今やテレビCMや映画だけでなく、Webコンテンツやゲームなどでも活用される3DCG動画。

その活用の幅は広く、リアルな表現やコスト削減、簡単な修正が可能など多くのメリットがあります。

そこで本記事では、3DCG動画の活用の用途やメリット、作り方について解説していきます。

初めての方でも分かりやすいよう、基礎から説明していきます。

魅力的なコンテンツを作り上げるために、まずは3DCG動画の基礎知識を固めましょう!

|3DCG動画とは?

3DCG動画とは、3Dコンピューターグラフィックスを使用して制作された動画のことです。

コンピュータを使って3次元空間に立体物を描画し、それを使って動画を制作する技術です。

3DCG動画の制作には、専用のソフトウェアが必要で、代表的なソフトウェアには、Maya、3ds Max、Blenderなどがあります。

これらのソフトウェアを使って、キャラクターや背景、オブジェクトなどを作成し、動画を制作していきます。

3DCG動画は、特に映画(『アバター』や『トランスフォーマー』など)やテレビ、CMなどの映像コンテンツ制作に使われていますが、最近では、YouTubeやSNSなどでも、3DCG動画を制作することができるようになり、ますます注目を集めています。

|3DCG動画の用途はさまざま

3DCG動画は、テレビCMや映画だけでなく、その用途はさまざまです。

特に医療や工業、ゲームなどの分野では3DCG動画が大いに活用されています。

それぞれどのように活用されているのか、簡単にご紹介しましょう。

医療

医療分野においては、3DCG技術を用いることで、人体の内部構造の再現や、手術シミュレーションなどが可能になっています。

特に、手術の際には、精密な手術計画をたてることができ、手術のリスクを最小限に抑えることができます。

また、疾患の発症・進行過程の再現など、なかなか現物で見ることができないものを再現することができ、研究者や医療従事者の理解も深めることができます。

工業

工業分野においても3DCG動画は幅広く活用されています。

例えば、エンジンや複雑な機械の部品の設計において、3DCG動画を使用することで正確かつ詳細な検討が可能になります。

また、製造工程のシミュレーションにも利用されており、3DCG動画を使用して工程の最適化や安全性の確認を行っています。

さらに、原子や分子レベルでの動画化も可能であり、材料の研究や検査などにも利用されています。

ゲーム

ゲーム分野においては、3DCG動画の活用用途のなかでも定番で、さまざまな動画が3DCGで制作されています。

よりリアルな表現が求められるゲームでは、3DCG動画によって高精度かつ迫力ある映像表現を実現しています。

また、3DCG動画を使ってキャラクターやステージなどのデザインを行い、プレイヤーに没入感を提供することも重要な役割となっています。

3DCG動画を活用することで、ゲーム開発の効率化やコスト削減にも繫がっています。

|3DCG動画を活用するメリット

3DCG動画を活用することで、よりリアルな映像表現やコスト削減、簡単な修正が可能になります。

これらのメリットは、映画やゲーム制作だけでなく、広告やプロモーション映像制作でも効果を発揮しています。

ここでは3DCG動画を活用するメリットを3つご紹介します。

よりリアルな仮想空間が表現できる

3DCG動画を活用するメリットとして、よりリアルな仮想空間が表現できるという点が挙げられます。

人体の内部構造や地球上に存在する自然現象など、普段は目で見ることができないものや入ることができない場所も、CG技術によって再現することができます。

また、3DCGは実写映像に比べ、より高いリアリティやハイクオリティを表現することができます。

そのため、映像のクオリティが求められる医療や科学分野においても、3DCG動画の活用が増えているのです。

コスト削減につながる場合もある

3DCG動画は、撮影許可や安全対策が必要ないため、コスト削減につながる場合があります。

例えば、一般的には立ち入りが許可されない場所の撮影に多大なコストがかかる場合、3DCG動画ならそのような費用がかからないので、コスト削減につながる場合があります。

また、映像制作には撮影機材やスタッフなどのコストがかかりますが、3DCG動画の場合はそれらの費用が不要となり、その分のコストを削減が可能となるケースもあります。

簡単に修正ができる

3DCG動画は、簡単に修正ができるというメリットもあります。

実写動画では、撮影後に修正するには再度撮り直す必要があるため、時間とコストがかかりますが、3DCG動画は仮想のものなので、修正も簡単にできます。

例えば、建築物のプレゼンテーション動画などは、外観や内装の修正を繰り返し行うこともでき、より理想的なものを作り上げることができます。

また、商品のデザインやパッケージの修正も簡単にできるため、製品開発の進捗に合わせて変更することが可能です。

|3DCGの作り方は?

