メタバースが注目を集めるきっかけとなったのは、パンデミックによる行動制限が課される中、人々は現実世界での活動の代替手段を求め、その解決策としてメタバースが急速に普及しました。

本記事では、メタバースの基本概念から、注目される理由、そしてビジネスでの具体的な活用例まで、わかりやすく解説しますので、是非最後までご覧ください。

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|メタバースとは?

メタバースとは、インターネット上に構築された仮想空間のことで、ユーザーはデジタルアバターを通じて他者と交流したり、さまざまな活動を行うことができる世界を指します。

この仮想空間では、現実の制約を超えた自由な行動が可能で、エンターテインメント、ビジネス、教育、さらには医療分野にまで広がりを見せています。

技術の進歩に伴い、メタバースは単なる仮想現実を超えて、新たな経済圏やコミュニケーションの形を生み出す場として注目されています。

メタバースの語源と意味

「メタバース」という言葉は、「メタ(meta)=超越した」という意味と、「ユニバース(universe)=宇宙」を組み合わせた造語です。

この言葉が最初に使われたのは、アメリカの作家ニール・スティーヴンスンが1992年に発表したSF小説『スノウ・クラッシュ』です。

この小説では、メタバースはユーザーが没入型の3D空間で他者と交流できる仮想世界として描かれており、その後、現実のテクノロジーがこのコンセプトを現実化させる方向へと進みました。

メタバースの歴史

メタバースの概念は、1990年代初頭に登場しましたが、特に注目されるようになったのは、2000年代初期に「セカンドライフ」という仮想空間プラットフォームがリリースされた時です。

セカンドライフは、ユーザーが仮想空間内で自由に活動できることを特徴とし、現実の経済活動を行うことも可能でした。

これにより、メタバースの可能性が広がり、その後もFacebook(現在のMeta)などの大企業がメタバースの発展に向けた技術開発や投資を加速させています。

|メタバースを支えるテクノロジー

メタバースの実現と発展には、複数の先端技術が不可欠です。

ここでは、メタバースを支える主要なテクノロジーであるVR、AR、AIについて詳しく解説します。

VR(仮想現実)

VR(Virtual Reality)は、ユーザーが仮想空間に没入し、現実のような体験をするための技術です。

VRヘッドセットを使用することで、ユーザーは360度の視覚情報を受け取り、まるで現実にいるかのような感覚を得ることができます。

この没入感は、メタバースにおいてユーザーが現実世界を忘れて自由に活動できる大きな要因となっています。

特に、エンターテインメントやゲーム、リモートワークなどの分野で、VRは仮想空間での体験を大きく変革しています。

AR(拡張現実)

AR(Augmented Reality)は、現実の風景に仮想の情報やオブジェクトを重ね合わせる技術です。

AR技術を利用することで、現実の世界を拡張し、ユーザーはリアルな環境と仮想の情報を同時に体験できます。

これにより、メタバースの一部を現実世界に引き込み、教育や医療、産業分野などでの応用が進んでいます。

例えば、現実の風景に仮想的なガイドラインを表示したり、遠隔での作業支援を行ったりすることで、効率性や利便性が向上しています。

AI(人工知能)

AI(Artificial Intelligence)は、メタバースのあらゆる側面において重要な役割を担っています。

AIは、ユーザー体験のパーソナライズ、仮想空間内のインタラクション、そしてメタバース全体の自動化に貢献しています。

例えば、AIを活用して仮想空間内でのNPC(ノンプレイヤーキャラクター)の行動をリアルにシミュレートしたり、ユーザーの行動データをもとにコンテンツを最適化することが可能です。

また、AIチャットボットは、仮想空間内でのカスタマーサポートや教育的な対話においても活躍しています。

|メタバースのメリット・デメリット

メタバースには様々なメリットがある一方で、いくつかの課題も存在します。

主なメリットとデメリットを以下に解説します。

メリット

  1. 物理的制約からの解放
    メタバースでは、現実世界の物理的な制約を受けずに活動できます。例えば、遠方のイベントへの参加や、普段は入りづらい高級店舗での買い物体験など、場所や距離の制約なく様々な体験ができます。
  2. リアルなコミュニケーション
    アバターを介したコミュニケーションにより、テキストや音声だけでなく、より豊かな感情表現や没入感のある対話が可能になります。これにより、オンラインでありながら現実に近いコミュニケーションを実現できます。
  3. 新たな経済圏の創出
    メタバース内での経済活動が可能となり、デジタル資産の売買やNFTを活用した取引など、新たな経済圏が生まれる可能性があります。これにより、新しいビジネスモデルや職業が創出される可能性があります。
  4. ハンディキャップの克服
    病気や障害により行動が制限されている人でも、メタバース内では自由に活動できます。これにより、教育や就労の機会が広がり、社会参加の可能性が高まります。
  5. 現実では不可能な体験の実現
    3DCGによって構築されたメタバース空間では、現実世界では物理的に不可能な演出や体験を提供できます。これにより、エンターテインメントや教育など様々な分野で新しい可能性が広がります。

