「SDGs」と「メタバース」。
どちらも最近よく耳にする機会が増えました。
一見、関連性がないように思える二つの言葉ですが、実はSDGsの取り組みにメタバースはとても相性が良いのです。
メタバースを活用して「持続可能な社会」を実現するには、一体どのような方法があるのでしょうか?
本記事では、SDGsとメタバースについてそれぞれの基礎知識と、その活用における事例をご紹介します。
「最先端テクノロジーになかなかついていけない」「SDGsは気になっているけれど、具体的な取り組み方が分からない」という方も、この記事を読めばメタバースがもたらすバリアフリー社会の前進を感じられるようになるでしょう。
目次
- 1 |そもそもメタバース・SDGsとは?
- 2 |SDGsとは?
- 3 |メタバースがSDGsにどう関係するか?
- 3.1 SDGs17の目標に応じたメタバースの活用方法
- 3.1.1 貧困をなくそう
- 3.1.2 飢餓をゼロ
- 3.1.3 すべての人に健康と福祉を
- 3.1.4 質の高い教育をみんなに
- 3.1.5 ジェンダー平等を実現しよう
- 3.1.6 安全な水とトイレを世界中に
- 3.1.7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 3.1.8 働きがいも経済成長も
- 3.1.9 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 3.1.10 人や国の不平等をなくそう
- 3.1.11 住み続けられるまちづくりを
- 3.1.12 つくる責任 つかう責任
- 3.1.13 気候変動に具体的な対策を
- 3.1.14 海の豊かさを守ろう
- 3.1.15 陸の豊かさも守ろう
- 3.1.16 平和と公正をすべての人に
- 3.1.17 パートナーシップで目標を達成しよう
- 3.1 SDGs17の目標に応じたメタバースの活用方法
- 4 |メタバースを活用したSDGsへの取り組み事例
- 5 |メタバースの今後の展望・課題は?
- 6 |メタバースがSDGs達成の鍵となる
|そもそもメタバース・SDGsとは?
まずはメタバースとは何か?について、基礎的な知識をご説明します。
メタバースという言葉は、超越を意味する「メタ」と宇宙を意味する「ユニバース」を組み合わせた造語であり、一番最初に使われたのは、SF小説『スノウ・クラッシュ』(1992年)だと言われています。
メタバースではユーザーが専用のゴーグルを被り、3Dで構築されたバーチャル空間に自分の分身であるアバターで社会生活を送ることができます。
かつてはSFの世界での話でしたが、2003年に「Second Life(セカンドライフ)」がリリースされると、バーチャル空間でアバターを使ってコミュニケーションすることが現実化します。
2021年10月にはFacebookが社名をMetaに変更したことで、メタバースは一躍バズワードになりました。
メタバースとは?
MetaのザッカーバーグCEO発言以降、新しいマーケットの形として様々な企業が参入を目指しており、ニュースでも取り上げられることが多くなりました。
ここではメタバースへの理解をより深めるために、3つの特徴について説明します。
- 場所にとらわれずグローバルな活動が可能
- 性別や年齢、ハンディキャップに左右されない
- 仮想空間上で非日常を体験できる
それぞれについて詳しく説明していきます。
場所にとらわれずグローバルな活動が可能
メタバースでは、現実世界での国や居住地、コミュニティなどの属性にこだわる必要はありません。
オンラインで繋がっているメタバース上では、国境に制限されないグローバルな活動が可能なのです。
全世界のユーザーが同時接続しているため、自宅にいながら国際交流が楽しめます。
現実に旅行へ行こうとしても旅費や治安などを気にして準備するだけでも手間がかかりますが、メタバース空間では一瞬にして世界へ飛び込めます。
現実世界で窮屈な思いをしていても、世界に目を広げたら同じ価値観を持った人たちを見つけ出せるかもしれません。
そこには自分にとって不都合なものは排除してしまっても構わないのです。
自分の思い通りのコミュニティを選び、居心地のいい時間を過ごすことができます。
性別や年齢、ハンディキャップに左右されない
私たち人間は、現実世界ではどうしても外見を軸として性格を定義づけられています。
性別や年齢、ハンディキャップなどが必ず先行してキャラクターを決めつけてしまう部分があります。
しかしメタバース空間では現実世界の自分の属性にとらわれず、「見た目によって人生が左右されない」ことが可能になるのです。
アバターは人間である必要はなく、人工的に声を加工することもできるので、現実とは正反対の声や外見のキャラクターになれます。
身体的または精神的に障がいを持った方でもメタバース空間であれば社会活動への参加のハードルが下げられる可能性があるのです。
