昨今、仮想通貨についての新しいニュースが飛び交っています。
そんななか今注目を集めているのが「ステーブルコイン」です。
ステーブルコインとは、仮想通貨の一時的な避難先や、DeFiなどの利用に伴って重宝されている仮想通貨です。
これから仮想通貨を本格的に運用したいと思っている方は、「ステーブルコイン」とは何なのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ステーブルコインについての概要から仕組み、購入メリットや購入方法までをわかりやすく解説しますので、是非最後までご覧ください。
目次
|ステーブルコインとは?
ステーブルコインとは、stable「安定した」、「変動のない」という意味を持ち、取引価格が安定することを企図して設計された仮想通貨のことです。
仮想通貨市場は、価格変動が激しく安定的な運用が難しいとされており、そのような課題を解決するためにステーブルコインが作られました。
ステーブルコインの多くは、価格を連動させる資産に「米ドル」や「金」の価格に連動するよう設定されています。
実際に、ステーブルコインのみの時価総額TOP5は、全て米ドルと価格が連動するものがランクインしています。
ビットコインとの違い
ステーブルコインとビットコインは、どちらも仮想通貨の一種ですが、その特性と目的には大きな違いがあります。
ビットコインは、最初の仮想通貨であり、中央銀行や政府による管理を必要としない分散型のデジタル通貨です。
しかし、ビットコインの価格は非常に変動性が高く(ボラティリティが高い)、価格変動が激しいため、日々の取引や決済手段としての使用には課題があります。
一方、ステーブルコインは、その名前が示す通り、「安定した」価格を持つことを目指した仮想通貨です。
ステーブルコインは、価格の安定性を確保するために、特定の資産(例えば米ドルや金など)と価格が連動するように設計されています。
これにより、ビットコインのような大きな価格変動を抑制し、送金時と受取時の価格が大きく異なるという問題を解決します。
|ステーブルコインの種類・仕組み
ステーブルコインには、価値を安定させる手法の違いによって、いくつか種類がありますので紹介します。
法定通貨担保型
法定通貨担保型とは、その名の通り米ドルや円など現実で利用されている法定通貨を担保とするステーブルコインです。
もしステーブルコインの価値がゼロになったとしても、同額の法定通貨が担保になっているため、通貨の信用性が維持されるのが特徴です。
仮想通貨担保型
仮想通貨担保型とは、ビットコインやイーサリアムなどの代表的な仮想通貨を担保として発行するステーブルコインです。
仮想通貨担保型で発行する場合は、発行元がステーブルコインよりも多くの担保とする仮想通貨を保有している必要があります。
また、担保が仮想通貨なので法定通貨のように中央集権的ではなく、仮想通貨がもつ優位性である分散型の性質を保てることがあるのが特徴です。
商品担保型
商品担保型とは、金や原油などの商品の価値を担保に発行するステーブルコインです。
価格の担保の仕組みは法定通貨型などと同様に、ステーブルコインの価値の裏付け分の商品を保有している必要があります。
金は安定資産の一つと言われており、経済の影響を受けにくいとされ、価格や価値は大きな変動をせずに安定しているというのが特徴です。
無担保型(シニョレッジ・シェア型)
無担保型とは、アルゴリズムによって成立させるステーブルコインです。
発行主体が需給の状況を常にチェックしながら供給量を調節し、価値を保つことを目指し、アルゴリズムが自動的に供給量を調節してくれる仕組みとなっています。
そのため、購入を行う前には発行元の信用度を確認することが大切です。
|ステーブルコインの代表的な例
ここからは、覚えておいた方が良い代表的なステーブルコインをいくつか紹介します。
Tether (USDT)
出典:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/tether/
Tether(USDT)は、最も代表的なステーブルコインであり、法定通貨担保型にあたります。
米ドルと価格が連動しており、時価総額ランキング1位に位置し、その額は約10兆円にも達します。
仮想通貨投資として向いているとは言えませんが、価格帯が安定していることから決済手段としての活用が期待されています。
USDコイン (USDC)
出典:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/usd-coin/
