メタバースが最近注目されていますが、世の中を大きく変えるような可能性や将来性はあるのでしょうか。

メタバースは、ゲームが好きな人たちだけではなく、幅広い分野で企業のビジネスや個人の生活を大きく変えるものです。

ただ、メタバースの発展には課題も多くあり、一般の方に普及するためには課題を一つひとつ解決していく必要があります。

本記事では、メタバースの現状による可能性・将来性の分析や、

現状のビジネスモデルの把握、メタバースが発展するための課題について解説しています。

ぜひ最後までお読みいただき、メタバースの可能性や将来性を知る手掛かりとしてください。

 

|メタバースとは?

メタバースとは、インターネット上の仮想空間内でアバターを通して仕事や遊びなどをすることと一般的に思われていますが、実際の定義はまだはっきりしていません。

メタバースの概念は幅広く、メタバースがどこを目指すかによって定義が変わってくるのです。

例えば、多くのプレイヤーが参加できる2Dゲームの世界をメタバースと定義する人がいます。

また、VRデバイスを使用した没入感のある仮想空間内で、自分の分身であるアバターが活動する世界をメタバースであると思っている人もいます。

それに、金額が高く重量感もあるVRデバイスの装着を非難し、メタバースを否定的に見る人もいます。

このように定義が曖昧なだけではなく、否定的な見方の人もいるのがメタバースの現状なのです。

 

 

|メタバースにはどんな可能性がある?

メタバースの可能性を理解するためにも、以下のように現段階の状況やメタバースの発展によるチャンスを把握する必要があります。

  • 市場規模の拡大
  • 世界中の人々の交流の場となる
  • 医療など幅広い分野での活用
  • 個人のビジネスチャンスが広がる

それでは、一つひとつ見ていきましょう。

 

・市場規模の拡大

メタバースの可能性が期待され市場規模が年々拡大しています。

実際にメタバース事業へ出資する大手企業が続々と現れています。

2021年に会社名を「Meta」に変更した旧フェイスブックは、VR・AR分野に約1兆円を投資すると宣言しました。

メタバースへの取り組みは日本でもあり、メタバースの可能性を期待して以下のような企業の取り組みがあります。

  • パソナグループ:2022年1月、人材サービスにおけるメタバース事業への本格参入を明らかにした
  • サンリオ:2021年12月、バーチャル音楽フェスを開催
  • 日産自動車:2022年4月、「日産アリアとめぐる環境ツアー」をVRChat上で一般公開

このように、メタバースの市場規模の拡大は今後も続くと期待されています。

 

・世界中の人々の交流の場となる

世界のあらゆる場所に住む人々がメタバースに参加でき、リアルな仮想世界でともに過ごし交流を深められます。

メタバースは現時点でゲームへの活用が多いため、ゲームが好きな人たちの交流の場と思われているかもしれません。

しかし、メタバースはライブやイベントなどの他に、研修会や会議などのビジネスシーンでの活用が期待されています。

さらに、現実世界にある公園や道路などの街並みも、メタバース内で再現されています。

つまり、現実世界と同じような交流ができるのです。

また、VR技術の進展により没入感のある仮想空間での活動や、身振り手振りをまじえたコミュニケーションができるようになりました。

このVR技術の進展によって、現実に近い活動ができ人々の交流がしやすくなったといえます。

 

・医療など幅広い分野での活用

メタバースはビジネスや人々の交流だけではなく、幅広い分野での活用が期待されています。

その一つが医療分野です。

日本IBMと順天堂大学は、2022年4月からメタバース技術を活用した医療サービスの共同研究・開発を実施しています。

研究・開発の内容は以下の通りです。

中長期テーマ

  • メンタルヘルス関連疾患の検証:メタバース内での活動によって改善するかを学術的に検証

短期実施テーマ

  • 順天堂バーチャルホスピタルの構築:来院前にメタバース内で病院を仮想体験
  • コミュニティ広場の構築:外出が難しい入院患者がメタバース内の病院外で家族と交流

 

このように学術的分野での活用にメタバースの可能性を感じます。

 

・個人のビジネスチャンスが広がる

メタバースは大企業や大規模組織に限った技術だけではなく、地方に住んで働きたい人やアーティストなどの個人にとってもビジネスチャンスといえます。

メタバースは時間や場所の制約を気にせずに、仮想空間の中で活動できる特徴があります。

メタバースオフィスは実際のオフィスと同じように、上司や同僚と会ってコミュニケーションができます。

また、アーティストにとってはメタバース内での接客や作品の販売のように、販売方法そのものが変わるのです。

さらに、VRデバイスを利用すれば作品を実際に手に取ってみたり試着したりする体験もできるのです。

 

 

|メタバースのビジネスモデル3選

メタバースを活用したビジネスモデルが、以下のように現在でも多数存在します。

  • TOKYO GAME SHOW VR 2021
  • Virtual AKIBA World
  • cluster

メタバースの可能性を理解するためにも、一つひとつ見ていきましょう。

・TOKYO GAME SHOW VR 2021

出典:https://tgsvr.com/

「TOKYO GAME SHOW VR 2021」は、2021年9月30日から2021年10年3日の日程でWebVR会場の「DOOR」で開催されました。

東京ゲームショウでは初めてのVRイベントで、海に浮かぶメイン会場のGAME FLOATと、空に浮かぶGAME FLOAT SKの2会場で以下のイベントが行われました。

