web3とともに目にすることが増えている言葉DAO。
新たな働き方を実現するキーワードとして注目されています。
そのためDAOについて興味を持ち、自分でも作ってみたいと思う方も多いはず。
しかし「作るのが難しそう」「プログラミングができないから無理」と諦めている方もいるのではないでしょうか。
実はDAOを作るのは簡単。誰にでもできてしまうんです。
そこでこの記事では「DAOについて知りたい」「DAOを作ってみたい」という方に向けて、DAOとは何か、DAOに参加する方法やDAOの作り方、DAOのシステムを簡単に構築できるツールについて紹介していきます。
この記事を読むことで、DAOについて知ることができ、DAOを作ることができるようになります。
目次
|DAOとは?初心者でもわかるよう簡単に解説
DAOとは“Decentralized Autonomous Organization”の略称で、日本語に直すと分散型自立組織となります。
管理者が存在しなくても、事業やプロジェクトを推進できる組織のことです。
これまでの組織は、従業員がいて、それを管理する上司がいて、その上に社長がいるといったように、一部の経営陣をトップとするピラミッド型の中央集権的な構造をとっていました。
しかしDAOでは、スマートコントラクトというブロックチェーン技術によって、プロジェクトのルールが自動的に実行されるので、管理者は必要ありません。
よりフラットな関係性の中で、DAOのメンバーが提案し、他のメンバーの投票によって提案が採用されるか決定します。
またDAOはブロックチェーン技術の上に成り立っているため、非常に改ざんされにくく、しかも取引の内容を誰でも確認できるという特徴を持っています。
そのため信頼性が求められる金融の分野と特に相性がよく、DAOの仕組みを使ったDeFi(ディファイ)と呼ばれる金融プロジェクトがいくつも誕生しています。
|DAOは誰でも作れる?
DAOは誰でも作ることができます。
DAOを構築するためのツールがあり、使い方さえわかっていれば、簡単に自分のDAOを作成できます。
プログラミング技術も必要なく、お金もそれほどかかりません。
インターネットに接続できる環境と、ブロックチェーンを使うために必要な手数料(ガス代)があればOKです。
|DAOの組織の例は?
現在、既にDAOを名乗る組織が数多く存在しています。
ここからは、DAOの中から注目すべき事例をいくつかピックアップして紹介していきます。
Ninja DAO
Ninja DAOはキャラクタービジネスを手掛けるコミュニティーです。
誰でも自由に商用利用できるキャラクター「CryptoNinja(クリプトニンジャ)」を様々な形でプロデュースしています。
中でも、NFTのジェネラティブコレクション「CryptoNinja Partners(CNP)」が注目され、高額で取引されています。
有名インフルエンサーのイケハヤ氏が創設者で、2023年3月現在、約10万人のメンバーが在籍。
・最新のNFT情報が得られる
・NFTマーケティングを学べる
・人気NFTを手に入れられる
などの理由から、今、日本で最も人気のあるDAOの一つです。
Bitcoin
暗号通貨として有名なBitcoin。
サトシナカモトによって作られた最初の暗号通貨で、現在、暗号通貨の中で最高の時価総額を誇っています。
実は、このBitcoinもDAOだということができます。
Bitcoinにはリーダーがおらず、プログラミングコードによって自律的に動いています。
誰でも匿名で参加できて、暗号通貨を取り引きしたり、マイニングを行ったり、改善提案なども行うことができます。
現状のDAOは、DAOと表明しつつも、実際は中央集権的であったり、人によって管理されていたりする部分が多々あります。
それほど純粋な形でDAOを実現するのは難しいのですが、Bitcoinは仕組みが完全にプログラミングコードに支配されていて、高度に自立分散化されています。
Bitcoinはある意味で現状、最も成功しているDAOだと言えます。
MZ CLUB
MZ CLUBはweb3プロジェクトとユーザーのマッチングを行うコミュニティーです。
ZOZOの創業者で実業家の前澤友作氏が立ち上げました。
MZ CLUB は、提携するweb3プロジェクトに対して、報酬として支払われるトークンの設計や顧客獲得などの支援を行っています。
また一般ユーザーに対しては、様々なweb3プロジェクトの提供、ウォレットの作成や管理、獲得したトークンの換金などのサービスを通して価値を提供しています。
MZ CLUBは、より多くの人々がweb3のもたらす恩恵を受けられるよう、web3プロジェクトと一般消費者をつなぐハブとしての役割を担っています。
|DAOに入るには?参加方法
まずDiscordを用意しましょう。
Discordとは招待性のチャットツールで、多くのDAOがDiscordを使ってコミュニケーションをとっています。
アプリをダウンロードして、デバイスにインストールしておきましょう。
Discordが用意できたら入りたいDAOを探しましょう。
Discordの検索機能で探してもよいですし、各DAOはインターネットやSNS、Voicyなどの音声メディアを使って宣伝していますので、それらの媒体で調べれば多くのDAOを知ることができます。
お目当てのDAOを見つけたら、DAOが運営しているDiscordに参加します。