USDコイン (USDC)は、法定通貨担保型のステーブルコインで、上記で紹介したTether(USDT)と同じく、米ドルと連動した値動きを見せます。
ステーブルコインの中では、Tether(USDT)に次ぐ時価総額です。
ステーブルコインは価格変動が小さいのが魅力ですが、投機には不向きと言えますが、VISAのグローバルネットワークに追加されているので取引手段としては優秀です。
ダイ (DAI)
出典:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/multi-collateral-dai/
ダイ (DAI)は、DAIは仮想通貨担保型のステーブルコインで、イーサリアムなどを担保に発行されています。
時価総額ランキングは4位に位置しており、時価総額は約1兆円です。
ダイは担保となる資産を発行会社などで管理しておらず、スマートコントラクトにより通貨の供給と価格の調節することで、資産管理を自動化し、価値を調整しています。
TrueUSD (TUSD)
出典:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/trueusd/
TrueUSD(TUSD)も法定通貨型のステーブルコインで、米ドルと連動しています。
複数の信託銀行によって支えられているステーブルコインのため、他の通貨のように暴落の恐れが極めて低いと言えます。
また、中央集権ではなく、分散化する仕組みにより管理しているので、ハッキングのリスクやカウンターパーティのリスクも軽減しています。
|ステーブルコインのメリット
ステーブルコインを活用するメリットがいくつかありますが、最大のメリットは「価格の安定」でしょう。
一般的な仮想通貨は価格が激しく変動するため、投資対象としては適しているものの、決済手段としては利用しにくいと言えます。
先述の通り、米ドルなどの法定通貨と連動しているものや、安定資産と呼ばれている金を担保にしているなど、一定の信頼性が高いのが大きな理由です。
また、「将来性に期待できる」点も活用メリットのひとつと言えます。
どういうことかと言うと、決済手段やリスク分散などに利用できることから、将来的に需要が伸びると考えられています。
|ステーブルコインの購入方法
ここでは、実際にステーブルコインを購入する方法を紹介します。
実は、ステーブルコインは国内の取引所で購入することはできず、海外取引所を経由して、購入する必要があります。
【購入フロー】
1国内取引所でビットコイン等の仮想通貨を購入する
2購入したコインをステーブルコインの購入できる海外取引所に送金する
3送金した海外取引所でステーブルコインを購入する
|ステーブルコインに対する規制
ステーブルコインについては、2022年6月3日、参院本会議で、「安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図るための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」(以下、令和4年改正資金決済法)が可決され、成立しました。
具体的には、ステーブルコインの取引や管理を担う仲介業者には「登録制」を導入し、未登録の仲介業者には、ステーブルコインの取引や管理を行うことができないという内容です。
|ステーブルコインの将来性と課題
ステーブルコインの大きな課題は「実用化に向けた動き」であると言えます。
仮想通貨の知名度は上がってきたとは言え、決済手段として用いられているケースはまだまだ少ないのが現状です。
しかし、今後ブロックチェーン上で技術が進歩していくと、決済手段の幅も広がりますので、注目度は高いです。
将来的にステーブルコインを取り扱う店舗が増える可能性もあるので、そうなれば一気に普及していくことでしょう。
|ステーブルコインとは安定した価格の実現を目的として作られた仮想通貨
いかがでしたか。
本記事では、ステーブルコインについての概要から仕組み、購入メリットや購入方法までを紹介しました。
ステーブルコインは、法定通貨や金といった安定した資産と結びついているため価格が非常に安定している仮想通貨のひとつです。
投機の対象としては不向きと言えますが、暴落リスクや送金コストが低い点は非常に魅力的です。
価格が安定していることから、今後ブロックチェーンを基盤にしたサービスを提供する上で欠かせないものになっていくでしょう。
では、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!