多くが北米や欧州を中心とした英語圏のユーザーであるという点です。

日本国内でもユーザー数は増加傾向にありますが、グローバル全体で見れば圧倒的に海外比率が高く、プラットフォーム内の公用語は実質的に英語となっています。

ログインした瞬間に世界中のユーザーと接続されるこの環境は、日本にいながらにして海外の遊び場に留学するような体験を提供します。

そのため、英語学習の観点から見ると、座学的な学習ではなく、リアルな他者とのコミュニケーションツールとしての英語に触れられる機会となっているのです。

ロブロックスが英語教材になり得る3つの理由

教育分野において、ロブロックスは単なる娯楽ではなく、非常に効率的な「没入型学習」のプラットフォームとして再評価され始めています。

なぜ、ロブロックスが英語力の向上に寄与するのか、その理由を3つの観点から解説します。

圧倒的な没入感で勉強のハードルを下げる

最大の利点は、学習に対する心理的なハードルが低くなることです。

従来の英語学習は、机に向かって教科書を開くという受動的な姿勢が求められるため、子供にとっては「勉強=苦痛」と認識されがちでした。

しかし、ロブロックスにおける英語体験は、アバターを操作して仮想空間を冒険するという能動的なアクションと一体化しています。

言語習得において、特定の環境に身を置いて言語を自然に吸収する方法を「イマージョン学習」と呼びますが、ロブロックスはまさにこの環境をデジタル上で再現しています。

「走る(Run)」「跳ぶ(Jump)」「交換する(Trade)」といった動詞を、単語帳の文字としてではなく、自らの体験と紐づいた記憶として定着させることができるのです。

世界中のネイティブスピーカーとリアルな会話ができる

日本にいながらにして、膨大な数のネイティブスピーカーと接続できる点も大きな理由です。

一般的なオンライン英会話では、講師と生徒という役割が固定されており、どうしても「用意された会話」になりがちです。

一方で、ロブロックスのサーバー内には、アメリカやイギリスをはじめとする英語圏のユーザーが数多く存在しており、彼らはスラングや略語を含んだ「生きた英語」を使用しています。

教科書には載っていない、しかし現地の子供たちが日常的に使う「lol(爆笑)」や「ty(ありがとう)」といった表現に触れることは、語学としての英語だけでなく、異文化コミュニケーションの肌感覚を養うことにも繋がります。

「英語を使わないと進めない」環境がアウトプットを促す

そして最も重要なのが、英語を使うことへの「切実な動機」が生まれる点です。

多くの日本の英語教育における課題は、英語を使わなくても生活が成立してしまうため、学習の必要性を感じにくいことにあります。

しかし、ロブロックスの海外サーバーや英語ベースのゲームでは、英語の指示を理解できなければゲームオーバーになったり、チャットで交渉できなければ欲しいアイテムが手に入らなかったりします。

「クリアしたい」「勝ちたい」という強い欲求が、「英語を読みたい」「英語で伝えたい」という学習意欲へダイレクトに変換されます。

英語を学ぶこと自体を目的にするのではなく、目的を達成するための道具として英語を使い倒す環境こそが、実践的な語学力を育む最短ルートなのです。

【レベル別】学習におすすめのロブロックスゲーム5選

ロブロックスには数千万以上のゲームが存在しますが、そのすべてが学習に適しているわけではありません。

中には言葉をほとんど必要としないアクションゲームも多いため、英語力向上を目的とする場合は「テキストを読む必要がある」「チャットでの交流が盛んである」といった基準で選ぶことが重要です。

ここでは、英語の習熟度に合わせて、楽しみながら学べる5つのタイトルを紹介します。

初級:単語パズルや簡単な指示で遊べるゲーム

英語に初めて触れる、あるいはアルファベットが読めるようになったばかりの段階では、視覚的な情報と言葉が直結するシンプルなゲームが推奨されます。

1. Color Block(カラーブロック)

非常にシンプルなルールで、画面上に「Red(赤)」や「Blue(青)」などの色が英語で指示され、制限時間内にその色のブロックの上に立つというゲームです。

指示を聞き取れなかったり、単語の意味がわからなかったりすると落下してしまうため、色を表す英単語を瞬時に理解するリスニング力と読解力が養われます。

2. Adopt Me!(アダプト・ミー!)

ロブロックスで最も人気のあるゲームの一つで、ペットを育成したり、家を装飾したりする内容です。

「Feed(エサをやる)」「Sleep(寝る)」「Shower(シャワーを浴びる)」といった日常的な動作がアイコンと共に表示されるため、基礎的な動詞や名詞を自然と覚えることができます。

