VR技術の進歩によって、注目されているモーションキャプチャー。

リアルな動きをそのままVRの世界で再現できる技術は見ているだけでワクワクしますよね。

特に最近はYouTubeでもモーションキャプチャーを使ったコンテンツを目にすることが増えてきて、「自分も試してみたい」と感じている方も多いはず。

しかし、高額な機材や大がかりな設備を用意できないため、「自分には無理」と諦めてはいないでしょうか。

そこで今回は個人でも購入可能な、低価格で入手できるモーションキャプチャーについてご紹介していきます。

この記事を読むことでモーションキャプチャーとは何かを理解でき、そして数ある商品の中からあなたの目的を実現できる最適なモーションキャプチャーを知ることができます。

|モーションキャプチャーとは?実用例は?Vtuberが使う?

モーションキャプチャーとは、実在する人や物の動きをデジタルデータ化して活用する技術のことです。

人や動物の体の動きを分析するために使われたり、アニメ・ゲームのキャラクター制作、ロボットにリアルタイムで人の動きを真似させたりすることもできます。

また、近年では2Dや3Dのアバターを使ってVtuberが活動している姿をよく見かけるようになりましたが、ここでもモーションキャプチャーの技術が使われています。

モーションキャプチャーを使うことで以前よりも簡単に、なめらかな人の動きを再現できるようになりました。

|タイプ別モーションキャプチャーのメリット・デメリットは?

モーションキャプチャーには、動きをデータとして取り込む方法に、いくつかバリエーションが存在しています。

ここからは、それぞれの方法について、その概要とメリット、デメリットを紹介していきます。

光学式

光学式は、複数台の専用カメラを使ってマーカーの位置を追跡し、データを収集する方法です。

他の方法と比べ、もっとも幅広い分野で使われています。

【メリット】

・マーカーを付けるだけでよいため、データをとる対象の動作に制限が少ない

・マーカーを付けられるものであれば、人や物、何にでも使うことができる

【デメリット】

・マーカーが隠れてしまうと、カメラがトラッキングできず、データを収集できない

・複数台のカメラを設置する必要があるため、撮影環境を作るのが大変

慣性式

慣性式は、体に装着したジャイロセンサーや加速度計などの慣性センサーで、物体の回転や向きの変化、移動速度の変化の情報を取得します。

この情報を計算することで動きを測定する方法です。

【メリット】

・カメラや機材を設置する必要がなく、専用のスタジオがいらない

・カメラの死角を気にしなくてよいため、あらゆる場所で使用可能

【デメリット】

・絶対位置の測定をしないため、測定精度が低い

・慣性センサーによる誤差の蓄積がある

・慣性センサーは磁場の影響をうけやすいため、場所によってはデータが不安定になる

ビデオ式

ビデオ式は、複数台のカメラで人や物の動きをトラッキングする方法です。

カメラを使うところは光学式と同じですが、ビデオ式ではマーカーを使う必要がないのが特徴です。(精度を上げたいときはマーカーを使用する場合もあります。)

そのため、顔の表情の測定や、試合中の選手の動きを測定する場面ではよく使用されます。

【メリット】

・マーカーやセンサーが不要なため、リハビリ中の被験者など、動作の対象に負担がかからない

・望遠レンズを使用すれば、遠くからでも測定が可能

【デメリット】

・光学式と比べると精度が劣ってしまう

・データを解析する必要があるため、リアルタイム性に劣る

|低価格・値段で個人でも購入できるモーションキャプチャー

映画の撮影などでも使われるモーションキャプチャー。

導入には大がかりな設備と高額な費用が必要なイメージがありますが、実は比較的安価で購入できるものも販売されています。

そこでここからは、個人でも購入できるモーションキャプチャーをいくつか紹介していきます。

mocopi

出典:https://www.sony.jp/mocopi/

mocopiは、小型で軽量なセンサーを実現。場所を選ばずトラッキングが可能なSonyの最新モーションキャプチャーです。

デザインがシンプルでかわいいのもGood!

