最近さらにメタバースというワードをよく聞くようになったかと思います。

ただ一方で「メタバースとはいったい何なのか」「何ができるのか」ご不明点も多いかと思います。

そこで今回はメタバースが実現できること、メタバースに必要な技術について丸っとお伝えしていきます。

最後まで読んでいただくとメタバースについてご理解いただけると思います!

|メタバースとは

メタバースとは、「仮想空間」のことです。

仮想空間にアクセスすれば、仮想空間の自分の分身である「アバター」を操作することで全世界の人々と、性別や国籍関係なく、まるで現実世界かのように交流できます。

自分自身が仮想空間のなかにいるキャラクターを操作する。

まさに、ゲームのような世界です。

しかし、ゲームとは違って、メタバースは現実世界とリンクしています。

たとえば、メタバース上で会議をしたり、買い物をしたり、イベントに参加したり。

メタバースとは、いわば「私たちがアバターを使って活動できる、もう一つの世界」なのです。

さらに詳しく知りたい方はメタバース相談室の「メタバースとは?サービス事例や将来性について解説」の記事を是非お読みください。

【わかりやすく解説】メタバースとは?注目される理由やビジネス活用例を紹介
【わかりやすく解説】メタバースとは?注目される理由やビジネス活用例を紹介

こちらの記事にメタバースについての更に詳しい紹介が記載されております。

|メタバースで実現できること

メタバースについてざっくりはご理解いただけたかと思いますが、メタバースで実現できることは一体何なのでしょうか。

ここからはメタバースに実現できることを大きな要素3つに分けてお伝えいたします。

場所にとらわれずコミュニケーションがとれる

メタバースでは、場所に囚われることなく、オンラインで世界中の人とリアリティを持って接触できます。

メタバース空間には、PCやスマホ、Wi-Fiなどの環境さえあれば、どこからでもアクセスすることができるからです。

例えば、バーチャル店舗なら好きな場所で好きな時間に買い物ができます。

実際に大手百貨店「三越伊勢丹」はスマートフォン向け仮想都市空間サービス「REV WORLD」内で仮想伊勢丹新宿店をオープンさせていて、いつでもどこからでも実際に店舗に行っているような感覚で買い物することが可能です。

わざわざ新宿まで行かなくても、伊勢丹新宿店で買い物できるのは消費者にとってとても嬉しいことですよね。

このように、メタバースを活用すれば、自分の居場所に関係なくオンラインを通じてリアルにコミュニケーションを取ったり、やりたいことを実現できます。

新しいことを実現できる

メタバース空間では、現実世界では体験できないような、新しい体験ができます。

なぜなら、メタバース空間は自由自在に作ることができるからです。

例えば、現実ではできないようなアクションで戦うことができたり、現実ではできないような容姿になったり、現実世界では実現が難しいあらゆる願望を叶えることができます。

さまざまな事情で旅行にいけない人が、メタバースを通じて世界中を旅行しているような体験をすることも可能です。

このように、メタバースは現実では体験できない新しい体験を現実のものにしてくれます。

新しい経済圏

メタバースは、新しいビジネスを展開できる場所として注目を集めています。

現実の世界を再現することも可能ですし、メタバースならではの新しいサービスを自由自在に作ることもできるからです。

例えば、近年のコロナ禍で社員のほとんどが在宅勤務になった企業は、オフィスをバーチャル空間に移行することでコストカットしたり、テレワーク中の社員の孤独をケアすることが可能になります。

また、メタバース空間で今までにないサービスを生み出せば、新しいビジネスチャンスを得ることも可能です。企業に限らず、個人が大きな収益を得られる可能性も秘めています。

このように、メタバースを活用すれば、今までにない新しいことを始めることができ、それがビジネスチャンスにつながることが大いにあると考えられています。

|メタバースに必要な技術

ここまででメタバースで実現できることをご説明し、メタバースの有用性をご認識頂けたかと思います。ではメタバースを制作するためにはどのような技術が必要なのでしょうか。

ここからはメタバースを構築するために必要な3つの重要なメタバースの要素をご紹介いたします。

仮想世界

世界を構築するための技術は、Unreal engineやUnityといった典型的なゲーム制作技術です。

ゲームはグラフィカルなものであるため、メタバース的なプラットフォームへと移行しつつあるゲームも多くあります。

現在は開発者が主にコンテンツを作成していますが、今後はローコード開発などにより、開発者以外の人もメタバース内のアクティビティを作ることができるようになるでしょう。

インターフェース

XRはメタバースにアクセスする主要な手段となり、この分野の技術向上はメタバースの実現に大きく貢献することになります。

2014年にMetaがVRヘッドセットメーカーのOculusを20億ドルで買収して以来、MetaはVRヘッドセットの開発に年間約50億ドルを投資しています。

この巨額の投資は、メタバースにおけるWindowsとなるためのMetaの壮大な計画の一部と思われています。

Metaは、手頃な価格のオールインワンVRヘッドセット「Oculus Quest」を発売し、VRヘッドセットをメインストリーム市場に投入しようとしている。

Metaのほか、Apple、Sony、HPがXRヘッドセットの開発に多額の投資を行っています。

しかし、メタバースへのアクセスはXRのみとは限りません。

多くの人は、メタバースというと、3D空間をイメージします。

しかし、メタバースは3Dでも2Dでもなく、また、必ずしもグラフィックでもなく、物理的な空間、距離、物体が不可避的に非物質化することなのです。

ゲーム機では「Fortnite」、パソコンでは「Roblox」のような3Dゲームも含まれます。

また、自宅にあるAlexa、バーチャルオフィスのZoom、自宅ジムのPelotonなども含まれます。つまり、メタバースへのアクセスは必ずしもVRヘッドセットとは限らないのです。
スマートフォンはもはや電話ではありません。

