メタバースはゲームやエンタメの領域にとどまらず、今やビジネスの現場でも注目を集めています。

仮想空間での販促活動や、グローバルな商談、社員研修まで、活用の幅は急速に広がっています。

本記事では、メタバースの基礎からビジネス活用例、活用する際の注意点までをわかりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください!

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|そもそも「メタバース」とは何か?

メタバースとは、インターネット上に構築された3Dデジタルな仮想空間です。

ユーザーは、アバターを通じてこの仮想世界に参加し、ゲーム、ビジネス、エンターテインメントなど、様々な活動を体験できます。

メタバース(Metaverse)は、「meta(超越的な、高次の)」と「universe(宇宙、世界)」を組み合わせた造語です。

テクノロジーの進化とともに、メタバースはよりリアルで没入感のある体験を提供できるようになりました。

ビジネスの観点から見れば、メタバースは新しい市場やコミュニケーションのチャネルを開く大きな可能性を秘めています。

これは、従来のビジネスモデルを根底から変えるほどの力を持っていると言えるでしょう。

メタバースについての詳しい解説は以下の記事を参考にしてください。

【これだけ見ればわかる!】メタバースとは?概要からビジネス活用法まで解説
【これだけ見ればわかる!】メタバースとは?概要からビジネス活用法まで解説
メタバースってどういう意味?由来や活用方法について紹介!
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|メタバースがビジネス分野で注目を集めている理由

メタバースがビジネス界で急速に注目を集めている背景には、複数の要因があります。

まずは背景的な理由から把握していきましょう。

テクノロジーの発展と普及

まずは、テクノロジーの発展と普及により、バーチャル体験の質が向上したことがあげられます。

これは、VR技術の進化はもちろん、高速通信技術やデバイス機器の進化など、さまざまな分野においての技術革新が大きく影響してます。

5Gなどの高速通信技術により、リアルタイムで高精細な映像や音響を楽しめるようになり、さらには、より軽量で高性能なVRヘッドセットやアクセサリーが体験の質を高めています。

さらに、ブロックチェーン技術の進化により、メタバース内での取引や所有権の管理が安全かつ透明に行われるようになりました。

これらの技術の進歩により、メタバースは単なる仮想空間から、新たなビジネスプラットフォームへと生まれ変わろうとしてます。

メタバース市場の拡大予測

メタバース市場の規模は、今後飛躍的に拡大することが予測されています。

総務省の情報通信白書を参照すると、世界のメタバース市場は2022年に約655億ドルを記録し、2030年には圧倒的な成長を遂げ、約9366億ドルに達する見込みです。

一方、日本に目を向けると、2022年度の市場規模は約1825億円に達し、これは前年比で約245%の増加を示しており、2026年度には1兆円を超えると予想されています。