【価格】

49,500円(税込み)

【特徴】

mocopiは全身の動きとアバターを連動させる「フルボディトラッキング」を、スマホと6つのセンサーだけで、どこでも実現することができます。

しかもセンサーは直系3.2cm、8gと小型で軽量、装着していることを忘れさせてくれます。

専用のスマホアプリ一つでデータ取得、録画、保存、伝送まで全て完結、アバターと背景画像の合成もアプリ内で行うことができます。

さらに専用プラグインを使えば、リアルタイムでUnityやMotionBuilderなどの外部ソフトウェアにデータを送信することも可能です。

【こんな方におすすめ】

・コンテンツを作る際、外で行うロケを3Dアバターを使って行いたい方

・小型のセンサーで自由に動きたい方

HaritoraX 1.1

出典:https://ja.shiftall.net/products/haritorax

HaritoraX 1.1は安価かつ長時間の駆動が可能な無線動作のワイヤレスモーションキャプチャーです。

外部センサーが必要ないので省スペースで使用可能!

【価格】

本体:33,900円(税込み)

肘トラッキング拡張セット:13,900円(税込み)

腰トラッキング拡張セット:5,900円(税込み)

【特徴】

HaritoraX 1.1は、VRヘッドセット・コントローラー・拡張セットを全て併用すれば、最大11点でのフルボディトラッキングを実現できて、とてもリアルな動きをVR空間で再現できます。

内臓バッテリーは10時間。全てのセンサーが有線でつながっているので一つのUSBポートで全センサーの充電を行うことができます。モバイルバッテリーなどで充電しながら使用すれば、実質無制限に連続稼働させることが可能です。

専用スーツで機器をしっかり体に固定できるので、激しい動きをしてもズレずに快適。

長時間使用のために考え抜かれた製品です。

【こんな方におすすめ】

長時間VR空間にダイブしたい方

VIVEトラッカー

出典:https://www.vive.com/jp/accessory/vive-tracker/

最新版のVIVEトラッカー(3.0)は旧作に比べて大幅パワーアップ!

小型軽量化に加え、バッテリー性能も75%アップ。スタイリッシュで高性能なモーションキャプチャーです。

【価格】

19,000円(税込み)※トラッカー一個の値段です。

【特徴】

VIVEトラッカーは、VIVEシリーズ対応の高性能モーションキャプチャーです。

VIVEは、世界最大級のゲームプラットフォーム「Steam」を運営するアメリカのValve社と、台湾のHTC社によって共同開発されたVRヘッドマウントディスプレイで、VIVEトラッカーと併用することで、フルボディトラッキングが可能。

VR世界で現実の動きを忠実に再現してくれます。

VIVEトラッカー(3.0)は旧作と比べて33%の小型化と15%の軽量化に成功しており、バッテリー性能も75%向上、7.5時間の長時間稼働を実現しています。

POGOピン付きなのでVRデバイスやコントローラーに、トラッカーを接続できます。

またラケット型の専用アクセサリーにトラッカーを装着すれば、VR空間でテニスや卓球などのコンテンツをよりリアルに体験できます。

フルボディトラッキングを行うためには最低でもトラッカーが複数個必要になるため、値段は少し張りますが、それに見合った精度のVR体験を与えてくれます。

【こんな方におすすめ】

・ラケットや銃型のコントローラーに装着してトラッキングを行いたい方

・多少費用がかかっても、高品質なトラッカーを使いたい方

Uni-motion

出典:https://uni-motion.com/

Uni-motionは、ボディスーツ、ベースステーション不要、完全ワイヤレスのモーションキャプチャーです。

乾電池式で充電不要!

