本記事では、Meta(旧Facebook)が目指すメタバースの世界についてや、メタバースの将来性について詳しく解説していきます。
・メタバースとは?
・「Meta」旧Facebookとは?
・どうして「Meta」旧Facebookはメタバースに投資するのか
などなどの「Meta」に対する疑問を解決させていただきます。
本記事を読めば、旧Facebook「Meta」の投資理由からメタバースの現在と予想される今後を把握できるようになりますので、是非最後までご覧ください。
目次
|メタバースとは?
メタバースという言葉はこの頃テレビでも耳にする機会が増えた方もいるのではないでしょうか?
そもそもメタバースとは、インターネット上に作られた仮想空間のことを指します。
語源は「メタ」超越する、と「ユニバース」世界、が合体して作られた言葉です。
直訳するとメタバースは「超越した世界」を指す言葉となります。
ここでの「世界」は「現実世界」を意味するので、
メタバースは「現実世界を超越する=仮想空間」となります。
大きな特徴として、多人数が同じ仮想空間内に入り、
その中ではアバターと呼ばれるもう一人の自分を操作しながら、
空間内を自由に行動することが可能です。
メタバースの世界では、従来のゲームとは異なり、
アバター行動の制約が無く、基本的には現実世界同様、自由に動くことができます。
アバターの行動に制約が無いことから、ゲームやファンイベントなどの娯楽はもちろん、展示会やオフィスなどのビジネス利用などが考えられ、様々な可能性が広がっています。
また、VR(仮想現実)やAR(各超現実)などの技術を活用することで、メタバース上にあたかも自分がいるような感覚を共有することも可能です。
|「Meta」旧Facebookとは?
メタバースと聞いたときに「Meta」旧Facebookと関連付ける方も多いのではないでしょうか。
ビジネスとしてメタバースを理解するためには「Meta」の情報を正しく理解する必要があります。
ここからは「Meta」の概要と現在をご紹介します。
「Meta」旧Facebookの概要
「Meta」の元の社名となっているFacebookは、世界で26億人、
国内では2,600万人もの月間アクティブユーザーを抱えている
世界一のSNS です。
2004年にサービスが開始され、SNSの先駆けとなりました。
Facebookページは、テキスト、リンク、画像、動画など、どんなフォーマットにも対応しています。
国内ではビジネスパーソンに幅広く使われており、比較的フォーマルな場とみられています。
Facebookの強みは、実名制で年齢・性別・居住地などの属性情報がストックされているので、
精度の高い広告ターゲティングができることにあり、
そのためFacebookはビジネスシーンで多く活用されています。
企業としても巨大で、Googleにも劣らないほどの世界最大のデジタル広告主の1つとして君臨しています。
売上の面では年々収益を伸ばしており、
直近を見ると2018年は558億ドル、
2019年は707億ドルへ増加しました。
売上のほとんどは広告収入によるものです。
またFacebookは将来ライバルになりそうな企業を排除するために、
積極的に買収してきた背景があります。
「Meta」旧Facebookの現在
Facebookは仮想空間「メタバース」に総額100億ドル投資すると発表し、
手始めとしてビジネス会議用ソフト「Horizon Workrooms」を公開しました。
このソフトはチームがつながってコラボレーションを行い、
アイデアを発展させるためのVR空間を売りにしています。
近年では、元社員の内部告発によりFacebookが利用者の精神的健康に害悪を与える危険性を認知していながら、
運営を行っていると明らかになりました。
メタバースに注力することを前提に、
2021年10月社名を「Meta」に変更しましたが
前述したネガティブなイメージを刷新するためではとの見方もあります。
|どうして「Meta」旧Facebookはメタバースに投資するのか
イメージを刷新するために方向転換が必要だったことはわかりました。
ではなぜ数ある事業のなかでも、わざわざメタバースに投資することを選んだのでしょうか。
ここからはメタバースに投資した理由についてお話していきます。
・新たな収益源のため
Facebookはユーザーが30億人ほどいますが、その収益の98%が広告収益となっています。