デメリット

  1. 依存性のリスク
    メタバースの魅力的な体験により、過度の依存や現実世界との乖離が生じる可能性があります。特に若年層においては、依存のリスクがさらに高まる可能性があります。
  2. セキュリティの脆弱性
    個人情報や資産データがサーバーに保管されるため、サイバー攻撃のリスクがあります。アカウント乗っ取りや詐欺行為など、セキュリティ上の課題が存在します。
  3. 法整備の遅れ
    メタバース上での所有権や犯罪に対する法的な対応が不十分な状況です。現行法では対応できない新たな問題が発生する可能性があります。
  4. プライバシーの懸念
    メタバース内での行動データや個人情報の収集・利用に関するプライバシーの問題があります。データの取り扱いに関する透明性や同意の在り方が課題となっています。
  5. 技術的な課題
    高品質なメタバース体験を実現するためには、高速な通信環境や高性能なデバイスが必要です。これらの技術的要件が、メタバースの普及を妨げる可能性があります。

|メタバースが注目される背景

メタバースが近年急速に注目を集めている背景には、いくつかの重要な要因があります。

まず、テクノロジーの進化が挙げられます。

インターネットの高速化や通信技術の向上により、大規模な仮想空間をリアルタイムで共有できるようになり、VRやAR技術の進化によって、より没入感のある体験が可能になりました。

特に、軽量化されたVRデバイスは一般家庭でも手軽に利用できるようになっています。

次に、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の影響が大きいです。

外出制限や社会的距離の確保が求められる中、オンラインでのコミュニケーションやイベント開催の需要が急増し、テレワーク環境へのニーズも高まりました。

このような状況下で、リアルに近い体験を求める声が強まり、メタバースがその解決策として浮上しました。

さらに、大手企業の本格参入も注目度を高める要因です。

Facebookが「Meta」と社名変更し、メタバース事業に巨額の投資を行うと発表したことは、その象徴的な動きです。

他にもAppleやMicrosoftなどがメタバース関連技術の開発を加速させており、新たな経済圏への期待も高まっています。

このような要因が相互に作用し合い、メタバースは現実的なビジネスや生活の場として急速に進化しています。

|メタバースのビジネス活用例

メタバースは様々な業界で活用され始めており、新たなビジネスチャンスを生み出しています。

以下に、注目すべき具体的な活用事例を紹介します。

小売業:バーチャルストアの展開

大手百貨店や小売チェーンがメタバース上にバーチャルストアをオープンしています。

これらの仮想店舗では、ユーザーはアバターを通じて店内を自由に歩き回り、商品を閲覧したり購入したりすることができます。

また、仮想店員からの接客サービスを受けることも可能で、リアルな買い物体験を提供しています。

製造業:設計・開発プロセスの効率化

自動車メーカーや建設会社などが、メタバースを活用して設計・開発プロセスを効率化しています。

例えば、日産自動車はメタバース上で新車の発表会や試乗会を開催し、開発段階からユーザーの反応を確認できるようになりました。

また、奥村組はメタバース上で建設プロジェクトの設計・施工シミュレーションを行い、効率的な計画立案を実現しています。

金融業:新たな顧客体験の創出

銀行や保険会社がメタバース上に仮想店舗や相談窓口を開設し始めています。

みずほ銀行はメタバース上に店舗を開設し、決済機能の提供などを検討しています。

三井住友海上火災保険も、メタバース上にビジネス拠点を設け、新たな顧客接点の創出を目指しています。

エンターテインメント業:没入型体験の提供

スポーツチームやエンターテインメント企業が、メタバースを活用して新たな観戦・体験スタイルを提供しています。

ソフトバンクホークスは、ARを活用した新しい野球観戦スタイルを実現し、ファンエンゲージメントの向上を図っています。

観光業:バーチャルツアーの実施

旅行会社や観光地がメタバースを活用したバーチャルツアーを提供し始めています。

ANAはバーチャル旅行プラットフォームの設立を目指しており、実際の旅行の前に目的地を仮想体験できるサービスの展開を検討しています。

また、国土交通省もメタバースを活用したバスツアーを実施し、新たな観光促進策を模索しています。

|まとめ

メタバースは、仮想空間での新たな体験を可能にする次世代のインターネットとして、急速に発展しています。

VRやAR、AIなどのテクノロジーを活用し、リアルな生活とは異なる自由な世界を提供することで、エンターテインメントやビジネスの領域でさまざまな可能性を広げています。

また、企業にとっては新しい収益機会を提供し、バーチャルイベントやショッピング、デジタル不動産、NFTなどを通じて、これまでにない形での顧客接点を生み出しています。

今後も注目が集まる分野であり、私たちの日常生活やビジネスに大きな影響を与えることが期待されます。

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