近年、ポケモンGOなどのゲームアプリで話題となった「AR」という最新視覚技術。
ARは、日本語で「拡張現実」と訳され、現実世界にデジタル情報を表示させる技術のことを指します。
実は、このARを技術をビジネスで活用している業界が増えてきています。
本記事では、ARのビジネス活用を検討しているけれど具体的にどうすればいいのか迷っている方に向けて、ARの簡単な概要からビジネス活用メリット、業界毎のAR活用事例などを詳しく解説しますので、是非最後までご覧ください!
目次
|ARとは
ARとは、「Augmented Realit」の略で、日本語で「拡張現実」と訳されます。
スマホなどを介して、3DCGなどを現実世界に「拡張」表示させることができます。
あまり耳馴染みのない技術かもしれませんが、実はすでに一般にも広く利用されています。
例えば、自分のスマホでGoogleマップを立ち上げ、目的地を検索。「経路」の後に「ライブビュー」をタップして周囲の風景をスマホのカメラで読み込ませると、矢印で目的地の方向や距離、曲がり角の情報などが現実世界に重ね合わせて表示されます。
このように、現実の世界や風景に、CGの映像や情報を重ね合わせて表示させるのがARです。
ARによって、いわば現実の世界に仮想空間を作り上げることができるのです。
またスマホで簡単に利用できるため、ビジネスで活用するにもハードルが低いのが特徴です。
ARについては、下記記事で詳しく説明していますので、是非ご覧ください。
|ARをビジネスに活用するメリット
ここからは、ビジネスにおけるARの導入メリットについて紹介します。
人材不足を解消できる
ARを活用することで得られるメリットの1つめが、人材不足を解消できるという点です。
近年、労働力不足が深刻な社会問題となっていますが、ARを活用することで、教育、作業補助ができるため業務効率化に非常に効果的です。
外国人労働者が増えているなかで、ARを活用し、翻訳者を通さなくても母国語で指示を出すことが可能となりコミニュケーションの問題も解消されます。
商品の返品率を低くできる
ARを活用することで得られるメリットの2つめが、商品の返品率を低くできるという点です。
例えば、家具などのインテリアは購入するまで実際に自宅に配置することができず、いざ家に届いた際、サイズが合わず返品といったケースが相次いでいます。
しかし、ARによって立体化されたインテリアを自宅に配置してから購入することで、実際の商品とイメージが差異を減らし返品を防ぐことができます。
訴求力のある広告制作が可能
ARを活用することで得られるメリットの3つめが、訴求力のある広告制作が可能という点です。
AR技術を活用したプロモーションは、目に見えないサービスや機能を視覚化できるので、価値が伝わりやすくなります。
従来のカタログやチラシに比べ、情報量が多く訴求力の高いアプローチが可能です。
|業界別ARのビジネス活用事例
ここからは、業界毎に具体的なARの活用事例を紹介しますので、是非参考にしてみてください。
広告業界のAR活用
広告業界の事例では、日経新聞が提供するアプリ「日経AR」を紹介します。
同アプリによって紙面に収まらない情報を映像や音楽で伝えることが可能になります。
具体的には、新聞に掲載されている写真などの「マーカー」と呼ばれる記号にスマホをかざすだけでデジタルデータが表示される仕組みになっています。
医療業界のAR活用
医療業界では、手術中にCTスキャンのデータを表示し、複数の医師の間で患部の状態を共有したり、注目すべき病巣の特徴について意思疎通をしたりできます。
STAR PROJECTでは、手術の際にARを活用しています。
遠方にいる医師が大型のタッチパネルで指示を出し、それが現実世界に表示され指示通りにメスを入れていきます。
ARを活用することで、このような近未来的な手術が実現される日が訪れるかもしれません。
建設・建築業界のAR活用
建設業界では、戸田建設が独自開発した「建機AR」を紹介します。
AR技術を活用して、建機の3Dモデルを作り、実際の建設工事現場にタブレット端末をかざすことで、二つの映像を重ね合わすことができる仕組みです。
什器の寸法が搬入経路に適しているかの確認や、現場環境の安全性を事前に検証することが可能となります。
農業業界のAR活用
農業業界では、IHIアグリテックが実施した大型農機具AR展示会を紹介します。
農業業界で使用される大型農業機械を3Dモデル化し、展示会会場にて披露しました。
実際に機械を動かしてみないとわからないような機能もARを活用することでイメージが湧きやすく、来場者に効果的なアピールを行うことができます。
音楽業界のAR活用
音楽業界では、日本の4人組ミクスチャーバンド「King Gnu」さんのミュージックビデオを紹介します。
King Gnuさんの「どろん」という曲のミュージックビデオでは、様々なデジタルイラストがARによって演出されています。
これまでにない斬新な表現が、メディアで話題を集めました。
製造業界のAR活用
製造業界では、フォーエバーリビングプロダクツジャパンが提供する「FOREVER AR」を紹介します。
専用のARアプリを起動して、カタログやポスターにスマホをかざすとマスコットキャラクターが表示され、商品の説明を行ってくれます。
小売・EC業界のAR活用
小売業界では、ニトリが提供する「RoomCo AR」を紹介します。
RoomCo AR は、20 以上のブランドから販売されているインテリア商品などの実物大 3D データが収録されています。
サイズや色を確認しながら、試着感覚でインテリア選びをすることができ、購入前に配置イメージを沸かせ販売促進を促します。
運輸・物流業界のAR活用
運輸・物流業界では、日本電気株式会社が提供している「ARピッキング」を紹介します。
棚に設置したARマーカーをARグラスで読み取ると、該当の商品がある方向がリアルタイムで表示されます。
これにより、商品の位置に詳しくない方でも速やかで正確なピッキングが可能になります。
ファッション業界のAR活用
ファッション業界では、オンワード樫山が「JOSEPH」で実施したARファッションショーを紹介します。
ARマーカーに、タブレット端末をかざすことで画面上にファションショーが出現され、リアルな服やコーディネートを楽しみながらブランドについて学ぶことができます。
美容業界のAR活用
美容業界では、パーフェクト株式会社が提供する「YouCamメイク」アプリを紹介します。
アプリ内に自分の顔を写すことで、コスメの疑似体験が可能になります。
観光業界のAR活用
観光業界では、弘前市みどりの協会が提供した「弘前公園スマートグラスガイドツアー」を紹介します。
ARグラスを装着するだけで、観光を楽しむことができます。
季節や天候に左右されず、見たい景色を堪能できるという点がユーザーから評価されています。
教育業界のAR活用
教育業界では、サーカスカンパニーが配信している「circusAR」を紹介します。
教科書にスマホをかざすだけで、教科書に掲載されている絵が3Dモデルとして立体的に表示されたり、実験を行うこともできます。
|まとめ
いかがでしたか。
本記事では、ARの簡単な概要からビジネス活用メリット、業界毎のAR活用事例などを解説しました。
ARはすでに様々な業界で採用されていることがお分かりいただけたと思います。
ひとつの技術でここまで応用が利くので、他技術と組み合わせることで、まだまだARのビジネス活用は拡がっていくと考えられるでしょう。
では、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!