近年、注目度が高まっているNFTですが、NFTに関して情報収集をしてみたら、専門用語がわからなくて戸惑った方も多いのではないでしょうか?
そこで、NFTを始めたばかりの初心者向けに、NFTに関連して押さえておきたい用語の意味をわかりやすく解説します。初心者の方でも理解しやすいように、単に意味を解説するだけなく、できるだけ具体例を挙げたり、他の用語との関連を述べたりして解説しています。
|NFTとは
NFTとは、Non-Fungible Token(ノンファンジブル・トークン)の略で、改ざんを困難にするデジタルデータの証明書のことです。日本語では、非代替性トークンと呼ばれます。
従来、写真やイラストなどのデジタルデータは、コピーや改ざんが容易にできたため、あまり価値がつきませんでした。
仮想通貨に使われているブロックチェーンの技術を使い、デジタルデータに唯一無二である証明書を発行することで、デジタルデータもコピーや改ざんが困難になりました。
唯一無二の存在となったデジタルデータにも、価値がつくようになり、取引もされるようになったのです。
このように、デジタルデータを唯一無二の存在にして、価値を持たせることを可能にしたのが、NFTです。
現在では、アートや音楽、SNSのアイコン、ゲーム内のアイテムなど、さまざまな分野でNFTが活用されています。
NFTについては、下記記事で詳しく解説しています。
|NFT関連用語集
NFTでは、普段あまり耳にしない用語が多く使われています。
NFTに興味がある人の中には、わからない用語が多くて困っている人もいるのではないでしょうか?
そこで、NFT関連のサービスでよく使われる、重要な用語を50音順に解説していきます。
あ行
あ行で始まるNFT関連用語を解説します。
AL
ALとは、Allow List(アローリスト)の略で、NFTの分野では、優先購入権のことを意味します。
特定のNFTプロジェクトのALを持っていると、新作のNFTを一般販売よりも早く安く購入できます。
ALを使って安く購入することで、転売で利益を得やすくなるメリットもあります。
なお、NFT分野で使われるWL(ホワイトリスト)と同じ意味で使われます。
ホワイトに差別的な意味が含まれることから、最近では、ALを使うプロジェクトが多くなっています。
AMA
AMAとは、Ask Me Anythingの略で、NFTプロジェクトの運営者が、オンライン上で開催するライブ配信のことです。
「なんでも聞いてください」という意味のスラングが元になってできた言葉です。
仮想通貨やNFTプロジェクトでは、プロジェクトが開始される際などに、プロジェクトの紹介やユーザーとの交流を兼ねたライブ配信が行われます。
このライブ配信をAMAと呼んでいます。
ユーザーがAMAに参加すると、NFTプロジェクト運営者などに質問を投げられます。
ATH
ATHとは、All Time Highの略で、過去最高値を意味します。
例えば、NFTコレクションの取引額が過去最高値を更新した際などに、「ATHを更新した」という風に使用されます。
また、人気のある仮想通貨では、ATHが更新されるたびに、ニュースとして取り上げられたり、SNSで話題になったりします。
Ethereum
Ethereum(イーサリアム)とは、仮想通貨の一つで、ETHと略して呼ばれることもあります。
Ethereumは、2023年2月時点で、時価総額がビットコインに次いで2位となっています。
Ethereumは、ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する「スマートコントラクト」が実装されている特徴があり、NFTを取引するマーケットプレイスで、取引用の通貨として使用されています。
Airdrop
Airdrop(エアドロップ)とは、NFTの作品を無料でプレゼントすることを意味します。
NFTクリエーターの人が、作品の立ち上げ初期に、Twitter上での知名度を上げるためにAirdropが利用されています。
Airdropする際には、自分のアカウントのフォローやリツイートを条件にしていることが一般的で、自分のアカウントがTwitter上で拡散されることを狙っています。
NFTの分野で使われるGiveaway(ギブアウェイ)も、Airdropと同じ意味の用語です。
OpenSea
OpenSea(オープンシー)とは、NFTを売り買いできる場を提供するNFTマーケットプレイスの最大手です。
