今回の記事では、Damus(ダムス)についてご紹介していこうと思います。
次世代のSNSとして注目を集めているDamusですが、Damusとはどのようなものか、Twitterとは何が違うのかについて見ていければと思います。
目次
|Damusとは
Damusとは、Twitterの前CEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が2023年2月1日に発表した、分散型ソーシャルプロトコルNostr(ノストル)をベースとしたソーシャルプロダクトを指します。
Android版のサービスにはAmethyst(アメジスト)と名付けられ、Apple StoreとGoogle Play Storeで利用可能になったことを発表し、またsnort.socialがWebで利用可能になったことを明らかにしました。
プロトコルの「Nostr」とアプリの「Damus」を組み合わせると「NostrDamus」となり、予言者として知られる「ノストラダムス(Nostradamus)」の名前を暗示したネーミングとなっています。
Twitterが2022年12月に「競合となるSNSのアカウントを宣伝することを主目的とした利用を禁止する」というポリシーを発表した際には、大手SNSのFacebookやInstagram、Twitterの代替プラットフォームとして人気上昇中のMastodonと並べてNostrの名前を挙げており、アプリのリリース前からNostrを警戒しています。
|Damusの特徴
これからDamusの特徴についてそれぞれ見ていきます。
Damusの特徴は
・禁止・検閲されない
・登録時の個人情報が不要
・ビットコインの投げ銭ができる
・Twitterに似た機能
の4つです。
禁止・検閲されない
DamusはNostrというオープンプロトコルに基づいて構築されており、禁止または検閲できるプラットフォームは存在しません。
Nostrは「Notes and Other Stuff Transmitted by Relays」の略で、制限されないデータ共有ネットワーク実現を目指しています。
例えば、先にも少し話題に出しましたが、最近、TwitterがInstagramなどの特定サービスへのリンクを禁止して話題になりましたが、このように特定の人物や組織の決定によって制限がかけられないことを意味しています。
ユーザーが自身のデータや投稿を管理することができ、検閲耐性が高いことが特徴の1つとして挙げられます。
登録時の個人情報が不要
SNSを利用しようと思った際、アカウント作成時には名前、メールアドレス、電話番号などの入力が必要でしたが、Damusではそれが必要ありません。
その代わりにアカウント作成時に、パスワードを忘れてしまった際のリカバリーがかなり困難になりますので、管理にさらなる注意が必要です。
登録時にアドレスとアカウントの紐づけがされていないので当然のことと言えます。
ユーザーには「秘密鍵」と「公開鍵」が利用開始時に付与され、この2つでアカウントを管理します。
「公開鍵」を友達などに共有することによってその人に自分のアカウントを伝えることが可能になります。
一方「秘密鍵」は自分のアカウントにアクセスするための重要な鍵となっています。
ビットコインの投げ銭ができる
ビットコインの投げ銭機能も特徴の1つです。
まだこの機能は搭載されていませんが、公式サイトに「post(投稿)などに対してBTCのチップを送って稼ぐ」という旨が記載されていますので、いずれ実装されると考えられます。
「Lightning Network」の技術を取り入れており、ビットコインをローコストですぐに送金することが可能です。
Damus公式サイトでは、ビットコインは「インターネットのネイティブ通貨」と呼ばれています。
Twitterに似た機能
Twitterと同様、アバターや背景画像、自分のWebサイト、プロフィール情報の入力が可能になっています。
Damus下部には「モーメンツ」「メッセージと友達追加リクエスト」「グローバル」「通知」の4つがあり、ここもTwitterと似通った機能となっています。
さらに検索機能や通知機能、迷惑ユーザーの報告やブロックの機能もあるので、使用感はTwitterと非常に似ているところとなっています。
|Damusの注意点
ここではDamusの使用するにあたっての注意点をご紹介していこうと思います。
注意点は
・アカウント管理
・言語変更オプションがない
・Twitterにはまだ及ばない
の3つをとなっています。
アカウント管理
先でもご紹介しましたが、ユーザーには「秘密鍵」と「公開鍵」が利用開始時に付与され、この2つでアカウントを管理します。
アカウント作成の際にメールアドレスの登録をしないので、もし忘れてしまった場合のリカバリーが難しいことが挙げられます。
忘れないようにメモを取る等工夫が必要になってくる点です。