これらの数字から、メタバースはただの一過性の流行ではなく、今後ビジネスや日常生活に大きく影響してくるでしょう。

ビッグテック企業のメタバース参入と巨額投資

世界の巨大IT企業がメタバースへの参入を表明し、莫大な投資を行っています。

特に、Facebookは社名を「Meta(メタ)」に変更し、メタバース開発に年間1兆円超える投資を発表するなど、業界に大きなインパクトを与えました。

Google、Appleを含む他の大手企業も、この新しいデジタルフロンティアへの投資を加速させています。

これらビッグテック企業の動きは、時代を新たなフェーズへと押し上げる大きな推進力となるでしょう。

コロナ禍によるオフラインの制限

新型コロナウイルスの感染拡大により、リアルでのビジネス活動が制限されたことで、オンライン空間でのビジネスが注目を集めるようになりました。

特に、オンライン上でのバーチャルイベントや仮想商談、教育研修など、メタバースを生かせるシーンが増えたことで、ビジネス活用の可能性が高まりました。

新型コロナウイルスが社会的、経済的に大きな打撃を与えた一方で、皮肉にも、メタバースの技術革新と普及を加速させたと言えるでしょう。

|メタバースがビジネスにもたらすメリット

メタバースは、単なる仮想空間にとどまらず、企業にとってさまざまな新しいビジネス価値を生み出しています。

ここでは、ビジネスにおける代表的な5つのメリットをご紹介します。

没入型体験による顧客エンゲージメント向上

メタバースは、従来のWebサイトやSNSとは異なり、ユーザーが仮想空間内を自由に移動し、商品やサービスを体験できる没入型のプラットフォームです。

そのため、企業はより記憶に残る形で自社の魅力を伝えることが可能になります。

たとえば、化粧品ブランドがバーチャル店舗を開設し、3Dアバターで商品の使用感をシミュレーションさせることで、ユーザーの購買意欲やブランドへの愛着が高まります。

オンラインとオフラインの融合による新しい販促機会

メタバースを活用すれば、リアル店舗と連動したイベントやキャンペーンを仮想空間上で展開でき、オンラインとオフラインを融合した新しい販促体験が可能となります。

たとえば、リアル店舗の来店者にメタバース上の特典コードを配布し、仮想空間で限定アイテムを獲得できるといった施策が挙げられます。

このように、双方向性の高いキャンペーンは、来店動機の創出とオンラインでの再接点につながります。

バーチャル空間を使った採用・研修の効率化

メタバース空間では、会社説明会や面接、社内研修などを仮想空間内で再現することが可能です。

これにより、地理的制約や移動時間の問題が解消されます。

特に、アバターを通じたコミュニケーションは、参加者の緊張を和らげたり、参加ハードルを下げる効果があると評価されています。

国境を越えた商談・イベントの実現

メタバースはインターネットを介して世界中とつながるため、時間や場所の制約を超えたビジネス展開が可能です。

例えば、海外の顧客やパートナーとの商談をアバターで行うことで、移動コストの削減とスピーディーな意思決定が実現します。

また、グローバルイベントや展示会をメタバース上で開催すれば、物理的なスペースや集客の限界を超えて広く参加者を集められます。

ブランドの世界観を空間で表現できる

メタバースでは、企業が独自のバーチャル空間を設計できるため、世界観や価値観を直感的かつ視覚的に伝えることが可能です。

たとえば、ファッションブランドが世界観を反映した空間を構築し、ユーザーがアバターに衣装を試着させたり、ランウェイを歩かせたりする演出により、ブランドの魅力を体感してもらえます。

このように、世界観を体験として提供することで、ブランドの差別化やファン化を促進できます。

|メタバースのビジネス活用事例

では、実際の活用事例をみていきます。

これらの事例を通じて、メタバースがいかにしてビジネスや社会に新たな価値をもたらしているかを探っていきましょう。

大阪労働局:バーチャルハローワーク

出典:https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-hellowork/kanren/virtualwakamono.top.html

株式会社クラスターは大阪労働局と協働し、2024年2月、メタバースプラットフォーム「cluster」上に「バーチャルわかものハローワーク」をオープンしました。

これは求職者が自宅からアバターを使って、就職相談や企業説明会に参加できるバーチャルハローワークです。

このプロジェクトは、対面コミュニケーションが不安な若者や、就活に抵抗を感じる若者に、もっと気軽にハローワークを利用してもらいたいという思いから実現しました。

これは、匿名性を保ったまま気軽に参加できるメタバースの強みを活かした事例であり、就職活動の新しい形を提案しています。

三越伊勢丹:仮想都市「REV WORLDS(レヴ ワールズ)」

出典:https://www.rev-worlds.com/

三越伊勢丹は、スマートフォンアプリ「REV WORLDS」を通じて、仮想都市「レヴ ワールズ」を展開しました。

このアプリでは、新宿東口と伊勢丹新宿本店がデジタル化され、ユーザーは自宅から仮想新宿をアバターで散策しながら、仮想伊勢丹では選りすぐりの商品を直接購入できます。

このプロジェクトは、メタバースのインタラクティブな体験価値を利用し、新たなオンラインショッピングの形を提案するものです。

ユーザーは、電車や店内の人混みのストレスを軽減でき、物理的な距離の問題もなく、気軽にショッピングを楽しめます。

販売店にとっても広く集客でき、土地などの不動産を取得することなく、販路拡大を実現できます、

顧客にとっても、販売店にとっても、社会にとっても、三方よしを実現する取り組みと言えるでしょう。

サンリオ:SANRIO Virtual Festival

出典:https://v-fes.sanrio.co.jp/

サンリオは、2024年2月19日から3月17日まで「SANRIO Virtual Festival 2024 in Sanrio Puroland」をVRChat上で開催しています。