NFTマーケットプレイスでは、クリエイターが制作したNFTを販売したり、利用者同士が保有しているNFTを売買したりできます。
OpenSeaは、2017年12月にサービスを開始したNFTマーケットプレイスで、NFTの取引量もユーザー数も最大規模を誇っています。
OpenSeaでは、アートや音楽、イラスト、トレーディングカード、ドメインネームなど、さまざまな種類のNFTの取引が可能です。
か行
か行で始まるNFT関連用語を解説します。
ガス代
ガス代とは、イーサリアムでの取引をおこなう際にかかる手数料のことです。
NFTマーケットプレイスで、NFTを販売したり、NFTを発行したりするなどの場面で、ガス代がかかります。
ガス代がかかるのは、イーサリアムにおいて取引を記録し、取引データが正しいことを証明したりするなど運営にかかる費用をまかなうためです。
ガス代は常に一定ではなく、NFTの取引が増えるなどで流通量が増加すると、高騰することもあります。
Giveaway
Giveaway(ギブアウェイ)とは、NFTの作品を無料でプレゼントすることを意味します。
NFTクリエーターの人が、作品の立ち上げ初期に、Twitter上での知名度を上げるためにGiveawayが利用されています。
Giveawayする際には、自分のアカウントのフォローやリツイートを条件にしていることが一般的で、自分のアカウントがTwitter上で拡散されることを狙っています。
なお、Giveawayは、Airdrop(エアドロップ)と同じ意味の言葉です。
Crypto
Crypto(クリプト)とは、暗号という意味をあらわします。
仮想通貨やNFTでは、Cryptoがつく言葉が多くあります。
仮想通貨は、英語でCryptocurrencyと呼ばれます。
また、CryptoPunks(クリプトパンクス)は8ビットスタイルで描かれたピクセルアートであり、世界最古のNFTとして高値で取引されています。
NFTアートでは、Cryptoがつく名前の作品をよく見かけます。例えば、CryptoNinjaは、忍者をモチーフにしたNFTコレクションです。
GOX
GOXとは、取引所などに預けていた資産が盗難されることを意味します。
GOXの用語は、2014年に起きたマウントゴックス事件に由来します。
マウントゴックス事件では、世界最大級の仮想通貨取引業者であったマウントゴックス(Mt.Gox)社のサーバーがハッキング被害を受け、同社のビットコインと預かり金の多くが流出しました。
この事件をきっかけに、仮想通貨やNFTの分野では、GOXという言葉がよく使われるようになりました。
また、仮想通貨を取引所に預けていたものの、ログインIDやパスワード、2段階認証用のパスワードを不注意で紛失し、自分の持っていた仮想通貨を取り出せなくなることを「セルフGOX」と言います。
さ行
さ行で始まるNFT関連用語を解説します。
ジェネラティブNFT
ジェネラティブ(ジェネレーティブ)NFTとは、プログラムにあらかじめ組み込まれたアルゴリズムによって自動的に作成されたNFTの作品のことを意味します。
英語では、Generative NFTと呼ばれます。
ジェネラティブNFTは、一般的にCryptoPunksやCryptoNinja、Bored Apeのようなコレクションの形態で提供されています。
これらのコレクションは、キャラクターや装飾品、背景などのさまざまなパーツを事前に作成しておき、それらのパーツをプログラムがランダムに組み合わせることで生成されます。
SCAM
SCAM(スキャム)とは、NFT関連の詐欺のことです。
NFTや仮想通貨の分野では、相手をだますことで何らかの損害を及ぼす犯罪のことをSCAMと呼ぶことが多いです。
SCAMの事例としては、有名なNFTアーティストを装った詐欺師が、偽物のNFTアートを販売したことがあります。
また、別の事例では、あるNFTプロジェクトの運営側が、仮想通貨の発行を担保に資金調達し、投資家から集めた資金を持ち逃げしたこともあります。
スマートコントラクト
スマートコントラクトとは、あらかじめ設定されたルールに従って、ブロックチェーン上の取引などをトリガーにして、自動で実行されるプログラムのことです。
従来、契約や取引をおこなうときには第三者が確認するなどの作業が必要でしたが、スマートコントラクトでは、第三者を介さずに実行できるため、信頼性が高まるメリットがあります。
また、取引履歴や記録が残ることで、取引の透明性を担保できたり、自動化によりコストを削減できたりするのもメリットです。
