仮想通貨に興味はあるけど、「良く分からないから怖い。」「ハッキング事件で悪いイメージが強いからな・・・。」と考えている方も多いのではないでしょうか。
確かに未知の領域に足を踏み入れることは不安で怖いかもしれません。
でも、せっかく興味を持ったのならメリットとデメリットを理解してから検討してみるのも悪くないのではないでしょうか。
そこで今回は、仮想通貨のメリットやデメリット、仕組みについてご紹介していきます。
知ることにお金はかかりませんので、試しにこちらの記事を読んで検討してみるのはいかがでしょうか。
|仮想通貨(暗号資産)とは
金融庁では仮想通貨のことを暗号資産と呼んでいますが、同じ意味になります。
日本銀行ではインターネット上でやりとりできる財産的価値であり、「不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる」「電子的に記録され、移転できる」「定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない」と定義しています。
仮想通貨として代表的なものでは、ビットコインやイーサリアムなどがあります。
日本では法定通貨である日本円がありますが、エルサルバドルではビットコインを法定通貨として使用しており、他にも2022年4月に中央アフリカ共和国が法定通貨に採用しています。
|仮想通貨(暗号資産)の仕組み
ここでは、仮想通貨(暗号資産)の仕組みを3つに分けてご紹介します。
仕組みについては何となくの理解で大丈夫ですので一通り目を通しておいてください。仮想通貨の知識が増えてくると、面白さが分かってくると思います。
公開鍵暗号方式
公開鍵暗号方式とは、暗号化に「公開鍵」、復号に「秘密鍵」を使用しており、2種類の鍵を使用することでセキュリティを高めることができます。
「公開鍵」は通信を暗号化するのに必要な鍵で、「秘密鍵」はその暗号化されたデータを復号に使用する鍵です。
2種類の鍵を使用していますが、秘密鍵を第三者に教えてしまうと情報漏洩に繋がり、資産を盗まれてしまいますので秘密鍵は教えないと覚えておきましょう。
ブロックチェーン技術
ブロックチェーン技術を使うことでデータの偽造・改ざんが困難と言われています。
ブロックチェーンでは取引データを複数人で一つのデータを保有するため、一人がデータを偽造や改ざんしたとしても他のメンバーのデータを照らし合わせることで、データの偽造や改ざんが明らかになるからです。
このブロックチェーン技術を使うことで、実体のない仮想通貨でも安心して取引や保有することができます。
ブロックチェーンについては下記記事で詳しく解説しています。
マイニング
仮想通貨の送金取引の承認作業を手伝うと報酬がもらえます。
この作業のことをマイニングと呼び、マイニング作業をする人のことをマイナーと呼びます。
報酬をもらえるのは最初に承認作業を手伝った一人だけで、マイニング作業をするためには高性能なパソコンが必要で長時間パソコンを可能させなければいけないため、電気代も高くつくといいます。
そのため、仮想通貨初心者が簡単に手を出せる作業ではないので、ここではマイニングという言葉を頭に入れておきましょう。
|仮想通貨(暗号資産)のメリット
ここでは、仮想通貨(暗号資産)のメリットを3つご紹介します。
これを読めば法定通貨である日本円を使った取引方法との違いや仮想通貨の利便性などを中心に理解ができます。
いつでも取引ができる
仮想通貨は、365日24時間取引が可能です。
銀行や株、為替には取引可能な時間が決まっていますが、仮想通貨はその制限がありませんので、ご自身のご都合に合わせて取引できます。まさに非中央集権のメリットといえます。
中央集権の金融機関の営業時間に捕らわれることなく自由に、売却や購入、送金ができますので、急に仮想通貨が必要になった時や日本の祝日も気にすることなく利用できるため、国外の方と取引する時もストレスフリーで行えます。
日本にもビットコインのATMが設置され始めていて、現金でビットコインを購入できたり、ビットコインを現金に替えたりすることも日本に少しずつ浸透している証でしょう。