このイベントは、2021年12月に初めて開催され、今回で3回目となるバーチャル音楽フェスです。

サンリオの人気キャラクターをはじめ、有名アーティストを集めたフェスで、前回の来場者は230万人を記録、一気に世界最大級のメタバースイベントとなりました。

これほど多くの人を集められたのは、仮想イベントならではの強みを活かし、世界中からファンを集められた事が大きく影響しています。

今回はバーチャルテーマパークへと進化し、バーチャルアーティストやサンリオキャラクターが出演する音楽パフォーマンスをはじめ、様々なコンテンツがボリュームアップ。

音楽フェスを超えたVRテーマパークとして、サンリオファンからバーチャル上級者まで幅広く楽しめる内容になっています。

スタンフォード大学:教育カリキュラム「Virtual People」

スタンフォード大学では、VR技術を駆使したカリキュラム「Virtual People」を導入しています。

これはMeta社のVRヘッドセット「Meta Quest 2」を使用し、授業のほぼ全てをメタバース内で行うというものです。

生徒たちは宇宙空間を漂ったり、真っ青な海の中でサンゴ礁を観察したりと、教科書やディスプレイでは得られない非現実感のある授業を受講することができます。

2021年からスタートしたカリキュラムには数百人の生徒が参加し、年間で150日程度の時間をメタバース空間内で過ごしているそうです。

教育分野でのメタバースの活用は、学習者に現実世界では体験できない貴重な視点と相互のコミュニケーションを提供し、教育の可能性を大きく広げています。

教育分野でのメタバース活用については、以下の記事で詳しく解説しています。

教育分野×メタバースの活用事例12選!活用におけるメリットや課題も解説
教育分野×メタバースの活用事例12選!活用におけるメリットや課題も解説

メタバース大型商業施設:そらのうえショッピングモール

出典:https://soranoue.com/

「そらのうえショッピングモール」は、ベネリックデジタルエンターテインメントと当社monoAI technologyが共同で開発したメタバース内の大型商業施設です。

ジブリやエヴァンゲリオン、サンリオなど人気キャラクターショップが集結した「キャラクター館」をはじめ、「サブカル館」、「ご当地館」、2024年2月には「ゲーム館」がオープンし、200店舗以上が集まったバーチャルショッピングモールです。

スマートフォンやPCからアクセス可能で、ユーザーはアバターを通じて自由に施設内を探索し、ウィンドウショッピングやイベントを楽しめます。

このプロジェクトは、メタバースが提供する新しいコミュニケーションの場とショッピング体験の可能性を示しています。

入場方法などの詳しい情報は以下をご覧ください。

メタバース上の大型商業施設『そらのうえショッピングモール』とは?特徴と入場方法、FORTNITEとの連携について解説!
メタバース上の大型商業施設『そらのうえショッピングモール』とは?特徴と入場方法、FORTNITEとの連携について解説!

|メタバース活用を成功に導くための注意点

メタバースは大きな可能性を秘めていますが、安易に導入するだけでは成果につながりません。

成功に導くためには、リスクや課題を正しく理解し、戦略的に活用することが重要です。

ここでは、特に注意すべき2つのポイントを紹介します。

過度な期待によるROIの乖離

メタバースへの投資に対して過剰な期待を抱くことは、期待値と実際の成果(ROI)とのギャップを生む原因になります。

多くの企業が「話題性」や「最先端技術の導入」という観点からメタバースを活用しようとしますが、明確な目的やKPIがないまま導入すると、運用コストだけが膨らみ、結果が見えづらくなる傾向があります。

たとえば、初期費用に数百万円を投じたにもかかわらず、来場者が想定の1/3程度にとどまり、撤退に追い込まれるケースも報告されています。

こうした事態を防ぐためには、「何のためにメタバースを活用するのか」「どのような効果を期待するのか」といった目的を事前に明確化し、段階的に成果を検証する体制が不可欠です。

ユーザー体験の設計と継続運用

メタバースは、一度構築して終わりではなく、継続的な運用とユーザー体験(UX)の改善が成果に直結します。

特にUXにおいては、「操作が複雑」「通信が不安定」「アバターに感情移入できない」といった要素が、利用離脱の要因となります。

初期導入時に十分なユーザーテストを行い、改善を繰り返すことで、使いやすく魅力的な空間を構築できます。

また、イベントの定期開催やコンテンツの更新など、ユーザーを継続的に引き付ける運営体制も重要です。

つまり、UXの最適化と運営の継続性が、メタバース活用の成功を左右する大きな鍵となります。

|まとめ

メタバースは、顧客体験の向上や業務の効率化、グローバルな展開など、ビジネスに多くのメリットをもたらします。

一方で、過度な期待や運用体制の不備によって、ROIが見合わない結果になるケースも存在しますので、ユーザー体験の設計や継続的な運営体制の整備などに注意をし、目的を明確にして導入しましょう。

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