このスマートコントラクトが実装されているのが、仮想通貨のEthereum(イーサリアム)です。
SBT
SBTとは、Soulbound token(ソウルバウンドトークン)の略で、他人への譲渡が不可能なNFTを意味します。
NFTは、通常、他人に売買や譲渡が可能ですが、SBTでは、売買や譲渡ができないのが特徴です。
SBTは、受け取った本人以外は利用できず、一度発行されると本人のウォレットから移動できません。
SBTは、身分を証明するパスポートや学歴・職歴を証明する履歴書など、改ざんができない証明書としての活用が期待されています。
また、企業や学校、公的機関、取引所などの組織がSBTを発行し、デジタルIDとしての利用も有望視されています。
た行
た行で始まるNFT関連用語を解説します。
DAO
DAOとは、Decentralized Autonomous Organization(分散型自立組織)の略で、同じ目的をもったメンバーが共同で所有・管理する組織やコミュニティを意味します。
DAOには、マネージャーのような管理者が存在せず、オープンソースで透明性が高く、専用のトークンを入手すれば、誰でも参加できるのが特徴です。
DAOの例としては、Ninja DAO(ニンジャダオ)が挙げられます。
Ninja DAOは、日本最大級のDAOで、NFTプロジェクトCryptoNinjaや、その二次創作プロジェクトの保有者とファンが参加するコミュニティです。
Discord
Discord(ディスコード)とは、NFT分野やゲーマーの間で、多く利用されているチャットツールのことです。
Discordには、チャットやビデオ通話の機能に加え、Botの導入ができ、役割を分担するロールという機能があるのが特徴です。
Discordは、分散型自立組織(DAO)を目指すコミュニティ構築に適しています。
メンバーのコミュニティ内の貢献度を可視化でき、NFTの優先購入権であるALやWLを容易に配布できるメリットがあるためです。
NFTコレクションのコミュニティでよく使われています。
DeFi
DeFiとは、Decentralized Finance(分散型金融)の略で、ブロックチェーンを基盤にした、中央集権的な管理者が不要な金融サービスのことです。
DeFiでは、スマートコントラクトにより人手を介さず運営できるため、銀行など従来の金融機関のサービスに比べて、管理コストが安く、国籍・居住地に関係なく誰でもサービスを利用できる特徴があります。
DeFiには、ユーザー同士で仮想通貨の交換ができる分散型取引所(DEX)や、仮想通貨の融資を仲介するレンディングプラットフォームなど、さまざまな種類のサービスがあります。
トークン
トークン(Token)とは、NFTや仮想通貨の分野でデジタル資産の価値をあらわす記号のことを意味します。
ブロックチェーン上で発行されるトークンは、デジタルトークンと呼ばれますが、単にトークンと呼ばれることも多いです。
トークンのうち、代替可能なトークンが仮想通貨であり、代替不可能なトークンがNFTです。
仮想通貨は、どのトークンも同質の価値を持つのに対して、NFTは、唯一無二の価値を付与できます。
DYOR
DYORとは、Do Your Own Researchの略で、「自分で調べましょう」ということを意味します。
「自己責任でお願いします」というニュアンスが含まれていることも多いです。
仮想通貨やNFTに関しては不確かな情報も多く、詐欺行為も多いため、自分で詳しく調べて、自分で判断する必要があります。
DYORは、仮想通貨やNFTの分野に関わるなら、持っておきたい心構えです。
NFTプロジェクトのGiveawayの際に、目にすることが多い言葉です。
は行
は行で始まるNFT関連用語を解説します。
Binance
Binance(バイナンス)は、ユーザー数や取引数が世界最大級の仮想通貨取引所のことです。
Binanceは、仮想通貨の取り扱いが350種以上と豊富であり、日本国内では取引できない仮想通貨を扱えるのが最大の特徴です。
NFTゲームで取り扱う仮想通貨の売買に、Binanceが使用されることがあります。
Bitcoin
Bitcoin(ビットコイン)は、代表的な仮想通貨の一つで、2009年に世界で初めてブロックチェーン技術を用いて作られた仮想通貨です。
BTCと略されることもあります。
Bitcoinは、2023年2月時点で時価総額が1位の仮想通貨であり、仮想通貨の代名詞としても使用されています。
Blockchain