【価格】

49,500円(税込み)

【特徴】

Uni-motionは、VRヘッドセットと組み合わせてフルボディトラッキングが可能、ジャンプや逆立ちのような難しい動きにも対応できます。

基本的には6点でのトラッキングですが、センサーを追加でき、手首や足首にも対応します。

Vtuberの配信向けに、VRヘッドセットなしでもUni-motionのみで上半身を動かせる機能を追加。

乾電池式の電源なので、バッテリー充電不要、最大で約24時間使えます。

【こんな方におすすめ】

・充電を行いたくない方

・長時間使用したい方

・逆立ちやジャンプの動きもしっかりトラッキングしたい方

ミチコンPlus

出典:https://www.next-system.com/michicon

ミチコンPlusは、スマホだけでフルボディトラッキングできるiOSアプリです。

【価格】

無料

Pro版:370円/月

【特徴】

ミチコンPlusは、スマホカメラに映した人物の骨格情報を、人工知能を用いて3DCGキャラクターに反映させています。そのため、センサーやその他の専用機材は必要ありません。

グリーンバック機能で動画の背景を自由に編集できます。

有料版を購入すれば、動きを反映させるための初期3Dアバターに加えて、追加のアバターを選択できます。

またモーションデータを書き出すことも可能になり、CSV形式で書き出したモーションデータをメールで送信することができます。

【こんな方におすすめ】

・無料でモーションキャプチャーを試してみたい方

・かわいいキャラクターでモーションキャプチャーを手軽に楽しんでみたい方

TDPT -Three D Pose Tracker-

出典:https://digital-standard.com/tdpt-sdk_lp/

TDPTは、PCとカメラがあれば、だれでも簡単にフルボディトラッキングが実現できるモーションキャプチャーソフトです。

【価格】

無料※iOS版で有料のプレミアムメニューあり

【特徴】

TDPTは、カメラから入力された動画や画像の情報を、画像認識AI技術を使って、リアルタイムでモーションキャプチャーしています。

そのため、特別なセンサーや機材は不要です。

Windows版とiOS版があり、iOS版のプレミアムメニューを購入すると、VRoid Hubと連携して自分のアバターを利用できます。

さらにライブストリーミング配信、モーションデータの送信や書き出しができる機能が追加されます。

【こんな人におすすめ】

・無料でモーションキャプチャーを試してみたい方

・センサーなどの機材を体に付けたくない方

MocapForAll

https://vrlab.akiya-souken.co.jp/product出典:

MocapForAllは、2台以上のカメラでモーションキャプチャーするWindows用のアプリケーションソフトです。

【価格】

9,999円(税込み)※無料体験版あり

【特徴】

MocapForAllはウェブカメラの情報からAI技術を用いてモーションキャプチャーを行うシステムです。

そのため、PCと2台以上のウェブカメラがあれば、特別な機材は不要です。

Wifi接続の上、スマホ・タブレットをウェブカメラとして使用可能。

専用機材を使うものと比べると、精度はやや劣るものの、指や表情のキャプチャにも対応しています。

また、モーションキャプチャーの結果をリアルタイムでストリーミング、またはファイルとして保存可能です。

【こんな方におすすめ】

・Windows環境でモーションキャプチャーを行いたい方

・専用機材なしで、指や表情のトラッキングをしたい方

|モーションキャプチャーは低価格でも良いものがある

ここまでモーションキャプチャーについて以下の内容をお伝えしてきました。

・モーションキャプチャーとは、現実の人や物の動きをデジタルデータにして活用する技術

・モーションキャプチャーには3つの方式があり、それぞれにメリット、デメリットがある

・最近では、個人でも購入できる安価で高性能なモーションキャプチャーが販売されている

近年の技術の進歩によって、個人がモーションキャプチャーを利用してゲームを楽しんだり、コンテンツを作成したりすることができる時代になりました。

今回紹介したモーションキャプチャーは低価格ですが、目的に応じて十分に活用できるクオリティーのものです。

是非この機会にモーションキャプチャーを購入して、VR世界でもう一人の自分を体験してみてください。

アバターを自在に動かす体験は、きっとあなたにたくさんの興奮と喜びを与えてくれますよ。