また、仮想通貨も為替のように価格の変動がありますので、安くなった時に買って高くなった時に売り収益を得ることができます。
海外への送金・決済が手軽
日本から海外へ通貨を送金する際、通常銀行窓口の開いている時間に銀行へ足を運ぶ必要があり、送金にも数日時間を要することは珍しくありません。
一部の国や通貨では、ネット上で送金手続きを行えますが、それでも手数料が数千円かかり、数日時間を要するのが一般的です。
しかし、仮想通貨の送金は送金相手の国も通貨も気にする必要がありません。国によって手数料や送金に要する時間が変わることなく平等に取引できます。
銀行に比べ、送金手数料も安く0円~数十円で済むこともあります。
加えて着金も数分で済むことも多く、365日24時間いつでも取引できスピーディーに決済が完了します。
仮想通貨を使って決済することで国に関係なく取引できることで今後のビジネスの幅も広がるのは間違いないでしょう。
少額取引もできる
株の場合通常売買単位が100株と決まっていたり、FXのように最低取引単位が決まっていたりと、必要最低限の金額があります。
最小投資金額が数万円から数十万円となることも多く、初心者の方には少しハードルが高くなってしまうのではないでしょうか。
しかし、仮想通貨の場合際限なく、数百円分の仮想通貨を購入することもできます。
国内取引所ではコインチェックが500円から購入可能です。
少額から購入可能なため、価格変動のリスクを分散させるためにドルコスト平均法を使用することも出来ます。
ドルコスト平均法とは、一定額を定期的に購入する投資方法で投資初心者の方にも活用しやすい投資スタイルです。
|仮想通貨(暗号資産)のデメリット
ここでは、仮想通貨(暗号資産)のデメリットを3つご紹介します。これを読めば仮想通貨のリスクについて理解ができます。メリットだけではなくデメリットもしっかりと理解しておきましょう。
補償制度がない
取引所には保証制度がありません。そのため、取引所が破綻した場合、取引所に保管していた仮想通貨は引き出せなくなる可能性が高く、戻ってくる保証はありません。
他にも、銀行の場合送金先の口座番号を間違えてしまったら、窓口に問い合わせることで然るべき対応をして、返金してもらうことが可能です。
しかし、仮想通貨は銀行のように中央集権制度ではないため、仮に仮想通貨の送金先のウォレットアドレスを間違えて入力して送信してしまうと、手元に戻ってくることはありません。
このことをセルフGOXといい、仮想通貨の扱いになれている人でも時々ミスを犯すこともありますので、大金を送金する際は注意が必要です。
ハッキングの可能性がある
仮想通貨はデジタル上での取引になるためハッキングがつきものになってきます。
過去にも取引所がハッキングにより仮想通貨が盗まれる事件が発生し、日本でも報道番組で大きく取り上げられていたので、覚えている方も多いかもしれません。
一度ハッキングされた取引所はセキュリティ強化に努めていますが、心配な方は改めて信頼性の高い取引所を選びましょう。
また、TwitterのDMなどでスパムサイトのリンクを送ってくる盗人もいます。言葉巧みにリンクを踏ませようと近づいてきますので、注意が必要です。
リンクを踏むとウォレットがハッキングにあい、仮想通貨を全て抜かれてしまった人が後を絶たないのが実情です。
値動きを監視するのが難しい
24時間365日取引できることが仮想通貨のメリットでもありますが、デメリットになることもあります。それは、寝ている時間に仮想通貨が暴落や暴騰していた場合です。
誰しも睡眠を取ることは必要不可欠ですので、1日中値動きを監視するには厳しく、短期目線で購入している方は寝る前に暴落や暴騰のリスクを減らすために手仕舞いしてから寝ることをお勧めします。
価格を設定してアラートを鳴らすことも出来ますが、その場合十分な睡眠が難しく睡眠不足になり、生活が厳かになりますので、あまりお勧めはしません。
仮想通貨に投資する方は、出来れば長期的な目線で購入する方が健康面においても良いかもしれません。
|代表的な仮想通貨(暗号資産)の銘柄
