不登校の生徒数が年々増加する中、新たな学びの形として「メタバース学校」が注目を集めています。

仮想空間で学ぶことで、対面に不安を感じる生徒も安心して教育を受けられるとされており、自治体や民間でも導入が進んでいます。

本記事では、メタバース学校の概要やメリット、実際の導入事例まで詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。。

学習意欲を引き出し、子どもが自ら学ぶメタバース×ゲーミフィケーションの教育!
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|メタバースとは

さて、このサイトの必須ワードであるメタバースについて復習です。

メタバースというワードは超越した様子を意味する「メタ(meta)」と宇宙を意味する「ユニバース(universe)」を組み合わせた造語です。

メタバースの空間はコンピューターグラフィック(CG)で表現された仮想空間ですので、現実とはかけ離れた世界を構築することも可能です。

つまり、現実のような敷地の制限もなく、理論上どこまでも大きな空間を作ることも可能です。

そうした現実を超越した(meta)どこまでも広がる空間(universe)を表した言葉です。

その超越した仮想空間の中で自分自身を投影したアバターの姿で参加し、他ユーザーと会話や経済活動などのコミュニケーションをとることができる場所がメタバースです。

近年では新型コロナの影響によるリモートワークの普及や米Facebook社のMetaへの社名変更のニュースなどにより、エンターテインメントに留まらずビジネスにおいても大きな注目を集めています。

市場規模も2028年には100兆円規模へ拡大が予想されています。

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メタバースってどういう意味?由来や活用方法について紹介!
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メタバース学校とは?

メタバースの技術を教育に応用したのが「メタバース学校」です。

これは、登校が困難な生徒や不登校の子どもたちが、自宅から仮想空間にアクセスし、アバターとして登校・授業に参加する新しい学びのスタイルです。

教室、校庭、図書室などがバーチャルで再現され、教師や他の生徒とのコミュニケーションもリアルタイムで行えます。

日本国内でも、2022年頃から地方自治体や教育関連企業がメタバース学校を導入し始め、不登校の生徒を対象にしたメタバース学校が増加しています。

実際、文部科学省の統計によると、2022年度の不登校児童生徒数は小中学校合わせて約29万人にのぼり、その受け皿としてメタバース学校が機能し始めています。

|メタバース学校のメリット

ここからはメタバースが教育分野で発揮できる特徴を3点ご紹介します。

VRゴーグルを活用し学習効果の向上を狙える点や自宅から参加できるため安全性を確保できる点などがあります。

学習理解が深まる

メタバースを活用することで教科書の文字だけでなく実際に目で見て体験することが可能になります。そのため学習効果の向上が期待できます。

例えば地理の授業にて実際に世界各地を再現した空間に入って現地にいったような体験をしてもらうことでよりその地域を身近に感じることができます。

また、理科の授業で理科室では行うことが難しい実験もメタバース空間では可能になります。

生徒もゲーム感覚で楽しんで授業を受けられるので、能動的に勉強するアクティブラーニングの一環としてメタバースの利用が期待されています。

さらに360度見渡せるVRに対応したメタバースを導入すれば、より現実に近い世界で直感的な学習体験ができるでしょう。

教育の機会が増える

メタバースが新たな学校として期待される大きな理由の1つとして、多くの子どもに教育の機会が与えられることが挙げられます。

特に不登校の生徒や体が不自由で登校が難しい生徒など何らかの理由で授業に出席できない生徒がより気軽に教育を受けられるようになるという点は注目すべきでしょう。

家から出ることができない生徒でも自宅から授業に参加することが可能ですし、メタバースの特徴であるアバターを使うことで、対面で人と話すのが苦手な生徒でも気軽に話しかけることができます。

また、そういった問題を抱えていない方にもメリットがあります。

メタバース上であれば授業を受ける人数制限がないので、人気の教師の授業を誰でも受けられるようになります。

評価の高い授業に生徒は集まるので、教師側も自分の授業を受けてもらうために授業を面白くする工夫を考えなくてはいけません。

結果、教師の授業の質も向上し、生徒の授業を受けるモチベーションの上昇にもつながるでしょう。

安全性が高い

メタバース上で授業が実施されるようになれば、登下校中に発生する交通事故のリスクはゼロになります。

また、直接人と対面することがないので、いじめなど対人関係のトラブルが減ることが予想されます。

教育面では課外活動をメタバース上で行うことで、生徒に危険が生じることなく学習できます。

また、メタバース上で授業ができれば、塾で夜遅くまで外を出歩く必要はありません。

生徒が様々なリスクを回避しつつ学習できるのもメタバースが学校として期待される理由です。

|メタバース学校の事例

ここからは上記のメリットを生かした学校の事例を6つご紹介していきます。

活用方法も様々なものがあり、登校のない通信制高校のコミュニケーション手段としての活用や面接の練習などいろいろとご紹介していきます。

MEキャンパス

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000173.000044525.html

株式会社MetaLabが、メタバース空間で専門的な技術が学べる「MEキャンパス」を、2023年4月に開校しました。

MEキャンパスの中では生徒は教材学習に加えて、グループ学習として課題制作や共同発表会に取り組むことで、メタバースの構築や運営に携わるために必要な専門技術を学ぶことができます。

