本記事では、VRコマース導入に興味関心がある人向けに
・VRコマースとは
・VRコマースのメリット
・VRコマースの活用事例
などの「VRコマース」に対する疑問を解決させていただきます。
本記事を読めば、VRコマースとEコマースとの違いを理解し、実際にVRコマースを検討できる状態になりますので、是非最後までご覧ください!
目次
|VRコマースとは
VRコマースとは、バーチャルコマースとも言われる、仮想(VR)空間に3Dストアをオープンすることで、実店舗にいるのような買い物体験が可能となる「新しいオンラインショッピング」スタイルです。
VR(バーチャル・リアリティ)は、没入感が高いことから、ゴーグルの購入が必要だと思われていますが、手持ちのデバイス(スマートフォンやPCなど)から簡単に来店することが可能です。
そのため、バーチャルストアへの来店には、事前準備が不要になるので、利用ハードルを下げることができます。
またリアルに近い顧客体験ができ、バーチャルストアは、マウスやタッチ操作をするだけで、来店しているような感覚(顧客体験価値)になり、購買行動に対して「ワクワク感」を得られます。
また、ストア内は、360度自由自在に歩き回れたり、デジタルポスターなども見ることができるので、ビジュアルマーケティングを行うことができます。
|Eコマースとの違い
Eコマースとは「Electric Commerce」の略でVRコマースよりも商品イメージに対する情報が少なかったり、顧客体験価値を向上するような「購買体験」ができません。
また、近年、あまり聞かなくなった「Mコマース」は、Eコマースと同様の販売方法ですが、PCを除いた「モバイル端末のみに対応」しているショッピングスタイルです。
VRコマースのメリット
VRコマースは、時代の変化によって生まれた「新しいショッピングサービス」の一つですが、具体的にどのようなサービスなのか、詳しく知らない方も数多く存在します。
ここからは、VRコマースを取り入れる際の「3つのメリット」をご紹介していきます。
顧客分析ができる
VRコマースは、EコマースやMコマースと同様に、購入履歴などの顧客情報のみならず、閲覧商品やサイト滞在時間も把握することができるため、緻密な分析が可能になります。
また、購入する手間もなく、インストールやアップデート作業もする必要はありません。
ユーザーが閲覧した商品、どんな情報が購入の決め手になっているのか、離脱した要因は何かなど詳細な情報がわかることで、精度の高い分析が可能となり、より購買率を高めるための改善点や施策を検討しやすくなります。
宣伝効果も期待できる
VRコマースによってより良い顧客体験が提供できれば、SNSなどで口コミを拡散してもらうことができ宣伝にもつながります。
スマホを利用している人の多くが何かしらのSNSを利用しており、日常の中で良い体験があると報告したくなるものです。
VR技術によってリアル店舗と変わらぬ、それ以上の顧客体験を提供できれば更なる売り上げアップも期待できるでしょう。
多くのユーザーにアプローチできる
今までのEコマースでは「実際の商品の使用感がわからない」、「購入後のミスマッチが怖い」といった理由で購入を敬遠していた顧客層も、VRコマースであればよりリアル店舗に近い感覚で接客、商品購入を促すことができるため新規の顧客開拓に大きく貢献してくれます。
VRコマースは、見たまま商品の情報を取得することができるため、PCの操作が得意でない高齢者の方やITリテラシーが低い方でも顧客となってくれる可能性を秘めています。
オンライン上で接客から購入までが完結するため、場所を選ぶことなくターゲットにアピールできることもメリットの1つです。
|VRコマースの活用事例
ここからはVRコマースのの活用事例を紹介していきます。
代表的なサービスとして、
Virtual Reality Department Store
BUY+
REV WORLD
cosme TOKYO -virtual store-
metaField
EC-Orange VR
について、順番に説明していきます。
Virtual Reality Department Store
世界最大規模のオンライン・マーケットプレイスのeBayは、2016年にオーストラリア大手百貨店MYER社と連携し、世界初のVR百貨店「Virtual Reality Department Store」を立ち上げました。
VR専用のデバイスを通して、MYER社が取り扱う商品を閲覧、選択し、eBayアプリを通して決済を完了させることができます。