  • GAME FLOAT:企業スペースやスペシャルルーム、公式放送を見るシアターを設置。また、公式ショップを運営
  • GAME FLOAT SKY:アバターコスチュームの販売が行われ、Vtuberによる接客も実施

「東京ゲームショウ2021」は、コロナ禍のため2年連続でオンライン開催となりました。

 

・Virtual AKIBA World

出典:https://jrakiba.vketcloud.com/VAW/

「Virtual AKIBA World」は、2022年3 月にメタバース内にオープンした世界初のメタバース・ステーションです。

秋葉原駅や駅周辺が、メタバース内ではシン・秋葉原駅やシン・秋葉原駅前広場などとして再現されています。

現実世界と同じように駅の改札から駅に入って電車に乗ったり、シン・秋葉原駅周辺の街を歩いたりなどを体験できます。

また、来訪者同士のコミュニケーションも可能です。

なお、JR東日本の駅にもあるテナントビルブランド・アトレも近日オープン予定で、現実世界と同じようなことがメタバース内で行われています。

今後はビジネスでの展開も予定されており、現段階ではNTTドコモとの連携に合意しています。

 

・cluster

出典:https://cluster.mu/

「cluster」は、「イベント」と「ワールド」の二つの楽しみ方があるメタバースプラットフォームです。

イベントでは音楽ライブやカンファレンスなどを楽しめて、数万人の同時接続ができるため、大規模なイベントの開催も可能です。

ワールドは参加者が作った仮想空間で遊べるため、参加者数に比例してワールドの多様性が広がります。

また、clusterではVRデバイスだけではなくスマートフォンやパソコンからでも利用できるため、他のメタバースやVRイベントよりもハードルが低いことが特徴です。

ちなみに、clusterを運営しているクラスター株式会社は2015年に設立されたばかりの新しい会社です。

 

|メタバースの課題とは?

メタバースをより将来性あるものにするためには、様々な課題を解決していかなければなりません。

現段階で考えられるメタバースの課題に以下のようなものがあります。

  • メタバース内での法律やルールの整備
  • VR機器の普及
  • メタバース依存や現実世界のコミュニケーション不足

メタバースの将来性を判断するためにも確認していきましょう。

 

 

・メタバース内での法律やルールの整備

メタバースの課題に法律やルールの整備が追いついていない点があります。

現在の法令では物理的に存在するものに所有権があり、メタバース内のような仮想空間での商取引を想定していません。

そのため、メタバース内で支払済みの商品が受け渡されないような場合に、法的に対応することが難しい状況です。

ただ、このようなメタバースの法律やルールの整備への動きもあります。

2021年11月に「バーチャル渋谷」の運営経験を活かし、課題解決や情報発信のために「バーチャルコンソーシアム」が設立されました。

バーチャルコンソーシアムはメタバースの発展のために、商取引のルール作りやコンプライアンスなどのガイドライン策定を進めています。

 

 

・VR機器の普及

多くの方が満足するレベルまでメタバースが発展するためには、没入感が得られるVRデバイスが必要ですが、現状はあまり普及していません。

現状のVRデバイスは一般の方にとって購入しにくい価格です。

Metaが販売している2022年5月時点の最新モデル「Meta Quest 2」の定価(税込み)は128GBで37,180円、256GBで49,280円です。

VRデバイスはスマートフォンやパソコンのように生活に必要なものではなく、一部のコアな層が持っている状況です。

一般的なユーザーが利用するためにも、手頃な価格や便利なアプリの開発などの利用しやすさが求められます。

 

・メタバース依存や現実世界のコミュニケーション不足

メタバースの発展によって考えられる問題として、メタバース依存や現実世界でのコミュニケーション不足が考えられます。

メタバースが発展すれば現実世界よりも楽しく有意義に感じる人が増加します。

ゲームやインターネット、SNSなどが楽しく感じて依存するのと同じようにメタバースに依存し、現実世界よりもメタバース内の自分が気になってしまうのです。

特にメタバースはゲームとの親和性が高いため、メタバース内でのゲームにはまってしまう方が増えるかもしれません。

また、メタバースへ依存することで現実世界での交流が減ります。メタバース内では多くの方と会話するが、現実世界では誰とも話さない人が多くあらわれるかもしれません。

 

 

|メタバースが秘める可能性は無限

メタバースは世の中を大きく変えるような可能性にあふれています。

メタバースの将来性をいち早く察知して企業が投資を行い、医療機関もメタバースを活用しようとする動きがある状況です。

また、現時点でもメタバースを活用した多数のビジネスモデルが存在していて、今後も増えることが予想されます。

順調に見えるメタバースの活用ですが課題も多数存在しています。

ただ、それらの課題を解決するための動きもあり、メタバースから目をそらせない状況がこれからも続いていきそうです。