昨今の新型コロナウイルスの影響により、多くのビジネスが一気にオンライン化し、その傾向は現在も加速しています。
「バーチャル空間」の活用の幅は広く、音楽ライブや、オフィス、展示会など、コロナ渦で変化した人々の生活スタイルに合わせて、バーチャル空間へ活動場所を移行しています。
今回は、バーチャル空間をビジネス活用したいと考えている方向けに、バーチャル展示会のメリットや、開催事例、おすすめのプラットフォーム10選をご紹介します!
目次
┃バーチャル展示会とは?
バーチャル展示会とは、オンライン上に作られた仮想空間内で開催する展示会のことです。
3D画像、VR映像を使用し、リアルに限りなく近い状態で商品やサービスのアピールができます。
実際の展示会同様、名刺交換に加えて、会話やチャット機能を上手く活用して商談や講演会を行うことが可能です。
移動時間や天候に左右されることもなく、いつでも開催できるのも魅力のひとつです。
オンライン上で開催されるため、スマートフォンやPCといったマルチデバイスとインターネット環境さえあれば、どこからでも参加できる手軽さから、多くの来客を見込めるかもしれません。
実際の会場を借りる必要がないので、コスト削減に繋がるなどのメリットもあります。
これらの利便性から、多くの企業がバーチャル展示会に取り組んでいます。
最近では、オフライン展示会とバーチャル展示会を融合したハイブリッド形式で行われることも増えており、開催方法の多様化が注目されています。
ここからは、バーチャル展示会のメリット、デメリットをそれぞれ解説していきます。
┃バーチャル展示会を行うメリット
メリット①オフラインの展示会よりもコストが低い
実際に展示会を開催するとなると主催者は、会場の使用料や、会場装飾費用、更にはパンフレットなどの印刷費用が必要になってきますが、
バーチャル展示会ではそれらのコストを大幅にカットできるため、
開催形式や規模にもよりますが、オフライン展示会に比べると、開催コストは抑えられる傾向にあります。
さらに来場者にとっても、会場までの交通費を抑えることができます。
メリット②時間や場所、天候などに左右されない
バーチャル展示会は、オンライン上の仮想空間内で開催されるため、物理的な場所の制約を受けません。
来場者は日本全国、世界中どこからでもインターネット環境さえあれば手軽に参加できるのが大きなメリットです。
実際の展示会の場合は、遠方からの集客はなかなか難しく、限られた範囲で集客のターゲットを絞る必要がありますが、バーチャル展示会なら日本全国から集客が見込めます。
さらに、大雨や台風などの悪天候による交通遅延の影響も一切受けずに、展示会を実施することが可能になります。
メリット③正確で精度高いユーザーデータを蓄積できる
バーチャル展示会は、申込みから参加、離脱まですべての行動をオンライン上でデータとして取得できるため、より正確かつ精度高くユーザーの行動が分析・管理することができます。
例えば、各ブースの来場者数はもちろん、滞在時間や年齢、性別などのデータを計測したり、コンテンツの閲覧回数や、視聴時間を細かくデータ収集することで、今後のマーケティングに有効活用できます。
また、実際の展示会では手書きのアンケートなどを使用するケースも多いですが、これらをオンライン上で完結することでアナログな作業は不要になります。
┃バーチャル展示会を行うデメリット
デメリット①サイトやシステムの構築・整備が大変
オフライン展示会のように物理的な準備は不要な一方で、申し込みサイトや会場のシステム構築が必要になります。
受付からはじまり、配置する講演会や動画、チャット相談機能や各ブースにコンテンツを用意しなければなりません。
来場者と運営スタッフの区別をつけるためのアバターも必要になるでしょう。
これらすべてを自社で行う場合は、多くの工数が発生します。
また、はじめて実施するとなると、実際の展示会とはノウハウが異なるため準備に相当な時間がかかります。
制作会社に依頼する場合も打ち合わせ時間が必要なうえ、ある程度費用がかさむと見込んでおいた方がいいでしょう。
デメリット②イベントとしての一体感が生まれづらい
バーチャル展示会ならではの演出はできる一方で、オフライン展示会ならではの会場雰囲気や、ブース毎に異なる人々の熱気、移動時間も含めてひとつのイベントとして捉えた場合の一体感は、薄れてしまう傾向にあります。
わざわざ足を運んで参加する、というオフラインならではの行動は、時にはデメリットにもなりますが、特別感を演出する材料でもあるでしょう。
デメリット③プッシュ型の営業活動は難しい
リアルな展示会では、ブース前でビラを配ったり通りかかったお客さんに対して声掛けをして自社製品のアピールをすることができますが、
バーチャル展示会ではそのようなプッシュ型の営業スタイルが難しいため、潜在顧客へのアピールができません。
集客の段階でしっかりとターゲット選定を行う必要があるでしょう。
また、バーチャル展示会では自分の分身として、アバターが会場内を動き回るため、実際に相手の顔色を見ながら営業をすることができません。
アバターの手首を振ったり、拍手をするなどの「モーション機能」を上手く活用することは、円滑なコミュニケーションのポイントとなるでしょう。
┃バーチャル展示会の費用はどのくらいかかる?