特徴として、レコメンド機能の精度の高さ、商品を360°から、且つ3Dで閲覧可能な点が挙げられます。商品のデザインや質感など、従来のECサイトでは確認できなかった情報が提供されています。
BUY+
中国の大手EC事業会社アリババ株式会社は、2016年に中国国内でVRショッピングサービスである「BUY+」の提供を開始しました。
VR専用のデバイスを装着することで、仮想世界にて実際に店舗を歩き回ったり、商品に触れたりすることができます。
VRを活用することで、リアル店舗に近い購買体験を味わえる点が、最大の特徴であるといえるでしょう。
BUY+では、リリース時の2016年以降、サービスの普及などといった顕著な成果が上がっていないのが現状です。
つまり、VRコマースのサービスの提供は開始されたものの、ショップの利用に専用デバイスを要したり、VRやサービスの認知度自体に関する課題がまだまだ残されていたりなど、現時点でVRコマースが広く浸透していると断言できないのが現状です。
REV WORLD
大手の百貨店である、三越伊勢丹ホールディングス株式会社は、
伊勢丹新宿本店の仮想店舗(以下、バーチャル伊勢丹)を中心とした新宿東口エリアの一部をVR空間上に再現して、VRコマースを行っていますユーザーは自作のアバターを操作し、バーチャル伊勢丹での買い物やエリア内の散策を楽ムことができます。
バーチャル伊勢丹は24時間アクセス可能で、現実の店舗で行われている催事をバーチャル上でも再現しています。
cosme TOKYO -virtual store-
KDDIと美容情報サイト「@cosme」(アットコスメ)を運営するアイスタイルは化粧品を扱うバーチャル店舗「@cosme TOKYO -virtual store-」をVR空間上でオープンしました。
「au XR Door」(iOS/Android、無料)からアクセスでき、アプリのコンテンツ一覧から「@cosme TOKYO」をタップしスマホを空間にかざすと、画面上にARドアが出現します。
画面をタップするとARドアが開き、バーチャル店舗のVR空間に入れます。
スマホをのぞき窓のようにして売り場をさまざまな角度から見られる他、売り場に近づくと実店舗のような手書きの商品説明を確認できます。
metaField
metaFieldでは、株式会社Urthとコミュニケーションコンサルティング企業である株式会社xdayが協働で立ち上げたVRブランドです。
VRプラットフォームの提供だけでなく、VRをはじめとして、SNSなどインターネット上でのコミュニケーションを包括的に支援するサービスとなっています。
お客さんとのコミュニケーション方法のコンサルティングもついており、あたらしい技術を導入することで販路を拡大する企業が目的を達成できるように、システム面、運用面でのサポートが手厚い野が特徴です。実際にVR店舗を利用される企業も増えてきています。
電話で行っていた顧客対応を、VR内でのイベントで対応することでお客さんをファンに帰るきっかけを生み出すことができています。
今後さらに、カスタマーサービス・サポートとしての新しい形としても利用が広まっていくと考えています。
EC-Orange VR
S-cubismが株式会社タッグ、共同印刷株式会社と共同開発した「EC-Orange VR」は、店舗がVRショッピングを導入するためのパッケージシステムです。
もともとECサイトを始めるためのパッケージとしてS-cubismが提供していた「EC-Orange」をよりリアルなショッピング体験にバージョンアップするためにVRコマース機能を導入しました。
VRコマースサービスは実店舗をベースにVR空間上に店舗を再現する、ECサイトをVR化し理想の店舗をVR空間常に構築する、といった使い方ができ、すでに「セブン&アイ・ホールディングス」や子供向けアパレルブランド「ファミリア」が実際にVR店舗を作り上げています。
今後の方針としてS-cubismは、バーチャルであることを活かした動画配信やクーポン配信などの機能を充実させたいとのことです。
|まとめ
本記事では、VRコマースについて紹介していきました。
新型コロナウイルスの影響により、ネットショッピングの需要が増えたこともありVRコマースにも注目が集まっていると言えます。
今後、5Gの普及に伴い、より大量のデータを高速で通信することができるようになると、VRコマースやライブコマース技術の発展が加速していくでしょう。
うまくVRが活用されれば、事業者にとっても消費者にとっても、便利で楽しい世界が実現されてゆくことでしょう。今後のこの分野の発展が楽しみですね。