「LINE NFT」は、簡単な操作・決済方法でNFTの購入および取引が可能なLINEのNFT総合マーケットプレイスです。

2022年4月にサービスを開始して以来、キャラクターやアニメ、スポーツ、アーティストなど幅広いジャンルのNFTを販売しています。

本記事ではNFTに興味はあるけども難しくてよくわからない、費用がかかりそうで敷居が高いと感じている方に向けてLINE NFTのメリット・デメリットや今後の動向を紹介しますので、是非最後までご覧ください。

|LINE NFTって何?

出典:https://nft.line.me/

LINEのNFTマーケットプレイスとは、LINEの仮想通貨ウォレット「DOSI Wallet(2023.3.3LINE BITMAX Walletと統合)」内にあるマーケットのことで、NFTの売買が可能です。

DOSI Walletとは、LINEユーザーなら誰でも利用できる仮想通貨ウォレットのことで、LINEブロックチェーンが基盤となっています。

このマーケットでは、キャンペーンなどで付与されたNFTを出品したり、取引することができます。

NFTを購入するときはLINE独自の仮想通貨である「LINK(LN)」で入手するか、LINE Payを利用した日本円での決済が可能です。

パブリックチェーンがメインの「Opensea」「LooksRare」「TofuNFT」などのNFTマーケットプレイスは世界でも主流ですが、初心者にはけっこう難しく、LINE NFTはNFT購入のハードルを下げるために作られました。

|LINE NFTのメリット・デメリット

NFTの売買は本来個人間の暗号資産(仮想通貨)の取引です。

そのため、NFTマーケットプレイスでの取引に応じてガス代と呼ばれる手数料が発生します。

ガス代とはブロックチェーン上のデータを記録するコンピューターを提供している「マイナー」という人たちへの報酬のことです。

パブリックチェーンではマイナーが存在しないと取引を記録証明できないのでガス代は避けられません。

またNFTを売買するには暗号資産や暗号資産を保管するウォレットが必要ですが、「秘密鍵」を自ら保管しておく必要があります。

そのため、万が一秘密鍵を紛失してしまった場合には資産を取り戻す術がなかったり、誤ったアドレスに送信してしまった場合に資産を取り戻す方法がない、といった課題が存在します。

このコストと難解さがNFT参加への障壁だったのですが、これを踏まえた上でプライベートチェーンであるLINE NFTのメリット・デメリットを知っていただきたいと思います。

