DeFi運用で「安心して、なおかつ出来るだけ損しない仕組み」を常にリサーチしているとCurve Finance(カーブファイナンス)にたどり着くかたも多いのではないでしょうか。
しかし、触ったことのない取引所は不安が多いはずです。
そこで今回はCurve Financeについてご紹介致します。
この記事を読み終えた頃にはCurve Financeの特徴を理解し、実際に取引できる状態になりますので是非最後までご覧ください。
目次
|Curve financeとは
出典:https://classic.curve.fi/
USDTやUSDC、DAIをはじめとした法定通貨に連動するステーブルコインのスワップに特化した分散型取引所(DEX)です。
2020年8月に正式リリースされており、数多くのDeFiプラットフォームが開発されている堅牢なイーサリアムブロックチェーン上で構築されています。
分散型取引所とは中央集権型のコインチェックやビットフライヤーなど、一般的な仮想通貨取引所と違い、2種類以上の仮想通貨を貯めている「流動プール」という仕組みを利用し、ブロックチェーンを利用した分散型でのスマートコントラクトによって自動的に取引が行われています。
また、Curve Financeはステーブルコインの交換に特化することで、このあと開設する「インパーマネントロス」や手数料を抑えたりなどが期待でき、ステーブルコインをメインで扱う方にとっては扱いやすいDeFiです。
そのため、安全にかつ安定的に資金運用をしたい方にも注目されています。
名称 | Curve Finance |
通貨単位 | Curve DAO Token (CRV) |
時価総額順位 | 62位 2023年2月22日現在 |
発行上限 | 3,303,030,299 |
価格 | 160円 |
公式サイト | https://curve.fi/#/ethereum/swap |
取引所 | Binance Bybit Coinbase 他 |
|Curve financeの仕組み
Curve Financeの仕組みには以下3つのポイントがあります。
- マルチチェーン対応
- AMM形式の分散型取引所
- イードルファーミングによる流動性の確保
ブロックチェーンの仕組みも踏まえて順に解説していきます。
マルチチェーン対応
現在、Curveはイーサリアム(Ethereum)やアバランチ(Avalanche)、セロ(Celo)、ファントム(Fantom)、ムーンビーム(Moonbeam)などといったブロックチェーンの他に、ポリゴン(Polygon)やアービトラム(Arbitrum)、オプティミズム(Optimism)などL2と呼ばれるブロックチェーンにもマルチチェーン対応しています。
マルチチェーン対応する理由は、イーサリアムチェーンのみだとトランザクションが滞り、ガス代の高騰や送金の遅延などが発生し取引に支障が出るためです。
これらの問題を解決することで安定的な取引を確立し、ユーザーを増やし運用を安定化させています。
AMM形式の分散型取引所
AMMとは自動で売り買いをしてくれるマーケットメイカーです。
一般的な取引所は、中央集権型で管理者が売り手と買い手の要望が一致したときに取引を成立させる処理を行い、その手数料が管理している取引所の儲けになります。
一方、AMM形式の分散型取引所では取引成立の処理をブロックチェーン上にて自動で行うことで、仲介を通さないためその浮いた手数料が分配されDeFi利用者の利益になるイメージです。
また、ブロックチェーンで管理会社の人為的ミス、倒産のリスクなどから資産は守られ、理論的には現実世界の銀行より安全な金融システムなのです。
しかし、仮想通貨領域の情報が少ないため扱いのハードルが高く運用が難しいことが課題です。
イールドファーミングにより流動性の確保
「流動性の確保」=「利益の確保」につながります。
DeFiも一般的な銀行の融資も仕組みは一緒です。
預かった資金から、貸付をし発生する手数料が儲けになります。
その恩恵を受けるためには「資金を預け流動性」を提供することです。
流動性を提供して利益を受けることをイードルファーミング(Yield Farming)と言います。
DeFiの仕組みで利益を得るためには「流動性プール」に資金を預けます。
その資金をLPトークンと言い、Curveに預けるとCurveのトークン「CRVトークン」という形で、報酬が付与されます。※LPとは流動性提供者という意味です。