携帯性に優れ、常時接続可能な強力なコンピュータであり、たまたま通話アプリケーションがインストールされているに過ぎないのです。

さらに小型化し、適切なセンサー、組み込みAI技術、強力なエッジコンピューティングシステムへの低遅延アクセスにより、メタバースからより多くのアプリケーションと体験を吸収することができます。
Apple社の新型iPhoneに搭載されている新たなカメラモジュールやLidarセンサーはメタバースを意識したものです。

インフラ

メタバースが発展するためには、インターネットのスピード、グラフィック機能、VR/ARヘッドセットなどのデバイスなど、基盤となるインフラが改善される必要があります。
すべての分野で大きな進歩がありましたが、まだ前進が必要です。

例えば、リアルタイムのデジタルツインを作るには、5Gのレイテンシーの短縮と帯域幅の拡大が必要です。

5Gを導入してリアルタイムのデジタルツインを実現している工場もありますが、まだ一般には浸透していません。
3Dグラフィックのレンダリングを担うGPUは、まだ一般の人は使用しないので、チップメーカーはそれを無理なく搭載する方法を考えなければなりません。
AR/VRヘッドセットはこの10年で飛躍的に進化しましたが、世界人口の8割が所有するスマートフォンに対し、世界市場の1%にも満たない2000万台以下と、まだまだニッチな製品です。

普及のためには、コンシューマーだけでなく、一般にアピールする消費者向けの製品が必要です。

また、ヘッドセットの品質も改善する必要があります。

人間工学に基づき、パーツを小型化することで、一般消費者に適した製品にする必要があります。

|メタバースの課題点

ここまでメタバースについてご紹介してきましたが、メタバースには利点だけではなく、課題点も多く残されています。

メタバースがまだ解消できていない課題点を大きく分けてここからは3つご紹介いたします。

法整備

メタバースの課題として、セキュリティの脆弱性や法的整備が整っていないという専門家は少なくありません。

セキュリティや法的な部分で懸念されていることとして、主に以下の2つがあります。

・サイバーセキュリティ犯罪
・デジタルコンテンツの著作権

の二点です。

メタバース上で利用するとはいえ、そこにログインするのはPCだったりスマホだったりします。

まだまだセキュリティが高くないプラットフォームもあり、ハッキングされる事件も発生しています。アカウントの乗っ取りや不正利用など、さまざまな問題を抱えていることも事実です。

有名な話としては、

「 HERMES 」の人気バッグ「 Birkin 」を模倣したデジタル製品「MetaBirkins」がエルメス(HERMES)から著作権侵害で提訴されています。

コンテンツが自由に作れることが魅力の一方、著作権にも注意する必要がでてきています。

一般人にとってメタバースのセキュリティはまだまだ未知な部分が多いので、個人個人が一定の注意意識をはらって利用することが大切になります。

メタバースへの依存

人々を魅了する力が強いメタバース空間は、その依存性が懸念されています。

特にメタバースゲームは中毒性が高く、子供の依存を中心に問題視されています。

メタバースは、刺激的で非現実的なコンテンツが多く、それでいてリアリティがあるため、一度はまってしまうとその空間からなかなか抜け出せなくなるからです。

メタバースゲームの依存として世界的に話題になったのが「フォートナイト」です。

小学生がフォートナイトをやめられなくなったり、フォートナイトをやりたいがために学校に行かなくなるなど、一時期社会現象として取り上げられました。

メタバース空間に入り込みすぎると、どちらが現実かわからなくなったり、現実がつまらなく感じるといったことがあるので、注意が必要です。

コスト

メタバースを利用するためには、特別な機材を用意する必要がある場合があります。

メタバースを利用する際、VRなど特別な装備がないと利用できないサービスがあるからです。

また、メタバースでは膨大なデータを送受信するため、今使用しているPCや通信環境ではメタバースの利用に適していないこともあります。

メタバースを利用する上でまず必須なのが、ある程度の容量(スペック)があるPC、スマホなどです。容量が少ないと、動きが悪くなったり、通信がうまくいかずストレスを感じるので、持っている機材によっては新しいものに買い換えないと良質な体験が出来ない場合があります。

また、3Dのバーチャルサービスなど、サービスによってはVRやコントローラーなどを必須環境とするサービスもあるため、その場合は新たに機器を購入しなければなりません。

その他アプリやソフトウェアをインストールしたり、また様々なサービスがあるため、始めたくても敷居が高いと感じている人も多いようです。

|まとめ

ここまでメタバースによって実現できること メタバースに必要なことについてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。

メタバースには今後様々な展望があることをご理解いただけましたでしょうか。

また大きな課題点も含めご紹介いたしました。

メタバースの今後に期待大ですね!