ここからは、実際にバーチャル展示会に出展する際の費用をご紹介します。
出展にかかる費用の大きな内訳として、出展料とブースのコンテンツ制作料があります。
また、開催規模や出展形式により費用は異なりますので、相場イメージを掴んでおきましょう。
シンプルなブースにすれば、10~30万円で出展ができます。
ただし、この価格ではオンライン展示会で実現できることに制限がある可能性が高いです。
例えば、出展ブースでの講演会の実施や、チャット商談機能などはオプション扱いになるケースが多く、同じ展示会でもコンテンツ内容によっては、1,000万円以上の差が生まれる場合もあります。
費用を抑えるポイントとして、あらかじめ自社にとって必要なコンテンツの洗い出しと選択が必要になるでしょう。
┃バーチャル展示会(オンライン展示会)の事例
では、実際の展示会事例をご紹介します。
バーチャル展示会(オンライン展示会)の開催を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
シチズンマシナリー
シチズンマシナリーは、コロナ禍以降、バーチャル空間を用いて展示会を実施しています。
イベント管理ツール「Event Hub」を利用し、自社開催型のバーチャル展示会を開催しました。
イベント当日は動画を活用、その後アーカイブ配信を行うなど当日の参加者以外にも、コンテンツを拡散できるような仕組みをオンライン展示会で展開しました。
ネットショップ強化 EXPO ONLINE
合同会社DMM.comは、2022年1月、ECビジネスに関わる経営者、責任者、担当者向けに、「ネットショップ強化 EXPO ONLINE」を開催しました。
このイベントでは、サイト構築、販売戦略、決済、顧客対応など、EC事業をサポートする企業が出展しました。
┃バーチャル展示会のプラットフォームとは?
バーチャル展示会のプラットフォームとは、これまでご紹介したバーチャル展示会を開催するためのソフトやサービスのことです。
費用や機能はサービスにより異なりますので、自社にあったプラットフォームを探す前に、実際にバーチャル展示会でやりたいことを明確にすることが開催の第一歩となるでしょう。
┃バーチャル展示会プラットフォームのおすすめ10選
バーチャル展示会のプラットフォームの数が多すぎてわからない、ひとつひとつのサイトを除くのは面倒・・・、それぞれのサービス概要が知りたい!といった方へおすすめのプラットフォーム10選をご紹介します!
