「メタバース」とは、「Meta(高次元の)+ universe(銀河系) = Metaverse(高次の別世界)」という意味で用いられ、インターネット上に構築された3DCGの仮想空間のことです。

近年、日本の音楽ライブやゲームなどのエンタメ業界にて多数活用されていたり、アメリカのFacebook社が社名を「メタ・プラットフォームズ」に変更したことでも、メタバースは世界的に注目を集めている技術の1つですよね。

ですが、メタバースという名前は知っているけど、具体的な詳細については知らないという方が多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、「メタバースを活用した新しいエンタメ業界」に焦点を当て、以下の点を詳しく解説します。

 

メタバースとは何か?

・メタバースでできること

・エンタメ業界のメタバース活用事例

・メタバース内でのイベントやライブ

メタバースに興味・関心があり、エンタメ業界のメタバースによる発展が気になる方は、ぜひご一読ください。

 

 

|メタバースとは?

「メタバース」とは、「Meta(高次元の)+ universe(銀河系) = Metaverse(高次の別世界)」という意味で用いられ、インターネット上に構築された3DCGの仮想空間のことです。

ユーザーは、メタバース内で自身のアバター(仮想空間上の自分)を操作し、他のユーザーと交流したり、ショッピングしたりと別世界での生活を楽しめます。

このメタバースという技術の発展・普及に伴い、現代ビジネスやエンタメ業界では、世界的な経済発展をもたらすと期待されています。

なおメタバース内では、NFT(非代替性トークン)が多用されます。

メタバースを語る上で必須の知識になるため、以下の記事も合わせてご覧ください。

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|メタバースでできること

ここでは、メタバースでできることについて4点解説します。

 

・ゲームの利用

メタバースの世界には、VR/ARを活用した現実に近い感覚でプレイできるゲームが存在します。

VRとは、「Virtual Reality」の略称で、人工現実感や仮想現実と訳されます。

VR技術を活用すれば、メタバース上で限りなく現実世界に近い実体験ができるようになります。

またARとは、「Augmented Reality」の略称で、現実を仮想的に拡張する技術のことです。

近年では、AR技術が活用された現実世界にバーチャル映像を重ねる「拡張現実」を使ったゲームが多数存在しています。

 

 

 VRAR
概要人工現実感や仮想現実現実世界にバーチャル映像を重ねた拡張現実(現実世界とバーチャル映像の融合)
活用ゲーム例・ソードアート・オンラインVR

・初音ミクVR

・The Walking Dead: Saints & Sinners

・ポケモンGO

・ドラゴンクエストウォーク

・アングリーバード

 

・バーチャルライブ

近年では、メタバース技術を活用したバーチャルライブが注目を集めています。

 

例えば、2019年の「フジロックフェスティバル」では、直接会場に来場できなかった人も、メタバースを通じてライブ体験を共有できるよう試みられました。

 

また人気バンド「RADWIMPS」は2020年12月と2021年7月の2度、映像を通じたバーチャルライブを実施しました。

 

さらに、バーチャルライブプラットフォームを提供する「Wave」は、約43億円の資金調達に成功したと発表しており、今後バーチャルライブの市場拡大が予想されます。

 

・ビジネス利用

メタバース技術は、ビジネスにも役立てられています。

例えば、企業のリモート会議です。

従来のリモート会議では、社員やスタッフが同じ場所にいる感覚が薄かったり、参加者の表情や雰囲気を掴みにくいなどの問題点がありました。

しかし、メタバース上の仮想空間では、現実世界での表情や動作を表現できるだけでなく、空間再現技術で対面に限りなく近い感覚でリモート会議が可能です。

また、VRヘッドセットを活用すれば、目の前にパソコンを置きボードに図を描くなど意思疎通が図れたり、内容をホワイトボードに書き込むような共同作業も行えます。

さらに、時間や場所を問わず、会議に参加できるため、会社に直接出社しなくてもできることが増えたり、地方のビジネスチャンスが増えたりすると期待されています。

 

 

・Eコマース・サービス提供の場を提供

メタバース上に、Eコマースやサービスを提供する場所を作ることで、仮想空間でのマーケ・販売活動が可能になりました。

具体例としては、2021年12月に実施された「バーチャルマーケット2021」です。

ここでは、衣類や雑貨のセレクトショップ「BEAMS」のスタッフがアバターを使用した接客を行いました。

ユーザーとは、ヘッドフォンやマイクを通して肉声で会話したり、コントローラーでアバターを操作したりとリアルタイムに近い接客がされました。

「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」では、バーチャルイベントプラットフォーム「cluster」アプリから、スマートフォン・PC・VRゴーグルで利用することで、自宅にいながらも、まるで自分が渋谷の街を歩いているかのような体感を得られます。