物質的なバリアフリーだけではなく、本質的に不平等な世界をなくすことができるかもしれません。
仮想空間上で非日常を体験できる
メタバースはもう一人の自分を構築できる場所ですが、「現実世界のコピー」では面白くありません。
リアルを超えた、非日常を体験できることにメタバースの醍醐味が感じられるのです。
たとえば、アニメのキャラクターのように空を飛んだり、スーパーマンのように重いものを持ち上げたり、浮世離れした能力を持つことができます。
物理の法則を無視した空間で海中に住んでみたり、行きたいところへワープして一瞬で移動することも可能です。
その行き先が海外でも、戦国時代でも、恐竜時代でもです。いきなり目の前で戦が始まるかもしれませんし、恐竜に踏まれそうになるかもしれません。
「今日はどこへ行こうかな」と毎日考えるだけで楽しみになるはずです。
|SDGsとは?
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。
私たち人類は、貧困、紛争、気候変動、感染症など、今現在数多くの課題に直面しています。
このまま何もせずに放置していたら、この地球で安心して暮らし続けることができなくなる恐れがあります。
そんな危機感から脱するために、持続可能=人類が地球で暮らし続けていくために、達成するべき目標が具体的に掲げられました。
17の大きな目標と、具体的な169のターゲットで構成されています。
|メタバースがSDGsにどう関係するか?
SDGsが掲げている目標の一つには、人々が皆平等で平和な生活が送れることが挙げられています。
メタバースには「現実世界で生きづらくてもメタバース空間では社会参加のハードルが下げられる」という特徴があるため、障がい者や高齢者、病人でも、社会活動への参加や活躍が期待されるのです。
経済活動が可能になることによって、自身や家族の生活の質の改善が期待できるほか、社会的にも消費人口や労働人口を得ることにも繋がります。
また企業活動の選択肢が増えるため、イベントやセミナーでの収益化で経済を活発にさせたり、メタバース空間内で案内係などのアルバイトを募集すると雇用形態の拡大にも繋がります。
SDGs17の目標に応じたメタバースの活用方法
メタバースは平等かつクリーン(地球環境に優しいオンライン)で、多様化した活動が可能な世界です。
よって地球を守り、私たち人間が地球で安心して暮らし続けることを目標としているSDGsと非常に相性が良いのです。
SDGsでは目標を達成するために17のゴールを大きな目標として掲げていますが、全ての項目においてメタバースの活用が期待できるのです。
では、具体的にどのような活用方法があるのでしょうか。一つ一つの目標別にみていきましょう。
貧困をなくそう
貧しい地域や家庭に生まれると、その子どもも貧困に苦しむことになります。
十分な学習が受けられず、就職できる仕事も限定されてしまいます。
しかしメタバースでは経済活動の普及から、NFTゲームなどで稼げるようになりました。
ベトナム発祥の「アクシー・インフィニティ」では、ミッションをこなしたりバトルの成果で得られるポイントが仮想通貨になっており、取引所で売買や現金に変えることができるのです。
誰でもオンライン環境下でゲームができる環境整備が望まれます。
飢餓をゼロ
飢餓をゼロにするには、貧しい地域にも食料が行き渡るような流通技術の発達が必要です。
近年でもドローンやデリバリーロボットが普及するようになってきました。
実際にピザチェーン店ではメタバース空間内に店舗を設け、実際に注文ができるようになっています。
配達の範囲外の場所でもどこでもスムーズに配達できるようなデジタル技術の発達とともに進化することが期待されています。
すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進することが目標として設定されています。
ある企業ではアバターを使ったヘルスケアアプリを取り入れています。アバター生成器に自分の3D身体測定を提供してアバターを作成。
従業員の睡眠や食事、運動などのライフスタイルをアバターに記録させることによって可視化することが可能です。
健康であれば明るい表情をし、不健康であればそのような表情に変化します。
健康意識をゲーム感覚で養うことが可能です。
質の高い教育をみんなに
すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進することが目標です。
さまざまな理由で学校に通えない子どもたちでも、仮想空間で十分な教育が受けられます。
アバターを通すことで社会参加が可能になったり、VR技術で現在よりも高度な授業を受けられることに期待が高まります。
平面学習が立体的になることで知識が得られやすくなり、学力向上にも繋がるでしょう。
米国スタンフォード大学ではほぼすべての授業でVRを活用しており、バーチャル空間内で体感的な実習を行っているのです。
ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行うことを目標としています。
ジェンダー平等の価値観は世界的にも浸透しつつありますが、まだまだ課題を感じる人は少なくないでしょう。
メタバース空間では自由に性別を選べて、見た目も音声も全て思いのままに変えることが可能です。
アバターのおよそ8割は女性アバターを選ぶ傾向にあるそうですが、本来の姿かたちが見えないからこそ、誰にでも成功のチャンスを掴みやすいのです。
安全な水とトイレを世界中に
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保することを目標としています。
メタバース空間内ではきれいな水を保ちたい同志がコミュニティをつくり、地球上の水の位置、流れ、質などをリアルタイムで管理するネットワークを構築することができます。
水の質や流れに関する情報を収集し、分析することで、地球上のどこにいても安全な水を探すことができるようになるでしょう。
エネルギーをみんなに そしてクリーンに
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保することを目標としています。
メタバースでは時間や場所にとらわれることなく、効率的なイベント開催が可能です。
通信の発達により、膨大な電力が使用されていると思われがちですが、実際には情報の処理能力が向上していたり、省電力に優れた機器の開発により、よりクリーンなエネルギーへの転換のために産業メタバースに取り組んでいるのです。
働きがいも経済成長も
包摂的かつ持続可能な経済成長及び、すべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進するとしています。
メタバースの普及により、働き方や働くことが可能な場所の選択肢が増えました。
在宅に居ながらさまざまな場所へ働きに行けたり、バーチャルオフィスを使用することで無駄な通勤時間が省けます。
それにより生産性が上がって経済成長も期待できるのです。
産業と技術革新の基盤をつくろう
強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図ることを目標としています。
強靭なインフラとは自然災害や感染症、事故が起こったときに、できるだけ早く復旧できる生活基盤(水道、ガス、電気、インターネット、公共施設など)を指します。
KDDIでは都市連動型メタバースによる地域活性化をめざしてイノベーションしています。
山岳部や離島に人々の連絡や情報収集に欠かせない安定した電波を届けるとともに、地域を盛り上げる効果もあります。
人や国の不平等をなくそう
各国内及び各国間の不平等を是正することを目標としています。
メタバース空間ではアバターの姿で活動できるため、身体的特徴による不平等の解消に繋がると期待されています。
身体的なハンディキャップを抱えることにより仕事やプライベートでの活動が制限されている方が、メタバース上では他の人と同様に活動できます。
また、人種や見た目の特徴により差別を受けている人も、メタバース上では見た目を気にすることなく活動できるなどの活用が挙げられます。
住み続けられるまちづくりを
包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現することを目標としています。
メタバースでは様々な条件の建造環境(人口密度が高いor低い街や都市環境など)を設計し、異なる建造環境が人々の健康に与える影響を容易に検証することができます。
また、現実社会で自然に触れ合う機会が少ない人でもメタバースで体験することにより、メンタルヘルスの改善にもつながるでしょう。
つくる責任 つかう責任
持続可能な生産消費形態を確保することを目標としています。
近年、メタバース活用のSDGsに参入するアパレルブランドは増加傾向にあります。
デジタル上ですべてが完結するメタバースには、売れ残りや廃棄が存在しません。
また空間内での利用者同士のコミュニケーションや情報発信のしやすさから、多くの人の目に留まる可能性を秘めているため、アパレルブランドとしても絶好の場であるのです。
気候変動に具体的な対策を
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策をとることとしています。
将来起こりうる環境問題に対する警鐘を鳴らすために、オーストラリア出身の映画監督で建築家のリアム・ヤング氏によって開発された仮想都市「プラネットシティVR」では、参加者は建物の窓から中を覗いたり、建物の間を歩くことが可能です。
荒廃が進行する都市を眺めながら、気候変動などの環境問題にどのように向き合えばよいのか考える体験ができるようになっています。
海の豊かさを守ろう
