近年、テレビやインターネットなどで「メタバース」というワードを耳にする機会が増えてきました。

そんなメタバースでは、ただ単に交流する場所だけではなく働く人々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を選択できる働き方改革が注目を集めています。

本記事では、メタバースで働き方にどんな影響があるのか?

現状のビジネスではどのようなことに活用されているのかを分かりやすくまとめました。

是非、最後までご覧ください。                                                                                                                              

|そもそもメタバースとは?

メタバースとはインターネット上で構成された「仮想空間」のことです。

メタバースの言葉の意味はメタは超越したという意味でバースは宇宙を意味します。

このメタバースの由来は1992年に発表されたニール・スティーブソンの小説「スノウ・クラッシュ」から名づけられました。

メタバースの概念で現状で馴染み深いのは「あつまれどうぶつの森」がイメージしやすいです。

あつまれどうぶつの森は、仮想空間で生活をするひとつのメタバースだといえます。

つまりメタバースとはアバターを介して仮想空間で自由に行動ができることです。

メタバースについてもっと理解を深めたい方は下記の記事をご覧ください。

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メタバースの意味がわからない!意味ないって本当?注目理由・将来性・ビジネス別の有名メタバースを紹介!
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|働き方改革やコロナ禍でメタバースがビジネス的に注目を浴びている

コロナ禍によって働き方がリモートワークに変化している今、メタバースがビジネス的にも注目を集めています。

そんなメタバースでは場所を問わず在宅から完結できるのが大きな魅力だと言えます。

具体的な例を交えて下記で解説します。

メタバースならリモートワークのデメリットが払拭できる

コロナ禍に伴い移動の必要がない在宅勤務にメリットを感じる一方で会社に出社して同僚と会って話したい人も少なくないはずです。

家から仕事ができる便利さを感じつつもオンラインだと直接話せずやりづらいと感じることもあると思います。

リモートワークは実際に直接会って話すことに抵抗はなくてもカメラ越しの対面だと抵抗を感じる人もいます。

ビジネスコミュニケーションに置いて対面が一番ではありますが、対面により近い感覚を体験できるのが「メタバース」です。

PC付属のカメラに向かって会話を頷いて聞いたり身振りをしたりとアバターも同じように動作します。

このような感じでカメラ越しでの対面に抵抗を感じるリモートワークのデメリットが払拭でき、画面越しの二次元とは違い、対面に近い感覚でコミュニケーションをストレスなく取ることができるのがメタバースの魅力です。

メタバースオフィスにアバター社員が出社する

メタバースオフィスとは実際のオフィスに出社しているかの感覚でリモートワークが可能です。

グラフィック面で言えば2Dだけではなく3D対応の物もあります。

アバターやフロアデザインによってその場にいなくても社員や周囲の状況を得ることができるのが大きな特徴になっています。

その為、メタバースオフィスでは、社員がそれぞれアバターになって空間に出社することができ、社員それぞれの席を配置できる為、出欠確認や離席なども可視化されます。

会議室にアバターが集まって会議をするなど、幅広い事ができるのが特徴で、現状の技術でもアバターの動作や表情なども認識ができ、対面で会っている感覚に近いものが得られます。

