TwitterやInstagramなどのSNS利用者が増える中、アカウントのロックや凍結などといった中央集権型のやり方に不満を持つ人が増えてきています。
そんな中、分散型SNSである「Damus(ダムス)」が登場しました。
分散型SNSである「Damus」はTwitterのように投稿やコメントが可能ですが、中央に管理者が存在しないためアカウントのロックや凍結などの心配がありません。
Twitterの創業者であるジャック・ドーシー氏も支援するなどDamusに注目が集まっており、「Twitterキラー」とも呼ばれています。
この記事では、NostrやDamus、分散型SNSの概要、Damusの使い方まで解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
|Nostr・Damusとは
Nostr(ノストル)・Damus(ダムス)とは、分散型ソーシャルネットワーク(SNS)です。
NostrとDamusは別物で、Nostrは「分散型SNSを稼働させるための土台」、Damusは「Nostr上に作られた分散型SNSプラットフォーム」と理解しておくといいでしょう。
Twitterの創業者であるジャック・ドーシー氏がNostr開発資金として14BTC(当時の価格で3200万円相当)を支援したことが話題となりました。
世界を代表するTwitterなどのSNSは中央集権型であり、アカウントロックや凍結など企業側からの一方的な処遇に対して懸念が広がっています。
しかし、分散型SNSであるDamusの登場により、中央集権型SNSを懸念している人たちの移行先として注目を集めています。
|Nostrの仕組み
Nostr(ノストル)は、Notes and Other Stuff Transmitted by Relays(リレーによって通信されるノートやそれ以外のもの)の頭文字をとった略語です。
Nostrは「分散型SNS」と言われていますが、P2Pでもブロックチェーンを使用しているわけでもありません。
では、どのような仕組みとなっているのでしょうか。
Nostrには「リレーサーバー」が使用されています。
リレーサーバーとは、ネットワーク上で通信の中継を行うサーバーのことを指します。
わかりやすく言えば、2つのコンピュータが別々のプライベートネットワークに接続されているとき、両方にアクセスする権限を持つのがリレーサーバーです。
このリレーサーバーを活用することで、複数のサーバーで投稿データなどを保管できるため、分散型のシステムを構築しています。
|分散型SNSとは
そもそも分散型SNSとはいったいどういったものなのでしょうか。
分散型SNSとは、中央に管理者が存在せず、コミュニティ全体で運営するような環境が構築されています。
利用者数が多いTwitterやInstagramなどのSNSは、「中央集権型SNS」です。
中央集権型SNSとは、TwitterやInstagramなど中央に管理者が存在し、投稿した文章や写真などを企業のサーバーに送信することで他のSNS利用ユーザーが閲覧できる仕組みです。
しかし、企業が所有しているサーバーであるため、アカウントのロックや凍結、削除などは企業の判断で行われます。
また、投稿したテキストや画像の所有権はTwitter社やMeta社(旧Facebook)など、企業のものになることがほとんどです。
分散型SNSは中央集権型SNSと違い、中央に管理者が存在せず、コミュニティ全体で運営することが特徴といえるでしょう。
|分散型SNSのメリット
前章で分散型SNSについてお伝えしました。
では、分散型SNSのメリットとはどのようなものがあるのでしょうか。
分散型SNSのメリットは4つあります。
- 言論の自由の確保
- セキュリティの強化
- 障害リスクの低下
- 民主的なルール作り
以下で、1つずつ解説していきます。
言論の自由の確保
従来のSNSであれば、企業によって言論が規制されていることが多く、監視も強化されています。
そのため、SNS上にアップした言論内容によっては、アカウントのロックや凍結などが多く相継ぎました。
公平性も確保できていないことも多く、「なぜアカウントがロックされたのかわからない」というケースも存在します。
しかし、分散型SNSの場合は中央に管理者が存在しないため、アカウントロックや凍結などを行える人はいません。
つまり、言論の自由は確保されているといえるでしょう。
セキュリティの強化
分散型SNSを使うとハッキングなどのセキュリティ強化にも繋がります。
従来のSNSは一つのサーバーで管理しているため、ハッキングなどの被害にあえば何万人もの個人情報が漏洩してしまいます。
しかし、分散型SNSの場合はサーバーが分散されているため、ハッキング被害などにあっても被害は最小限に止めることができます。
また、中央に管理者が存在しないため、個人情報の取り扱いに対する心配はいりません。
障害リスクの低下
分散型SNSはサーバーダウンなどの「障害リスク」にも強いと言えます。
企業が運営しているサーバーでサーバーダウンが起こると、ほとんどの利用者に影響がでるでしょう。
しかし、分散型SNSはブロックチェーン技術と同じく複数のサーバーで成り立っているため、一部のサーバーがダウンしても他のサーバーで補填することができます。
そのため、サーバーのダウンなどの影響は、企業運営のSNSに比べてネットワーク全体への影響は明らかに少ないと言えるでしょう。
民主的なルール作り
分散型SNSは、ルール作りにも特徴があります。
企業が運営するSNSを利用すると、基本的には制作元の企業が作ったルールを順守する必要があります。
仮に、なんらかの理由でサービスが終了することになっても従うしかありません。
しかし、分散型SNSの場合はコミュニティ全体で決めることがほとんどです。
ルールなどの重要事項を決めるときには投票形式にするなど平等性が高く、民主的にルール作りを行うのが特徴です。
|Damus(ダムス)の使い方
この章では、分散型SNSであるDamusの使い方を解説します。
