「DAOって最近よく聞くけど実はよくわかっていない」
「DAOのことをよく理解して、仮想通貨への投資を考えたい」
最近よく聞く「DAO」という言葉。
株式会社に似てるのはわかっているけど、詳しく説明するよう求められると、意外に説明できない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、株式会社とDAOの違いについてわかりやすく解説し、それぞれの特徴やメリット・デメリット、ビジネスモデル、関連のおすすめ仮想通貨銘柄などを紹介します。
この記事を読むことで、株式会社とDAOの違いを理解し、自分のビジネスや投資に最適な選択をするための手がかりを得ることができます。
できるだけ難しい言葉は使わずに説明していますので、ぜひ最後までご覧になってください。
目次
|株式会社とは?特徴を簡単に・わかりやすく解説
株式会社は、複数の出資者から出資を募り、その出資に対して株式を発行して組織される企業形態の一つです。
出資者たちは発行された株式を所有し、その株式数に応じて企業の経営に参加することができます。
また、株式会社は法人格を有しており、法人として事業を行うことができます。
株式会社の最大の特徴は、出資者の出資額に応じて利益を分配することができる点です。
このため、資金調達には優れており、多くの場合はIPO(株式公開)などの方法で資金調達を行います。
また、経営陣が株式の過半数を保有することで、企業の経営を一元化することができます。
ただし、株式会社の経営には、出資者と経営陣との間で利益配分や意思決定の意見の相違が生じる場合があります。
また、企業の情報開示についても、株式公開以外の場合は非公開となることが多いため、情報の透明性に問題が生じる場合もあります。
|DAO(ダオ)とは?特徴を簡単に・わかりやすく解説
DAO(分散型自治組織)は、ブロックチェーン技術を用いて、ネットワーク上で自律的に運営される組織形態の一つです。
出資者はトークン(暗号通貨)を保有しており、トークンの所有量に応じて、組織内の意思決定に参加することができます。
組織内の意思決定は、トークン保有者の投票によって行われます。
DAOの最大の特徴は、組織内の意思決定や運営が透明かつ公平に行われることです。
また、トークンの売買や流通によって、資金調達や利益配分が可能となります。
さらに、組織自体がネットワーク上に存在するため、地理的制約がなく、世界中の出資者が参加できることも大きなメリットの一つです。
ただし、DAOの運営には、トークン保有者間での意見の相違や投票の不正行為など、様々な課題があります。
また、法的にも未整備な面があるため、規制の緩みやトラブルリスクもあることに注意が必要です。
|株式会社とDAOの違いをわかりやすく解説
株式会社とDAOの違いは、一般的に4つの点で異なっているとされています。
ここでは、株式会社とDAOの違いを4つ全て紹介し、それぞれ詳しく解説します。
- 意思決定者の違い
- プロジェクトに参加できるかどうか
- 透明性
- 資金調達の仕方
意思決定者の違い
株式会社の場合、株主が企業の経営に関する決定を行います。
株主は株主総会での投票を通じて、取締役や監査役を選出したり、業績報告を受けたりすることが可能です。
株主はそれぞれの株式の所有数に応じて、投票権を持ちます。
一方、DAOの場合は、トークン保有者が組織の意思決定に関わります。
トークン保有者は投票権を持ち、トークン数に応じて投票権の数が決定されます。意思決定は、投票によって行われます。
トークン保有者は、コミュニケーションツールを用いて議論を行い、投票を行うことができます。
つまり、株式会社とDAOでは、意思決定者が「株主」か「トークン保有者」である点で異なっています。
プロジェクトに参加できるかどうか
株式会社の場合、一般の人々は株式を購入することで出資者となり、経営に参加することができます。
ただし、購入には一定の金額が必要であるため、一般の人々にとってはハードルが高いと言えます。
一方、DAOの場合は、誰でもトークンを購入することで出資者となり、組織に参加することができます。
トークンは一定の金額で購入が可能であり、誰でも気軽に参加することができます。
つまり、DAOの方がプロジェクトに参加するハードルが低いです。
透明性
株式会社においては、法律で定められた報告義務の範囲内で情報開示が行われます。
報告義務には、有価証券報告書、四半期報告書、有価証券届出書等があります。
ただし、これらの報告書は一般の人々が読みやすいようにまとめられているわけではなく、専門的な知識が必要となることがあります。
一方、DAOにおいては、ブロックチェーン上に全ての情報が記録されるため、透明性が非常に高いと言えます。
トークン保有者は、いつでも組織内の情報を閲覧することができます。
これは、ブロックチェーンが分散型の台帳であるため、情報を操作することができないためです。
例えば、トークン保有者が誰であるかや、各投票の内容などが完全に透明化されます。
一概には言えませんが、DAOの方が比較的透明性が高いとされています。
資金調達の仕方
株式会社の場合、資金調達にはIPO(株式公開)や、発行済みの株式を増資することが一般的です。
また、投資家に利益を還元するため、配当や株価上昇などが行われます。
一方、DAOの場合は、トークンの発行によって資金調達が行われます。
また、DAOには投票によって意思決定が行われるため、トークン保有者の意見が尊重されることが多く、組織がより民主的に運営されることが期待されます。
|DAOのメリットは?