Blockchain(ブロックチェーン)とは、ブロックと呼ばれる単位でデータを管理し、ブロックを鎖のように連結してデータを保管する技術のことで、仮想通貨やNFTに使われています。
日本語では、「分散型台帳」と訳されます。
データを改ざんするのが困難なのが、Blockchainの特徴です。
また、多数のコンピューターが分散して管理しているため、システムダウンが起こりにくく、一度記録された取引の記録が残り続けることで、取引が透明化される特徴もあります。
Bot
Bot(ボット)とは、一定のタスクや処理を自動化するプログラムのことを意味します。
Robot(ロボット)から生まれた言葉です。チャットへの自動返信をおこなうチャットボットもBotの一種です。
NFTプロジェクトのコミュニティ運営では、Botを活用することがあります。
例えば、Botを活用してメンバーのコミュニティ内の貢献度を可視化したり、優先購入権であるALやWLを配布する際に、Botに抽選をさせたりします。
フルオンチェーン
フルオンチェーンとは、すべてのデータをブロックチェーン上に記録することです。
フルオンチェーンを利用したNFTは、フルオンチェーンNFTと呼ばれ、構成する画像やメタ情報などのすべての要素がブロックチェーン上に記録されます。
フルオンチェーンNFTの例としては、8ビットのピクセルアートを扱うCryptoPunksが挙げられます。
なお、画像や動画などのNFT作品の多くは、直接ブロックチェーンに記録されておらず、ブロックチェーンの外にあるストレージに保存され、保存場所を示すURLがブロックチェーンに記録されています。
そのため、多数のNFT作品はフルオンチェーンNFTではありません。
フルオンチェーンNFTだと、高額なガス代がかかるなど制限が多いためです。
ま行
ま行で始まるNFT関連用語を解説します。
Mint
Mint(ミント)とは、NFTマーケットプレイスで、デジタルアートなどの作品のNFTを生成して発行することを意味します。
Mintのもともとの意味である「作り出す」「貨幣を鋳造する」ことになぞらえて、NFT分野では、NFTを生成・発行することをMintと呼びます。
Twitterなどでは、自分の作品をNFT化した際に、「ミントしました」「ミント完了」という風に使われています。
メタバース
メタバース(metaverse)は、「超越(meta)」と「宇宙(universe)」を合わせた造語で、インターネット上の仮想空間やそのサービスのことを意味します。
メタバースの例としては、マインクラフトやフォートナイト、The Sandboxなどのゲームが挙げられます。
例えば、The Sandboxでは、メタバース上で利用できるアバターやアイテム、土地などを、SANDと呼ばれる独自の仮想通貨を用いてNFTマーケットプレイス上で取引できます。
MetaMask
MetaMask(メタマスク)とは、仮想通貨を保管できるウォレット(財布)の中の1つです。
MetaMaskは、Ethereum(イーサリアム)系の仮想通貨やNFTを一括で保管したり、管理したりできるウォレットです。
仮想通貨の購入や交換ができたり、取引時に発生するガス代を自由に設定できたりするメリットもあります。
NFTマーケットプレイスで、NFTを購入するには、このMetaMaskが必要になります。
ら行
ら行で始まるNFT関連用語を解説します。
Royalties
Royalties(ロイヤリティ)とは、作品が転売された際に、NFTのクリエイターに支払われる報酬のことを意味します。
Royaltiesは一般的に利用許諾料を表しますが、NFT分野では、転売時にクリエイターに支払われる報酬を指します。
実物の本では、本が売れたときに作者に印税が入りますが、中古市場で転売されても印税は入りません。
一方、NFTでは、作品が売れたときだけでなく、作品が転売されたときにも報酬が入ります。
|まとめ
この記事では、NFTに関連してよく出てくる重要な専門用語を取り上げ、解説してきました。
本記事で解説した専門用語をおさえておけば、NFT関連の調査をしたり、NFTのサービスを利用したりする際に、スムーズに作業ができます。
また、今後メタバース市場は世界的に拡大していくことが予想されており、メタバースを活用したビジネスでは、NFTを理解しておくことが必要になってきています。
NFTの専門用語をきっかけにNFTの理解を深めておけば、ビジネスでメタバースを活用する際にもきっと役に立つことでしょう。