Damusは日本語での投稿は可能ですが、日本語表記には対応していません。
しかし、Twitterと操作方法が似ているため、1回覚えると問題なく利用できるかと思います。
Damusの使い方は以下の手順で解説します。
- ユーザーの登録
- プロフィールの設定
- 投稿
- フォローする
- 投稿に反応する
- DM
以下で、1つずつ詳しく解説します。
ユーザーの登録
まずはアプリをダウンロードして、ユーザー登録から行っていきましょう。
iOSの方は、App Storeで「Damus」をインストール。
AndroidユーザーはGooglePlayから「Amethyst」をインストールします。
インストールが完了したら、アプリを開きましょう。
アプリが開いたら「Create Account」をタップ。
次の画面で規約が表示されるため、問題なければ「Accept」をタップします。
次は以下3つの設定です。
- User name:@から始まるユーザーネーム
- Displlay name:表示名
- About:説明
すべて後から変更できるため、好きな文字列を入力しましょう。
入力が完了したら、「Create」をタップ。
次の画面で「Public key(公開鍵)」と「Private key(秘密鍵)」が表示されます。
左側に表示されている「コピーマーク」をタップして、記載されている文字列を確認しましょう。
「Public key(公開鍵)」とは、ユーザーIDのようなものなので公開しても問題ありません。
しかし、「Private key(秘密鍵)」はアカウントの復旧などに使用されるため、秘密鍵が漏れるとアカウント乗っ取りの被害に合ってしまう可能性があります。
「Private key(秘密鍵)」はだれにも見せないように心がけ、紙などにメモして大切に保管しておくといいでしょう。
「Private key(秘密鍵)」の左にある「コピーマーク」をタップし、メモが終わったら「Let’s go!」をタップすれば登録は完了です。
プロフィールの設定
次はプロフィールの設定を行いましょう。
ホーム画面の左上にあるアイコンをタップすると、以下の4つが表示されます。
- Plofile:プロフィール
- Blocked:ブロックしたユーザーが表示される
- Relays:リレーサーバーが表示される
- Setting:公開鍵や秘密鍵、ウォレット、サーバーが確認できる
プロフィールの設定なので「Profile」をタップしましょう。
プロフィール画面が表示されたら、画面右上の「Edit」をタップ。
すると以下の4つの項目が表示されるので、設定したい場所を入力しましょう。
- YOUR NAME:検索した時に出てくるアカウント名
- USER NAME:@から始まるユーザーネーム
- PROFILE PICTURE:プロフィールアイコンに使う画像のURL
- BANNER IMAGE:バナーに使う画像のURLを入力
「Damus」のプロフィール画像やバナーは、画像をアップロードするのではなく、すでにWebにアップされているものを使います。
そのため、「PROFILE PICTURE」と「BANNER IMAGE」ではURLの入力を行います。
Twitterをされている方は、Twitterのアイコン・バナー画像のURLを入力する方法が一番簡単です。
4つの入力が完了すれば、プロフィールの設定は終了です。
投稿
次は投稿(POST)してみましょう。
投稿(POST)は、Twitterでいう「ツイート」と同じです。
ホーム画面右下にある「+」マークをタップします。
すると投稿作成画面となるので、好きな文字を入力し、画面右上にある「Post」を押すと投稿が完了します。
現時点では、画像や動画などを投稿することはできません。
しかし、URLを入力することで、ブログやYouTubeの投稿は可能です。
フォローする
次は他のユーザーをフォローしましょう。
画面下にある「虫眼鏡」マークをタップします。
検索したいユーザーの名前を入力しましょう。
該当する名前のユーザーが表示されるため、その場で「Follow」をタップすればフォローできます。
また、アイコン・アカウント名をタップするとプロフィール画面に移行されるので、右上に表示されている「Follow」ボタンからもフォローが可能です。
投稿に反応する
投稿に対して反応する方法を紹介します。
Damusで可能な反応は以下の4種類です。
- コメント:投稿に対してコメント(リプライ)ができる
- リポスト(再投稿):Twitterの「リツイート」と同じ機能で、投稿をシェアできる
- グッドボタン:Twitterの「いいね」と同じ機能
- 共有:Damus外に投稿を共有できる
Twitterと操作方法がほとんど同じであるため、Twitterを使い慣れている方は直感的に操作できますよ。
DM
他のユーザーとDM(ダイレクトメッセージ)でコミュニケーションを取る方法を紹介します。
まずは、DMしたいユーザーのプロフィール画面を表示しましょう。
プロフィールアイコンの右側に表示されている「メッセージマーク」をタップします。
するとチャット画面が表示されるので、話したい内容を入力し、右下にある送信ボタン(右矢印ボタン)をタップするとDMを送ることができます。
|まとめ
いかがでしたか?
この記事では、Nostr(ノストル)とDamus(ダムス)について詳しく解説しました。
NostrとDamusは別物で、Nostrは分散型SNSを稼働させるための土台、DamusはNostr上に作られた分散型SNSプラットフォームです。
分散型SNSはTwitterやInstagramと違い、中央に管理者が存在せず、コミュニティ全体で運営するような環境が構築されています。
また、分散型SNSはこれまで利用してきたTwitterやInstagramとは全くの別物で、ユーザーファーストに作られていることが特徴と言えるでしょう。
操作方法はTwitterと似ているため、直感的に利用できるかと思います。
一度、分散型SNS「Damus」を利用してみてはいかがでしょうか。