皆さんは「POAP」をご存知でしょうか。
実はNFTの一種なのですが、今や様々なところで取り入れられています。
そして、なんと日本政府でも取り入れた事例があるNFTでもあるんです。
「NFTは聞いたことがあるけれど、POAPって何だろう?」という疑問を解決する記事となっておりますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
|POAP(ポープ)とは?
「POAP(=Proof of Attendance Protocol)」とは、イベントに参加した証としてもらえるNFTバッジです。
昔、夏休みに公園でラジオ体操をしていた時代がありました。
その時に、参加するとシールやスタンプが貰えて、夏休みが終わるときにその数を友達と競い合う…という経験をされた方もいるかもしれません。
POAPはそのデジタル版という感覚に近いものとなります。
主催者は現実世界・仮想空間問わずイベント開催時に参加者への付与ができます。
また、そのバッジの種類や個数に応じて新たなサービスや体験を提供し、参加者とのコミュニケーションを深めることもできます。
参加者は集めたバッジを記録としてWebで見ることができます。
デザインも多種多様なことから、熱心なコレクターも多く存在しています。
特別な思い出をWeb上に取っておくことができるので、紛失のリスクもなくなりますね。
|NFTとは?
「NFT(Non-Fungible Token)」とは、非代替性トークンのことです。
「トークン」とは、お金の代わりになる印を指します。
例えばゲームセンターで使うメダル、商品を購入するためのギフトカードや引換券などが挙げられますが、これをデジタル形式で発行しているものを現在は「トークン」と呼ぶことが多いようです。
加えてブロックチェーン技術を使っている点と非代替性という点で偽造することが極めて困難であり、信憑性の高いデジタル資産とされています。
こちらの記事でNFTについては詳しく触れていますので、併せてご覧ください。
|POAPを受け取るにはイーサリアムのアドレスが必要
POAPは、ブロックチェーンのプラットフォーム「イーサリアム」と互換性のある「xDaiチェーン」で作られ発行されます。
ですので、受け取るためにはこの「イーサリアム」のアドレスが必須となります。
ただし手数料はなく、簡単に受け取ることができます。
また、あまり推奨はされていませんが、受け取ったPOAPを他人に売却することも可能です。
|イーサリアムとは?
カナダ人のヴィタリック・ブテリンが19歳という若さで考案した暗号資産プラットフォームです。
今ではビットコインの次に有名となっていて、2022年1月時点では時価総額2位だったようです。
ここで使われる通貨は「Ether(イーサ)」と呼ばれていて、利用手数料を「Gas(ガス)」と呼びます。ただし日本では通貨のことも「イーサリアム」と呼ばれています。
特徴として挙げられるのは、取引承認までにかかる時間の短さ。
約15秒で取引が承認されます。ビットコインは約10分といわれていますので、短時間に多くの取引をすることが可能です。
これを可能にしているのは、「スマートコントラクト」というプログラム。「あらかじめ決められた設定に従い自動で実行されるシステム」のことを指します。
これは、よく自動販売機の購入システムで例えられます。
購入したい人が商品ごとに決められている金額に従いお金を入れることで、商品を手に入れることができる。
つまり、そこで売買契約が自動で交わされる、スマートコントラクトを用いたシステムの一種であるといえますね。
このスマートコントラクトをを作っているのがブロックチェーン技術で、イーサリアムはブロックチェーン上で管理します。
ですので、簡単に改ざんすることができず、契約の透明度が高いというのも特徴の一つです。
|POAPの用途や事例
では、POAPはどのようなところで使われ、どのような価値を付加しているのでしょうか。
参加者側、配布側それぞれにどのようなメリットが生じるのでしょうか。
また、私たちが今後POAPをどのように楽しむことができそうなのでしょうか。
用途や配布事例から紐解いていきます。
コレクションとして楽しむ
私たち参加者にとっては、POAPを集めることが主な用途となるでしょう。
これまで触れてきたように、イベントごとに異なるデザインを楽しむことができる、そもそもデザインに関わらず「コレクションする」という行為自体を楽しむことができるのが特徴です。
自分のウォレットにコレクションされるので、「このイベントに参加した」、「このコミュニティには昔から参加している」という参加履歴としてステータス提示をすることにも活用されています。
また、クリプト世界ではコミュニティに数多く参加すること=評価を上げることにつながります。
ですので、POAPを集め参加履歴をつくることで評価を得て、ホワイトリストの対象になることを期待しているというコレクターも存在するようです。
配布側はマーケティングの一部として活用できる
配布する側としては、既存のファンやコレクターは勿論のこと、新規集客にもつなげることができるというマーケティング視点での活用方法が大きなメリットとなります。
そもそも「POAPの配布」自体が「新しい取り組みである」と定義する人がまだまだ多い世の中ですから、それだけで話題性を獲得し興味を引くことができます。
また、POAPホルダーにインセンティブを付加することも可能です。
POAP配布の例として、「adidas Originals」が2021年にイベントを行った際にPOAPを数量限定で無料配布して話題になりました。
先着順ということでしたので、今は入手することができません。有名ブランドの革新的な取り組みは世間に衝撃を与えました。
さらに音楽業界でもPOAPが取り入れられ、ワーナーミュージックグループはイベント参加者に今後POAPを配布することを2022年4月に発表しています。
コロナ渦で打撃を受けたイベントやライブ業界も、このPOAP配布でまた盛り上がりを見せてくれることでしょう。ぜひ注目したいですね。
政府でもPOAPを配布したことがある
実は日本政府でもPOAPを配布した事例があります。
2022年5月、自民党青年局が会議・研修会に参加した参加者に、出席証明としてPOAPを配布しました。自民党がNFTやメタバースを含む「Web3.0」を推進するという方針を打ち出しており、その第一歩となるこの取り組みは大きな話題となりました。
今後も配布していき、多く獲得した党員には特典付与も検討しているとのことです。
政府が新たな取り組みを率先して実施したということで、ますますこれからの盛り上がりに期待が持てますね。
お金を稼ぐことも可能
POAPは参加した人しかもらえません。ほとんどのものは無料で配布されているため金銭的価値はほぼありませんが、中には限定的で希少価値が高いものもあります。
そのため、売却して利益を得るということも可能です。
しかし何度もお伝えしてきた通り、POAPはその人自身の「経験」です。失ったものを取り戻すことはできませんので、売却する場合はよく考えることをおすすめします。
|まとめ
今回は世界各国で取り入れられ、日本政府でも推進しており、企業やイベントでも取り入れられてきているPOAPの配布についてご紹介しました。
私もとあるアーティストのライブで配布されているPOAPを集めていますが、コレクションを見返すとあの時の思い出が蘇ってきます。
Web上に残るので紛失することなく、ずっと手元に置いておくことができるのも画期的だと考えます。
そんなアルバムのような役割も果たしているPOAP、ぜひ皆さんも集めてみてはいかがでしょうか。
今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに!