近年「メタバース」という言葉が多くの場面で聞かれるようになりました。
特にFacebook社が社名を「Meta」に変更したことで、元々仮想空間に興味がない人にも知れ渡る言葉になったのではないでしょうか?
そんなメタバースですが、近年では展示会やファンイベントなど多くのイベントで活用されています。
今回は、メタバースイベントを検討されている方向けに、イベントをメタバース空間で行う魅力をお伝えしていきます!
|メタバースとは?
実はまだはっきりとした定義は存在しておらず、「メタバース」という言葉はアメリカのSF作家であるニール・スティーブンソンのSF小説「スノウ・クラッシュ」に登場した言葉です。
作中では「インターネット上の仮想世界」の意味で使われており、そこから転じて、「アバターを介して人々が交流し、さまざまなサービスやエンターテインメントが体験できるオンライン空間」を指すようになりました。
ここまで聞いて、もしかしたら「仮想空間ならVRゴーグルが必要じゃないか!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、多くのサービスはVRゴーグルがなくてもPCやスマートフォンなど手持ちのデバイスから気軽にアクセスができます。
そのため、あまりデジタルになじみのない方でも簡単に参加できます。
近年ではそういった特徴から、ビジネス分野からも注目を浴びており、徐々にメタバースがさまざまな手法で取り入れられています。
|メタバースで展示会やイベントを行うメリット
メタバースについての基本知識が身についてところで、メタバース空間で展示会などのイベントを行うメリットを4つご紹介します。
1、場所や時間を問わず多くのユーザーへアプローチができる
メタバースというものは自分の体ではなく仮想空間のアバターで参加するサービスです。
そのためイベントが行われる会場への移動は必要なく、いつでもどこからでも参加することができます。
「行ってみたいけどその日は仕事が…」なんてことがなく、休憩時間や通勤の電車の中から多くの方にイベントに参加することが可能です。
2、参加人数もサーバー次第で自由に増やせる
現実の会場では会場ごとにキャパシティが決まっており、それより多くの方が来場を希望した場合、その分の商談、リード獲得機会の損失につながってしまいます。
さらに、新型コロナの影響により多くの会場で入場規制がかけられていますので、人数制限の壁はイベント開催において大きな問題として存在しています。
しかし、メタバースでの開催ならばサーバーを増強することで参加人数を自由に増やすことができます。
また、自宅から参加することができるので新型コロナへの感染リスクを大幅に減らすことができます。
こうした人数制限の影響を受けない点もメタバースでイベントを開催するメリットのひとつです。
3、リアリティ、臨場感、特別感のある演出ができる
新型コロナの影響からオンラインイベントが増えていますが、単調なビデオ通話のイベントに飽き飽きしている方も多いのではないでしょうか?
メタバース空間ならば仮想空間に作られた会場に自ら操作して入ることができ、仮想空間ならではのリアリティ、臨場感、特別感を味わうことができます。
また、ビデオ通話は基本的に主催者からの一方的なコミュニケーションが主ですが、メタバース空間内はアバターを介したコミュニケーションですので、好きなタイミングで好きな人に話しかけるといった自由でインタラクティブなコミュニケーションを取ることが可能です。
4、実際に商品やサービスを体感してもらうことができるため、より購入につなげやすくなる
「便利だけど実際に見てみないと不安…」とネットショッピングに馴染めない方は意外と多いのではないでしょうか。
メタバース空間でイベントを開催していただくとこうした不安を軽減することができ、より購入意欲を高めることができます。
メタバース空間で店舗を構えていただき、商品やサービスを再現し消費者の方に体感していただく。そういったこともメタバースの活用法のひとつです。
|メタバースに関する展示会やイベント事例を一覧で紹介!
ここまでメタバースについて学んできましたが、なかなか具体的なイメージはつきにくいのではないでしょうか?