ここでは、仮想通貨の代表的なコインをご紹介します。
仮想通貨の代表格のビットコイン。
それ以外の仮想通貨は総称してアルトコインと呼ばれており、今回はアルトコインの中でも有名どころの8種類をご紹介します。
ビットコイン
出典:https://bitcoin.org/ja/
時価総額1位のビットコイン(BTC)は、サトシ・ナカモトと名乗る人物がネットで論文を公開したことで始まりました。
このサトシ・ナカモトは一見日本人の名前のように思えますが、国籍や性別も不明で正体が明らかにされていません。
そんな謎多きビットコインですが、サトシ・ナカモトが後悔した論文により2009年から運用が開始され、今では法定通貨としてビットコインを取り扱う国があるくらいに成長しました。
国内の仮想通貨取引所では全ての取引所に取り扱いがある仮想通貨でもあります。
また、国内にビットコイン決済の利用できる店舗があったり、ビットコイン専用のATMがあったりと、少しずつ身近になりつつあります。
ビットコインについては、下記記事で詳しく解説しています。
イーサリアム
出典:https://ethereum.org/ja/
イーサリアムは時価総額2位の仮想通貨で、アルトコインの代表格です。
ビットコインと違い開発者がハッキリしており、ヴィタリック・ブテリン氏が2015年に開発しました。
正確にはイーサリアムを仮想通貨で表すときはイーサ(ETH)と呼び、イーサリアムはプラットフォームのことを指します。
イーサリアムは、ユーザーが指定した契約を自動で実行する仕組みであるスマート・コントラクトが実装されています。
また、送金時間がビットコインや他の仮想通貨と比べて短いというのも特徴です。
NFTの取引でイーサリアムの人気に火が付き、イーサリアムを利用する人が増えたおかげで手数料であるガス代が高騰することもありました。
イーサリアムについては、下記記事で詳しく解説しています。
イーサリアムクラシック
出典:https://ethereumclassic.org/
イーサリアムのハッキング事件である「The DAO事件」により、誕生した仮想通貨です。
2016年に起きたこの「The DAO事件」でイーサリアムの価格が大暴落し、イーサリアムから分裂し生まれたのがイーサリアムクラシックです。
イーサリアムと同じくスマート・コントラクトが実装されており、セキュリティが強化されています。
イーサリアムとの違いは発行枚数に上限があることと中央集権であることです。
発行枚数に上限があることのメリットとしては、その仮想通貨が人気になると価格が高騰しやすいという特徴があります。
また、国内の仮想通貨取引所でも取り扱っている所が多いことも特徴の一つです。
リップル
出典:https://ripple.com/xrp/
リップル(XRP)は、アルトコインの中でも知名度が高く安価で購入できるコインの一つです。
アメリカにあるリップル社が発行している仮想通貨で時価総額も上位をキープしていて、人気のある仮想通貨でもあります。
また、発行の上限枚数をすでに達しているため大きな暴落がおきないと考える人も多いことも人気の理由です。
ガス代が安いことも魅力の一つで、送金手数料が数円で済むことも多く、通常ウォレット間の送金の際にガス代が発生するため、リップルに替えてからウォレット間を移動させる人も少なくありません。
他の仮想通貨とは違いは、中央集権であることやブロックチェーンを使用していないことが挙げられます。
エンジンコイン
出典:https://enjin.io/
エンジンコイン(ENJ)は、エンジンプラットフォームで使われている仮想通貨で、シンガポールの「Enjin Pte. Ltd.」という会社が開発したブロックチェーンゲームで使用できる基軸通貨です。
エンジンプラットフォームでは、NFTの作成や販売ができるのも特徴の一つです。
エンジンコインはNFTなどの売買に使用するだけでなく、ブロックチェーンゲームで稼ぐこともできますので、ゲームをプレイし一定条件をクリアするとエンジンコインを獲得することができるのも魅力的です。