単なるリモートワークとは違い、アバターが可視化されるので一体感や対面で会っている感覚に近いものが得られるのもメタバースならではの特徴です。

メタバースによるHRテックも話題に。人事業務もメタバースで

人事は、評価制度の運用や採用活動など数多くの仕事を担っており、それを効率化するために取り入れられたのがHRテックです。

今では、会社説明会や就職関係などがメタバースで行われるようになっています。

動画を見るより臨場感があり、web会議システムよりコミュニケーションがとりやすい為、採用している会社も増えています。

会社説明会だけにとどまらず人事業務の根幹である面接もメタバース上でアバターを使って行う会社も出てきています。

対面と比べ外見に捉われずに判断できたりカジュアルにやり取りが出来るため好評のようです。

とある企業では、採用活動専用のバーチャルオフィスを立ち上げました。

候補者は自分のアバターでオフィスを自由に見て周りその企業が作成したコンテンツを閲覧したり社員の雑談を聞いたりして企業の雰囲気を存分に感じ取る事ができます。

メタバースを通じて企業のリアルに近い空間を体験できるのは今後、需要が出てきそうですね。

新人研修や交流会もメタバースでできる

近年では、仮想空間上(メタバース)でアバターを活用して自由にコミュニケーションを取りながらの交流会や新人研修などを実施している企業もあります。

実際に、メタバース上に会社のキャンパスを作り交流会や研修、イベントなどを実施する例もあります。

経費面やコロナ禍での制限の為、1カ所に集合して研修を行うのが困難な他、本社から離れている社員でも同じ空間で体験できるメタバースに注目が集まっています。

また、これまでの研修の弱点でもあった上司や管理職を務める人が司会進行して参加者は自分の意見を表現しずらい環境にありました。

しかしメタバース研修では、アバターを活用したメタバース上で、自分を含めた周りの人全員がアバターに扮しているため対面で意見を述べるよりもハードルが低く意見を伝えやすい環境だといえます。

メタバースでのコミュニケーションはビジネスに向かないという声も

メタバースの世界に没入するためには、VRゴーグルが必要になります。

現状のVRゴーグルはまだメタバースが発展途上のため、VRゴーグルがとても大きく装着したり外したりするのにストレスを感じる面があります。

また、重さもあるため業務中、VRゴーグルをつけてコミュニケーションを取ることは現実的ではないと感じます。

アバターでの感情表現の面を見ても詳細な感情を全て読み取ることは現時点の技術ではハードルがあります。

コミュニケーションを取るときに人は、言語・聴覚・視覚の3つの要素を組み合わせて認識するとされています。

このことからわかるように私たちは相手の発言以外にも声や表情などから様々な情報を読み取っています。

その面で考えると弱点に捉えられますが、メタバースはまだ開発段階なので、今後技術が発達しVRゴーグルも眼鏡サイズになり重量も軽量化されれば、ビジネスシーンにおいても大活躍してきそうですね。

|メタバースのビジネス活用にはデメリットもある!

メタバースはネット上に存在している空間なので、ハッキング等のリスクがつきものという点がデメリットになります。

現実のオフィスでは警備体制を整えているため不用意に第三者が侵入するスペースはありません。

しかし、メタバースでは顔も見えず匿名性があるが故に情報を流出させるような不正アクセスのリスクがあります。

上記でも軽く触れましたがメタバースの現状はまだまだ発展途上なだけに高いセキュリティー対策を維持する必要があります。

対策をする上でコストも生じてしまいます。

デメリットを差し置いても今後、さらに進化してビジネス面においても多方面で実装される事が予想されているので目が離せません。

|メタバースは私たちの働き方に何をもたらす?

メタバースが一般企業にも浸透してくると移動時間の有効活用や交通費削減、社員の孤独感の払拭、人手不足の解消、コミュニケーション不足の解消が期待されます。

また外食産業では、勤務形態が変動し、リモートワークの導入などが難しい面もあると考えられます。

孤独感を感じる店舗社員と交流したりシフトが抜けにくいスタッフと交流しやすくなったりすることから、離職率低下による人件費の削減に貢献できるのではないでしょうか。

今後はメタバース空間を社員のコミュニケーションだけにとどまらず全国各地の店舗利用者の交流の場や会議などへの活用が期待されています。

同社はITツールを活用することで、外食産業の働き改革のお手本となるような取り組みを行い、人手不足やコミュニケーション不足に役立つ事例を作りたいと考えているとのことです。