メリット

ここでは海外のNFTマーケットと比較した、LINE NFTのメリットを3つご紹介します。

・ガス代(手数料)がかからない

・友だちにNFTをプレゼントできる

・二次流通でコンテンツ料を受け取れる

ガス代(手数料)がかからない

LINE NFTマーケットは、プライベートチェーンであるため、出品や決済におけるガス代(手数料)が発生しません。

世界のパブリックチェーン上のNFTマーケットでは必ずガス代が発生するので、この点はLINE NFTマーケットの大きな強みといえます。

ガス代が発生しない理由は、LINEブロックチェーン用に提供されたNFTのみが売買可能であるためです。

ある程度NFT作品は制限されますが、LINE NFTは数多く発行されており流動性も高く、このマーケットだけで一つの経済網が生まれています。

NFT作品よりもガス代の方が高いというNFTマーケットプレイスもあるので、無料で売買できるLINE NFTマーケットは優秀です。

友だちにNFTをプレゼントできる

LINE NFTで購入したNFTは、LINE上の友だちに簡単に送付可能です。

海外NFTマーケットプレイスで購入したNFTを送付する場合は、購入時と同じくガス代が発生することがありました。

また、NFTを保管する送付先のウォレットアドレスの入力を間違えると、送付が失敗し、最悪の場合NFTを失う可能性があります。

LINE NFTは、LINEの友だち機能を使えば、簡単にNFTを送付できるのです。

二次流通でコンテンツ料を受け取れる

LINE NFTマーケットでは、NFTアイテムに「コンテンツ料」を設定し、マーケット内で二次流通され続けることで永続的に収益を得ることができます。

コンテンツ料は基本的に2次流通時の販売価格の10%で、変更も可能です。

これにより、NFTの発行元にきちんと利益を還元することができます。

また、LINE NFTでは、クリエイターから購入したNFTを再度マーケットプレイスに出品することができ、出品者が収益を得ることができます。

この二次流通においても、コンテンツ料が収益を発行元に還元する仕組みとなっています。

NFTを購入することにより、自分のお気に入りのコンテンツや応援したいアーティストをサポートすることができるのです。

デメリット

簡単に始められる反面、デメリットもあります。

主なデメリットを3つを紹介します。

・他のパブリックチェーンと繋がっていないこと

・LINE BITMAXと連動させるのが面倒

・個人は出品できないこと

他のパブリックチェーンと繋がっていない

独自のLINE ブロックチェーンは、企業の強みを活かした顧客管理と決済の早さを実現しました。

しかし、プラベートチェーンはクローズドチェーンとも言えます。

世界のパブリックチェーンと繋がっていないので、LINE NFTを他のNFTマーケットプレイスで売ることができません。

NFTの発行ファイル形式も限定的となります。

Openseaや他のNFTマーケットプレイスの作品と比べると、表現できる幅が狭いです。

LINE NFTでは4種類のファイル形式のみとなっています。

・PNG,JPEG 3MBまで・MP4 200MBまで・GIF 30MBまでです。

もしパブリックチェーンで世界最大のNFTマーケットプレイスなら「Opensea」へ行ってみてください。

LINE BITMAXと連動させるのが面倒

LINE NFTを利用するには、LINE BITMAXとの連携が必要です。(仮想通貨LINKによる売買をする場合)

LINE NFTでNFTを購入する場合、LINE BITMAXを開いて別途決済をする場合があります。

LINE BITMAXは別ブラウザで開き、その後決済の手順を踏むこととなりますが、それらの手順が少々めんどくさいです。

個人は出品できない

LINE NFTの一番大きなデメリットは、個人が自由にNFTを出品できない点です。

OpenSeaなど海外NFTマーケットプレイスでは、個人が自由にNFTを発行・出品することが可能ですが、LINE NFTの場合は、運営企業が認定した発行団体や企業でなければ、NFTを出品することはできないようです。

同じくNFT事業を手掛ける楽天NFTやAdam by GMOも、運営企業に認定された企業、もしくはクリエイターのみが出品できるマーケットプレイスです。

OpenSeaのような大勢のユーザーがNFTを取引可能なプラットフォームではなく、特定のブランド・IPのファン向けのマーケットプレイスであるため、個人ユーザーの出品機能が実装されることはおそらくないでしょう。

|LINE NFTの始め方は?

LINE NFTの始め方はとても簡単です。

・LINE NFTアカウントを作成する

・決済通貨を準備する

・LINE BITMAXで口座開設しLINKを準備する

・DOSI Walletを準備する

え?こんなにあるの?と思われたかもしれませんが大丈夫です。順を追って解説します。

LINE NFTアカウントを作成する

チャットや電話で使っているLINEアプリのアカウントから、LINE NFTを始めることができます。

LINE NFTのアカウント作成は数分で終わるので、カンタンです。

  1. ブラウザからLINE NFTサイトへ行きログインへ。「許可する」から「友だち追加」します。
  2. 利用規約やプライバシーポリシーなどの5項目にチェックを入れて「同意」し、パスワード設定をします。LINE NFT用に覚えやすいものを設定しましょう。
  3. 「確認」→「LINE NFTへ」で完了です。

決済通貨を準備する

LINE NFTを売買するために、日本円(LINE Pay)による決済手段を紹介します。

  1. LINEアプリ右下「ウォレット」→LINE Pay「今すぐLINE Payを始める」へ。すべてにチェックを入れ、「新規登録」します。
  2. 「LINE Payタッチ払い」は「✖」で消します。「設定」→「本人確認」で身分証を使った、「スマホでかんたん本人確認」を終わらせます。本人確認には3日~5日ほどかかります。
  3. その間に、セブンイレブンの銀行ATMでLINE Payに日本円をチャージすれば決済準備がスムーズに進みます。

DOSI Walletを準備する

2023.3.3からLINE BITMAX Walletは「DOSI Wallet」となりました。

DOSI Walletは、デジタルアセット、つまりNFTをまとめて保管管理できるウォレットサービスです。

LINEアカウントがあれば秘密鍵ではなくパスワードのみで管理が可能なので安心です。

LINEアカウントにひも付いているため、友だちのウォレットアドレスを知らなくても、また友だちがDOSI Walletを開設していなくても、日本のLINEアカウントを持つ友だちに手軽にNFTを送付できます。

  1. LINE NFTサイトでログイン手続きをすると、「LINE NFTをご利用いただくためにDOSI Walletアカウント(LINE)を作成してください。」のメッセージが表示されます。
  2. DOSIログインで「LINEでログイン」を選択します。
  3. DOSI Walletにログインできるようになりました。