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用することを目標としています。
メタバース内で海洋保護区やカーボンオフセット、海洋ごみ問題に関する情報を提供し、それに賛同した仲間とコミュニティをつくるなどして意識を高め、海洋環境保護に対する取り組みが進むことが期待されます。
また、そのような取り組みに力を入れている企業や団体の情報を紹介することで、彼らの活動を支援することもできます。
陸の豊かさも守ろう
陸上生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止することを目標としています。
脱炭素社会への取り組みから、ビジネスやレジャーにおいてメタバースによる会議やイベントに移行することで、二酸化炭素排出量を94%、エネルギー使用量を90%削減することができる可能性があることが分かっています。
平和と公正をすべての人に
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築することを目標としています。
メタバース内ではすべての人に平等に情報やサービスが提供され、世界中の人々がつながるグローバルなコミュニティを形成することができます。
ユーザー同士でその世界のルールを決めることができるため、特定の人種や、お金のある人などが決めることのない民主主義を実現することも可能です。
パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化することを目標としています。
メタバース内では異なる分野の専門家や企業が集まり、新たなアイデアやイノベーションを生み出すことができます。
SDGsの進捗状況やデータの分析・可視化を行い、新たなプラットフォームをつくることによって、より多くの人がSDGsに関心を持ち、参加することができるでしょう。
|メタバースを活用したSDGsへの取り組み事例
SDGsの目標を達成するためには、メタバースとの相性がとても良いことが分かりました。
では、具体的なSDGsへの取り組み事例として、どのようなものが挙げられるでしょうか。
こちらでは以下3つの取り組みについてご紹介します。
- 内閣府が発足させた「メタバース分科会」
- 国連総会で開催された「METAVERSE SDGs WEEK」
- SDGsが達成された地球をメタバースで表現した「Meta EARTH」
内閣府が発足させた「メタバース分科会」
内閣府は2022年8月16日、「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」に「メタバース分科会」を新設しました。
地方創生やSDGsに関連する課題に対して、メタバースを活用した新しいサービスやビジネスモデルの提案を行い、地方自治体や地域産業の活性化を図ること、SDGs課題解決のベストプラクティス創出を行うことを目的としています。
SDGs課題の解決に向けた先端分野の人材交流を行い、Z世代のさらに次の世代を指すメタバースネイティブによる事例勉強会、メタバースX地方創生・SDGsセミナー、マッチングイベントなどを年度内に4回開催するなどによって、地に足のついた議論を促進しています。
国連総会で開催された「METAVERSE SDGs WEEK」
国連総会が開催される9月16日から25日にかけて「METAVERSE SDGs WEEK」が開催されました。
メタバース分科会の会長を務めるNPO法人バーチャルライツ(代表:國武悠人、事務所:千葉県印西市)が独自に取り組んだイベントで、メタバースで活動する団体がSDGsを身近に感じる事例を紹介し、SDGsの身近さを体感してもらえるような啓発をTwitterやホームページを通じて行いました。
毎年、9月末の国連総会の会期と合わせた1週間は、SDGs推進と達成に向けて意識を高め、行動を喚起する「SDGs週間(グローバル・ゴールズ・ウィーク)」となっており、各国でさまざまなイベントが開催されています。
SDGsが達成された地球をメタバースで表現した「Meta EARTH」
Metafrontier株式会社は、SDGsに掲げられた世界共通の17のゴール、169のターゲットをすべて達成した2030年の地球をパラレルワールドとしてメタバースで表現する「Meta EARTH(メタアース)」を公開しました。
持続可能な社会や自然環境が実現された未来の地球を体感することによって、人々はSDGs達成に向けた行動を起こすことができ、未来社会を共有することできます。
ここでは分散型IDのDID(Decentralized Identifier)の考えに基づき「Meta ID」を使ってユーザーを識別します。
Meta EARTHで行った地球貢献活動や慈善運動の履歴が全てMeta IDに記録され、個人の信用スコアが可視化されるようになっています。
|メタバースの今後の展望・課題は?
