最近はテレビやYouTubeの広告でも見ることが増えてきたDXという言葉。

「広報活動にはDXは関係ないから。」または、「広報活動もDX化できるの?」と思っている方もいるのではないでしょうか。

答えは、広報活動にこそDX化が必要だと考えます。

そこで今回は、広報のDX化についてやメリット、事例をわかりやすくご紹介します。

本記事を読めば、身近なところにDXが取り入れられていることに驚くと思いますよ。

|DXとは

DXとは、 digital transformation(デジタルトランスフォメーション)の略で、データやデジタル技術を使って、ビジネスやライフスタイルを良い方向に変えていこうという取り組みのことを言います。

経済産業省では、DXを下記の通り定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

デジタルガバナンス・コード2.0

昨今の外部環境は、コロナウイルス(COVID-19)の蔓延やロシアのウクライナへの軍事侵攻の影響で目まぐるしく変わりました。

経済産業省は、そういった外部環境で大きく情勢が変わっても対応できるように、DXを用いてビジネスモデルを構築し、優位性を保とうと推進している背景があります。

|従来の広報活動

従来の広報活動では、テレビや紙媒体を中心に広報活動が行われ、多くの方に目にとめてもらえるように発信することがメインでした。

しかし、インターネットやスマホの普及によりテレビ離れが進み、デジタル化やテレワークが一般的になったことで紙を刷る時代からデジタルデータに移行する企業も増えてきました。

それにともない、当然ながら従来の広報活動ではアプローチできる人の母数が減っているのが現状です。

そうなると、テレビ離れや紙媒体以外の方法での広報活動も視野に入れることが必要になります。

テレビや紙から離れた人は、何を見ているのか、どこに流れてしまったのか、時代に合わせて広報活動を変えていくことが、今の時代を生き抜くためには必要になってくるのです。

|DXを活用した広報活動の背景

ここでは、DXを利用した活動背景を2つご紹介します。

ここを読めばなぜDXを利用した広報活動が必要なのか分かります。背景が分かることで、DX導入の必要性が理解できるようになりますよ。

テレワークによる電話広報の衰退

テレワークが一般的になったことで、新規開拓となる企業へのアポイント取りやプレスリリース掲載後のフォロー業務がスムーズに行えなくなりました。

相手方が個人携帯やチャットツールでの電話番号を付与されていないケースも多く、代表電話に連絡しても、折り返しの連絡がメールであったり、新規開拓となる場合返信が来ないこともあります。

メールでもコミュニケーションは取れますが、ニュアンスが伝わりづらいことや声を聞いて話すことで親近感や仕事の取り組みやすさに繋がることも多いでしょう。

電話のメリットも時代に合わせて変化していくことが、今後の広報活動を行う上で必要な課題といえます。

PR活動方法の変容

テレワーク化が進むことでPR活動も変えていく必要があると、おわかりいただけたのではないでしょうか。

これまでは4大マスメディアであるテレビやラジオ、新聞、雑誌を中心とする広報活動が中心でした。

今後はインターネットを主体とする広報活動に変えていくことが重要になってきます。

もちろん、インターネット主体に変えていくことも大事ですが、4大マスメディアへの広報活動も時代に合わせて続けていくことをおすすめします。

マスメディアを見ない人も増えてきていることは事実ですが、インターネットに抵抗のある方や決まったメディアのファンも一定数おり、そういった方はコアなファンである可能性があります。

ですので、広報活動の仕方次第では利用者に刺さる可能性が大いに考えられるでしょう。

|DX広報活動のメディアアプローチ方法

ここでは、DXを活用した広報活動について2つご紹介します。

DXの必要性は理解したけれど具体的にはどう活用していけばいいか分からない方は、ぜひ読んで理解を深めてください。

デジタルツール活用

プレスリリースの配信では、プレスリリースを取り扱っている配信サービスを活用するのも一つの手です。

サービスを利用しているユーザーにアプローチすることができ、費用も安価に抑えることが可能です。

メールに関しては、顧客管理のCRMやメール配信ツールを活用することで、メールの到達率や開封率、リンクのクリック率など、配信したメールに対して受信者の反応を見ることができます。

