最近目にすることが増えたeスポーツという単語。
「ゲームのことらしいけど、なんのことだかよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
近年大きな盛り上がりを見せつつあるため、動向を把握しておかないと様々なチャンスを逃すことにもなりかねません。
そこでこの記事では「eスポーツについて知りたい」という方に向けて、eスポーツとは何か、賞金額や将来性、eスポーツの種類について詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、eスポーツの概要を知ることができ、eスポーツの魅力を感じることができます。
目次
|eスポーツとは?どんなスポーツ?簡単に解説
eスポーツとは”electronic sports”の略で、コンピューターゲームやビデオゲームをスポーツ競技として捉える際に使われるフレーズです。
つまり、ゲームを「遊び」ではなく「競技」にするための言葉ですね。
eスポーツという単語自体は2000年ごろに生まれており、その後徐々に名前が浸透、現在では世界各地で競技の正式種目として採用され、大会が開かれています。
日本でも2018年に一般社団法人日本eスポーツ連合が設立されており、政府もeスポーツを支援する姿勢を見せています。
eスポーツには大きく分けて2種類の競技があります。
個人で戦う競技とチームで戦う競技です。
例えば格闘ゲームやレーシングゲームは個人で戦うことが多く、最近のシューティングゲームなどではチームで戦うことが多いです。
|eスポーツの条件は?ゲームとeスポーツの違いは?
ゲームをスポーツとして捉えるeスポーツ。
しかし、ゲームなら何でもeスポーツになるわけではありません。
正式にeスポーツとして認められるにはいくつかの条件があります。
一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)は、eスポーツとして公認するゲームの条件を以下のように定めています。
・ゲーム内容に競技性が含まれること(競技性)。
https://jesu.or.jp/wp-content/themes/jesu/contents/pdf/agreement-title.pdf
・ゲームとして3か月以上の運営・販売実績があること(稼働実績)。
・今後もeスポーツとして大会を運営する予定があること(大会の継続)。
・eスポーツとしての大会の興行性が認められること(興行性)。
上記の条件をクリアしたゲームタイトルのみ、eスポーツとしてJeSU 公認の大会を開くことができます。
|eスポーツ大会でもらえる賞金額は?
eスポーツでもらえる賞金額は、タイトルによっては巨額に上ります。
世界中から多くのプレイヤーや視聴者が集まるような人気の大会では、高額な賞金が用意される傾向にあり、海外の大会では数千万〜数十億、国内の大会では数十万〜数千万の範囲で賞金が設定されることが多いです。
このように多額の賞金を手に入れられるeスポーツプレイヤー。
彼らは賞金を獲得するだけでなく、スポンサーから広告収入を得たり、配信で稼いだりと、実は様々な収入源を持っています。
ときに年収が億を超えるようなプレイヤーも続々と登場してきています。
|eスポーツはオリンピックの正式競技に採択された?
結論から言えば、2023年3月現在、まだeスポーツはオリンピックの正式競技になっていません。
しかし近年、eスポーツがオリンピックの正式種目に採用されるかもしれないと期待が高まっています。
期待の高まりにはいくつか理由がありますが、そのうちの一つに、国際オリンピック委員会(IOC)がeスポーツへの参画に対して積極的であることが挙げられます。
例えば、2021年にオリンピック・バーチャル・シリーズ(OVS)が開かれています。
これはIOCが各国の国際競技連盟と主催した公式のeスポーツ大会で、発表によればオンライン上で100ヵ国から25万人以上の参加があったそうです。
また今年2023年6月22日から25日にかけて、第1回オリンピックeスポーツウイークがシンガポールで開催されることが決まりました。
こちらもIOCが主催するオリンピックの公式のイベントで、競技が行われる他、最新技術の展示やパネルディスカッションなどの実施が予定されています。
これらの動きはIOCのデジタル戦略に沿ったもので、オリンピックの長期的な方向性を示した「オリンピックアジェンダ2020+5」にも表れています。
このような流れが続いていけば、近い将来、eスポーツがオリンピック競技になる可能性は十分に考えられます。
|eスポーツはなぜスポーツと言える?