多くのDAOは、インターネットやSNS上の公の場所にDiscordの招待リンクを置いているので、誰でも参加できます。
しかし、中には特定のNFTを入手しないと入れないような、クローズドなコミュニティーも存在します。
Discordに参加できたら、これであなたもDAO のメンバーです。
チャットなどで参加者とコミュニケーションをとり、プロジェクトを盛り上げていきましょう。
|DAOの作り方。前準備編
ここからは、DAOを作る際に必要な準備について解説していきます。
目的を決める
どのような目的でプロジェクトを運営するのか決めましょう。
プロジェクトには様々な目的があります。
例えば、
・共同でNFTを購入する
・チャリティーを行う
・暗号通貨やDeFiのような金融プロジェクトを立ち上げる
・アートを盛り上げるためのコミュニティーを作る
などなど、あなたが仲間とともに達成したい目標を掲げましょう。
プロジェクトの告知・メンバーの形成(h3)
プロジェクトの目的が決定したら、次はプロジェクトを一緒に盛り上げていくメンバーを集めましょう。
SNSや各種音声メディアなどでプロジェクトを告知してメンバーを募ります。
メンバー同士のコミュニケーションはDiscordを使って行われることが多いので、Discordサーバーを立ち上げておきましょう。
プロジェクトを継続的に運営するために、ルール作りやチャンネルの設定など、Discordの環境を整えることも必要です。
|DAOの作り方
DAOを機能させるにはブロックチェーンを用いた仕組み作りが欠かせません。
そこでここからはDAOを成立させるためのシステム作りについて解説していきます。
ガバナンストークンを作成・発行する
ガバナンストークンはDAO作成ツールを使って簡単に発行することができます。
ガバナンストークンとは、株式会社における株式のようなものです。
保有することで提案や投票に参加することができ、DAOの意思決定にかかわることができます。
ガバナンストークンは基本的にDAOに貢献したメンバーに報酬として配ることが多いのですが、エアドロップという形でユーザーにプレゼンする場合もあります。
また売買することができ、プロジェクトが有望であるほど高値が付くため、資金調達に利用することもできます。
投票システムを作る
ガバナンストークンの発行ができたら、投票システムを作成します。
投票のシステムも、DAO作成ツールを使って簡単に作ることができます。
DAOの意思決定は基本的に投票によって行われるので、コミュニティーの運営方針を決めるために、なくてはならない機能です。
ガバナンストークンの保有量など、投票に参加するために必要な条件の設定も必要です。
インセンティブ設計をする
コミュニティーに貢献してくれた人に対する報酬をどのように支払うのか考えます。
貢献度合いに応じた適切なインセンティブ設計をしない限りコミュニティーは存続できないため、非常に重要なプロセスです。
DAOへの貢献度を測定するツールについても、DAO作成ツールで作ることができます。
|DAO作成ツールの代表的なもの
DAO作成ツールを使えば、DAOのシステム構築を簡単に実現できます。
ここからはDAO作成ツールの代表的なものについて2つ紹介していきます。
Aragon
AragonはLuis Cuende Jorgeと Izquierdoによってつくられたプロジェクトで、DAOを作成、管理できるツールを提供しています。
Aragonには、作成したい組織の形態に合わせたテンプレートが用意されているので、あなたが目指す形のDAOを作ることができます。
・ガバナンストークンの作成
・トークンの割り当て
・投票システムの作成
・財務・決済の管理
上記のようなDAOに必要な機能を一括で作成、実行できるのが特徴で、操作に慣れている方なら10分程度で作業を終えることができるでしょう。
UIもシンプルでわかりやすくオススメです。
Niwa
Niwaは、フレームダブルオー株式会社によって2022年2月にリリースされたweb3アプリケーションです。
Niwaを使うことで以下のことが実現できます。
・ソーシャルトークンの発行と管理
・ステーキングによるインセンティブの導入
・NFTの発行、管理
・連携アプリの利用
Niwaを使えば、簡単にプロジェクトのトークンを発行してDAOを作ることができます。
Discordなど既存のサービスと連携できるところもポイントです。
|DAOの作り方を参考に
ここまでDAOやDAOの作り方について主に以下の内容をお伝えしてきました。
・DAOとは管理者がいなくても自立的に機能する組織のこと
・現在DAOは多数存在しており、様々な目的のために活動している
・DAOは誰でも参加可能。ただし特定の条件を満たさなければ入れないコミュニティーもある
・プログラミングの知識やまとまった資金がなくても、誰でもDAOは作れる
・DAOのシステム構築を簡単に行えるツールがある。
DAOはweb3を語る上で重要なキーワードです。
ブロックチェーン技術の登場によって、これまで実現できなかった新たな組織の形が見えてきました。
これまでの組織と比べ、効率的で透明性が高く、フラットな組織を実現するDAO。
まだまだ課題が多いものの、今後、世の中を大きく変えるポテンシャルを秘めていることは間違いないでしょう。
これからの新しい働き方を体験するためにも、是非この機会に自分のDAOを作ってみてください。
あなたの未来を変える一歩につながるかもしれません。