近年たびたび話題に上がっている「仮想通貨」や「暗号資産」。
これらにまつわるワードとして欠かせないのが「クリプト(Crypto)」です。
しかし、耳にしたことがあっても「どういう意味なのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
本記事では「クリプトの意味を知りたい!」「これから取引を始めたい!」といった方向けに、初心者の方でもわかりやすいように解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
|クリプトの意味
クリプト(crypto)とは、日本語に訳すと「暗号」や「暗号化された」という意味をもつ言葉です。
そもそも「暗号」とは、秘密を守るために規定の文章を変換し、第三者からは判読できないような状況にされたものを指します。
その特徴から、現在では暗号資産や仮想通貨などを指す言葉として利用されています。
クリプトは単体だけでは意味を持たないため、さまざまな言葉と組み合わせて使われます。
ここでは以下の4つについてご紹介します。
- Crypto Currency(クリプトカレンシー)
- Crypto Asset(クリプトアセット)
- Crypto Token(クリプトトークン)
- Crypto Jacking(クリプトジャッキング)
Crypto Currency(クリプトカレンシー)
クリプトカレンシーとは「暗号通貨」を指し、日本では「仮想通貨」とも呼ばれています。
しかし、2020年5月1日に改正された資金決済法により、現在は「暗号資産」へ呼称が変更となりました。
そのため、「暗号通貨」「仮想通貨」「暗号資産」は全て同じ意味を持っています。
Crypto Asset(クリプトアセット)
クリプトアセットとは「暗号資産」を指しており、前述のクリプトカレンシーとは同じ意味を表しています。
そもそも暗号資産とは、インターネット上で使用できる世界共通の「デジタル通貨」を指します。
暗号資産は法定通貨や電子マネーとは異なり、特定の発行者や管理者は存在しません。
ネット上の取引所で米ドルや円などの通貨と交換でき、価格も刻々と変動します。
ブロックチェーン技術を基盤にしているため、データの偽造や改ざんがされにくい仕組みを持っていることが大きな特徴となります。
暗号資産については、下記記事も併せてご覧ください。
Crypto Token(クリプトトークン)
クリプトトークンとは、既存のブロックチェーン技術を利用して発行された暗号資産を指します。
クリプトトークンは独自のプラットフォームを持っていないため、ブロックチェーン技術も有していません。どこかのプラットフォームを間借りし、通貨機能を付与しています。
Crypto Jacking(クリプトジャッキング)
クリプトジャッキングとは、ターゲットとなる他人のデバイスをジャックし、暗号資産を不正にマイニングすることを指します。
日本国内でも、無料で違法アップロードされた漫画を読むことができる海賊版サイトにおいて、閲覧者に無許可でマイニングが行われた事件が発生しました。
また、2018年1月末に発生した大手仮想通貨取引所「コインチェック」の仮想通貨NEM流出事件では、約580億円相当が流出したことが報告されています。
|暗号資産のメリット
では、暗号資産にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここではメリットを3つご紹介します。
- 365日24時間取引ができる
- 海外への送金・決済コストを抑えられる
- 少額の取引も可能
365日24時間取引ができる
銀行や株、為替には取引可能な時間が決まっていますが、仮想通貨はその制限がありません。まさに非中央集権のメリットといえます。
中央集権の金融機関の営業時間に捕らわれることなく自由に、売却や購入、送金ができます。急に仮想通貨が必要になった時や日本の祝日も気にすることなく利用できるため、国外の方と取引する時もストレスフリーで行えます。
また、仮想通貨も為替のように価格の変動がありますので、安くなった時に買って高くなった時に売り収益を得ることができます。
海外への送金・決済コストを抑えられる
日本から海外へ通貨を送金する際、通常銀行窓口の開いている時間に銀行へ足を運ぶ必要があり、送金にも数日時間を要することは珍しくありません。
一部の国や通貨では、ネット上で送金手続きを行えますが、それでも手数料が数千円かかり、数日時間を要するのが一般的です。
しかし、仮想通貨の送金は送金相手の国も通貨も気にする必要がありません。国によって手数料や送金に要する時間が変わることなく平等に取引できます。
銀行に比べ、送金手数料も安く、0円〜数十円で済むこともあります。
加えて着金も数分で済むことも多く、365日24時間いつでも取引できスピーディーに決済が完了します。
少額の取引も可能