「メンター制度による学習サポート」や各分野の第一線で活躍する著名人による「特別授業」も特徴で、生徒一人ひとりの“好き”に寄り添った学びの体験をすることができます。

コースは1年間の誰でも入学コースと3年間の通信制高校同時入学コースがあり、通信制高校同時入学への同時入学で高卒資格の取得が可能です。

角川ドワンゴ学園

出典:https://nnn.ed.jp/learning/vr/

角川ドワンゴ学園は通信制のN高等学校と単位制のS高等学校の普通科でメタバースを活用した授業を取り入れました。

普通科の生徒はVRデバイス「Meta Quest2」を利用してメタバース上で授業を受けることが可能です。

両校はeスポーツの運動会をメタバース上で行う、ドアをノックする、一礼して席に座る、退出するなどの面接の練習、目の前に外国人がいる状況での英語のプレゼンテーションなど通常の授業以外でもメタバースを活用した教育をしています。

メタバースという先端技術を若い年代から触れることで、優秀なクリエイター創出を目指しているのも角川ドワンゴ学園の特徴です。

浦和学院高等学校

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000080202.html

浦和学院高等学校では遠く離れた人とも同じ空間にいることができるという特徴を活用した「メタバース留学」を実施しました。

ファーストフードを模した空間で、現地にいるフィリピン人講師がスタッフ役・生徒様がお客様役を演じながら対話をするため、実際にその場所にいる感覚が味わえ、通常のオンライン英会話と比べると「英語を使って実践的なコミュニケーションをとっている」意識が強く感じられます。

このメタバース留学の結果、聴覚や視覚が刺激され、さらには学習最中のボディランゲージも活発になる様子が見受けられました。

このように感覚が加わると、アクティブラーニング効果(自らの意志で進んで学習すること)の向上が期待できます。

青池学園高等学校

青池学園高等学校は広域通信制の高校ですが、2022年度の新一年生からメタバース登校を実施しています。

青池学園高校は通信制高校の学校が抱えているコミュニティの形成という部分に課題を抱えておりました。

そこでメタバース上に教室を再現し、授業やボイスチャットでの交流の場を提供することで自宅からでも対面コミュニケーションに近い形を作成することに成功しました。

東京スクールオブミュージック専門学校

出典:https://www.tsm-koutoukatei.jp/course/virtual-performer/

東京スクールオブミュージック専門学校はバーチャル・パフォーマーコースいわゆるVtuber養成コースがあります。

外見や性別、年齢、障害に関わらず、自由に表現したい方にぴったりです。ほとんどの方が未経験からスタートです。

Vtuberやバーチャルシンガーなど、中の人=魂を育成するコースとなっています。

スタンフォード大学

出典:https://news.stanford.edu/2021/11/05/new-class-among-first-taught-entirely-virtual-reality/

スタンフォード大学では「Virtual People」というメタバース・カリキュラムを導入しました。

同名のコースは以前から存在しましたが、近年授業のほぼ全体でVRが導入されました。

授業では、VRがカルチャー面やエンジニアリングなど、エンターテイメント以外で、VRがどのように浸透し、進化してきたかをリモート講義の形式で学ぶことができます。

授業でのディスカッションは、生徒たちが“円陣を組む”形で行われます。

この形式によって、PCでのWeb授業には存在しない空間次元(spatial dimension)を実現するそうです。

講義は2021年夏から実施されており、数百人の生徒が参加。

講師と生徒は、夏に60.000分(約41日間)、秋に140,000分(約97日間)の時間をVR内で過ごしたそうです。

|まとめ

メタバース学校は、登校に困難を抱える子どもたちにとって、新しい学びの場として注目を集めています。

仮想空間を活用することで、対面のコミュニケーションに不安を感じる生徒でも安心して授業に参加でき、学習の継続が可能になります。

今後、通信インフラやデバイスの普及とともに、メタバース学校はより多くの子どもたちにとって現実的な選択肢となるでしょう。

従来の教育モデルだけでは解決できない問題に対して、メタバースがどのような可能性を示すのか、その動向から目が離せません。

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