そこでこの章では実際に開催されたメタバースイベントについて5つご紹介します。
・シーコン・メタバースEXPO2022
出典:https://ccon.smktg.jp/public/seminar/view/437
こちらは2022年2月に開催されたイベントです。
kintone製品の相談会や出展企業による講演会が行われました。
来場者は実際に会場を歩いて展示会が体験でき、メタバース上で説明員と会話をすることもできます。
・メタバースファッションフェア
出典:https://www.fashion-tokyo.jp/spring/ja-jp/about/meta.html
こちらは2023年4月に行われる予定のファッション業界のイベントです。
ビームスや三越伊勢丹、ワコールなどが来場予定で、こちらのイベントは「メタバース空間内で行われるイベント」というわけではなく、「メタバースの技術を活用した展示会」です。
そのため、東京ビックサイトで行われるリアルイベントです。
このイベントではメタバースに関連したゾーンが新設され、仮想試着やAR試着、3Dスキャンなどができ、新たなショッピング体験を味わうことができます。
・NFT FESTA
出典:https://www.nftfesta.com/
メタバース上で行われる個人クリエイターの展示会イベントです。
ほかのユーザーとメタバース上で会話したりチャットしたりしながら展示会を楽しむことができます。
展示される作品はイラストや3Dモデル、映像、音楽など多岐にわたります。
来場者はスマートフォンやPCから手軽にアクセスしアバター姿になって展示会を歩き回りつつ、芸術鑑賞をすることができます。
・START DX SUMMIT 2021
出典:https://www.gaia-link.net/startdx
こちらは2021年に行われたイベントです。
メタバース上でDXに関連する24企業がブースを構え、それぞれの企業の担当者が来場者に音声で自社商品の説明を行いました。
また、それ以外にもDXのエキスパートによる講演会やビンゴ、花火大会、ライブなどのレクリエーションも行われました。
・メタバース総合展 meta NEXT
出典:https://www.xr-fair.jp/autumn/ja-jp/about/metaverse-expo.html?co=prt0314
こちらは2022年10月に開催予定のイベントです。
こちらのイベントもメタバースファッションフェアと同様にメタバース上で開催されるイベントではなく、幕張メッセにてリアル開催されるイベントになります。
この展示会の目的はメタバースを活用した商品やサービスを普及させることが目的であり、メタバースゾーンやデジタルツインゾーンが用意されています。
そのため、出展企業はメタバースに関心のある来場者にメタバースを活用した商品やサービスのアピールを効率よく行うことができます。
|メタバースで展示会やイベントを開催する方法
さて、実際にメタバースのイベントを開催するにはどうすればよいでしょうか?
ここからは、具体的な開催方法についてご紹介します。
1、メタバースを構築できるサービスを利用する
メタバースイベントの開催方法1つ目はメタバースを構築できるサービスを利用することです。
展示会や社内イベント用など事前に用途別に用意された空間を利用することで目的にあったイベントを開催することができます。
この方法のメリットは手軽に比較的安価でイベントを開催できることです。
すでに構築してある空間を利用するため空間制作費を節約することができます。
一方でデメリットとしてカスタマイズ性の低さがあげられます。
仮想空間内の装飾など「独自色を出しながらイベントを開催したい!」場合は、
オプション扱いになってしまうことが多いので、コスト面での注意が必要です。
2、自社でメタバースを構築する
メタバースイベントを開催する2つ目の方法は自社でメタバースを構築することです。
1つ目の方法では既に用意されている空間を利用するため、自由に空間を構築することができませんでした。
「会社にゆかりのある場所を仮想空間で再現してその中でイベントを開催したい!」、
「いままでにないメタバースイベントを開催したい!」といった場合は制作会社に依頼し、
独自の空間を構築しそこで展示会を行う方法がいいでしょう。
この方法のメリットは「カスタマイズ性の高さ」です。
自由に空間をカスタマイズできるので参加者の満足度を高めるための工夫をもしやすくなるでしょう。
また、構築する空間によっては1つ目の方法よりもメディアからの注目度も高いイベントになるかもしれません。
デメリットとしては費用が高くついてしまう点です。
1つ目の方法に比べて空間製作費がかかってしまうのでそれだけコストがかかってきます。
それなりに見栄えのいい空間をつくるためにはそれ相応の費用がどうしても掛かってしまいますので「気軽にメタバースイベントをやってみたい!」、「まずは何かしらのイベントをメタバースで開催したい!」という方にはハードルが高い可能性があります。
|まとめ
いかがでしたでしょうか。メタバースの魅力について少しはお伝えできたでしょうか?
メタバースの1番の強みはオンラインイベントでありながら、そこにいるかのような体験を提供できるその没入感と双方向コミュニケーションです。
新型コロナの流行以降さまざまなオンラインイベントが行われましたが、どうしても単調になりやすいものです。
新たなオンラインイベントの開催案としてメタバースをご検討してはいかがでしょうか!