さらに、仮想都市のコミュニケーションプラットフォーム・スマホアプリ「REV WORLDS」を利用すれば、仮想空間の街(例えば新宿)を散策することが可能です。

そこで出会った友人とチャットで繋がれたり、ショッピングモールに入れば買い物もできます。

 

 

|エンタメ業界のメタバース活用事例

ここでは、エンタメ業界のメタバース活用事例について解説します。

 

・ファングッズ

皆さんは、デジタルファングッズを購入したことはありますか。

 

例えば、キャラクターのLINEスタンプやスマホ壁紙、スマホゲームの課金コンテンツなどがまさにそれです。

 

この仕組みを支えているのが、NFTという技術です。

NFTとは、Non-Fungible Token (非代替性トークン)の略で、ブロックチェーン技術を活用することで、アートやゲーム内のアイテムといった資産に作者や所有者の情報を追記することができるデジタル資産のことを指します。

 

NFTの技術によって、「デジタル上でモノを売買する」ことが可能になったのです。

 

今やデジタルファングッズは、メタバース生活でのアイデンティティとなり、新しい「推し活」の形となりつつあるでしょう。

 

なおメタバースとNFTの関連性については以下の記事をご覧ください。

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|メタバース内でのイベント・音楽ライブ

ここでは、メタバースを活用したイベントや音楽ライブについてご紹介します。

 

・有名アーティストの音楽ライブ

トラヴィス・スコットは、記録的となったゲーム「フォートナイト」でのバーチャルライブで実際のライブ以上の売上があったことを明らかにしています。

米『フォーブス』誌の報道によると、4月に開催された9分間のバーチャルライブにて、マーチャンダイズの販売も含めて2000万ドル(約21億円)の売上があったようです。

また世界的有名アーティストのジャスティン・ビーバーもバーチャルプラットフォーム「Wave」にて、バーチャルライブ「Justin Bieber – An Interactive Virtual Experience」を実施し、メタバースの将来性を証明しました。

 

・サッカー日本代表応援イベント

渋谷区公認プラットフォーム「バーチャル渋谷」内の特別ステージで応援イベントが実施されました。

「AFCアジア予選-Road to Qatar」をメタバースパブリックビューイングで観戦するという、サッカー日本代表応援イベントが大反響で、ハーフタイムにはなんとゲストと一緒に記念撮影もできたようです。

バーチャル渋谷の参加には「cluster」アプリが必要でしたが、アプリさえダウンロードすれば、誰でも無料で参加できました。

 

 

・エイベックスランド

エイベックス・テクノロジーズは2022年2月28日、The Sandboxとパートナーシップ体制を構築し、アーティストとファンが仮想空間上で交流できるテーマパーク「エイベックスランド(仮称)」を2022年中にオープンすると発表しました。

NFTやメタバース領域におけるグローバルな知的財産戦略の拡大を目指し、アーティストの配信ライブやファンミーティングの実施、NFTアイテムの販売などが検討されています。

 

 

・RED° TOKYO TOWER

日本最大規模のeスポーツパーク「RED° TOKYO TOWER」が2022年4月20日に誕生しました。

最新のゲームタイトルで遊んだり、イベントに参加したりと「異次元のエンタメ体験」が叶う空間が魅力的です。

目玉コンテンツの1つに「RED° TOKYO TOWER SKY STUDIUM」があります。

これは、リアルイベントとXR映像配信(現実世界と仮想世界を融合することで、現実にはない体験を知覚できる技術の総称)を行う、日本初のハイブリッド型アリーナです。

大型4面LEDパネルとリアルタイムで3DCG映像を合成できる最先端のXR映像システムを常設しており、メタバース(仮想空間)とも連動しています。

 

|まとめ

今回は、メタバースに興味・関心があり、エンタメ業界のメタバースによる発展が気になる人に向けて、エンタメ業界におけるメタバースについて解説しました。

メタバースは、エンタメ業界を筆頭に活用されており、ビジネスでも導入が始まっています。

さまざまな企業がメタバースの導入に力を入れ始めたことで、今後市場が盛り上がる可能性は高いでしょう。

今後メタバースがどのような進化を遂げるのか、ぜひ注目してみてください。