遊びとしてのイメージが強いゲーム。
それをなぜスポーツと捉えることができるのでしょうか。
国内で唯一のスポーツに関する法律であるスポーツ基本法では、スポーツについて以下のように定義しています。
“スポーツは、心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵(かん)養等のために個人又は集団で行われる運動競技その他の身体活動”
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=423AC1000000078
激しい身体の動きを伴わないため、スポーツのイメージと結び付きにくい部分はありますが、精神的な充足感の獲得、自律心やその他の精神を養うという意味では、eスポーツも立派に「スポーツ」としての役割をこなしています。
なによりゲームの中で行われている活動は、サッカーや野球、格闘技など実際のスポーツと同じ、もしくは近しいものです。
違うのは、現実世界で自分の体全体を操作するのか、それともバーチャル世界のキャラクターを操作するのか、という部分です。
|eスポーツにはどんなゲーム・種目がある?具体例は?
eスポーツには実に様々な種類があります。
ここからはeスポーツにはどんな種目があるのか具体的に解説していきます。
格闘
格闘ゲームは一つのキャラクターを操作して、打撃や投げ技、必殺技などを駆使して戦い、相手キャラクターを倒すことを目的としています。
代表的なゲームとして「ストリートファイター」があります。
【ストリートファイター】
ストリートファイターシリーズは、1987年にアーケードゲームとして一作目が初登場しました。
その後、1991年にストリートファイターⅡが発表されると世界中で爆発的な人気を獲得、個性的なキャラクターたちによる格闘中の駆け引きや多彩な技の数々、ド派手な必殺技で多くのファンを魅了してきました。
現在では、ストリートファイター5が最新版としてプレイされており、2023年6月にはストリートファイター6のリリースが予定されています。
オンラインストラテジー
オンラインストラテジーゲームでは、自分の軍団を操り、味方を強化して、最終的に相手チームの拠点を占領したり、破壊したりすることを目指します。
RTSとMOBAという2種類のスタイルがあり、RTSは基本的に一人で自分の軍団を操るのに対して、MOBAは複数のプレイヤーがチームを組んで戦います。
オンラインストラテジーの代表的なゲームに「クラッシュ・ロワイヤル」があります。
【クラッシュ・ロワイヤル】
クラッシュ・ロワイヤルは2016年に全世界でリリースされ、1億以上のダウンロードを記録した人気のオンラインストラテジーゲームです。
プレイヤー同士、一対一もしくは二対二でチームを組み対戦します。
対戦時間の3分間、自分の陣地にあるタワーを守り、敵の陣地にあるタワーを壊すことを目指してゲームを進めます。
スポーツ
スポーツゲームはその名の通り、野球やサッカーなどの現実に存在するスポーツをモデルにしています。
代表的なゲームに「ウイニングイレブン」があります。
【ウイニングイレブン】
ウイニングイレブンは「ウイイレ」という略称で親しまれているサッカーゲームで、1995年にプレイステーション用ソフトとして発売されてから、毎年のように新作がリリースされています。
簡単な操作で爽快感あふれるゲームプレイを体験できることに加え、実在の選手やクラブチーム、スタジアムを再現していることから、サッカーファンを中心に熱烈な人気を獲得しています。
シューティング
シューティングゲームは、敵や的に弾丸やレーザービームなどを当てることが目的です。
最近では、銃を持ったキャラクターを操って、戦場で敵を倒すゲームが人気。
1人称視点でキャラクターを操作する「FPS」と、3人称視点の「TPS」というスタイルがあり、プレイヤー同士で敵味方に分かれ、陣取りや殲滅戦を行います。
代表的なゲームに「Fortnite」があります。
【Fortnite】
Fortniteとは2017年に公開されたTPSのシューティングゲームです。
様々なゲームモードがあり、基本無料で遊べる「バトルロイヤルモード」では最大100人のプレイヤーで生き残りをかけた銃撃戦を行います。