さらにその報酬CRVトークンを預けることでCRVトークンにも利益が発生し複利の運用が可能です。
|Curve Financeの特徴
Curve Financeの特徴は以下の3つです。
- 手数料が安い
- ステーブルコインに特化したDEX
- イパーマネントロス対策
この特徴がCurve Financeが注目されるポイントです。順に解説していきます。
手数料が安い
Curve Finance手数料は0.04%です。
これはUniswapやSushiSwapなど主要DEXと比較するとおよそ10分の1程度の料金です。
この手数料の安さはステーブルコインに特化した取り扱いと、マルチチェーン対応のAMM形式の取引により実現できています。
ステーブルコインのみの取り扱いに絞ることで、仮想通貨を変換する時は1回分の手数料が抑えられます。
例えば「USDC」を「DAI」に交換する場合
・UniSwap→USDC→ETH→DAIと1回変換が必要
・Curve→USDC→DAIと直接交換できる
それに加え自動取引による時短とマルチチェーン対応による時短がガス代を抑え、結果的に取引手数料が抑えられます。
ステーブルコインに特化したDEX
ステーブルコインとは「価値を担保した仮想通貨」です。
安定した供給と運用を行うために「ペッグ制」という、為替レートをある特定の水準に固定する制度を利用しています。
この制度を利用し、国の法定通貨に価値を紐付けて、価格変動のデメリットを打ち消しているのがステーブルコインです。
その安定したステーブルコインに特化した取引所にすることで、利用者は仮想通貨の価格変動にメンタルを左右されることが少なくなり、
流動性プールには多くのステーブルコインが集められ流動性を保っています。
そのため、流動性が高ければ、取引に該当する仮想通貨が多いためサービス利用者にとっては使いやすく、利益につながりやすくもあるので安定した運用にもつながっています。
インパーマネントロス対策
インパーマネントロスとは、預け入れた仮想通貨の価格変動により収益が減ってしまうということです。
イードルファーミングで複利もねらった投資をしても、必ず利益が出るわけではありません。
投資せずに自身で保有していたほうが価格変動により儲かる場合もあります。
現在の仮想通貨は値動きが激しいため、イパーマネントロスのリスクは付きまといます。
しかし、ステーブルコインは価値が法定通貨に紐ついているため、価格変動が通常の仮想通貨と違うのでインパーマネントロスの問題を除外できる仮想通貨です。
そのため、安定したステーブルコインに特化したCurve Financeはローリスクなイードルファーミングで細く長く投資するユーザーの預け入れが多く、安定した流動性が確保できています。
|Curve Finance(CRV)の価格動向
2021年10月、Curve Financeの独自トークンCRVは価格上昇しています。
きっかけは定かではありませんが2021年6月10日にCurve Financeは新しいアルゴリズムの導入を発表し、独自のアルゴリズムを用いることで価格変動リスクを抑えるという内容でした。
また、2021年5月からビットコインの暴落と同時にCRVが上がっていることから価格変動が小さいステーブルコインに注目して投資する人が増えた影響も考えられます。
2023年2月現在はビットコインの変動につられるようにチャートが変動しており、
ゆっくりとですが取引も上がってくる動きに注目です。
|Curve Financeの使い方
実際にCurve Financeに入金し運用するには6つのステップを行えば可能です
- 国内の仮想通貨取引所で口座開設
- 日本円を入金・イーサリアムを購入
- メタマスクを入手
- メタマスクへイーサリアムを入金
- イーサリアムとステーキングコインを交換
- Curve Financeとメタマスクの連結
順に解説いたします。
国内の仮想通貨取引所で口座開設
Curve Financeを利用するためのステーブルコインを手に入れるためには、元となる仮想通貨を購入する必要があります。
仮想通貨は国内の仮想通貨取引所であればどこでも購入可能です。
口座開設でキャッシュバックがあったり、同時にクレジットカードを作ると、カード使用時のポイントがそのままビットコインになるクレジットカードなど、各社メリットがそれぞれあります。
口座開設は基本無料ですので、複数の口座を持っておくと取引所倒産のリスクヘッジにもなり、暗号資産運用には良いかもしれません。