ここで覚えておいていただきたいのは、LINEアプリの中にLINE NFTはありません。

LINE NFTはLINEアカウントでログインするサイトです。DOSI WalletもLINE NFTに紐付いています。

ログイン手続きができましたら、ブックマークを保存されるようお勧めいたします。

LINE BITMAXで口座開設し仮想通貨LINKを準備する

LINE BITMAXとは、初めて暗号資産取引をする方でも、簡単かつ安心して利用できるLINEの暗号資産取引サービスです。

LINE NFTは、仮想通貨「LINK」で出品されているものもあるため、口座開設をすませてLINKを準備しておきます。

  1. LINE「ホーム」からアプリ右下「ウォレット」→”もっと見る”→「LINE BITMAX」をタップ。「口座開設に進む」→すべての項目にチェックを入れます。タップするたびに長文が表示されますが、あわてず戻ってチェックをくりかえしてください。そして「同意する」をタップします。
  2. お客様情報を入れてパスワード設定したら、口座開設登録が完了です。
  3. 次に、日本円を入金してLINE Payからの日本円の移動送金、または、指定された銀行口座に振り込みます。
  4. 仮想通貨LINKを買うには、LINEアプリのウォレットにあるLINE BITMAXアイコンをタップ。暗号資産取引の中の「リンク」をタップ。「買う」→金額入力→OKをタップして終了です。

|LINE NFTで購入する方法

LINE NFTの始め方がわかり、準備ができたらいよいよ使っていきましょう!

  1. LINE NFTの右上「三」マークに行くと、「マーケット」と「ストア」があります。
  2. 好きなNFTをタップ→「購入する」(緑色表示なら可能)同意して決済に進みます。
  3. 買う前には必ず「購入する」の下に表示されている「注意事項」を読みましょう。
  4. 出品時に設定されている支払い通貨でしか決済できません。
  5. パスワードを入力しても、その先でもまだ決済のキャンセルはできます。
  6. 購入できると「三」→プロフィール→「保有中」に表示されます。

ストアから買う

ストアは出品登録した法人企業が、一次販売で出品しているNFTコレクションが見れます。

企画モノや芸能人の記念NFTが表示されます。

ストアの各カテゴリは3つ。

・販売中

現在販売中のNFT一覧をチェックできます。

各NFTには販売期間があり、期間が終了するとストアでは購入できなくなってしまうので、期間内の購入がおすすめ。

・Upcoming

これから販売されるNFTの内容や販売開始日時を確認することができます。

UpcomingのNFTにはベルのマークがついており、販売開始通知を受け取るようにすることができます。

・ブランド

アーティストやキャラクターなどブランドごとにNFTをチェックできます。

あなたの好きなブランドの中から気になるNFTを探してみましょう。

マーケットから買う

マーケットは二次流通で市場に出ているNFTを探せます。

マーケットでは、他のユーザーが出品したNFTを購入することができます。

もしかしたら一次販売で完売してしまったNFTも手に入れられるかもしれません。お目あてのNFTがある場合はマーケットもチェックしてみましょう。

NFTを購入することは、世界にたった1つのデジタルアイテムを自分のモノにできるだけでなく、クリエイターにも収益が還元され、多くのブランドから好きなコンテンツを応援することにもつながります。

|LINE NFTで出品する方法

LINE NFTで出品する場合、購入したNFTを転売(二次流通)することができます。

個人のオリジナル作品をNFTとして出品することはできません。

DOSI Walletに保管されているコンテンツの素材を準備することで、NFTとしての販売が可能です。

出品者は自由に価格設定をすることができます。

  1. プロフィールから「保有中」→売りたいNFTをタップ。
  2. 決済通貨を選び、販売価格を付けます。販売にはコンテンツ料と受取手数料がかかります。商品情報は必ず確認しましょう。
  3. 利益は日本円に換金することができます。