バーチャル空間でアバターをまとって生きるというと、ほとんどの人にとっては遊びやゲームの延長のように思うかもしれません。
しかし、一部の人にとっては生活や仕事をバーチャル空間で完結するメタバースの時代がもう始まっています。
映画やアニメの世界で夢見ていた世界は、現実のものになりつつあるのです。
そんな次世代のインターネットと言われるメタバースですが、まだまだ個人や企業にとって参入する障壁が高いのが現状です。
メタバースの今後について、展望や課題も理解しておきましょう。
社会問題
メタバース内では現実世界の性別や外見に囚われず、グローバルに自分らしく交流できる一方で、法整備や規制が整っていないことが今後の課題として挙げられます。
Metaの「Horizon Worlds」内ではある女性がアバターによるセクハラ行為を受けたと訴え話題になりました。
SNS内でよく起こる誹謗中傷もメタバース内で起こりうる被害の一つです。
現実の姿が見えないからこそ、「何をやってもいい」という考えに至る人が一定数存在するものです。
その際に現実世界の法律が適用されるのか、といった問題は事前に解決しておかねばなりません。
他にも、サイバー攻撃や詐欺、ハッキング被害を受ける可能性があることにも留意しておく必要があります。
標準化
メタバースにおける標準化とは、異なるプラットフォームやシステムで同じ形式や規格を共有することを指します。
オープンなメタバースの構築に必要となる相互運用の標準化を目的に「Metaverse Standards Forum」が創設されました。
メタバースに巨額な資金を投じているMetaやNVIDIA、Alibaba、Epic Gamesなどの大企業が創設メンバーとして参加しています。
標準化は、メタバース上のコンテンツやアプリケーションの開発を効率化し、開発者の負担を軽減することができます。
ユーザーにとっても、異なるプラットフォーム間での仕様やコンテンツの共有が容易になるというメリットがあるのです。
メタバースは多様化しながらさらなる発展が期待される
メタバースは多様なユーザーが利用することを前提にしています。
ユーザーの多様性が高まることでニーズや要求も多様化し、それに応じたメタバースが開発され発展することが期待されます。
例えば教育や医療、エンターテインメントなど多岐に渡る分野での利用や、ユーザーがコンテンツを自由に作成してメタバースを発展させることも期待されます。
今後メタバースは、少数のメガプラットフォーマーが寡占する時代から、さまざまな企業が多様な活動を行い、多様なサービスが提供される時代となることが予想されるでしょう。
メタバースは技術的にもまだまだ黎明期にあり、さまざまな障害を解消しながら発展していくことが期待されます。
|メタバースがSDGs達成の鍵となる
今記事では、メタバースを活用することがSDGs達成においてどのような影響を与えるかについてご説明しました。
メタバースはさまざま人々とグローバルな共同体を形成し、あらゆる問題を可視化できるメリットがあります。
現実世界とは異なる環境の中で新しいアイデアやコンテンツを生成し、交通費などの無駄なものは発生しない効率的な空間です。
これらをうまく活用することでSDGs達成の鍵となると言えるでしょう。