ここからは、3DCGの基本的な作り方を紹介していきます。

まずは三面図を作成する工程から、最終的にはレンダリングでCGデータを出力する工程まで、それぞれ順番に解説していきます。

①三面図を作成する

まずは三面図を作成します。

三面図は、物やキャラクターなどを正面・背面・側面から描いたイラストで、各方向から見たときの寸法や、立体物としての違和感がないかをチェックすることができます。

三面図がなくてもCG動画は作れますが、よりイメージに近い映像を作るためには必要なものです。

三面図を制作することで、CGモデリングの際に正確な寸法を把握しやすくなります。

②CGツールでモデリングする

三面図が完成したら、CGツールを使用してモデリングを行います。

モデリングとは、3D空間において立体物を形成する作業です。

まず、三面図をX軸とY軸に配置します。そして、配置されたイラストを線で繋げていき、ポリゴンを作成します。このポリゴンが、実際に作成した物体の形状を表現するための基本単位となります。

モデリングは、三面図からポリゴンを作成し、完成したモデルに色や質感、動きを与えるための展開を作成するなど、表現したいものを作っていく作業となります。

③ポリゴンに色を塗る

ポリゴンが完成したら、色を塗っていきます。

完成したポリゴンに色を塗ることで、3Dモデルに質感が生まれ、よりリアルに見えるようになります。ただし、直接ポリゴンに塗るのではなく、テクスチャーを利用します。

テクスチャーとは、質感や模様、凹凸など立体物の「質感」を表すものです。

建物などの表現においては、コンクリートなのか木目かなど、テクスチャーの選択が雰囲気を左右します。

CGツール上でテクスチャーを貼り付けることで、ポリゴンの形状に沿って質感を表現することができます。

④リギングで骨を作る

着色の後は、リギングという物体の「骨」を作る作業を行ないます。

この作業では、物体の「骨」を作成し、キャラクターの手足や首の動きなどを加えることができます。特に人間や動物のキャラクターを作成する場合、リアルな動きを表現するために必要不可欠です。

また、キャラクターの細かい表情や服の動きなど、細部にまでこだわることで、より自然な動きを作り出すことができます。

この作業を雑に行うと、体の動きと表情が合っていないなど、不自然な仕上がりになってしまいますので、丁寧な作業を心がけましょう。

⑤スキニングでモデルと骨を関連させる

骨を作る作業が終わったら、スキニングという工程に入ります。

スキニングとは、モデルと作成した骨を関連付けることで、どの部位がどの骨と一緒に動くかを設定する作業です。

この作業には時間がかかるため、細かい部分まで慎重に調整する必要があります。

様々な動きを試しながら、キャラクターの動きや物体の動きが、違和感なく自然に見えるかどうかを確認します。

もし不自然な動きが見つかれば、再びリギングを行って調整を繰り返していきます。

⑥ライティングで光の量や当て方を調整する

CG映像が出来上がってきたら、ライティングを行ないます。

ライティングとは、様々な種類のライトを設定することで、完成した映像の印象を大きく左右する重要な工程です。

季節感や演出の意図に応じて、明るさ、色味、陰影などを調整します。

ライトの数や配置、強度などを微調整することで、CGモデルやシーンがよりリアルな印象を与えるようにすることができます。

ライティングによって、CG映像がより魅力的で没入感のあるものに仕上がります。

⑦レンダリングでCGデータを出力する

最後にレンダリングを行い、完成したCGデータを出力します。

レンダリングとは完成したCGデータを2Dに画像化する、書きだし作業のことです。

レンダリングによって、CGデータがどのように表現されるかを確認し、必要に応じて修正を行います。

問題がなければ、出力するフォーマットや解像度を設定し、必要なファイルを生成して最終的なCG動画を完成させます。

|クオリティを追求するなら制作会社に依頼するのがおすすめ

ここまで3DCG動画について解説してきましたが、ハイクオリティなCGを作るには、より高度な技術や知識が必要になるため、いきなり初心者が手掛けるのは困難です。

そこで、クオリティを追求するなら、制作会社に依頼することをおすすめします。制作会社は、プロの技術者が多数在籍しているため、高品質なCG制作を手掛けることができます。

映像制作会社に依頼する際の流れとしては、以下の通りです。

 1. 見積もり・ヒアリング

 2. 企画

 3. 構成・コンテ作成

 4. 撮影

 5. 編集

 6. 試写

 7. 納品

制作には数週間から数ヶ月かかる場合もありますが、特にビジネス等の目的で使用する場合は、プロに依頼することをおすすめします。

|3DCG動画のまとめ

以上、3DCG動画の活用の幅やメリット、作り方について解説してきました。

すでにさまざまな分野で活用されている3DCG動画ですが、今後もテクノロジーの進化にともなって、ますます需要が増していくことが予想されます。

3DCG動画を作る際は、使用目的やどれくらいのクオリティを求めるのかなどを明確にし、ご自身で作るかプロに任せるのかを考える必要がありますね。

ぜひ3DCG動画を活用して、ハイクオリティな動画を作ってみましょう!