また、エンジンプラットフォームを利用しブロックチェーンゲームを作り出すことも可能で、ブロックチェーンの知識がない方でも作りやすい工夫がされています。
アイオーエスティー
出典:https://iost.io/get-started/for-investors/
アイオーエスティー(IOST)は、Internet Of Service Tokenの頭文字を取って省略した仮想通貨で、処理速度が早い仮想通貨としても有名です。
ビットコインやイーサリアムと比べると、雲泥の差でアイオーエスティーの処理速度を知ってしまうと他の仮想通貨がかなり遅く感じてしまうほどでしょう。
一説にはビットコインが1秒に6件、イーサリアムが15件に対しアイオーエスティーは8000件とも言われています。
もちろん、仮想通貨の発展はビットコインやイーサリアムの貢献していることは間違いありませんが、アイオーエスティーの処理速度を知ると馬鹿にはできない数値を叩き出していることは明らかです。
リスク
出典:https://lisk.com/
リスク(LSK)は、2016年に誕生した仮想通貨でブロックチェーンアプリケーションプラットフォームです。メインチェーンとして使用しているブロックチェーン以外のサイドチェーンを使った機能拡張の構想もあります。
サイドチェーンを使うことで、ハッキングを防ぐ対策や取引の処理速度の改善、その他のサービス追加しやすいなどのメリットがあります。
また、プログラミング言語にJavaScriptを採用しているのでプログラム開発をする上で参入しやすいといえるでしょう。
リスクの特徴としては、発行枚数に上限はありませんが年々発行枚数を減らしていることです。発行枚数が多すぎると通貨の価格が下がりやすいので注意が必要です。
モナコイン
出典:https://monacoin.org/
モナコイン(MONA)は、ネット掲示板で有名な2ちゃんねる(現5ちゃんねる)発祥の日本初の仮想通貨です。
モナパーティというNFTプラットフォームの売買で使用でき、無料配布や一部プラットフォームでは投げ銭としても使用可能です。
また、秋葉原などのコミケや飲食店でも決済方法として選択できるので、マーケティング次第ではビットコインよりも浸透させることができるかもしれません。
他の仮想通貨との違いは圧倒的にモナコインユーザーは日本人が多いことでしょう。
日本のオタク文化に興味のある海外の仮想通貨保持者にも認知が広がれば、時価総額が上がっていく可能性もあります。
面白みのある文化の仮想通貨ですので、注目しておくのもいいのではないでしょうか。
ライトコイン
出典:https://litecoin.org/ja/
ライトコインは(LTC)、Googleの元社員のチャーリー・リー氏によって開発された仮想通貨です。
ビットコインを基に開発され、基本的な特徴としてはビットコインと同様です。
ビットコインと大きく異なっている点は、投資の側面よりも決済の手段の一つとしての位置を目指していることです。
そのため、ライトニングネットワークを利用して着金までの時間を短縮したり、手数料を低減することに力も入れています。
他にも海外では、投資信託の商品として組み込まれており、他の仮想通貨との違いが明確になってきました。
今はまだビットコインと比較されてしまいがちですが、今後ビットコインとは違う土俵の代表格になる日も遠くないかもしれません。
|まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事を読む前と後では仮想通貨の印象がガラッと変わったのではないでしょうか。
一口に仮想通貨といえど、それぞれの仮想通貨に特徴や背景、目指すものがあり思いの詰まった通貨ということがお分かりいただけたかと思います。
投資の側面として購入してみるのも良し。応援の気持ちで購入するのも良し。決算手段の一つとして購入するのも良し。
今回ご紹介した以外にも仮想通貨の種類はまだまだたくさんあります。
この機会にお気に入りの仮想通貨を見つけて、購入してみてはいかがでしょうか。
くれぐれもご自身の経済状況に合わせて無理のない範囲で購入することをお勧めします。