今、世界中から注目を浴びているジェネレーティブAI。

この画期的な技術をものにしようとIT大手が日々開発にしのぎを削っています。

そんな、ジェネレーティブAIについて詳しく知りたいという方のために、

  • ジェネレーティブAIとは何か
  • 代表的なAIサービス
  • サービスの活用方法
  • 取り扱う際の注意点

などについて詳しく解説していきます。

ジェネレーティブAIを使いはじめるうえで知っておきたい情報を得ることができます。

ぜひご覧下さい。

|ジェネレーティブAIとは

ジェネレーティブAIは生成AIとも呼ばれます。

学習した情報をもとに、ユーザーの質問に答えたり、新しいコンテンツを生み出したりできるAIのことで、文章はもちろん、イラストや音楽、動画も作ることができます。

ジェネレーティブAIを使う際、ユーザーは自然言語でAIに指示を出すことができます。

つまり、日常的に使う言葉でAIを動かせるということです。

そのため、誰でも簡単に使用できます。

だいたいの場合、指示をしてからほんの数秒で反応を返してくれるので、ジェネレーティブAIの力を借りれば、これまで難しかった作業を短時間で終わらせることができます。

|ジェネレーティブAIの種類

ジェネレーティブAIには以下の種類があります。

  • 文章生成AI
  • 画像生成AI
  • 音楽生成AI
  • 動画生成AI

それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

文章生成AI

文書生成AIは、ユーザーが打ち込んだ質問や要望に文章で答えてくれます。

とても自然な文章を作ることができて、まるで人間が相手をしてくれているような気分になります。

また、自然言語だけでなく、プログラミング言語を使ってプログラムを作成することも可能です。

【2023年最新版】今話題の「文章生成AI」とは?できることやメリット・デメリット、おすすめAIを徹底解説!
【2023年最新版】今話題の「文章生成AI」とは?できることやメリット・デメリット、おすすめAIを徹底解説!

画像生成AI

画像生成AIは、2Dや3Dのイラストを作成してくれます。

「プロンプト」と呼ばれる指示文をチャットウィンドウに打ち込むと、短時間で画像が作られます。

非常にリアルな3Dイラストやアニメ風の2Dイラスト、絵本に出てくるようなかわいくデフォルメされたイラストまで、さまざまな画風のイラストを作ることが可能です。

音楽・音声生成AI

音楽生成AIは、プロンプトを打ち込むだけで、オリジナルの音を作成してくれます。

ピアノやギターなどの楽器を使った音楽を作ってくれる他、人がしゃべっているかのような音声を生成できるものもあります。

AIで作曲できる「音楽生成AI」とは?おすすめAI7選をご紹介!
AIで作曲できる「音楽生成AI」とは?おすすめAI7選をご紹介!

動画生成AI

動画生成AIは、短時間の動画を作成できます。

サービスによっては、動画に加えて、動画に使う音楽の生成やテロップの挿入など、動画作成に必要な行程をワンストップで提供してくれるものもあります。

【2024年4月更新】おすすめの動画生成AIツールをご紹介!
【2024年4月更新】おすすめの動画生成AIツールをご紹介!

|代表的なジェネレーティブAIサービス

ここからは、ジェネレーティブAIについて代表的なサービスを例にあげながら、どのようなことができるのか解説していきます。

ChatGPT

ChatGPTは、OpenAI社が開発した文章生成AIサービスです。

ChatGPTのサイトにあるチャットウィンドウに、会話や質問の文章を打ち込んで送信すると、とても自然な言葉で返事をしてくれます。

また、ChatGPTはマルチモーダルAIです。

マルチモーダルとは、文章や画像、音声など、異なった形式のデータを処理できるという意味です。

つまり、ChatGPTは文章を読み取るだけでなく、音声を聞き取って返答してくれたり、アップロードした動画をカットしてくれたり、csvファイルからグラフを作成して分析してくれたりといったことができます。

ChatGPTは、とても汎用性と柔軟性が高いAIサービスです。

ChatGPTとは?利用方法・特徴・料金・注意点など初心者にもわかりやすく解説
ChatGPTとは?利用方法・特徴・料金・注意点など初心者にもわかりやすく解説

Midjourney

Midjourneyは、文章から画像を作ってくれる画像生成AIサービスです。

非常に品質の高いイラストを作成することが可能で、過去、アメリカで開催されたコンテストでMidjourneyを使った絵画が1位を獲得したこともありました。

Midjourneyは、文章からイラストを作成する以外にも、読み込ませた画像からそれに似たイラストを作成できたり、画像と画像を合成したイラストを作成したりすることもできます。