言語変更オプションがない
Damusには、言語変更のオプションがまだないようです。
そして、日本語対応もしていないため、使う際は少し手間がかかります。
UIがすべて外国語になってしまいます。
ただ、世の中には英語のみのサービスが数多く存在していたり、外国版のオンラインゲームを遊んでいる人が多かったりするので、そこまで障壁は高くないと思います。
なお、日本語での投稿等は可能なので安心してください。
Twitterにはまだ及ばない
リリースして日が浅いということもありますが、まだまだTwitterと比べるとプラットフォームとして改善の余地があります。
スマホ版では投稿削除ができないことが一番大きな弱点です。
Web版では削除できますが、バグのためすぐに削除反映がされません。
「いいね」「リツイート」の取り消しができないため、誤って押してしまってもそのままになってしまいます。
画像投稿はそのままできず、リンクに変換する手間がかかります。
検索機能はあるが、ユーザーや公開鍵の検索のみ対応していて、特定のコンテンツ検索にはまだ対応していない。
Twitterでよくみられるトレンド検索は今後欲しい機能として挙げられるのではないでしょうか。
|Damusの始め方
そんなDamusの始め方について紹介していきます。
とても簡単ですので、ここまでの記事を読んで少しでも興味を持った方は一緒に登録してみてください。
簡単3ステップです。
①アプリをダウンロード
②アカウント作成
③プロフィールを変更
①アプリをダウンロード
App Storeで「Damus」、Google Play Storeで「Amethyst」を探し、入手します。
②アカウント作成
アプリを開き、「アカウントを作成」を選択します。
ライセンス契約が表示されるので、読んだら「Accept」を選択。
ライセンス契約には、違法や侵害、詐欺的なことをしないことや、もしそれらに違反したらアクセス禁止になることがあるなどが書いてあります。
③プロフィールを変更
「Usename」「Display Name」「about」を入力しましょう。
「About」は、自己紹介欄です。
ここで入力した項目は、後で変更できますので安心してください。
入力が終わったら、「Public Key(AccuntID)」と「Private Key」が表示されるので書き留めておきましょう。
「Public Key」は公開情報なので他人に見せても大丈夫ですが、「Private Key」は他人に見せないようにしてください。
|Damusの最新トピック
中国のApp Storeから排除されたことが、Damusのツイートで明らかになりました。
中国のサイバースペース管理局(CAC)から通知を受け取ったアップルによると、このアプリが 「世論の形成または社会的動員の可能性を持つ情報サービス」であるため、「中国において違法とされるコンテンツを含む」と判断されました。
ただ、同じように国内で使用を禁止されているフェイスブック(Facebook)、インスタグラム(Instagram)、ツイッターなどの西側のソーシャルメディアプラットフォームは、仮想プライベートネットワーク(VPN)サービスを経由して、中国在住の数十万人の人々が活動しているため、影響はそこまで大きくならないと考えられます。
|Damusの今後
ここまで紹介してきたDamusですが、今後どのように展開されていくのでしょうか?
大きくTwitterからの乗り換え、未実装機能の観点から見ていきましょう。
Twitterからの乗り換え需要
直近でAPI有料化、突然のアカウント大量凍結などがあり、ユーザーからの不信感が集まっているTwitterからの乗り換えが懸念されています。
Twitter社も2022年12月に「競合SNSアカウント宣伝を主目的とした利用禁止」というポリシー発表をした際、大手SNSに加え、Mastodonと並べてDamusの名前を挙げており、危機感を募らせている現状だと言えます。
ユーザーとしては、運営会社に情報が集約することを良しと思っていない面もあり、分散型のSNSであるDamusへの期待が集まっています。
未実装機能の拡充
言語オプションの変更ができることは勿論ですが、それ以外にもTwitterと比較した時にまだまだ使い勝手が悪いプラットフォームではあります。
同系統のプラットフォームではあるので、これからも当然比較されるはずです。
ビットコインでの投げ銭機能など、Twitterにはない機能を拡充してくことで、新たにユーザーを獲得できると思われます。
今後どれだけ機能改善・拡充をしていくかが飛躍のポイントとなってきます。
|まとめ
今回は分散型ソーシャルメディアDamusについて紹介してきました。
DAOが注目されたことにより、これまでの中央集権型のサービスから分散型のサービスへとトレンドが移り始めています。
まだまだサービスとしては足りないところは多いですが、今後のDamusから目が離せません。