他にもモンスターを倒していく「世界を救えモード」や、プレイヤーが自分の島やゲームを制作できる「クリエイトモード」などがあります。
トレーディングカード
トレーディングカードゲームでは、固有の能力や効果が記載されたカードを用いて、プレイヤー同士が対戦します。
遊戯王カードやマジック:ザ・ギャザリングなどを知っている方ならイメージしやすいでしょう。
(両タイトルともにゲーム化されています)
その他のタイトルで代表的なものに「シャドウバース」があります。
【シャドウバース】
シャドウバースは2016年にサービスが開始された対戦型オンライントレーディングカードゲームです。
2000種類を超える美しいカードたちを操り、プレイヤー同士で対戦します。
ターンバトル制で、自分のターンに山札からカードを引き、手持ちのカードを場に出してプレイします。
40枚から成るカードのセット(デッキ)にどのカードを採用するか、必要なタイミングで強いカードを引けるか、いつカードを切って効果を発動させるかなど、戦略と判断力、ときに運が試されます。
レーシング
レーシングゲームは、車やバイクを操作してレースを行い、順位やタイムを競います。
代表的なゲームに「Formula One」があります。
【Formula One】
Formula Oneは自動車レースの最高峰F1を再現したレーシングゲームです。
美しいF1マシンと白熱のレース実況、コースを攻略する瞬間の緊張感は、ここでしか味わえない没入感を体験させてくれます。
MMORPG
MMORPGとは、ゲーム内の同じフィールドで多数のプレイヤーが同時にゲームを楽しめるRPGのことです。
従来のRPGは、プレイヤーが一人でストーリーを進めてゲームの世界観や物語を楽しみますが、MMORPGでは、プレイヤー同士がチームを組んだり、ときには敵となって戦ったりします。
様々な職業のキャラクターが存在するので、プレイヤー同士お互いの長所を生かしながらゲームを攻略していきます。
代表的なゲームに「ブレイドアンドソウル」があります。
【ブレイドアンドソウル】
ブレイブアンドソウルは2012年に韓国でサービスを開始したMMORPGです。
剣術士や銃撃士、召喚士など多彩な職業に加えて、キャラクターの種族を選択できます。
キャラクターのレベルを上げ、武器を鍛え、物語を進めていきます。
ストーリーを楽しむ以外にも、最大12人で巨大なボスに挑むレイド戦や、プレイヤー同士で戦うPVPなどのコンテンツが楽しめます。
パズル
パズルゲームは、ゲーム内で出題される問題を解くことを目的とします。
例えば、同じ色のブロックをつなげたり、穴と同じ形をしたピースを当てはめたりと様々なタイプのパズルゲームが存在します。
手軽にプレイでき、暇つぶしやストレス解消、集中力アップにも役立ちます。
代表的なゲームに「テトリス」があります。
【テトリス】
テトリスは、上から落ちてくるブロックを隙間なく積み上げていくパズルゲームです。
プレイヤーは徐々に落ちてくる様々な形のブロックを、移動させたり、回転させたりしながら積み上げていきます。
隙間なく一列に揃うと、ブロックが消えます。
ブロックを消すことができずに、積み上がり過ぎるとゲームオーバーです。
シンプルなルールですが、奥が深く、世界中で愛されているゲームです。
|eスポーツとは何かを理解しましょう
ここまでeスポーツについて主に以下の内容をお伝えしてきました。
・eスポーツとは、ゲームを競技として捉えるときに使われる言葉
・公式に認定されるにはJeSUの定めた基準をクリアする必要がある
・賞金額は大会によって大きく異なる。億単位の賞金がでるタイトルもある。
・IOCはeスポーツへの参画に対して積極的。将来オリンピック種目になる可能性も十分にある。
・eスポーツには様々な種類があり、多彩な競技が行われている。
eスポーツは近年注目されている分野です。
そして日本は、ストリートファイターやポケモンといった優秀なIPコンテンツを多数保有しており、それを受け入れる文化的な土壌もあるため、上手く立ち回れば、世界で戦えるポテンシャルがあります。
これから更なる盛り上がりが期待されるeスポーツに是非あなたも触れてみてください。
ファンとしてプレイヤーとして、イベントの仕掛け人として、これから大きなチャンスが待っていますよ。