株の場合、通常売買単位が100株と決まっていたり、FXのように最低取引単位が決まっていたりと、必要最低限の金額があります。
最小投資金額が数万円から数十万円となることも多く、初心者の方には少しハードルが高くなってしまうのではないでしょうか。
しかし、仮想通貨の場合際限なく、数百円分の仮想通貨を購入することもできます。
また、少額から購入可能なため、価格変動のリスクを分散させるためにドルコスト平均法を使用することも出来ます。
|暗号資産の注意点
一方で、暗号資産には注意すべき点もあります。
ここでは主な注意点を3点解説します。
- 値動きが激しい
- ハッキングの可能性がある
- 補償制度がない
値動きが激しい
暗号資産は価格変動の幅が大きいため、ハイリスクハイリターンへの心構えが必要です。
また、メリットである「365日24時間取引が可能」ということから、常に価格の変動があることを理解しておかなければなりません。
ですので、初心者は少額からスタートし、リスクが大きいことも把握したうえで暗号資産を購入するようにしましょう。
ハッキングの可能性がある
先述したように、暗号資産はクリプトジャッキングなどの危険があります。
Web上で管理されている資産ということで、ハッキングのターゲットにもなりやすいといえるでしょう。
パスワードの複雑化や二段階認証の導入など、個人でもハッキングへの備えをきちんと行ったうえで安全に配慮し利用するようにしましょう。
補償制度がない
取引所には保証制度がありません。そのため、取引所が破綻した場合、取引所に保管していた仮想通貨は引き出せなくなる可能性が高く、戻ってくる保証はありません。
また、仮想通貨は銀行のように中央集権制度ではないため、仮に仮想通貨の送金先のウォレットアドレスを間違えて入力して送信してしまうと、手元に戻ってくることはありません。(セルフGOX)
|代表的な暗号資産
最後に、代表的な暗号資産をご紹介します。
- ビットコイン
- イーサリアム
- リップル
ビットコイン
ビットコインは、世界で初のブロックチェーンを基盤としたデジタル通貨です。
「サトシ・ナカモト」と名乗る人物がインターネット上に公開した論文内に構想があり、2009年から運用が始まりました。
ビットコインは暗号資産における「基軸通貨(取引で基準として使われる通貨)」でもあります。
ビットコイン以外の仮想通貨を総称して「アルトコイン」と呼びますが、ビットコインを持っていればほとんどのアルトコインをビットコイン建てで購入できます。
そのため大きな需要があり、ビットコインの価格が変動すると、他の仮想通貨の価格にも影響を及ぼすコインです。
ビットコインについては、下記記事で詳しく解説しています!
イーサリアム
イーサリアムとは、2013年にロシア系カナダ人のプログラマー「ヴィタリック・ブテリン」により考案され、2015年に公式リリースされたプラットフォームの名称です。このプラットフォーム内で使用される仮想通貨をイーサと呼びます。
イーサリアムはビットコインについで、時価総額2位の暗号資産(仮想通貨)としてとても知名度が高い通貨です。
イーサリアムの一番の特徴は、スマートコントラクト機能です。
スマートコントラクトとは、人の手を介さずに契約の履行や価値の移転を実行してくれるプログラムのことです。
スマートコントラクトには、イーサリアムのブロックチェーン技術が利用されており、「契約内容が改ざんされない」、「契約の不履行を防止できる」などセキュリティの担保や、契約のコストを削減することができます。
イーサリアムについては、下記記事で詳しく解説しています!
リップル
リップルは、米カリフォルニア州に本社を置くリップル社が開発した送金ネットワーク、「リップルネット」上で使用される仮想通貨です。
比較的安価に購入できるとともに、既に発行上限に到達していることから価格変動の心配が少ないコインです。
リップルの大きな特徴としては、国際送金システムに特化している点が挙げられます。
リップルは各国の法定通貨同士を仲介する「ブリッジ通貨」です。日本円をリップルに変えリップルをドルに換えることで、国境をまたいだ円滑な送金を可能にします。
リップルネットワークには40か国・6大陸の300以上の金融機関が参加しており、このことから様々な国で注目されていることが分かります。
この流れがさらに拡大していくことで将来的に国際送金システムの在り方は変わっていき、処理時間が大幅に短縮できる点において注目されています。
リップルについては、下記記事で詳しく解説しています!
|まとめ
今回はクリプトについて解説しました。
クリプトという単語自体は「暗号」という意味ですが、現在では「暗号資産(仮想通貨)」として利用されているワードとなります。
暗号資産の利用については自己責任となりますが、メリットや注意点を理解したうえでご興味のある方は利用されてみてはいかがでしょうか。
本記事でご紹介した以外にもさまざまな暗号資産がありますので、ぜひご自身でも気になる暗号資産があれば調べてみてくださいね。