DAOのメリットは、いくつかありますが、その中でも特に重要なメリットを3つ、下記に解説します。
- 民主的な意思決定が可能
DAOは、投票によって意思決定を行います。
このため、トークン保有者が直接投票できるため、より民主的な意思決定が可能です。
また、ブロックチェーン上に全ての情報が記録されるため、透明性が高いと言えます。
- トークン保有者への報酬
DAOに参加することで、トークン保有者は、投票や貢献に応じたトークンの配当を受けることができます。
これは、トークン保有者がDAOの成功に直接貢献しているため、その対価として報酬を受けることができるというメリットがあります。
- 資金調達の容易性
DAOは、トークンを発行して資金調達を行うことができます。
このため、従来の資金調達方法に比べて、手軽に資金を調達することができるというメリットがあります。
以上が、DAOの3つのメリットです。
|DAOのデメリット・リスクは?
DAOには魅力的なメリットが多くありますが、同時にデメリットとリスクも孕んでいることには注意しておかねばなりません。
以下に、DAOのデメリットとリスクについて、3つ詳しく解説します。
- セキュリティリスク
DAOは、ブロックチェーン技術を使用して運営されるため、ハッキングや不正行為などのセキュリティリスクが存在します。
また、トークン保有者が投票するために使用するウォレットなどにもセキュリティ上の問題が生じる可能性があります。
- 法的なリスク
DAOにおいては、法的に未整備な部分が多いため、法的なリスクが存在します。
例えば、トークンが有価証券に該当するのかどうか、税務上の扱いはどうなるのかなどについて、明確な解釈がなされていない場合があります。
- 意思決定の遅れ
DAOにおいては、投票によって意思決定が行われるため、全てのトークン保有者が投票するまでに時間がかかることがあります。
このため、迅速な意思決定が求められる場合には、不適切な場合もあります。
以上が、DAOのデメリットとリスクです。
|DAOのビジネスモデル
DAOのビジネスモデルは、通常の株式会社とは少し違います。
具体的には、「DeFi」と「NFT投資」を基盤にしたビジネスモデルとなっています。
ここでは、DAOのビジネスモデルとして多く採用されている「DeFi」と「NFT投資」について、それぞれ詳しく解説します。
DeFi
DeFiとは、分散型金融(Decentralized Finance)の略称です。
DeFiは、ブロックチェーン技術を用いて、中央管理者がいない金融サービスを提供するものです。
例えば、送金や借入・貸出、ステーキング、保険証券などがDeFiのサービスの一部となります。
なぜ、DeFiがDAOのビジネスモデルとして採用されているのでしょうか。
DAOにおいては、トークンを発行して資金調達を行うことができるため、DeFiを活用することで、より効率的かつスピーディーな資金調達が可能となります。
また、DeFiによって、投資家や出資者による意思決定がより直接的に行われるため、より民主的かつ透明性の高い資金調達が実現されます。
この為、DeFiはDAOのビジネスモデルの基盤となっています。
NFT投資
NFT投資とは、「非代替可能トークン(Non-Fungible Token)」の略称であるNFTを用いて、アート作品や音楽、スポーツ選手のコレクションなど、独自性や限定性の高いコンテンツに投資することです。
NFTは、ブロックチェーン上で一意に識別されるため、そのコンテンツが本物であることが保証され、その価値が確保されるというメリットがあります。
なぜ、DAOのビジネスモデルとして、NFT投資が採用されているのでしょうか。
DAOにおいてNFT投資が採用されている理由は、トークン保有者による投票によって意思決定を行うことができるためです。
NFTを用いた投資によって、トークン保有者がより直接的な意思決定を行うことができます。
また、ブロックチェーン上に全ての情報が記録されるため、透明性が高く、不正行為や情報漏洩などのリスクが低いというメリットがあります。
この為、NFT投資はDAOのビジネスモデルの基盤となっています。
|DAOを使ったビジネスモデルの事例
ここでは、DAOを使ったビジネスモデルの事例として、代表的なものを以下に3つ紹介し、それぞれ詳しく解説します。
- braintrust
- BitDAO
- PleasrDAO
braintrust
Braintrustは、仕事を受注したいフリーランスと、仕事を発注したい企業をつなぐ、分散型の人材マッチングプラットフォームです。
Web3.0の技術を活用し、プラットフォーム上での取引はブロックチェーン上で行われます。
Braintrustでは、フリーランスが受け取る報酬は仮想通貨で支払われ、手数料も非常に低いため、取引にかかるコストが大幅に削減されます。
また、フリーランスが受け取る報酬は100%そのまま受け取ることができるため、フリーランスにとっては非常に魅力的なプラットフォームとなっています。
BitDAO
BitDAOは、DAOを用いたDeFiプラットフォームです。
BitDAOでは、投資家がDAOに参加することで、投資先のDeFiプロジェクトの意思決定に参加し、利益を得ることができます。