上記では、外食産業を例に出し解説しましたが、外食産業以外でもメタバースを取り入れることによって、私たちの新しい働き方革命に繋がっていくことを期待します。

|ビジネスで活用できるメタバースにはどんなものがあるかチェック

ビジネスで活用できるメタバースにはどんなものがあるのか下記で紹介していきます。

ここで紹介しているのはバーチャルとの相性が良くこれから成長すると考えられるビジネス分野です。

是非、チェックしておきましょう。

バーチャルオフィス

バーチャルオフィスは上記でも解説しましたが、出社するのではなくリモートでありながら実際のオフィスに出社している感覚を体験する事ができます。

仮想空間にあるオフィスに自分に扮したアバターが出社するイメージです。

別の拠点にいて遠く離れていても同じ空間にいるようにコミュニケーションを取る事ができます。

バーチャルオフィスが導入されることにより、通勤による移動時間や交通費の削減などのメリットがあります。

実際にバーチャルオフィスはoViceやVoicePingから体験可能です。

無料トライアルもあるのでまずは体験がおすすめです。

これから発展が期待されるメタバースの初期から触れておくことによって時代を先取りできることでしょう。

バーチャルショッピング

現在の日本でも楽天やamazonなどのオンラインショッピングが拡大していますが、メタバースによるバーチャルショッピングが普及すればより現実世界に近い感覚でショッピングを楽しめます。

オンラインショップで気になった商品の購入を検討する際にはネットで調べたりレビューを参考にしたりすることが多いと思います。

しかし、バーチャルショッピングではショップ販売員の意見を直接聞きながら購入を判断することが可能になります。

また、対面でのコミュニケーションが得意でない方や実際に話を聞くと気まずさから購入しないといけない空気を気にする方もいると思いますが、アバターでのメタバースのコミュニケーションならそのような不安も払拭されてくると考えられます。

エンタメ関連

音楽業界はメタバースと相性のいい業界だといえます。

現在でもメタバースを用いた音楽ライブが開催されています。

一つ例を挙げるとメタバースプラットフォームのXANAがアーティストの手越祐也さんと提携を発表しました。

コロナ禍で思うようにリアルのライブ会場に足を運ぶ事が難しかったり遠方でライブに参加する事が難しい悩みもメタバースのライブによってこれらの悩みを解決し自宅からライブを楽しめる次世代のライブ方式にファンも期待が高まります。

バーチャル旅行

メタバースの中には現実世界をリアルに表現した世界もありバーチャルな旅行を楽しむ事ができます。

映像のみでの風景を楽しむのではなく自分に扮したアバターで観光することにより実際に旅行へ行った気分を最大限に体感する事ができます。

旅行先でのお土産はバーチャルショッピングを活用することによって満足度をさらに高める事ができます。

また、実際に現地に訪れる予定の際も前もって旅先をメタバース空間で下見することができるのもバーチャル旅行の魅力といえるでしょう。

バーチャル旅行を通じて観光産業にどのような変化があるのかも注目していきたいですね。

教育関連

今ではメタバース授業を取り入れる学校もあります。

メタバース授業で期待されていることは学校にいくことのできないひきこもりや不登校の生徒にも学ぶ機会を平等に設けることが挙げられます。

具体的には、広島県や埼玉県の一部でメタバース授業が認められ出席扱いにもなるそうです。

そんなメタバースでは現実では行えない実験や体験なども行うことができます。

現状ではメタバース登校を認めている学校は一部ではありますが、メタバース登校が一般化していけば子供たち自身で学びを選べる時代が訪れそうです。

|働き方改革とメタバースのまとめ

コロナ禍で働き方が問われてきた近年、さらに企業がメタバースを取り入れることにより、メタバースに出勤するのが普通であるという認識が出てくるでしょう。

メタバースも同様にAIの技術も近未来で一般化すると考えられます。

メタバース×AIを活用して新しい働き方や学びの場が広がり、日常生活での満足度が高まっていきそうですね。

とはいえまだメタバースは初期段階ですので、未来に期待しつつ時代に取り残されないように注目していきましょう。