たとえば、「恐竜の画像」と「街の画像」を合成して、街中で恐竜が暴れている画像を作るといった使い方ができます。

画像生成AI「midjourney」とは?概要や始め方を簡単に解説
画像生成AI「midjourney」とは?概要や始め方を簡単に解説

StableAudio

StableAudioは、文章を入力するだけで、オリジナルの音楽を作成してくれるAIサービスです。

たとえば、「ピアノ・リラックス・平和」といった言葉を入力すると、入力した言葉のイメージに合った音楽を自動で制作してくれます。

さまざまな調整が可能で、作りたい音楽の品質を指定したり、音楽の長さを指定することも可能です。

CoeFont

CoeFontは、打ち込んだ文章をAIが読み上げてくれるサービスです。

チャットウィンドウに文字を打ち込むと、人が話しているかのような自然な発音の音声に変換してくれます。

読み上げに使える音声にはさまざまなものがあります。

収録されている有名人の声を使うことができたり、自分の声を登録して使えたりもします。

動画で使うナレーションなどを作る際にとても便利なサービスです。

Sora

Soraは、ChatGPTと同じくOpenAI社が開発している動画生成AIです。

2024年2月15日に発表され、そのクオリティの高さで注目を集めました。

Soraは、文章を入力するだけで、文章にイメージに沿った動画を作成できます。

アップロードした画像から動画を作ることも可能で、Soraを使って作成したイラストをそのままアニメーション化することができます。

他にも、動画の長さを拡張したり、動画と動画を自然につなげたりといった編集作業も文章で簡単に指示できます。

ただし、2024年5月20日現在ではまだ公開されておらず、使用することができません。

OpenAI社からのリリース発表が待たれている状況です。

OpenAI発!大注目の動画生成AI「Sora」とは?概要やできることについて解説!
OpenAI発!大注目の動画生成AI「Sora」とは?概要やできることについて解説!

|ジェネレーティブAIの活用方法

ジェネレーティブAIは、その汎用性の高さから、さまざまな活用方法で利用されています。

ここからは、「文章・画像・音声・動画を作る」以外の活用方法について一部ご紹介していきます。

文章をまとめる

文章生成AIは、長い文章を要約したり、文章から要素を抜き出して表にしたりといったことができます。

難しい用語が頻出する文章や外国語で書かれた文章、要点がつかみにくい文章などを素早く把握したいときに便利な使い方です。

アイデア出し

自分一人で作業しているときには気付けなかった視点を、AIが提供してくれます。

生成AIは、短時間で、大量のアウトプットが可能です。

そのため、たとえば、ブログ記事のタイトルやデザインのサンプルを大量に作成してもらい、その中から使えそうなアイデアをピックアップするといった使い方ができます。

AIは、人間と違って何度やり直しても嫌な顔一つせず対応してくれるので、満足がいくまでアイデア出しを繰り返せます。

コードの生成と実行

生成AIは、プログラミング言語を使ってコードを作成・実行ができます。

たとえば、ChatGPTは、プログラミング言語であるPythonのコードを作り実行することができます。

そのため、ChatGPTだけで、

  1. Pythonコードの作成
  2. 実行
  3. エラーがあればデバック

という一連の流れを完結できます。

話し言葉で指示できるので、プログラミングが苦手な方でも簡単です。

|ジェネレーティブAIの注意点

ここからはジェネレーティブAIを使用する上で知っておきたい注意点を紹介していきます。

以下に紹介する特徴に気をつけて正しく使用すれば、ジェネレーティブAIの良さを引き出せます。

ハルシネーション

ハルシネーションとは、生成AIが間違った情報を生成してしまうことです。

ハルシネーションは、現在のAIでは珍しくない頻度でおこります。

そのため、AIの回答に付け加えられている参照リンクを確認するなどして、情報が本当に正しいのか見極めることが必要になります。

AIの回答がすべて正しいわけではないことを覚えておきましょう。

権利関係が複雑

ジェネレーティブAIは元のデータから新しい作品を生成します。

そのため元データの著作権問題が生じることがあります。

また、ジェネレーティブAIによって生成された作品に対する著作権や商標権の帰属先も明確ではなく、使用に関して法的な問題が生じる可能性があります。

とくにビジネスでジェネレーティブAIを使用する際は、著作権や商標権に関する法的な問題に十分注意し、必要な場合は法的アドバイスを受けることも検討しましょう。

出力結果が安定しない

ジェネレーティブAIは、素早く大量のコンテンツを生成できますが、品質にばらつきがあります。

生成されたイラストコンテンツでは、ときに不自然な形状や間違った色使いなどの問題が生じることがあります。

また、ジェネレーティブAIの訓練データに偏りがある場合、偏った生成結果を生み出すことがあり、ハルシネーションの原因になったりします。

現在の生成AIはまだまだ不完全で、人の目によるチェックが必要です。

プロンプトを工夫する必要がある

生成AIに思い通りの制作物を作ってもらうには、プロンプトを工夫する必要があります。

プロンプトとは、AIに対して行う質問や指示を書いた文章のことです。

このプロンプトの良し悪しによって、生成AIの出力結果が大きく変わることが多々あります。

もし、うまくプロンプトが作れない時は、生成AIにプロンプトを作ってもらいましょう。

たとえば、Midjourneyは、プロンプトから画像を作るだけでなく、アップロードされた画像からその画像を作成するのに最適なプロンプトを作ることができます。

この作成されたプロンプトを調整して、Midjourneyにイラストを作ってもらえば、思い通りのイラストができやすくなります。

|まとめ

この記事では、ジェネレーティブAIについて詳しく解説してきました。

ジェネレーティブAIは、データを学習することで新たな価値を生み出してくれるAIです。

このジェネレーティブAIの登場によって、これまで人にしかできなかったことをAIに任せられるようになり、企業や個人ができることの幅が大きく広がりつつあります。

今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひ一度ジェネレーティブAIを試してみてください。

ジェネレーティブAIが日々の作業の効率化やクリエイティブな活動を強力に後押ししてくれます。