中級:日常会話やロールプレイが中心の生活系ゲーム

簡単な単語がわかるようになってきたら、次は文章でのやり取りや、役割(ロール)になりきる遊びに挑戦させましょう。

3. Brookhaven RP(ブルックヘイブンRP)

広大な街の中で、家を建てたり、車を運転したり、仕事をしたりと、自由な生活を送るロールプレイングゲームです。

このゲームには明確な目的やクリア条件がないため、他のプレイヤーと「家族ごっこ」や「お店屋さんごっこ」をして遊ぶことがメインとなります。

チャットで「Can I work here?(ここで働けますか?)」や「Let’s go home(家に帰ろう)」といった日常会話を行う機会が非常に多く、生きた会話表現を学ぶのに最適です。

上級:謎解きやチーム連携が必要なアドベンチャー

ある程度の英語力が身につき、読み書きに抵抗がなくなってきたら、より複雑な言語処理能力が求められるゲームが効果的です。

4. Word Bomb(ワード・ボム)

画面に表示された文字(例:TE)を含む英単語(例:Computer, Later)を、制限時間内にタイピングして爆弾をリレーしていく対戦ゲームです。

豊富な語彙力と正確なスペル入力が求められるため、英単語の暗記におけるアウトプット練習として非常に高い効果を発揮します。

5. Break In(ブレイク・イン)

ストーリー仕立てのアドベンチャーゲームで、プレイヤー同士が協力して屋敷への侵入者から身を守るという内容です。

画面に表示される英語のストーリーや指示(Mission)を正しく読み取らなければ先に進めないため、長文読解の能力と、チームメイトへの指示出しによるリーダーシップ英語が鍛えられます。

効果を最大化するために大人ができるサポート

ロブロックスで英語学習を行うためには、周囲の大人の環境作りとサポートが不可欠です。

子供任せにするのではなく、適切な設定とコミュニケーションを行うことで、学習効率と安全性は劇的に向上します。

UIの言語設定をあえて「英語」にする

最も手軽で、かつ即効性のある施策は、ロブロックスのアプリ自体の表示言語を「日本語」から「English」に変更することです。

設定画面(Settings)から言語(Language)を選択するだけで変更が可能ですが、この効果は侮れません。

メニュー画面の「Play(遊ぶ)」「Friends(友達)」「Inventory(持ち物)」「Customize(着せ替え)」といった、操作に必要なUIがすべて英語に切り替わります。

毎日目にする画面が英語になることで、意識せずとも英単語が視覚情報として脳に定着していきます。

子供が「これどういう意味?」と聞いてきた時こそが学習のチャンスであり、一緒に意味を調べることで、親子で学ぶ姿勢を作ることができます。

チャットフィルターとプライバシー設定で安全性を確保する

海外ユーザーとの交流は英語学習において有益ですが、保護者として最も心配なのは「トラブルへの巻き込まれ」や「不適切な発言」ではないでしょうか。

ロブロックスには、AIによる強力なテキストフィルター機能が搭載されており、不適切な言葉や個人情報は自動的に伏せ字(***)に変換される仕組みになっています。

さらに、設定画面の「Privacy(プライバシー)」タブから、チャットを送受信できる範囲を「全員」「友達のみ」「なし」から選択可能です。

英語学習の観点からは「全員」または「友達のみ」が推奨されますが、不安な場合は、保護者が設定を変更できないようにする「ペアレンタルコントロール(PINコード設定)」を活用してください。

安全な環境が保証されて初めて、子供は萎縮することなく積極的に英語でのコミュニケーションに挑戦できます。

子供が覚えたフレーズを日常会話に取り入れる工夫

デジタル空間での体験を、現実世界での会話に引き出すことで、記憶の定着率はさらに高まります。

ゲームが終わった後に、「今日はどんなゲームをしたの?」「新しい言葉は見つけた?」と問いかけてみてください。

もし子供が「Trade(トレード)したよ」と言ったら、「それは日本語でどういう意味?」と深掘りしたり、実際に家庭内で物を交換する時に「Tradeしよう」と使ってみたりするのも効果的です。

ロブロックスでの出来事を共通の話題にすることで、子供は「自分の好きなことを親が認めてくれている」という安心感を持ち、より意欲的に英語学習に取り組むようになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、ロブロックスを活用した英語学習の可能性について、プレイヤーとクリエイターの両面から解説しました。

遊びを通じて学び、世界と繋がり、価値を創造するこのプロセスは、これからの時代に求められる「探究学習」や「STEAM教育」の本質そのものです。

ロブロックスは、子供たちが最初に触れるメタバースの入り口に過ぎません。

今後、教育現場や企業研修、さらには新たなビジネスの場として、仮想空間(XR技術)の活用はスタンダードになっていくでしょう。

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