もちろん、見るだけではなくその情報を基に分析し、今後の仮説を立てて検証し、よりよい方向にシフトしていく必要があります。

ツールを取り入れる際は、目的にあったツールを選ぶことも重要ですが、不慣れな場合サービスを提供している企業の支援があるかも重要になってくるでしょう。

オンラインコミュニティ活用

テレワーク化が進みオフラインのイベントの開催も少なくなり、人脈作りに苦労されている方も多いのではないでしょうか。

対面型の場を主戦場としていた方からすると、大問題です。しかし、人脈作りも時代の流れとともに主戦場を変える必要がでてきます。

そこで今後は、オンラインでの人脈作りが肝となってくるわけです。

オンラインのコミュニティを活用して、ユーザー同士で交流したり、情報交換をしたりすることで人脈を形成することが可能です。

また、広報担当者のコミュニティもいくつかありますので、企業にあったコミュニティに属することをおすすめします。

時代の変革についていける人材こそ、今後に必要な人材といえるでしょう。

|DX広報のメリット

ここでは、DX広報のメリットを3つご紹介します。

DXのアプローチの仕方は理解したけれど具体的にどういう点がメリットなのか分からない方は、ぜひ読んで理解を深めてください。

コストパフォーマンスが良い

DXを広報活動に取り入れる一つ目のメリットは、従来の広報活動に比べて費用が抑えられる点です。

これまでの広報活動では、テレビや新聞に広告を掲載するためには高額な費用が必要でしたが、DXを活用することで費用を安価に抑えられます。

高額な費用を投じてテレビや新聞に広告を出しても、テレビや紙媒体離れが加速している現代において有効な施策とはいえない場合もあります。

高額な費用が必要だとなかなか手を付けられない企業もあると思います。

しかし、DX導入においては、費用が安価ということで導入する参入障壁が低くなり、予算も組みやすくなります。

費用が気になる方は一度サービスを提供している企業に見積もりを取ることをおすすめします。

二次波及が見込める

DXを広報活動に取り入れる二つ目のメリットは、二次波及が見込める点です。

デジタル技術を取り入れることで、コンテンツを発信し、その後SNSで拡散されやすくなります。

従来の広報活動の場合、二次波及の見込みは身近な人物からの口コミと限られたものでした。

しかし、インターネットの普及により他のユーザーの口コミやSNSユーザーの投稿を目にする機会も増え、企業の宣伝効果の力だけに頼らずとも利用者が拡散してくれることで、たくさんの方に見て知ってもらえます。

話題性が高まると、4大マスメディアにも取り上げられることもあり、SNSの拡散力を侮ってはいけません。

影響力のあるインフルエンサーに取り上げられると瞬く間に拡散される可能性が高いので、インフルエンサーのチェックをしておくことも重要です。

その他の施策との相乗効果を得られる

DXを広報活動に取り入れる三つ目のメリットは、その他の施策との相乗効果を得られる点です。

二つ目のメリットでお伝えした通り、SNSの拡散により4大マスメディアに取り上げられることもあります。

4大マスメディアに取り上げられた場合、新たな情報を得られる絶好のチャンスです。

ペルソナ像とは違うターゲットにハマる可能性もあり、その場合新たなペルソナ像に向けて情報発信し、取りこぼしを防ぐためにアプローチの仕方を変える必要もでてきます。

従来の広報活動とDX化を上手く活用することで、相乗効果が得られる可能性が高くなり、会社の発展に影響してくることでしょう。

そのためには新しい情報を入手しやすい環境を整えることも重要になってきます。

|広報活動のDX事例

ここでは、広報活動のDX事例を3つご紹介します。

どの企業もSNSを上手く活用して、宣伝効果を高めていますので、ぜひ参考になさってください。

カルバン・クライン

出典:https://japan.calvinklein.com/

アメリカを代表するファッションブランドの「カルバン・クライン」では、SNSを活用した取り組みを行っています。

商品のPR活動の試みの一つとして、インフルエンサーを起用して世界規模でハッシュタグを使ったキャンペーンを行いました。

そして、世界各地のマスメディアがこの話題を取り上げ、大規模な商品のPRに成功したのです。

ブランディングに当てはまるインフルエンサーを活用することで、SNSで爆発的な宣伝効果をもたらします。

良い商品であることは大前提ですが、従来の広報活動のままではそこまでの拡散力はありませんので、インフルエンサーとSNSを上手く活用した例といえるでしょう。

スターバックスコーヒージャパン

出典:https://www.starbucks.co.jp/company/summary/

世界最大のコーヒーチェーン店である「スターバックスコーヒー」は、テレビCMを一切行わない代わりに、SNSをフル活用して広告費を削減しています。

SNSを活用してキャンペーンを行うのはもちろんのこと、アプリを活用してオーダーと支払いをアプリ上で完結させ店舗で並ばずに買えるサービスを提供しています。

スターバックスでは、顧客一人一人の好みを分析してその人に合った商品を提案できることやおすすめ機能の拡充に力を入れているようです。

スターバックスジャパンでは、お客様の顧客体験の価値を高めることを目的として、カスタマー重視のデジタル戦略を作ることを大事にしています。

大塚製薬

出典:https://www.otsuka.co.jp/

医薬品や食料品の製造・販売を行っている「大塚製薬」では、SNSを絡めてユーザーを巻き込み、上手く拡散につなげることに成功しました。

大塚製薬の商品であるオロナミンCの動画を制作するにあたり、Twitterユーザーに素材としてムービーや画像、音などを募集しました。

応募方法はTwitterで特定のハッシュタグで素材となるデータとともに投稿してもらいます。

ハッシュタグを活用することで、素材が集まるだけでなく、拡散にもつながるため、かなり有効的な方法です

応募したユーザーは自分や身近な人の素材が使われていないか、完成した動画をチェックするためCMを見てさらに、商品の宣伝にもつながります。

|まとめ

いかがでしょうか。

従来の広報活動では4大マスメディアを中心に行われてきましたが、時代の流れに合わせて広報活動の方法も変化させていかなければいけません。

その時代に合わせた広報活動がデジタルとSNSを活用したDXであることを、この記事を通じてご理解を深めていただけたと思います。

従来の広報活動と比べて、コストパフォーマンスが良く、安価でツールを導入できたり、SNSと絡めた施策を打ち出すことで二次波及が見込めたり、メリットが大きいことが特徴です。

そして、話題性が高まりマスメディアに取り上げられることで、さらなる宣伝効果をもたらします。

このように参入障壁が低いことをご理解していただけたと思います。

ぜひこの機会に広報活動のDX化に力を入れてみてはいかがでしょうか。