出品するアートを選択して出品

保有するNFTから出品するものを選びます。

DOSI Walletの「アイテム」に自分が持っているNFT一覧が表示されているので、選んで出品しましょう。

また「マーケット」から直接、「出品する」をタップしてもOKです。

NFTを選択して「出品」をタップします。

販売価格を入力して「決定」を押すと、コンテンツ料や注意事項が表示されるので確認してください。

もう一度「出品」をタップして、DOSI Walletのパスワードを入力すれば完了です。

ここで繰り返しますが、LINE NFTの出品でも手数料が発生します。

販売価格からコンテンツ料と受取手数料をさし引いた額が実際の利益になりますのでご注意ください。

利益を日本円に換金

NFTが売れると仮想通貨LINKを入手できます。

LINE BITMAXの口座にLINKが入るので、これを現金化するには2つの出金方法があります。

・LINE Payへ出金

LINE BITMAXメニュー「入出金/入出庫」から「日本円」の出金を選択して「LINE Payに出金」をタップ。

金額を入力してLINE Payのパスワードを入力すれば完了です。LINE Payの出金手数料は110円です。

・銀行振込で出金

LINE BITMAXメニュー「入出金/入出庫」から「日本円」の出金を選択して「銀行口座に出金」をタップ。

金額を入力して出金先銀行口座を選択。

LINE Payのパスワードを入力すれば完了です。

銀行口座への出金手数料は400円です。

|LINE NFTは今後どうなる?

LINE NFTは、LINEアプリから簡単に始められる利便性や豊富なラインナップなどの強みがありますし、グループ企業との協業を通じて、ユーザーにさまざまな体験を提供します。

具体的に、ソフトバンクとはバスケットLIVEにおいて動画NFTの取り扱いを予定していますし、PayPayとはNFT購入時の決済手段として導入を検討しています。

ヤフオク!との連携も進めており、ZOZOとは一部のファッションブランドとのNFT販売を予定しています。

さらに、Z Entertainmentと連携して、エンターテインメント領域におけるNFT事業の推進も図るようです。

これにより、NFTをより多くの人が気軽に売買して楽しめるマーケットプレイスを提供していく予定のようです。

|LINE NFTでよくある質問

ここまでLINE NFTについて解説してまいりました。

今後も期待できるということがお分かりいただけたかと思いますので、「始めてみたい!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

では、最後に現状でLINE NFTの利用を検討しているユーザーから多く挙がっている疑問点について、以下3点をご紹介いたします。

・LINE NFTの使い道は?

・利用に料金はかかる?

・年齢制限はある?

どれも利用するにあたって気になるポイントであり、始める前に知っておきたいことばかりですね。

この3点を抑えたうえで、ぜひLINE NFTの開始を検討してみてはいかがでしょうか。

LINE NFTの使い道は?

LINE NFTは記念品やマーケットで売買する資産として利用できます。

NFTを購入することで、独自のデジタルアイテムを所有できますし、それと同時にクリエイターに収益が還元されるので、お気に入りのコンテンツを応援することにもなります。

他にはLINEブロックチェーン上で開発されたゲームのアイテムとしても利用されます。

ただし、外部ウォレットに移行できません。

受け取り、売買、送信などの操作は基本的にLINE内でのみ完結することになります。

プライベートチェーンとパブリックチェーンでは暗号資産のやり取りができないからです。

利用に料金はかかる?

LINE NFTでは購入時に手数料はかかりません。

出品時、DOSI Walletに保管されているコンテンツの素材を準備するだけで、NFTとしての販売が可能です。

販売にあたり初期費用等は一切かかりませんが、手数料が発生します。

これはいわゆるガス代ではありません。販売価格からコンテンツ料と受取手数料をさし引かれます。

年齢制限はある?

LINEのNFTマーケットプレイスでの閲覧には年齢制限はありません。

未成年の場合は親の同意がないと原則LINEのNFTマーケット上でデジタル商品を購入したり、販売できないことになっています。

また、日本国内に居住していない方も基本的には利用できないため注意が必要です。

しかも出品・購入に「LINE BITMAX」をご利用いただけるのは20-75歳の方が対象となっています。

|LINE NFTでNFTを始めよう

ここまで解説をお読みいただきありがとうございます。

LINE NFTがいかに安価で気軽に始められるサービスかお分かりいただけたのではないでしょうか。

まとめです。

・LINE NFTによりNFT出品・購入が誰でも簡単にできるようになりました。

・手数料(ガス代)がかからず、LINEの友だちにNFTをプレゼントできますし、二次流通でコンテンツ料を受け取ることができます。

・NFTを購入するには、ストアとマーケットがあります。出品するときはLINE NFTで所持しているアートを選ぶだけ。利益は日本円に換算することもできます。

・LINE NFTは今後、関連企業との連携を通して、新たなコンテンツをNFTに加え、気軽に売買できるように展開していくらしい。

まずはお気に入りのNFTアートを探しに行きましょう!