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日本円を入金・イーサリアムを購入
開設した仮想通貨の口座に、仮想通貨を購入する資金を入金します。
入金の手段によって振り込みが反映される時間、手数料がそれぞれ違いますので確認しましょう。
入金が反映されたら日本円でイーサリアムを購入します。
イーサリアムに似た「イーサリアムクラシック」というのも存在しますので、
名称を確認することをおすすめ致します。
また、仮想通貨は購入からウォレットに反映されるまで時間がかかる場合がありますので
時間に余裕を持つことがポイントです。
イーサリアムについては下記記事で詳しく紹介しています。
メタマスクを入手
メタマスクはイーサリアムなど取引所で購入した仮想通貨を他のサービスで使用するために必要なweb上のお財布です。
スマートフォン用とPC用がありますが、操作性やセキュリティの観点からPCでの操作をおすすめ致します。
対応ブラウザはGooglechromeが推奨されておりますので、
Googlechromeからメタマスク公式サイトを開き「Download now」⇒「Install MetaMask for Chrome」とクリックするとメタマスクを入手できます。
MetaMaskについては、下記記事で詳しく紹介しています。
メタマスクへイーサリアムを送金
メタマスクが設定出来たら、仮想通貨取引所の口座からメタマスクへイーサリアムを送金します。
まずメタマスクのアカウント名をクリックすると受取先のウォレットアドレスがコピーできますので、このメタマスクのアドレスへ開設した仮想通貨取引所の口座から必要な分だけ送金すれば完了です。
この際に仮想通貨の送金のガス代として手数料がいくらかとられますので、
入金の金額はガス代を見越して多めに入金し、金額の確認は必ず行いましょう。
イーサリアムとステーブルコインを交換
メタマスクに入っているイーサリアムをステーブルコインに交換します。
そのために海外の仮想通貨取引所にも登録する必要があります。
主要な海外の取引所であればステーブルコインに交換出来ますが、その中でもBinance(バイナンス)は日本語のサポートも分かりやすく操作がしやすいかもしれません。
登録した海外取引所にメタマスクからイーサリアムを選択しステーブルコインに変換します。
変換したステーブルコインはそのままメタマスクで保存します。
Curve Financeとメタマスクを連結
Curve Financeアクセスすると自動的に「Select a Wallet」のポップアップが表示されるので「MetaMask」を選択しましょう。
メタマスクが起動したら設定したパスワードを入力してCurve Financeとメタマスクを連結させれば、メタマスクのステーブルコインがCurve FinanceのHPで使用できます。
Curve Finance公式サイトのDepositページにアクセスして、仮想通貨を預け入れれば完了です。
|Curve Financeの将来性
DeFiは仮想通貨運用において利回りが魅力的ではありますが、価格変動の激しい通貨はリスクも伴います。
そのなかでCurve Financeの登場により、安定したステーブルコインの価値が認知されて徐々に取引も増えているのも事実です。
また、ステーブルコインはドルでそのまま購入できる手軽さもあり、さらに浸透が見込まれている仮想通貨です。
NFTの普及によりブロックチェーンのサービスがさらに広がれば仮想通貨も本来の価値である通貨として世間に認知されはじめます。
それをさらに飛躍させるためには、誰もが認める法定通貨により、価値が担保されているステーブルコインの存在が不可欠です。
そのため、ステーブルコインに特化したCurve Financeの需要も拡大すると期待されます。
|まとめ
今回はCurve Financeについてご紹介いたしました。
Curve Financeは仮想通貨のデメリットである激しい価格の変動を出来るだけ回避し、手数料を抑え安定的なサービスを提供する新しいスタイルの分散型取引所です。
DeFiというまだまだニッチな分野ではありますが、時代が進むに連れ仮想通貨が世の中に浸透したとき、法定通貨の価値に紐ついた中央集権に支配されないステーブルコインをメインで取り扱うCurve Financeに積み立て投資しておくのは、資産を守る一つのリスクヘッジになるかもしれません。