また、DAOのメンバーが投票により新しいプロジェクトに投資することもできます。
BitDAOは、分散型取引所(DEX)やレンディングプロトコルのUniswapやAaveなど、多数のDeFiプロジェクトに投資しています。
そのため、自分の興味のある投資先が見つかりやすいのが、メリットの一つです。
PleasrDAO
PleasrDAOは、2021年に設立されたNFTプロジェクトで、音楽業界における著作権の問題を解決することを目的としています。
PleasrDAOは、アーティストの楽曲をNFTとして発行し、著作権の保護や収益化を可能にしているため、アーティストは自分たちの作品に関する制御を維持しながら、PleasrDAOが提供するツールやサービスを使ってファンとつながることができます。
|日本でも買える!DAO関連のおすすめ仮想通貨銘柄
ここまで、DAOの詳しい説明をしてきました。
ここからは、DAO関連のおすすめ仮想通貨銘柄について、厳選したものを5つご紹介します。
- BitDAO (BIT)
- Dash (DASH)
- Cream Finance (CREAM)
- Uniswap (UNI)
- SushiSwap (SUSHI)
BitDAO (BIT)
BitDAO (BIT)は、DAOの1つで、ビットコイン(BTC)を保有している投資家によって所有されています。
BitDAOは、ブロックチェーン技術を活用して、仮想通貨の世界における投資とイノベーションを推進することを目的としています。
Dash (DASH)
Dash (DASH)は、2014年にリリースされたプライバシーを重視した仮想通貨の一つです。
Bitcoinの問題点を改善するために作成され、取引速度を早くし、手数料を低くすることが可能です。
また、ユーザーのプライバシーを保護するため、トランザクションが完全に匿名化され、送金先のアドレスも隠される「プライベートセンド機能」が搭載されています。
さらに、独自のマスターノードシステムを採用しており、このシステムを通じてユーザーはDASHのネットワークに参加し、投票や決定に参加することができます。
そのため、プライバシーに重点を置いたDAOに関心を持つ投資家にとって、Dashはおすすめの仮想通貨の一つです。
Cream Finance (CREAM)
Cream Finance (CREAM)は、DeFiプラットフォームであり、借入や貸出をはじめとしたさまざまな金融サービスを提供しています。
また、ユーザーはCREAMトークンをステーキングすることで、プラットフォームの運営に参加することができます。
なぜCREAMがおすすめできるかというと、高い流動性やセキュリティー性、そして成長性が期待されるプロジェクトであるためです。
また、同じDeFiプラットフォームであるCompound FinanceやAaveと比べて、まだ市場での知名度が低いため、今後の成長が期待できます。
Uniswap (UNI)
Uniswap (UNI) は、分散型取引所(DEX)であるUniswapのトークンであり、DeFi分野における代表的なプロジェクトの1つです。
Uniswapは、イーサリアムのスマートコントラクト上で構築されたプロトコルで、ユーザーがイーサリアムとERC-20トークンを交換できます。
また、Uniswapはユーザーによる流動性提供を促進するため、自動的に価格を設定するアルゴリズムを採用しています。
Uniswapがおすすめできる理由は、まず、分散型取引所のトークンであるため、DeFi分野における需要の高まりに連動して価値が上昇する可能性がある点です。
さらに、DeFiプロジェクトによって採用されることが多いため、今後のDeFi市場の発展において重要な役割を果たすことが期待されています。
SushiSwap (SUSHI)
SushiSwap (SUSHI) は、Uniswap と同様に分散型取引プラットフォーム (DEX) の1つであり、DeFi 分野で注目を集めている仮想通貨の1つです。
SushiSwap の最大の特徴は、Uniswap の機能をベースに独自の改良を加え、プロトコルのガバナンスに参加することができることです。
SushiSwapがおすすめできる理由は、分散型取引所の中でも急速に成長している銘柄の1つであり、取引量やユーザー数が増加傾向にあるため、今後の成長が期待されています。
また、SushiSwapは、開発者が透明性を重視し、コミュニティと協力して取り組んでいる点も注目されています。
|株式会社とDAOの違いを理解しよう
この記事では、DAO(分散型自律組織)について、その定義や特徴、ビジネスモデルについて紹介しました。
「仮想通貨元年」と呼ばれた2017年から今年で6年経ち、昨年には「ルナコインの大暴落」という歴史的大事件も発生し、仮想通貨はいったん停滞期を迎えるだろうという憶測も多く聞きます。
しかし、Web4.0と呼ばれる新たな時代が切り開かれようとしている今、従来のような株式会社ではなく、DAOのような新しい組織の枠組みは、今後も一層多くなっていくことが予測されます。
時代に取り残されないためにも、常にDAOの動向には目を光らせておくべきといえるかもしれません。