XR(VR・AR・MR)を活用したコンテンツやアプリケーションが急速に増え、ドラえもんに登場するような「近未来」を実現できる技術として注目されています。
特に相性が良いとされるエンターテイメントの活用例が多くなっていますが、日本はもちろん海外の活用事例をはじめ、エンタメ×XRが今後さらにどのような進化を遂げていくのかをご紹介します。
目次
|日本のXR×エンタメ事例
日本のXR×エンタメは、子ども向けコンテンツから事業で用いられるものまでとてもバリエーション豊富です。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、2020年は仕事や遊びなどさまざまな部分でオンライン化が進みましたが、そこに相性の良いXRが掛け合わさったことで多くのコンテンツが生まれました。
「リアル謎解きゲーム」でXRが身近に
人気スマホゲームアプリ「コンパス」とAR(拡張現実)を掛け合わせた、謎解きゲームです。
渋谷の街を舞台に、さまざまな謎をスマートフォンで読み取って解決していき、ゲームアプリ内で使える限定アイテムをゲットする流れです。
コンパスはもともとゲーム内でAR技術が用いられており、現実世界にゲームのステージを投影できる「ARリプレイ」機能が搭載されているのが特徴です。
「コンパスAR謎解き Mystery of Mirage Message」は、その世界観を活かしたリアル謎解きゲームとして注目されています。
出典:https://pretiaar.com/games/6/
スポーツ観戦の新たなスタイルに
VR技術はゲームやライブなどによく導入されていますが、コロナ禍の影響を強く受けている「スポーツ観戦」にも取り入れられています。
広島県は、県内にあるスポーツプロチーム、カープ(野球)・サンフレッチェ(サッカー)・ドラゴンフライズ(バスケットボール)について、VR技術を取り入れた新しい観戦スタイルを提案しました。
出典:https://www.yomiuri.co.jp/local/hiroshima/news/20201216-OYTNT50128/
声援や応援歌が禁止、球場・スタジアムへの入場制限やファン同士の交流も難しくなっていることから、自身のアバターを用いVR空間でやり取りができると言います。
練習場面の放映やアバター用グッズの販売なども行われ、スポーツファン同士の交流を図れるほか、コロナ禍の影響を大きく受けたチームにとって、新しい収入源になると期待されています。
「VR旅行」はコロナ禍の貴重なエンターテイメント
「エンターテイメント」と言うと遊びを強くイメージしますが、中には学校教育に関わることも。
2020年は修学旅行を断念した学校が多く、クラスメイトとの旅行を楽しみにしていた学生にとってつらい年になりました。
そこで、VR技術を用いて旅行や宿泊を行う「バーチャル修学旅行」を取り入れ、現地に行かなくても安全かつ楽しく旅行気分になれる試みが増えています。
出典:https://www.asahi.com/articles/ASNCT7TTGNCSUOOB004.html
同じように、コロナウイルスの影響で旅行を断念した人や、高齢のため思うように移動できない高齢者に向けたVR旅行サービスが人気を集めており、今後さらに続くコロナ禍で貴重なエンターテイメントになることは間違いないでしょう。
|海外のXR×エンタメ事例
海外のXR市場(AR・VR)の成長スピードは特に著しく、東レ経営研究所の調査によると2018年から2023年にかけての市場予測は78.3%プラスになるといいます。
出典:https://is.gd/VM3WFa
その内容として挙げられるのが、スマートフォンなどの携帯端末とVR・AR技術の掛け合わせや、バーチャルユーチューバー(VTuber)などです。
特にVTuberは、日本のアニメが世界各地で好まれることもあって広がりを見せています。
VR・AR技術をホログラムと掛け合わせたり、コンテンツとして配信したりするための開発も進められていて、今後さらにどのような試みが登場するのか期待が寄せられています。
出典:https://www.ivs.events/article/holotch
|難しいイメージのXRをエンタメでもっと身近なものに
エンターテイメントとXRは非常に相性が良く、すでに日本でも人気ゲームとXR技術の掛け合わせが進んでいます。
特に「ポケモンGO」や「ドラゴンクエストウォーク」「マインクラフトアース」など、世界的な人気タイトルがAR技術を導入したことで一般ユーザーにも一気に注目されました。
XR(AR・VR・MR)という言葉のイメージから、難しそう・理解できないと敬遠される場合もありますが、まずはユーザーに楽しさを実感してもらえるコンテンツを先出しすることで、XR×エンタメはより身近に感じてもらえるでしょう。