この収益を可能にしているのがFacebook広告です。
Facebook広告とは、Facebook独自の高精度なターゲティング機能と、配信最適化機能を兼ね備えたFacebookの広告配信プラットフォームです。
Facebookのさまざまな強みを基盤とした機能を駆使することにより、高いターゲティング精度やリーチ数の多さが特徴となります。
しかし、広告だけでは、ビジネスを多角化しているとは言えず、
さらに30億人が既に利用しているので、今後の伸びしろが期待できません。
結果的に広告収益以外の新しい収益源を探らないといけないことが、今後の課題となっていました。
そこで広告収入だけではない、新たな収益源を獲得するためにメタバースに投資しました。
すでに30億人も登録しているFacebookアカウントで「メタバース」の空間に入れば、
そこでできることはたくさんあるのではないか、というのが、「Meta」の考え方ではないでしょうか。
・会社のイメージ挽回のため
前述の通り、ネガティブな会社イメージを刷新するために、メタバースに投資しました。
ではなぜ、メタバースを投資先に選んだのでしょうか。
Facebookの年代別利用数をみるとメインユーザーは30〜50代が多く、
他のSNSと比べて年齢層が高いことがわかります。
私の周りの若い人たち(20前半~)もFacebookを利用している人は少なく、
Instagramを主に利用するユーザーが多いです。
他にもTikTokやSnapchatが若年層がメインで使っているSNSとなっています。
ネットの世界だからこそ、流行りの移り変わりが激しく、ユーザーの世代交代の流れも速いです。
そこでメタバースを通した新たなサービスで若いユーザーを呼び戻す狙いがあると思われます。
メタバースはWeb3とコロナの影響で爆発的に普及した言葉です。
新しい分野として、今後若い世代に興味を抱かせるものになる期待も込められていると思います。
・メタバース事業の牽引
ここからはメタバース事業に投資した最も大きな理由を説明します。
「Meta」旧Facebookはメタバースを次世代のインターネットと考えています。
そこでメタバースを今後のデジタル経済で大きなシェアを占めるものになると見込み、
メタバースに巨額の投資をしました。これが最大の理由となります。
今後「Meta」旧Facebookはメタバース企業としての認知を図っていくでしょう。
また、大手他社は仮想現実商品化に苦戦している背景があります。
ここからは、競合会社のメタバースに対する取り組みを紹介していきます。
Googleはメタバースに関する具体的な言及はないものの、
関連トピックスとして挙げられるのが、スマートグラス企業Northの買収です。
一部の関連製品は業務用として市場に投入済みです。
Microsoftはコロナ禍で利用機会が増えた同社のリモートワーク・コラボレーションツール「Teams」のメタバース対応を発表。
Horizon Workroomsと同様に、アバター同士でリアルに近いビジネスコミュニケーションを図れることになりそうです。
|「Meta」旧Facebookがメタバースに注力する際の懸念
メタバースに注力することのメリットなどはよく耳にしますが、デメリットはあるのでしょうか。
最後にメタバースへ注力する際のメリットや懸念についてご説明します。
・プライバシーの侵害
旧Facebookの戦略としてパーソナライズされた広告配信をメインとしています。
ザッカーバーグ氏は「広告は、当社の運営するソーシャルメディア部門の戦略の重要部分であり続ける。メタバースでの収益の柱も、おそらくこの部分になるだろう」と述べています。
しかし、パーソナライズされた広告配信はプライバシー侵害の問題をはらんでおり、現在まだ解決されていません。
今抱えている問題を解決しないまま、より多くの個人データの提供が要求されるメタバースの世界でも、
パーソナライズされた広告配信をすると、データの悪用や誤情報の流布などの問題がいっそう深刻化することが懸念されます。
|まとめ
Facebookについた悪いイメージを刷新するため、
社名を「Meta」に変え、次世代のインターネットだと考えメタバースに投資しました。
良くも悪くもこれを機にFacebookは新たなビジネスを築き上げ、
改めて成長を遂げていくのではないかとも考えられます。
さまざまな動きをみせる「meta」は今後も注目を集め続けることでしょう。