そのままシリーズ
そのままシリーズは、ソニーグループであるSoVeC社が提供する3Dメタバース型プラットフォームで、高機能なバーチャルイベントをウェブブラウザで開催できるのが特徴です。
多くのバーチャル展示会プラットフォームがアバターを動かすインタラクティブ性に注力する中、
簡単なマウス操作で快適に回遊できるようなインターフェースを採用しています。
また、出展者は展示内容を自由に更新し、来場者のデータを基にリード管理することも可能です。
セキュリティ面に関しても、ソニーグループの厳格な基準に準拠しているため、自治体イベントや大型イベント、社内イベントの展示会場としても最適です。
EventHub
出典:https://eventhub.jp/
サービスの特徴
・簡単にオンラインイベント・展示会の開催が可能
・イベント前から参加者にアピールができる機能など参加者とのコミュニケーション機能が充実
・定額費用内で何度でもイベントを開催することができる
シンプルで直感的なUIなので、参加者はもちろん出展者も迷うことなく使いやすい点も魅力です。
エアメッセ
出典:https://www.securlogic.co.jp/
バーチャル展示会がすぐに開催できるワンストップパッケージシステムが特徴です。
オンライン展示会に必要な機能を標準パッケージとして用意されている他、展示会以外にも学会など要望に対して柔軟にカスタマイズが可能な点も魅力。
展示品は、パノラマかされた立体画像を使用しているので、リアル展示会にほぼ近い感覚で、自社サービスをアピールすることができます。
ZIKU
出典:https://ziku.inc/
来場者はアバターで仮想空間内を自由自在に歩き回ったり、出展社、来場者双方からの会話が可能なので、リアル展示会のような世界観をバーチャル展示会で実現できます。
来場者のブース滞在時間や訪問履歴、資料・パネル・ビデオの閲覧履歴なども取得できるのでマーケティング目的で利用することも十分可能です。
META BOOTH
出典:https://metabooth.jp/
オンラインの特性を活かした自由度の高いバーチャル展示会を実現できるサービスです。
リアル展示会をバーチャル空間に再現するのではなく、来場者の記憶に残るよう、仮想空間ならではのビジュアルでバーチャル展示会を実施できるのが特徴です。
展示会サンプル出展元:https://metabooth.jp/sample
ネクシビ
出典:https://nexhibi.com/index.html
オンライン展示会の課題解決に向けて生まれたサービスで、オンライン展示会のパッケージ売りが特徴です。
価格帯は、150万円(税別)~で2DCG方式やパノラマ3D VS方式が選択できます。
要望に合わせて仮想空間を一からプランニングすることも可能なので、実施したいコンテンツが具体的に決まっている場合にはご相談してみても良いかもしれません。
デジ展
出典:https://www.yrk.co.jp/digten/
「受注効率の最大化」を目的としたオンライン展示会ツールです。
単純に展示会をオンライン化するのではなく、「顧客体験の最大化」を目指した臨場感のあるUI設計や、受注活動の効率化につなげるデータドリブンサポートなど様々な仕掛けが用意されています。
多くの機能は、部分的に切り出して活用することができ企業のイントラ接続も可能になっております。
meet×meet
出典:https://service.meetxmeet.com/
展示会場に入るとブースの様子が一目でわかり一気に会場雰囲気が掴めるのが最大の特徴です。
ブースに入ると、出展社の顔がわかる仕様になっており、対面商談のような安心感や気軽さもあります。
また、大規模な展示会でも、マップから探す、一覧から探す、セミナー配信一覧から探すといった自分のニーズに合わせて、目的のブースに迷うことなくたどり着けるなど利便性も備わっています。
NEUTRANS
出典:https://neutrans.space/
VR技術を活用し、展示会だけではなくあらゆるビジネスをバーチャル化するプラットフォームです。
3Dモデルを駆使し、リアルではありえないユニークな空間演出が可能となっており、さらに実際に会っているような感覚を実現しリモート環境でも一体感を生み出すことができます。
DMMオンライン展示会
出典:https://online-event.dmm.com/
DMMグループが提供するオンライン展示会のプラットフォームです。
DMM.comだからこそ可能な気配りや安心感あるサービスで、イベントを盛り上げるサポートをしてくれます。
来場者、出展者ともに無料のケースも多く、あらゆる分野の展示会を開催していますので、オンライン展示会の第一歩として、おすすめです!
V-MESSE
出典:https://content.v-messe.jp/info/index.html
長年培ってきたトータルソリューションのノウハウを活かし、
オンライン展示会に必要な機能をパッケージ化したことで
手軽にオンライン展示会を開催することができます。
リアル展示会さながらの空間演出にこだわり、
フル3DCG、360°VR設計で多種多様なブース設計が実現できます。
┃まとめ
いかがでしたでしょうか?今回の記事では、バーチャル展示会についてご紹介してきました。
あらゆるシーンでリモート活動の需要が高まる今だからこそ、バーチャル展示会は今後もニーズが高まっていくことが予想されます。
バーチャル展示会の特徴を掴むなら、まずは来場者として実際に参加してみるのが一番おすすめです。
この記事で解説してきたメリット・デメリットを、当事者としてより具体的に実感できるでしょう。
開催を検討している方は、気になったものは積極的に問い合わせをして、比較検討してみてください。